死因第3位!犬の病気で気をつけたい腎臓病

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犬の病気の中でも命に関わる病気の1つが腎臓の病気。食習慣だけでなく、加齢によっても発症する、犬には比較的多い病気です。さまざまな要因が少しずつ腎臓に影響を与えていき、一定のダメージを超えたところで、急速に進行すると考えられています。特に犬は症状があらわれるまで時間がかかるため、気づいたときには手遅れになっている、ということもあります。そのため、命を落としてしまう犬も多く、犬の死亡原因第3位というデータもあるほどです。
しかし、早期に発見し、適切に対処していけば、症状が軽くなる可能性があります。注意すべき症状や予防法など、犬の病気のうち、腎臓の病気について、動物病院サプリ編集部がお届けします。

腎臓の病気は犬にとって不治の病

腎臓ってどんな働きをしているの?

腎臓の役割は、主に3つあります。「老廃物を除去する」「尿を生成する」「ホルモンを分泌する」です。血液に溶け込んだ老廃物や余分な水分をろ過し、必要なものを再吸収、不要なものを排泄する、という一連の働きにより、体内の血圧や血液のph値を一定に保つのです。特にタンパク質は、エネルギーとして使われたあと、有害な老廃物になってしまいます。これを体外に除去できるのは腎臓だけです。

腎臓は左右一対あり、一方がダメージを受けても、もう一方ががんばって働き続けるため、すぐに影響を感じることはありませんが、負担は次第に溜まっていき、腎臓全体の機能は低下していきます。

腎臓が悪くなると何が起きるのか

腎臓が悪くなると、腎臓の主な役割である「血液中の老廃物や余分な水分をろ過する」という働きが弱くなります。そのため、老廃物が蓄積しやすくなり、尿毒症という危険な病気を引き起こします。

さらに、「エリスロポエチン」という赤血球を作るホルモンの分泌が減少することで、赤血球が不足し、貧血状態になります。

一度機能が低下し、悪くなった腎臓は、元に戻ることはありません。症状を緩和し、進行を防ぐことしかできません。

急激に悪化する急性腎障害

犬の腎臓病の1つが急性腎障害です。さまざまな原因により、数時間から数日で、一気に腎臓の機能が低下するものです。急激に症状が悪化することがあり、すぐに治療しなければ命を落とすことも少なくありません。急性腎障害の原因の多くは、食べ物や化学物質、細菌などによる中毒です。食物ではレーズンやぶどう、化学物質では薬に含まれる抗生物質や化学療法薬などがあげられます。また、細菌やウイルス感染も原因といわれています。

生活習慣や加齢からくる慢性腎障害

もう1つは慢性腎臓病です。腎臓の機能が数週間から数年にわたり少しずつ障害を受け続けて、機能不全に陥る状態のことで、シニア犬が多く発症します。腎臓は、その役割が75%失われても、残りの25%で機能をカバーし続けます。そのため、症状がでてきたときには、ほとんどの腎臓機能が失われており、回復が望みにくい状態になっているのです。

犬の慢性腎臓病の原因は、主に老化による機能の低下です。そのほかに、長年にわたる、高塩分、高タンパク食など偏った食生活や、他の病気が原因になっていることもあります。急性腎障害を発症した場合、その後、慢性腎臓病に移行することもあります。

犬の腎臓病を見つけるサイン

腎臓病は発症したときは、深刻な状態になっていることが多い病気です。それでも、日頃から、愛犬の様子を観察していれば、気づくこともあります。小さな異常を甘く見ないことが、早期発見する重要なポイントです。

お水をたくさん飲んでおしっこが増える

犬の腎臓病で最初に現れる症状が、おしっこと水の量の増加です。腎臓の機能が低下してろ過機能が低下すると、水分や必要な栄養素を再吸収することができなくなります。そのため、尿を濃縮できず、薄い尿が大量に出るようになるのです。いつもよりにおいが少ないという特徴もあります。

尿に水分が取られるため、喉が乾き、お水をたくさん飲むようになります。暑かったから、興奮していたから、と見落とすことが多い症状ですが、いつもと違う尿やお水の飲み方に気づいたら、注意しておきましょう。

ただし、急性腎不全の場合、尿量が急激に減少することがあります。尿の量は、多くなっても、少なくなっても、異常と考えるようにしましょう。

食欲がない。食べたものを吐く

突然食欲がなくなったり、食べたものを吐いたりするときは、腎臓病が進行し、体内に毒素がたって、尿毒症になっている可能性があります。食欲低下は、腎臓の病気だけなく、さまざまな病気が原因になっていることが多い症状の1つです。食事をとれないことは、体力低下や体重低下にもつながります。できるだけ早めに獣医師さんに相談してみましょう。

ぐったりしている、痙攣している

腎臓病の最も危険な症状が、ぐったりしている、痙攣している、という状態です。血液中の老廃物の濃度が高くなり尿毒症になっています。命に落とす危険も多い状態なので、すぐに、病院へ連れていきましょう。

腎臓病を疑ったらすぐに受診

気づいたらすぐに治療を!

