ペットを飼っていると、病気やケガの際に動物病院を受診する機会が必ずあります。しかし、動物病院の受診料は病院ごとに異なり、明確な料金体系がわからないと悩んだことはないでしょうか。
本記事では、診療内容ごとの費用の目安や料金体系を詳しく解説し、ペットの健康を維持しながら診療費用を抑える方法についてもご紹介します。事前に知識を持っておくことで、いざというときの負担を軽減できるかもしれません。
動物病院の診察費用の基本構造

動物病院の診察費用は基本的な診察料に加えて、検査や治療、処置によって料金が変動します。また、診療科目や診察時間帯(夜間・休日診療)によっても費用が異なる場合があります。ここでは、診察費用の基本的な構造について解説します。
初診料・再診料の相場
初診料は動物病院を初めて訪れる際にかかる費用で、一般的に2,000円~3,500円程度が相場です。初診料は、カルテの作成や動物病院から発行される健康手帳料として請求される場合もあります。
一方、再診料は同じ病院で診察を継続する際にかかる費用で、500円~1,500円程度が一般的です。また、夜間や休日の診療では、通常の診察料に加えて夜間診察料や時間外診察料が発生することがあります。
夜間診察料は5,000円~10,000円程度と高額になるケースが少なくないため、急病でない場合は日中に受診することをおすすめします。基本的に動物病院を受診した際は、診察料とは別に検査や治療費が加算されるため、診察料だけで済むことは少なく、実際の支払いは総額で数千円~1万円程度になることが一般的です。
健康診断や定期検診の費用目安
ペットの健康維持のために、定期的な健康診断を受けることはとても重要です。特に、多くの動物病院では、春や秋にワンニャンドッグという犬猫の健康診断キャンペーンを行っています。ワンニャンドッグでは、普段の検査よりもお得な料金で受診できる場合もあります。普段動物病院を受診した際の一般的な検査費用の目安としては、血液検査は最低でも5,000円〜10,000円、レントゲン検査や超音波検査は3,000円〜10,000円前後と動物病院によって大きな差があります。血液検査の項目や、レントゲン撮影の枚数が増える場合はさらに費用が高額になる場合も少なくありません。ペットの体調が悪いとき、正確な診断のために追加検査を提案される場合は少なくありません。検査にかかる費用は、動物病院のホームページで公開されている場合もあるため、事前に確認してみましょう。
ワクチン接種の料金体系
犬や猫のワクチン接種は、病気の予防のために欠かせません。ワクチンには種類があり、接種回数や種類によって料金が異なります。ここでは、ワクチンの種類ごとのおおよその目安をご紹介します。
- 犬のワクチン費用
- 5〜6種混合ワクチン……5,000~7,000円程度
- 7〜10種混合ワクチン…7,000~10,000円程度
- 狂犬病予防接種……3,000~4,000円程度(自治体の助成がある場合も)
- 猫のワクチン費用
- 3種混合ワクチン……4,000~5,000円程度
- 5種混合ワクチン……6,000~8,000円程度
ワクチン接種を行う際は、接種スケジュールを守ることが大切です。年齢や生活環境によって、接種するワクチンの種類や回数は異なります。動物病院ごとに料金も異なるため、事前にホームページや問い合わせから費用を確認するのをおすすめします。獣医師と相談しながら適切なプランを決めることが大切です。
診察内容ごとの費用の目安

動物病院での診察費用は、受診する内容によって大きく異なります。 一般的な診察だけで済む場合もあれば、血液検査やレントゲン、手術が必要になるケースもあります。診察内容ごとの費用相場を知っておくことで、ペットの治療費を事前に把握し、適切な病院選びや予算管理に役立てることができます。ここからは、一般的な診察や処置、各種検査、手術費用の目安について詳しく解説していきます。
一般的な診察と処置の費用
動物病院での一般的な診察や処置は、ペットの症状や重症度、飼い主さんの事情によって千差万別です。外耳炎や軽度の皮膚炎の治療など、大きな検査や長期的な投薬が必要ない場合は、診察料金にプラス数千円かかる程度で、安価な費用でおさまる場合がほとんどです。しかし、血液検査や超音波検査などに加え内服薬の処方の必要がある場合は、10,000円〜20,000円、ときにはそれ以上にかかってしまうこともあります。ペットの症状によって費用は異なるため、診察料だけでなく総額を事前に確認することが重要です。
血液検査・尿検査・便検査の費用相場
動物病院では、病気の診断のために血液検査や尿検査、便検査が行われます。各検査の費用目安は以下のとおりです。
- 血液検査(基本的なもの)……5,000~8,000円程度
- 血液検査(詳細な項目を含むもの)……10,000~20,000円程度
- 尿検査(尿比重・尿沈渣・尿化学検査など)……2,000~5,000円程度
- 便検査(寄生虫検査・細菌培養など)……1,000~4,000円程度
上記にあげた検査以外でも、病院外の検査期間に受注する場合は費用が上がる可能性もあるため、どの検査がどのくらいの費用でかかるのか、獣医師に相談しながら方針を決めていきましょう。
レントゲン・超音波検査の料金目安
ペットが腕や足を痛めた時は、レントゲン検査を受ける機会があるかもしれません。レントゲン検査は、撮影する枚数やペットの大きさに応じて決まる場合が多いです。目安としては、多くの病院では2枚で5,000円〜8,000円、それ以上増える場合は料金がプラスされていきます。超音波検査は、胸部超音波検査と腹部超音波検査にわかれ、それぞれ3,000円〜6,000円程度が目安です。導尿処置や細胞診検査など、超音波の機械を使って行う特殊な検査を行う場合は、その都度費用が追加されていきます。
手術や入院にかかる費用
手術や入院が必要な場合の費用は、手術の種類や入院期間によって異なります。一般的な相場は以下のとおりです。
- 軽度な手術(去勢・避妊手術など)……20,000~50,000円程度
- 中程度の手術(腫瘍摘出など)……50,000~150,000円程度
- 重度な手術(骨折手術など)……100,000~300,000円程度
- 入院費(1日あたり)……3,000~10,000円程度
手術や入院にかかる費用は、動物の大きさや手術の内容によって大きく異なります。手術には全身麻酔・術前検査・術後のケア・入院費用などがすべて含まれるため、診察費用よりも高額になりやすいです。犬や猫の避妊・去勢手術は、安価ですが、腫瘍摘出や骨折手術は数十万円かかることもあります。
- 猫の去勢手術:15,000~40,000円程度、避妊手術:25,000~50,000円程度
- 犬の避妊手術(小型犬):20,000~50,000円程度/(大型犬):50,000~60,000円程度
- 骨折手術(入院3日含む):300,000円程度
- 入院費用:小型犬3,000円程度/大型犬5,000円程度(1日あたり)
手術・入院費は事前に概算を確認し、ペット保険の活用や費用計画を立てることが大切です。費用だけが原因で、大事なペットの治療を諦めるのはよくありません。
治療方法は1つではないため、獣医師と相談しながら無理のない治療計画を立ててみてください。
診察費用が変動する要因

