ペットホテルに預けるとかわいそう?不安を解消し、快適に利用するためのポイントを解説

ペットホテルに預けるとかわいそう?不安を解消し、快適に利用するためのポイントを解説

ペットを飼っていて困るのが、旅行などに連れて行けないときです。「家に残していくのは気にかかるけれど、ペットホテルに預けるのはかわいそう」と思っていませんか? そこで、この記事では、ペットをホテルに預けるときの不安を解消する方法や、ペットホテルの選び方などをご紹介します。また、ホテル利用後のストレスケアの方法なども解説していますので、これからペットホテルの利用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ペットホテルに預けるとかわいそうと感じる理由

ペットホテルに預けるとかわいそうと感じる理由

大切なペットをホテルに預けるのはかわいそう、と感じてしまうのは飼い主さんにとって自然な気持ちです。実際、初めてペットをホテルに預けるときは、ペットと飼い主さんの双方にストレスがかかる場合があります。

普段と異なる環境によるペットへのストレス

普段の住み慣れた家を離れて別の場所で一定期間過ごすことは、ペットにとってストレスとなる場合も少なくありません。また、生活リズムも普段とは異なることが多いため、そのことが体調に影響を及ぼすこともあります。このような変化についていけずに、なかには、精神的に不安定になったり、体調不良に陥ってしまう動物もいます。ペットに異変があった場合、すぐに対応してもらえるような体制が整っているペットホテルを選ぶことが重要です。

飼い主さんと離れることによる寂しさやストレス

慣れ親しんだ家とまったく違う環境で、見慣れない人たちや動物たちに囲まれたペットが、不安やストレスを感じるのも当然でしょう。特に、いつも一緒にいる飼い主さんと離れてしまうことは、大きな心の負担となっても不思議ではありません。事情もわからずに飼い主さんのいないところで夜を過ごすことになるので、人間が思う以上のストレスを感じるペットもいます。こうした精神的な負荷が体調に出てしまう繊細な動物も少なくありません。

特に、これまで一度も預けたことのないペットの場合は、心配なことも多いでしょう。例えば、普段飼い主さんにべったりの甘えん坊な犬などは、不安から食事ができなくなってしまうこともありえます。ホテルに預ける場合は、不安を感じさせないように事前に準備をすることが大切です。

ペットホテルに預けずに留守番させる際の注意点

ペットホテルに預けずに留守番させる際の注意点

ペットホテルに預けると、環境の変化などによるストレスがかかってしまう可能性があることは前述のとおりです。しかし、だからといってペットホテルに預けずに、家で留守番をさせることはおすすめできません。家にいても飼い主さんがなかなか戻ってこないことで不安になってしまうこともあります。また突然の体調不良などがあっても気付くことができず、対応が遅れてしまうといったことも考えられます。さらに、戸締りが不十分な場合には、脱走してしまうというリスクもあります。それに対し、ペットホテルには専門のスタッフがいるため、もしものときにも速やかに対応をとることが可能です。また、脱走の心配もありません。家で留守番をさせて何かあったときの方が、ペットにとってかわいそうだということを理解しましょう。

ペットホテルに安心して預けるためにできる準備

ペットホテルに安心して預けるためにできる準備

では、どのような準備をすれば安心してペットホテルに預けることができるでしょうか。ここでは、ペットをホテルに預ける前にできることを三つご紹介します。

ペットホテルの見学に行く

まずは、検討しているペットホテルを見学してみましょう。インターネット上の情報だけでは、なかなか実際のところは把握できません。現場に赴くことで、設備や雰囲気、スタッフの対応などを見ることができます。また、受けられるサービスの内容や料金なども併せて確認することが可能です。できれば複数のペットホテルを見学して、相性のよさそうなところを選ぶとよいでしょう。

短時間の預け入れを試して徐々に慣れさせる

初めての場所に預けるのは、ペットと飼い主さんの双方の不安も大きくなります。できれば、事前に数時間預けてみて、ホテルに慣れさせることをおすすめします。ほとんどのペットホテルでは、時間預かりを利用できます。まずはショートステイや日帰りなどで予行練習を行うと、ペットも環境やスタッフに慣れることができます。また、飼い主さんも事前にサービスを確認できるという利点があります。一度だけではなく、複数回ショートステイをしてみると、ペットのストレスや不安感をさらに減らすことができます。

