【猫の病気】皮膚の様子がおかしい!よくある症状&原因と対処法

【猫の病気】皮膚の様子がおかしい!よくある症状&原因と対処法

大切な飼い猫の皮膚に異変があらわれたとき、「何か病気では?」ととても心配になってしまいますよね。皮膚の疾患というのは目で見て明らかにわかる症状が多いため、動物病院を訪れる理由として最も多いと言われています。今回は、皮膚の状態からわかる猫の病気の種類、その原因や対処法について、動物病院サプリ編集部がお届けします。

この記事の監修医師
佐藤獣医師 (都内動物病院勤務)

いつもと違う!皮膚の症状5つ

普段は厚い毛で覆われている猫の皮膚ですが、実は人間の皮膚よりも薄くデリケートなのです。アレルギーや寄生虫などによる皮膚炎が発生することも多く、かゆみなどの症状により猫の生活の質が大きく損なわれてしまうことも。もしあなたの猫に以下のような症状があれば、それは何かの皮膚疾患やトラブルのサインかもしれません。

かゆがる

猫が体の同じ箇所をなめたり、ひっかいたりする場合は、かゆみを感じていることがあります。猫は独特のざらざらした舌を持っていますから、なめることで皮膚の表面が荒れて、症状が悪化してしまうことも。

毛が抜ける

皮膚の病気によっては、脱毛を起こして皮膚が露出します。かゆみがある場合は、同じ場所をこすり続けたりなめ続けたりした結果、毛がなくなってしまう場合もあります。

フケやかさぶたがある

寄生虫などの病気のためにフケが出たり、免疫の異常や掻き壊し、舐め壊しによりかさぶたができることがあります。発疹やニキビがある。

発疹やニキビがある

ブツブツとした発疹や、ニキビのようなできものができることがあります。赤みや腫れ、かゆみや痛みをともなうケースも見られます。

ただれている

皮膚がただれる症状を「びらん」と言います。ただれやかぶれがひどいと、化膿したり分泌物が出たりするため、毛が濡れることがあります。

皮膚の病気1~寄生虫性皮膚炎~

ノミやダニが猫の皮膚に寄生し、炎症が起きる寄生虫性皮膚炎。他の猫と接触したり、草むらを歩くことで感染します。くりかえし感染してしまわないためにも、駆虫薬を与えるほかに、猫が使用する部屋や寝具を清潔に保つことが重要でしょう。

ノミ刺症・ノミアレルギー症

ノミに刺された部分の皮膚炎がノミ刺症、生したノミの唾液に含まれる成分によってアレルギーを引き起こし、皮膚に炎症が出るのがノミアレルギー症です。強いかゆみや湿疹が首や背中、お尻にできるのが特徴。

対処法

アレルギー症状を緩和させる薬を投与しながら、ノミ退治のための薬も与えます。同時に猫が使うマットなど、周りのものを清潔に保つことで予防につながります。

ツメダニ症

ダニの一種であるツメダニが寄生することで発症します。背中を中心に、大量のフケや強いかゆみなどがみられます。一時的に人間にうつることもあります。

対処法

人間に感染したとしても一時的な症状が出たあと自然に治癒していきます。しかし動物の場合はツメダニが繁殖し症状がひどくなるので、殺ダニ効果のある駆虫薬を投与する必要があります。加えて飼育環境のこまめな掃除や消毒が大切です。

猫疥癬(ねこかいせん)

猫疥癬の原因となるヒゼンダニには、主に猫同士の接触やブラシなどを共用することで感染します。強いかゆみや発疹、かさぶた、フケなどの症状を引き起こし、ひどい場合には背中から四肢にまで広がっていきます。一時的に人間にうつることもあります。

対処法

疥癬に効果のある駆虫薬を投薬します。再発を防ぐため、寝具などは清潔にしてください。

皮膚の病気2~アレルギー性皮膚炎~

アレルギー症状とは、アレルゲン物質に対し、自分の免疫が過剰に反応してしまうことで起きる炎症です。アレルゲンにふれている限り再発をくりかえすので、炎症をおさめる対症療法だけではなく、可能な限りアレルギーの原因を見極め根本を絶つことが治療のカギとなります。

