動物病院のエコー検査とは?検査の内容や流れ、検査費用などを解説

動物病院のエコー検査とは?検査の内容や流れ、検査費用などを解説

動物病院を受診すると、エコー検査(超音波検査)の実施を伝えられるケースがありますが、エコー検査とは一体どのようなものなのか、詳細は理解できていないという方も少なくないでしょう。今回は動物病院のエコー検査をテーマに、検査の概要や必要な事前準備といった情報をまとめました。気になる検査費用などについても具体的に解説を加えるので、これからエコー検査を受けるという場合にも、ぜひ参考にしてみてください。

動物病院でエコー検査が必要になるケース

動物病院でエコー検査が必要になるケース

まずは、どのような場合にエコー検査が実施されるのかについて、詳しく押さえましょう。エコー検査の特徴を理解して、適切に取り入れることで、大切なペットの健康状態や異変を素早く把握できます。

どのような症状がある場合、エコー検査を行いますか?
エコー検査とは、高い周波数の音波(超音波)を身体に当てて、その反射を画像として映し出す検査のことです。超音波を出すプローブという装置を検査したい部位に当てることで、臓器の大きさや形、動きなどを確認できます。リアルタイムでの観察が可能なことから、心臓の検査にも優れています。加えて、血液の流れも見ることができるため、弁膜症や心筋症といった心臓の病気や、血管の病気を調べるときに用いられます。心疾患のみならず、肝疾患や消化器疾患などのときにも原因を調べるために腹部臓器を観察します。腫瘍や炎症、結石を調べるときにも行います。
動物病院のエコー検査で判明する病気を教えてください
前述のとおり、エコー検査ではさまざまな臓器を観察することができますが、超音波をほとんど反射してしまう骨や、その下にある組織の様子は確認できません。肺のなかの空気や腸のガスといった気体がある場合にも、その下の確認が難しくなります。逆にいうと、それ以外の組織や液体が貯留する病気などであれば、エコー検査によって判明します。
エコー検査はすべての動物が受けられますか?
エコー検査を実施する際には5分から15分程度、仰向けの状態時には横臥位で横になっている必要があります。そのため、とても警戒心が強いなどペットの性格によっては、エコー検査を受けることができません。とはいえ、時間をかけて落ち着かせるなどによって検査中の嫌悪感を和らげることは可能なので、疑問や不安があれば、一度獣医師に相談してみましょう。
エコー検査の種類を教えてください
エコー検査は大きく2種類に分けることができます。1つは心臓の動きや心筋壁の厚さ、胸水、心臓病などについて調べる胸部エコー検査です。そして、もう1つは腹腔内臓器の形や動き、腫瘍や結石、腹水などについて調べる腹部エコー検査です。

動物病院で行うエコー検査の流れと事前準備

このパートでは、実際に動物病院でエコー検査を受けるときの流れについて説明します。必ず行うべき事前準備もあるので、あらかじめポイントを押さえて、当日慌てることがないように気を配りましょう。

エコー検査の前に食事制限は必要ですか?
腹部エコー検査を受ける場合、検査前に食事をすると、食物が邪魔になって確認したい部位が隠れてしまうケースがあります。そのため、検査当日は絶食することが推奨されます。一方、胸部エコー検査のみの実施であれば、基本的に食事制限は必要ありません。ただし、ほかの検査も併せて実施するときや、動物病院から特別な指示を受けた場合には、検査前の数時間、食事を控えるケースもあります。食事制限の有無については、あらかじめ獣医師に確認しておくとよいでしょう。
エコー検査当日の流れを教えてください
エコー検査は、ペットがリラックスした状態で実施するのが理想です。緊張が見られる場合には、診察台でいったん落ち着かせてから検査を開始します。検査に際しては、検査したい部位の周りにある被毛を少し剃ることがありますが、検査自体の痛みは少ないです。装置を該当の部位に当てたら、リアルタイムで取得した映像をもとに、臓器などの状態をチェックしていきます。検査時間は15分程度と短く、ペットにとっては負担の少ない検査といえるでしょう。
エコー検査は麻酔を必要としますか?
エコー検査は基本的に、麻酔や鎮静を必要としません。レントゲンと違って被ばくの心配もなく、リアルタイムで臓器などの状態を確認できるため、ストレスに弱く、体調不良を隠しがちなペットにとっては、さまざまなメリットがある検査です。
エコー検査の当日に準備するものはありますか?
エコー検査特有の準備物はありませんが、食事制限の有無や服薬の注意点など、ペットの状況によって気になる点がある場合には、事前に確認のうえ、具体的な指示を受けておきましょう。後は、特に気負うことなく普段どおりに動物病院へ向かってください。飼い主がリラックスした状態であれば、ペットのストレスも軽減されます。

動物病院のエコー検査にかかる費用の目安

動物病院のエコー検査にかかる費用の目安

終わりに、動物病院のエコー検査にかかる費用の目安をお伝えします。エコー検査の費用は動物病院によって異なりますが、ある程度の相場を事前に知ることで、検査に臨む不安を解消しましょう。

動物病院のエコー検査の費用相場を教えてください
動物病院は自由診療であるため、各種料金は病院によって大きく異なりますが、エコー検査にかかる費用も腹部エコー検査のみで3,000円から5,000円と、かなり幅広く設定されています。いずれにしても、そう安くはない費用が必要で、特殊な検査を受ける場合にはさらに高額になることも考えられるため、気になる点があれば、事前にしっかり確認を入れておきましょう。
心エコーと腹部エコーに費用の違いはありますか?
心臓の動きや心臓病などについて確認する胸部エコー検査と、腹腔内臓器の形や動き、腹水などについて確認する腹部エコー検査に、それ程大きな費用の違いはありません。それぞれ同程度の費用がかかるものと考えておきましょう。
エコー検査の費用を抑える方法を教えてください
繰り返しになりますが、エコー検査にかかる費用は動物病院によって大きく変わります。その一方で、検査の方法が病院によって大きく異なるといったことはなく、安いから十分な検査が受けられないということでもないので、いくつかの動物病院をチェックしてみて、良心的な料金のところを選べば、ある程度は費用を抑えることができるでしょう。また、動物病院によっては、ペットの健康を守るためのエコーキャンペーンなどを実施しています。キャンペーン中は割引料金が適応されているされているケースがあるため、こうした情報をこまめにチェックして、お得に検査を受けましょう。特段症状が出ていなくても、割引をきっかけにエコー検査を受けてみることが、病気の早期発見につながるかもしれません。病気の早期発見は将来的な治療費が高額になることを防いでくれるので、定期的に検査を受けると、結果として出費が減る可能性もあるでしょう。

編集部まとめ

エコー検査はペットへの負担が少なく、さまざまな情報が得られる有用な検査です。特に

内臓の異常の早期発見に役立て、適切な治療につなげていけば、大切なペットの命を守ることができます。レントゲンや血液検査などと併せて健康診断に取り入れられているケースもあるため、動物病院でエコー検査を受けて、ペットの状態をより詳しく把握したいと考えている方は、一度獣医師に相談してみるとよいでしょう。

参考文献