いつも使っているアイテムを持っていく

慣れない場所でペットを落ち着かせるには、環境をなるべく家と同じに整えてあげることが大切です。そのためには、普段の生活で使っているものを持っていくとよいでしょう。例えば、食べ慣れているフードや毎日の食事で使っている食器、お気に入りのおもちゃなどです。また、寝具やクッションなども効果的です。犬の場合は、飼い主さんの匂いのついたタオルを持参すると落ち着くこともあります。小さな気配りをすることで、ペットのホテル生活を快適なものにすることができます。

ペットの性格や生活習慣を詳しく伝える

ホテル側にペットの性格や生活習慣を伝えておくことも重要です。同じ動物でも、ペットの好みや性格はさまざまです。好きなものや嫌いなもの、注意してほしい事柄などを詳しくスタッフに伝えておきましょう。また、個別に対応してもらえるようであれば、機嫌の悪いときや興奮しているときの対策なども事前に知らせておくとよいでしょう。

ペットホテル利用後のケアで意識したいこと

ペットホテル利用後のケアで意識したいこと

事前にいろいろな準備をしていても、実際に慣れない環境で長い時間を過ごすと、ストレスを感じてしまうペットがいることも事実です。なかには、ペットホテルの利用後、自宅に戻ってからもストレスが続いてしまい、体調不良に陥ってしまう場合もあります。そんなときは、以下に挙げることを意識して接してあげるようにしてください。

安心感を与える

まずはホテルから帰ったら、たっぷりと甘えさせてあげてください。動物たちは慣れない場所でストレスを感じながらも頑張って、やっと家へ帰ってきたのです。ホテルでは普通に過ごせていても、飼い主さんが迎えにきた途端に、急に寂しさがよみがえってくることもあります。優しい声で話しかけたり、撫でてあげたりして、安心感を与えてあげましょう。抱っこしてあげたり、膝にのせてあげたりするのも効果的です。ただし、さわるのを嫌がるようなら、過度な接触は避け、ペットのペースに合わせて接するようにしましょう。また、慣れない場所ではゆっくり眠れなかったという可能性もあります。帰宅をしたら、静かに落ち着いた部屋で、十分に体を休ませることができるようにケアをしてあげましょう。

体調を崩していないか確認する

ペットは私たちが思う以上に変化に弱い生き物です。知らない場所に連れていかれて、飼い主さんとも離れ、寂しい時間を過ごさなければいけない、となると、問題行動がなくても何らかのストレスを感じている可能性が高くなります。さらに、言葉を話すことができない動物たちは、自分がホテルに預けられる理由さえわからないのです。なかには、「捨てられた」と勘違いをしてしまうペットがいても不思議ではありません。強いストレスは身体症状に現れることがあります。そのため、ペットホテルの利用後しばらくは、体調に問題がないかどうか注意深く観察しましょう。ストレスによる体調の変化は、食欲不振、嘔吐、下痢、血便などの症状となって現れることがあります。食欲が出ない場合は、好きなものをあげたり、食べやすくしたりなどして工夫をしてみてください。下痢や嘔吐が軽い場合は、1日絶食をさせて、その後消化のよい食事を与えることで改善することもあります。症状が何度もくり返すようであれば、早めに動物病院で診てもらうようにしてください。

気付いたことをメモしておく

体調不良という程ではないけれど、ペットホテルを利用してから何か変わったことがある場合は、気付いたことをメモしておくとよいでしょう。例えば、今までよりもよく鳴くようになったり、普段と比べて落ち着かないことが増えたりした場合は、記録を残しておくことで、後で動物病院などにかかった際に相談することができます。ストレスがどのような形で現れるかは、動物によって異なります。メモを残しておくと、後で見返したときに気付けることも多いはずです。

