耳に関する犬の病気の症状・治療方法・予防方法を紹介

犬は様々な病気にかかりますが、その中で頻度の高いものとして挙げられるのが耳の病気です。犬は後ろ足で耳のあたりを引っ掻いたり、耳を壁にこすりつけたりして耳の病気を悪化させてしまう事がよくあります。耳の病気は見た目からはわかりにくく、ほうっておかれてしまうこともありますが、気づいたら大変なことになっていることもあります。こちらの記事では犬の病気の中でも耳の病気の症状・治療方法・予防方法について、動物サプリ編集部がお届けします。

この記事の監修獣医師
鈴木 遊喜子 (アイ動物医療センター高萩 獣医師)

耳の病気の症状

犬の病気の中で意外と多いのが耳の病気です。耳の病気は耳の中で起こるので見た目からはわかりづらく、犬の仕草をよく見てあげることで気づくことができます。見ただけでは気づきにくいからこそ気づいた時には大事になっていたということもありますので、犬の出すサインを見落とさないようにしましょう。

耳の病気になった時犬が出すサイン

犬はピンポイントで耳の中ををかくことができません。そのため耳の病気になった時は、しきりに頭を振ったり、首や耳の周りをかいたりします。また、耳からきつい臭いがしたり、汚れが沢山出てきたりもします。こういった症状が見られるようであれば、それは耳の病気になっている可能性のあるサインです。そうなったら放っておくのではなく、まずはかかりつけの獣医さんに相談して耳の病気になっていないか確かめましょう。

耳の病気の多くは外耳炎

犬が耳の病気のサインを出し、獣医さんに犬を連れて行くと外耳炎と診断されることが多くあります。耳は外側から鼓膜の手前までを外耳、鼓膜より奥を中耳と内耳という構造になっています。外耳炎は耳の鼓膜の手前までの部分で炎症が起きている病気です。耳からかゆみを感じ酷くなると、かゆみが痛みに変わります。外耳炎だけであれば治療によって治すことができますが、外耳炎を悪化させたり放置しておいたりすると鼓膜が破れ中耳炎になる可能性があります。中耳や内耳にまで症状が及ぶと痛みが増し、最悪の場合は神経症状にまで進行します。そうなってしまうと治療にもかなり労力がかかりますので、早めに治療をするよう心がけましょう。

外耳炎の原因の多くは細菌やマラセチア

そんな外耳炎の原因は細菌やマラセチアという酵母様菌によることが多いです。それ以外にはアレルギーや耳ダニ、甲状腺機能低下症などが原因になることもあり、その場合はそれらの治療も並行して行う事もあります。また外耳炎の原因となる菌類はジメジメした場所を好むため、梅雨時期や夏場には外耳炎になる犬が増えます。詳しい予防方法については後述いたしますが、日頃から清潔にしていることが一番の対策になります。

耳が垂れている犬種の場合は特に注意

犬種別で言うとレトリーバー系やコッカー・スパニエル系など耳が垂れている種類の犬を飼っている場合、耳の病気になりやすいことがあるので注意が必要です。これは先ほど紹介したように外耳炎の原因となる菌類がジメジメした場所を好むこと、外耳道がヒトよりも深く長いことが原因です。耳が垂れている犬種は耳の中が常にジメジメした状態になりやすいので、その中で菌が繁殖しやすいということです。またトイプードルなど耳道に毛が生えている犬種は毛を抜く際に、外耳を傷つけてしまい外耳炎になることもあります。これらの犬種を飼っている飼い主の方は、耳の病気については特に注意深く見ているようにしましょう。

耳の病気になってしまった時の治療方法

先ほど紹介したように犬がしきりに頭を振ったり、首や耳の周りをかいたりしたらそれは犬が耳の病気にかかっている可能性があります。犬からそのようなサインが出たら、まずは獣医さんへ診察に行きましょう。症状が軽ければ耳の洗浄と点耳薬によって治療することができますので、飼い主にとっても犬にとっても負担が少なくすみます。他の病気についてもそうですが、犬に異常を感じたらまず病院に連れて行き早期治療を行いましょう。早期治療を行えば医療費、通院期間の面でも大きく変わってきます。通院が長引くと2ヶ月以上に渡って治療しなければならないケースもありますので、異常を感じたら早めに病院に連れて行きましょう。

症状がひどいと手術になる可能性もあり

犬の耳の病気は直接耳にたらす点耳薬や、ダニが原因の場合は駆虫剤を使用すれば治るケースも多いです。症状がひどくなればこれに耳の洗浄のための通院や内服薬が追加されます。そしてさらに症状がひどく、治療が長引いている場合は最悪手術になる可能性もあります。そうならないためにも症状が軽い初期のうちに治療をスタートさせましょう。早期に治療をスタートさせることが、犬にとっても飼い主にとっても負担を減らすことができるでしょう。

耳の病気にならないための予防方法

耳の病気になってしまった場合、耳の洗浄と投薬によって治療することができます。しかしそもそも耳の病気にならないように日頃からケアしてあげれば、病気になる可能性を減らすことができます。月数回のケアをしてあげるだけで、耳の病気になる確率は大きく変わりますのでしっかりケアをしていきましょう。ここからは耳の病気にならないための予防方法を紹介していきます。

日頃から耳の手入れをすることで耳の病気は予防可能

耳の病気にならないためには、日頃から耳のお手入れをしてあげることが大切です。お手入れの方法としてはイヤークリーナーで湿らせた脱脂綿ややわらかいコットンで耳の入口部分を軽く拭いてあげる程度で十分です。耳の中まで綺麗にしようとして無理に綿棒で奥まで掃除すると、汚れを押し込んでしまう場合がありますし、見えない部分のお手入れは自宅では危険です。そのため耳掃除は入口部分のみに留めるようにしましょう。

外耳炎になってしまった時のトリマーさんへの対応は注意

また外耳炎になってしまった時にトリマーさんへの対応として、一言外耳炎であることを伝えるようにしましょう。外耳炎になっている時の犬は耳を触られることに敏感になっており、トリマーさんが何気なく触ると手を噛んでしまうことがあります。そうならないためにも、外耳炎時のトリミングサロンでの耳そうじは注意が必要です。獣医さんに確認してから行うようにしましょう。

耳の病気への対応方法

ここまで耳に関する犬の病気の症状・治療方法・予防方法について紹介してきました。耳の病気は細菌の繁殖やダニが原因になることが多いので、日頃から清潔にしていることが1番の予防方法となります。清潔にする方法といっても毎日シャンプーをするといった手間は必要なく、耳を軽く拭いてあげるだけでも十分耳の病気の予防になります。耳が垂れている犬種などはそれでも耳の病気になる可能性がありますが、犬の動きに変化を感じたらすぐに病院に連れて行くことで早期治療をすることができます。正しい知識を身につけていれば、耳に関する犬の病気は十分対策できます。飼い主が犬のことをしっかりケアしてあげることで、犬にとって楽しい生活を送ってもらうようにしていきましょう。

鈴木 遊喜子 獣医師監修ドクターのコメント

ワンちゃんの日常の診療の中では耳の病気はとても多いと感じます。ご家庭での観察やケアを行うことで耳の病気を防ぐことにもなりますし、早期の発見によりワンちゃんの負担を最小限にすることができます。耳の形はその子によって様々ですので、自分で耳掃除をする前にかかりつけの先生に耳のケアについて詳しく指導してもらいましょう。

 

監修ドクター:鈴木 遊喜子 獣医師

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出典:http://www.aitom.jp/guide/hospital01.html

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