動物病院の診察費用は、動物の種類や大きさ、病院の立地、診療時間、診察内容によって変動します。同じ処置でも病院ごとに料金が異なるため、事前に相場を把握し、適切な病院を選ぶことが重要です。ここからは、診察費用が変動する主な要因について詳しく解説します。
動物の種類や大きさ
ペットは種類や体の大きさによって診察・治療費が変わります。大型犬は麻酔や薬の量が多く人手もいるため、診療費や手術費が高額になりがちです。また、犬と猫では体の構造が異なり、ペットの種類によっては特殊な設備が必要な場合もあるため、費用が変わることがあります。特に大型犬を飼っている方は、小型犬を想定した料金体型とは異なる可能性もあるため、事前に問い合わせてみるのを推奨します。
特殊な検査機器や治療法を必要とするケースでは、装置の準備や専門知識の提供が必要となり、その分費用も増加します。また、個体差によって麻酔リスクも異なるため、慎重な対応が求められます。
病院の立地や診療時間による費用差
病院の立地や診療時間によっても、診療費用に差が出ることがあります。都市部の病院は賃料や人件費が高いため、地方の病院よりも診療費が高めに設定される傾向があります。また、夜間診療や24時間対応の病院では、通常診察よりも料金が高くなることが一般的です。立地や診療時間による費用差を理解し、予算に合った動物病院を選ぶことが大切です。
さらに、地域の経済状況や顧客層によって価格設定は変化しやすく、緊急対応などのサービス内容によっても追加料金が発生する場合があります。また、夜間救急対応では通常業務との兼ね合いでスタッフを十分に確保する必要があるため、その分コストが上乗せされるケースもあります。
緊急診療や夜間診療などの場合
緊急診療や夜間診療では、通常の診察料よりも費用が高くなることが一般的です。夜間や休日は対応できるスタッフが限られ、緊急対応のための追加費用がかかるため、通常の診察料に加えて、時間外診察料が必要になります。夜間診療(時間外診察)は、通常の診察料にプラスして5,000円~10,000円の追加料金がかかることが一般的です。また、救急処置や集中治療が必要な場合は、さらに高額な費用が発生します。ショックや呼吸困難など、重篤な症状の場合は必要な検査のほか、点滴や酸素吸入などの処置を行うため、10,000~50,000円程度の治療費がかかってきます。そのため急な出費に備えるために、ペット保険での備えや緊急時の支払いのための貯蓄を準備しておくと安心です。
ペットの診察費用を抑える方法

ペットの診察費用は、早期発見・予防・保険の活用によって抑えることが可能です。定期的な健康診断やペット保険の利用により、突発的な高額医療費のリスクを減らすことができます。ここからは、ペットの診察費用を抑える具体的な方法について詳しく解説します。
定期的な健康診断で病気の早期発見を心がける
年に1〜2回ほどは定期的な健康診断を受けることで、病気の早期発見・早期治療が可能になり、結果的に医療費を抑えることができます。病気が進行してからの治療は、治療費が高額になり、手術や入院が必要になる可能性が高まります。健康診断によって、病気の兆候を見逃さず早めに治療を開始することで、医療費が大きくなるのを防ぐことができます。ペットにとっても大きな処置は負担になるため、病気の予防・早期治療に努めることが重要です。
ペット保険の活用で負担を軽減する
ペット保険に加入することも、高額な診療費や手術費用の負担を軽減する1つの選択肢です。ペットの医療費は自由診療のため、保険なしでは全額自己負担になります。ペット保険に加入することで、手術や入院の費用の約50~90%が補償されるため、大きな経済的負担を避けることができます。どんなに健康でも、想定外の病気や事故に悩まされる可能性はゼロではありません。そのためペット保険を活用し、万が一の治療費の負担を減らすのもおすすめです。
まとめ
動物病院の受診料は、診療内容や病院ごとの料金設定によって大きく異なります。高額な医療費を抑えるためには、定期検診や予防をしっかりと行い、病気が起こらないように注意することがとても大切です。しかし、病気や事故のリスクをなくすことはできないため、いざというときのペット保険の活用も有効な選択肢の1つです。愛犬や愛猫の一大事に備えた貯蓄をしておくのもよいかもしれません。動物病院を受診する前には、前もって診察費用の相場を把握し、見積もりを確認することで、予想外の大きな出費を防ぐことができます。
ペットの健康と家計のバランスを考え、適切な動物病院を選びましょう。