ペットホテルを選ぶときのポイント

ペットホテルを選ぶときのポイント

ペットホテルを選ぶ際には、まず動物取扱業の登録がされている施設かを確認しましょう。登録業者には、動物の管理法や施設、設備に関する基準、従業員の数などを守ることが義務づけられています。登録の有無は、都道府県の第一種動物取扱業者登録簿で確認することができます。確認方法はお住まいの自治体にお問い合わせください。

そのうえで、以下のポイントに留意して選ぶようにしましょう。

設備の充実やサービス内容

ペットホテルを選ぶ際に、設備の充実やサービス内容は重要なチェックポイントです。まずはインターネットサイトやSNSなどでのほかの利用者の感想を参考に、いくつかホテルをピックアップしましょう。複数のホテルのサイトやパンフレットなどを調べて、よさそうなホテルが見つかったら、事前に見学を申し込み、実際の設備やスタッフなどを確認することをおすすめします。また、見学の前に質問したいことをまとめておきましょう。

一般的に、ペットホテルではケージなどの個別スペースで預かることがほとんどです。2022年6月の動物愛護法改正により、ペットホテルなどにおける犬猫のケージの広さが下記のように定められました。

犬:タテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の2倍以上)
猫:タテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の3倍以上)
※猫については1つ以上の棚を設け2段以上の構造とする

ペットホテルを検討する際は、こうした基準を満たしているかどうかを確認しましょう。ただし、大型犬などの広いスペースを必要とするペットの場合、法律を遵守して対応できるペットホテルは限られているため、注意が必要です。最近では、広さのある個室タイプのペットホテルも増えてきています。さらに、宿泊スペースのほかにも、屋内外の遊び場などがあるホテルもあります。ケージの施錠はしっかりしているか、脱走防止対策は万全か、などの安全対策も併せて確認することをおすすめします。

また、ペットホテルは複数の動物を預かる場所であるため、衛生的な環境であることはとても重要です。見学の際には、ケージや共有スペースが清潔に保たれているか、においがきつくないか、換気が十分に保たれているか、排泄物がこまめに片づけられているか、などの清掃状況をチェックしておきましょう。

これらに加えて、スタッフが24時間常駐しているかどうかも大事なポイントです。夜間にスタッフがいない場合、不測の事態に対処することができません。万が一の場合、すぐに動物病院に連れて行ってくれるかなど、体調不良やケガの場合の対応なども確認しておきましょう。

スタッフの質や経験

スタッフの質や経験もペットホテルを選ぶ際のポイントです。動物に対する姿勢なども見て判断したい方は、できる限り事前に見学をして自分の目で確かめてみることをおすすめします。見学時には、スタッフが動物に愛情を持って接しているか、優しく丁寧に対応しているか、動物の扱いに慣れているか、などを注意して観察するようにしましょう。一般的に、経験豊富なスタッフが常駐しているホテルは、信頼性が高いといえます。また、動物ケアに関する資格を持っているかどうかも確認しておきましょう。

要望への対応力

要望への対応力も大事なポイントです。こちらの質問に丁寧に答えてくれるか、説明がわかりやすいかを確認しましょう。同じ動物でも、食事の好みや性格はそれぞれ違います。個別に対応してもらいたいことがあれば、事前に問い合わせをして、どこまで対応してもらえるか相談してみましょう。また、その際に料金体系や、予約の変更、キャンセルポリシーなども確認しておくことをおすすめします。

ペットシッターの利用も検討

ペットホテルの利用は、ペットにとってストレスになる場合があります。特に、猫の場合は環境の変化で体調が悪化するケースが多いです。自宅で、最低限のお世話をするだけのほうが負担が少ない場合があるので、必要に応じてペットシッターの利用も検討してみるのもおすすめです。

まとめ

ペットホテルに預けるのはかわいそう、という飼い主さんの気持ちは自然なものです。けれど、誰もいない家で留守番をさせて、何かあってからでは取り返しがつきません。ペットホテルのなかには、ペットにストレスを与えないように工夫をしている施設もあります。ペットをホテルに預けることは、飼い主さんがペットの安全を第一に考えている証でもあります。不安を解消して、上手にペットホテルを利用するようにしましょう。

参考文献