ペットサロンで提供されるハーブパックは、犬や猫などのペットたちの皮膚や被毛を健やかな状態に保つために行われる、トリミングのオプションメニューの一つです。
植物由来の成分を使ってケアするため、敏感肌の子にも使いやすく、ナチュラル志向の飼い主さんにも注目されています。
この記事ではトリミングで受けられるハーブパックの特徴や効果、費用の目安について紹介します。施術時の注意点やハーブパックのリスクについても詳しく紹介しますので、ペットにハーブパックを受けさせたい方だけでなく、ハーブパックに不安がある方にも参考にしていただければ幸いです。
トリミングで受けられるハーブパックの特徴
- トリミングで受けられるハーブパックの特徴を教えてください。
- トリミングで行うハーブパックは、一般的にアニマルアユールヴェーダのものを指します。
アユールヴェーダとは古代から現代までおよそ5000年以上もの歴史を持つ、インドで脈々と受け継がれている伝統医学です。世界四大医学の一つに数えられ、漢方の起源になったともいわれています。
抗菌・消臭・保湿効果があるため乾燥肌やフケ、かゆみのケアに用いられることが多く、自然由来の成分のため安全性が担保されていることも特徴です。
ペットサロンでは主にオプションコースとして導入されており、日常のケアとしてはもちろん、美容目的で利用される方もいます。
- ハーブパックの手順について教えてください。
- まず蓋が閉まる容器にお湯を注いでパウダーを入れます。お湯を後で入れてしまうとうまくパウダーが溶けずにダマになってしまうので注意が必要です。
ふたをしっかり閉めて20〜30回振るとペースト状になります。
ペーストができたらあらかじめシャンプーで余計な皮脂や毛の汚れを落としておきます。シャンプーが終わったら、全身が濡れた状態のまままんべんなくペーストを塗布しましょう。
その後、1〜2分程度パック剤をなじませるために時間を置いたら、洗い流してから再度シャンプーとリンスで仕上げます。
パック中は保湿や皮膚の保護成分がしっかり浸透し、汚れの吸着や臭いの軽減、毛のつや出しなどの効果が期待できます。
- ハーブパックは自宅でもできますか?
- ペットショップやネット通販でも市販のハーブパック剤は販売されているため、購入すれば自宅でもハーブパックをすることが可能です。値段も安いものであれば2,000円程度となっているため、手軽に購入しやすいようです。
しかし、ペットの身体にペーストを均一に塗布したり、洗い流したりするのはやや難易度が高くなっています。
また、皮膚トラブルがある子は、動物の扱いに慣れたトリマーによる施術を受ける方がおすすめです。
どうしても家庭で使用したい場合は、使用前に必ずパッチテストを行い、ペットの体調や皮膚の状態に異常がないかを確認しましょう。
最初は部分的に使用するのもおすすめです。
- 犬や猫以外の動物でもハーブパックを受けられますか?
- 基本的には犬用・猫用に開発されたパックがほとんどですが、哺乳類であれば使える場合もあります。実際にフェレットやミーアキャットなどにも使用が可能です。
ただし、うさぎやモモンガなどの水に濡れることがストレスとなる可能性が高い動物たちは、体調の変化に留意しながら使用するようにしましょう。
犬猫以外のほかの動物に使いたい場合は、獣医師や、専門的な知識のあるトリマーに相談してから使用するのがおすすめです。
トリミングで受けられるハーブパックの効果と費用目安
- トリミング時にハーブパックを受ける効果を教えてください。
- ハーブパックの主な効果には以下のようなものがあります。
- 皮膚トラブルの予防
- 皮膚や被毛の保湿
- 毛質改善
- リラックス効果
- 虫除け
- 消臭
ハーブの成分が毛穴の奥の汚れを吸着し、皮脂のバランスを整えてくれるため、フケなどの皮膚トラブルの予防に役立ちます。
さらに、虫よけや体臭の軽減にも効果があるとされ、夏の時期や皮膚がデリケートなペットに特におすすめです。
リラクゼーション効果もあるため、シニア犬や日々のストレスの多い子にもおすすめされることがあります。
長毛種の場合は毛を根本から立ち上げボリュームアップする効果が期待でき、短毛種の場合は洗い立てのツヤツヤの美しい状態をキープできる効果があります。
- ハーブパックはどのような場合におすすめですか?