犬の腎臓病は症状があらわれたときはかなり進行していることがほとんどです。特に急性腎障害の場合は、一刻も早く原因を取り除かなければ、数日で命を落としてしまうという例も少なくありません。他の病気を併発する可能性もあります。気づいたら、急いで受診しましょう。

腎臓病の治療法は、食事や薬などにより、正常に働いている腎臓の機能を保存することが目的です。症状を緩和し、進行を遅らせることで、回復につなげます。急性腎障害は1週間ほど入院して治療しますが、慢性腎臓病は通院や自宅での治療が可能です。

症状をやわらげる薬物療法

貧血や、血中の毒素量などの症状に応じて血管拡張薬や増血剤などを処方して、まずは症状をやわらげます。必要に応じて、血液の老廃物をきれいにしてから体内に戻す、透析治療を行うこともあります。

栄養補給のための点滴

吐き気が強い、食欲低下が著しい場合には、点滴による栄養補給も行われます。脱水症状が強い場合にも、点滴が行われることがあります。この場合は入院が必要です。急性腎障害の場合は、点滴による薬物治療も行われます。

進行を遅らせる、食事管理

初期の段階から、重要になるのが食事管理です。犬の腎臓病用のフードも販売されており、食事を変えて、おやつをやめるだけで、対応できます。初期の慢性腎臓病であれば、シニア犬用のフードでも代用できることがあります。腎臓病用の食事にも種類があるので、獣医師に相談の上、購入しましょう。

腎臓病予防のため毎日の暮らしの中で気をつけること

腎臓病予防のためにも、腎臓病になってしまった後にも大切なのが食生活。食生活を見直すことは、愛犬の腎臓への負担を最も軽減するポイントです。特に、軽度の腎臓の病気であるほど、食事に気をつけることが、愛犬の長寿にもつながります。

タンパク質を控えめに

タンパク質は、腎臓への負担が大きな栄養素です。とはいえ、生きていくためには重要な栄養素でもあります。良質なタンパク質を、量に注意しながら摂取するように注意しましょう。

塩分に気をつける

塩分は、不足しても、過剰摂取しても、犬の健康に影響を与えます。特に腎臓の病気を持つ犬にとっては、病気を進行させる原因にもなります。人間の食物を与えたり、塩分の多いおやつを与えたりするなど、不要な塩分をとることのないよう、注意しましょう。

日頃、塩分が多い食事が多かった犬は、塩分の少ない腎臓病用のフードやシニア犬用のフードを嫌がることもあります。日頃から質の良いフードを与えるようにし、おやつは控えておきましょう。

シニア犬におすすめの定期健康診断

腎臓病だけでなく、その他のさまざまな病気を早期に発見するためにも有効なのが定期健康診断です。元気だと思っていたけれど、思わぬ病気を発症していた、という例は少なくありません。犬の腎臓病もそんな病気の1つです。シニア犬になれば、腎臓病を発症している可能性も高くなりますので、定期的に、健康状態を調べておくことも重要です。気になることは、かかりつけの獣医師さんに気軽に相談できるように、日頃の愛犬の様子を知ってもらっておけば安心ですね。

腎臓病になっても上手に対処

慢性腎臓病の場合、末期状態でなければ余命は数カ月から数年といわれています。一度発症してしまったら、長く付き合っていく可能性も高い犬の病気です。愛犬とどのくらい一緒にいられるかは、飼い主がどのくらい気をつけてあげられるかにもかかっています。食欲がなくなった場合でも、腎臓の負担にならないようなメニューを考え、手づくりのごはんをあげたり、水分補給に気をつけてあげたりなど、上手に対処してあげれば、症状を和らげ病気の進行を遅らせることができるかもしれません。

食事の制限や注意事項などは、症状によって対応方法が異なります。獣医師に相談しながら上手に対処していきましょう。ちょっとした気遣いで愛犬と一緒にいられる時間が少しでも長くなるよう、気をつけていきたいですね。

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