FIP治療とは

FIP治療とは

FIP(猫伝染性腹膜炎)は、猫コロナウイルスが体内で変異することで発症すると考えられている疾患です。かつては治療が難しい病気でしたが、近年はウイルスの増殖を抑制することを目的とした薬剤を用いることで、症状の改善が報告されるケースがあります。

症状の現れ方によって二つに大別されます。

  • ウェットタイプ:胸やお腹に水が溜まる
  • ドライタイプ:体内に肉芽腫が生じたり、ふらつきなどの神経症状や眼の症状を起こしたりすることがある

治療は薬剤投与に加え、炎症や臓器への負担を和らげる補助療法を併用することが一般的です。

メリット

FIPは近年、新しい治療法の登場により症状の改善がみられ、寛解が期待できる病気に変わりつつあります。主なメリットは次のとおりです。

  • 副作用が少ない
  • 発熱や食欲低下、元気消失といった症状が改善する可能性がある
  • 症状の改善によって生活の質の向上が期待できる
  • 定期的な診察や検査で状態変化に応じた治療を受けられる

デメリット

  • 治療費用が高額
  • 治療は84日間継続するのが基本で、治療が長期間に渡る
  • 食欲低下や嘔吐、注射部位の炎症など副作用の可能性がある
  • 病型や進行度によって治療反応には個体差がある
  • 治療に用いられる薬剤に国内未承認薬が含まれる場合がある

治療期間

一般的な治療期間は84日間で、治療中は炎症反応や臓器機能を定期的に確認します。

一般的な治療費用

使用する薬剤の種類や体重、通院頻度、検査内容などによって異なり、数十万円のケースもあれば150万円程度かかるケースもあります。