- ハーブパックは以下のような症状が気になる場合におすすめです。
- においが気になる
- 皮膚にベタつきがある
- 皮膚が乾燥している
また、毛質を改善し毛玉を防ぎつつツヤのある毛並みにする効果もあります。そのためトリミング後の仕上がりをより美しく保ちたいときや、イベント前のケアにもぴったりです。
1回の施術でも毛質の違いを感じられることが多く、定期的なケアとして取り入れる方も増えています。
- ハーブパックの費用の目安を教えてください。
- ハーブパックの費用はサロンや動物のサイズによって異なります。
一般的には小型犬で1,500〜2,500円(税込)、中型犬で2,500〜3,500円(税込)、大型犬では4,000円(税込)以上が目安です。
オプションとしてトリミングコースに追加する形式が多く、シャンプーやカットとは別料金になる場合がほとんどです。
初回限定価格や回数券、部分パックといったサービスを行っているサロンもあるため、費用を抑えたい場合は事前に確認しておくとよいでしょう。
トリミングで受けられるハーブパックのデメリットや注意点
- 施術によるデメリットやリスクはありますか?
- 基本的にハーブパックは安全性の高いケア方法ですが、まれに皮膚が敏感な子やアレルギーを持っている子は赤みやかゆみが出る場合があります。
過去にアレルギー反応が出たことがある場合は、施術前にカウンセリングを丁寧に行ってくれるサロンを選ぶのがおすすめです。
初めてハーブパックを受ける場合はパッチテストを実施し、アレルギー反応が出るかどうかを確かめておきましょう。
また、ハーブパックを受けた後はペットの様子をよく観察し、異常があればすぐに動物病院を受診しましょう。
- ペットがハーブパックを舐めても大丈夫ですか?
- 一般的なハーブパックは農薬や化学合成肥料が不使用で天然成分を使っているため、パック中に舐めてしまっても問題ありません。
お顔へのパックだけでなく、歯磨きにも使えるほど安全性が確保されています。
舐めグセのあるペットの場合も問題なく使用可能です。
- トリミングでハーブパックを受ける場合の注意点はありますか?
- ハーブパックを受ける際、含まれる成分が安全性が確保されたものかの確認が必要です。ハーブは自然由来の成分が多いため、すべてのペットが問題なく使用できるとは限りません。特に以前にアレルギー反応が出たことがある場合は事前にパッチテストを実施しておくことをおすすめします。さらに、ハーブパックを使用する際は正しい使用方法で実施し、使用時間を守ることも重要です。パックをしたままの長時間の放置や洗い流しが不十分だった場合、皮膚刺激や過敏症を発症してしまうおそれがあります。また、ハーブパックを使用する前にはペットの皮膚に傷や炎症がないかを確認しておきましょう。
編集部まとめ
ハーブパックはトリミングのオプションとして使用できるサービスの一つです。ペットたちの皮膚や被毛を健やかに保つことができ、体臭の抑制や虫除けの効果も期待できます。
ハーブパックはペットのにおいが気になるときや、皮膚がベタついているもしくは乾燥しているときにおすすめです。1回の施術で効果を感じる場合もあり、定期的なケアとして行っている方もいます。
自然由来の成分で作られているハーブパックは、ペットたちにとって有害な化学合成肥料や農薬が使われていないため、パック中に舐めても問題ありません。ペットに舐めグセがありなかなか身体のケアに踏み切れなかったという方におすすめです。
ただし、まれに皮膚が敏感なペットや過去にアレルギー反応が出たペットは、赤みやかゆみといった症状が出る場合があります。ハーブパックを受ける前はパッチテストを実施し、受けた後はペットの様子をよく観察して、異常が出た際は速やかに動物病院を受診しましょう。
参考文献