猫アトピー性皮膚炎

アトピーは、主に猫の顔や耳、首などに激しいかゆみや湿疹が生じる皮膚炎です。アトピー体質を持った猫が、花粉やハウスダスト、カビといった外部のアレルゲン物質に触れることで起こると言われています。

対処法

ステロイドや免疫調整薬、抗生物質などが使われます。アレルギーの原因が特定できればそれを避けたり、減感作療法がおこなわれることもあります。

食物アレルギー

何か特定の食べ物を口にした後に、皮膚に発疹やかゆみが出るのが食物アレルギーです。皮膚の症状だけでなく、嘔吐や下痢を伴う場合もあります。

対処法

アレルギーを引き起こす可能性のある原料を避ける「除去食」や、アレルギーの原因となる可能性が少ないフードを上手く取り入れていくといった療法で様子を見ましょう。

その他のアレルギー

蚊に刺されることにより鼻や耳、肉球にアレルギー性の皮膚炎があらわれることがあります。
何か特定の物質(金属やプラスチック、ゴム、カーペットなど)にさわった後、その部分に腫れやかゆみなどの炎症が起きるのが接触性アレルギーです。アレルゲンにふれた部分ならどこでも症状があらわれますが、毛の生えている部位は直接当たりづらいので炎症が起こりにくいと言われています。

対処法

原因を避けることと、炎症をおさえる薬を使用することにより治療します。真菌(カビ)やウイルス、細菌の感染により皮膚炎が生じることがあります。

皮膚の病気3~皮膚感染症~

細菌やカビによって皮膚に炎症が起こるのが細菌性皮膚炎です。こちらの多くは、始めに寄生虫やアレルギーなどの原因がひそんでおり、それらによって皮膚のバリア機能が低下したために細菌が過剰に増殖し悪化する、という二次被害的なパターンが多いと言われています。

皮膚糸状菌症

真菌(カビなどを含む)の一種である皮膚糸状菌が、猫同士の接触などにより感染し、皮膚や被毛に広がっている状態のことです。脱毛や赤み、フケがみられ、病変部が次第にまわりに広がっていくのが特徴です。人にも感染するため、十分な注意が必要です。

対処法

シャンプーや外用薬、内服薬による治療を行います。抜け落ちた毛からも感染するので、掃除や消毒は徹底してください。日ごろから免疫力を高めるためにも、ストレスの少ない環境で育ててあげましょう。

(膿皮症)

普段から皮膚にある常在菌などが、免疫力低下などで過剰に繁殖し、炎症を起こす病気です。炎症部分が化膿してジクジクしたり、ニキビのようなブツブツができたりします。

対処法

猫の場合は何らかの基礎疾患がすでにあり、その二次的な感染として膿皮症が起こることがほとんどです。そのため、膿皮症の治療と並行して基礎疾患を治すことが大切になってきます。局所的な治療には抗菌薬や抗生物質の投与などがあります。

猫ニキビ

下あごにニキビのようなぶつぶつや黒い付着物がみられます。通常は無症状で治療の必要はありませんが、ときに細菌が感染し、化膿してしまうことがあります。

対処法

症状が重い場合、シャンプーや外用薬、内服薬による治療を行います。

猫の皮膚に異常を感じたらまずは受診

皮膚に異常がでる原因は、上記以外にも皮膚がん、ストレスによる過剰なグルーミング、内臓の病気など、実にさまざまな種類があります。皮膚病の症状はかゆみや発疹などどれも似たようなものが多いので、素人判断で病名を決めてしまうのは禁物。猫に異変が見られたら、こまめに&なるべく早く動物病院へかかるようにしましょう。

むやみに市販薬を使わないことも大事

自己判断で市販薬を買ってしまうと、全く効かなかったり病状が悪化したりすることもあります。結局最初から病院に行った方が猫のためにも金銭面でも良かった、なんてことにもなりかねません。

佐藤 獣医師 都内動物病院勤務監修ドクターのコメント

皮膚の病気は、命には関わらなくてもネコちゃんにストレスを与え、QOL(生活の質)を下げてしまうものが多いので、きちんと治療してあげたいですね。また、稀に皮膚の症状が内臓の病気や悪性腫瘍からきている場合もあるので、皮膚の症状だからといって甘く見ずに、受診して診断・治療を受けていただければと思います。

 

監修ドクター:佐藤 獣医師 都内動物病院勤務