愛犬の吠え癖に悩んでいませんか?
犬が吠えることは当たり前ですが、周囲に迷惑をかけてしまうこともあります。「どうして吠えるんだろう?」と理由がわからない方もいるでしょう。
また、初めて犬と暮らす方は戸惑ったり心配になったりとどのように対応すればよいのか迷う方も少なくありません。
しつけ教室を検討しているけれども、選び方がわからないなど不安を感じてはいませんか?
この記事では、愛犬の吠え癖に困っている方へ吠える原因や、犬のしつけ教室の選び方や自宅での対策法について解説します。
犬に吠え癖が付きやすくなる原因

そもそも犬は、なぜ吠えるのでしょうか。犬は、狼と共通の祖先をもっています。狼と似た遺伝子をもっており、生物学上では同じイヌ科です。
人間と犬の関係は古く、その過程でコミュニケーションを図ってきました。犬が吠えるのはコミュニケーションの一つでもあります。
まずは、なぜ犬が吠えるのか知り、吠え癖が付きやすくなる原因を探っていきましょう。
ストレスで吠える
ストレスを感じて吠えることがあります。運動不足や環境の変化などがストレスの原因です。例えば、散歩に行けない日が続いたことや引っ越しなどが考えられるでしょう。
また、飼い主とのコミュニケーション不足や運動不足もストレスの原因です。
愛犬にとって何がストレスになっているかを把握し、原因を取り除いてあげることが大切です。
飼い主の反応で吠えることを学習する
もっとご飯が欲しい、遊んで欲しいなど愛犬から飼い主に要求するときに吠える場合があります。
その要求に普段から応えすぎると、吠えたら希望が叶うと学習して癖になります。
吠えたら構ってもらったことが原因となり、愛犬は吠えると飼い主に希望を聞いてもらえると学習します。飼い主の対応によって吠え癖が付く可能性があるでしょう。
興奮や本能的な行動
犬は、興奮して吠えることがあります。楽しいときやうれしいとき、なにかの刺激で興奮してしまい吠えてしまいます。例えば、飼い主が仕事から帰宅してうれしくて吠えるなどです。
また、犬は吠えることを人間から求められてきた動物です。狩猟や牧畜などの仕事のパートナーとして人間の役に立つように吠える能力が高い特徴があります。
ほかにも自分の縄張りに入ってくるものや不審なものに対して、警戒したり恐怖や不安を感じたりした場合に吠えます。本能的な行動といえるでしょう。
このように、犬が吠えるのは当たり前な行動です。
しかし、吠え癖が付いてしまい周囲の迷惑になる場合があります。愛犬との生活をよりよい方向に変えるのは、飼い主である人間の責任でしょう。
ただし、落ち込む必要はないでしょう。吠え癖が付いてしまった後でも、軽減することは可能です。
しつけ教室で行われる吠え癖を直す方法

吠え癖が付いた愛犬を、しつけ教室に通わせて軽減させたいと考えている飼い主は少なくないでしょう。
また、通わせたいけれどどのような方法を行っているのかわからず不安な方もいるでしょう。
では実際に、しつけ教室ではどのような方法を行っているのか解説します。
吠えにくい環境を整える
まず、吠えにくい環境を整えます。
初めての場所や慣れない人間に対して、愛犬は不安や恐怖を感じる場合があります。そのため落ち着いてトレーニングできる環境が必要です。
あまりに興奮しやすい場合は、間仕切りやカーテンなどで外からの刺激から避けるよう整えます。
インターホンや掃除機などの音に吠えてしまう場合は、環境音トレーニングを行います。日常的な音を聞かせて慣れさせていく方法です。
恐怖心や警戒心が原因で吠えてしまうことがあるため、これらを安心感に変えていくことで吠え癖を直していきます。
おやつやおもちゃで気を逸らす
吠えやすい状況になったとき、おやつやおもちゃで気を逸らすと効果的です。愛犬にとって吠えないほうがよいことがあると思わせることで、吠えが軽減していくでしょう。
例えばインターホンに反応して吠えてしまう場合には、鳴ったらおやつをあげます。インターホンが鳴ったら飼い主のそばに行くとおやつがもらえると意識を変えていくことで、吠え癖の軽減が可能です。
信頼関係を作って興奮へのコントロールを図る
愛犬との信頼関係を作ることは、とても大切です。恐怖心や警戒心があると、吠えやすくなります。
愛犬が飼い主と一緒にいれば安心できると感じることができるように、恐怖心を安心感に変えるトレーニングを行います。繰り返すことで、愛犬が落ち着き興奮へのコントロールがしやすくなるでしょう。
吠え癖を直すためのしつけ教室の選び方

大切な愛犬のことを思い、どのようなしつけ教室がよいのか迷っている方もいるでしょう。しつけ教室は飼い主が愛犬へのしつけ方法を学ぶ場でもあります。愛犬の性格や飼い主のライフスタイルなどに合わせて、しつけ教室を選ぶとよいでしょう。
費用や事前の相談に対応してくれるかどうかも、しつけ教室選びのポイントです。見学や体験レッスンがあれば、参加してみるのもおすすめの方法です。
しつけ教室によっては受け入れる犬の年齢制限を設けているところもあります。成犬でも受け入れ可能か、事前にしっかりと確認をしましょう。
そのほか、しつけ教室の選び方のポイントは次のとおりです。
トレーナーの専門性や相性
トレーナーの専門性や愛犬との相性は、しつけ教室選びの重要なポイントです。
犬のトレーナーとして働く場合、法律で決められた資格はありません。ですが、さまざまな資格があり次の資格を取得しているトレーナーは専門性が高いといえるでしょう。
- JKC訓練士(一般社団法人ジャパンケネルクラブが発行)
- JDTAドッグトレーナーライセンス(一般社団法人日本ドッグトレーナー協会が認定)
- 犬のしつけインストラクター(日本インストラクター技術協会が発行)
トレーナーによって愛犬との相性がどうしても合わない場合もあるでしょう。見学や体験レッスンを行っているしつけ教室もあります。その際にはトレーナーが犬に対して感情的になっていないか確認するのもポイントです。
トレーナーと愛犬の相性のほかに、飼い主もトレーナーを信頼できるか実際に会って確認するとよいでしょう。
また、近年ではオンライントレーニングを行っているところもあります。ライフスタイルに合わせて検討してみてもよいでしょう。
トレーニングの内容
しつけ教室といっても、内容はさまざまです。目的に合ったトレーニング内容を行っているか確認しましょう。
しつけ全般のトレーニングを行っているのか、吠え癖を直すためのトレーニングを行っているのかでは結果が違ってきます。愛犬にとって必要なトレーニングはなにかを明確にすることが大切です。
クラス内の環境
クラス内の環境もしつけ教室選びのポイントです。愛犬が安心して過ごせるか、教室は清潔に保たれているかなどを見学や体験レッスンなどで実際に見てみるのがおすすめです。
また、しつけ教室は主に3つのタイプに分かれます。
- 通い型
- 出張型
- 自宅学習型
通い型には飼い主も参加するタイプと、愛犬を預けるタイプに分かれます。愛犬との相性やトレーナーの雰囲気などを事前に確認するとよいでしょう。
そのほかに確認しておくとよいポイントは、費用や期間、回数です。
予算との兼ね合いや入会金の有無、追加費用の必要性など、費用設定が明確で事前説明がしっかりと行われているか比較することが大切です。
期間や回数も確認しましょう。飼い主のライフスタイルや愛犬の適性を考慮して短期集中型か長期継続型にするのか、通うのが大変なら出張型を選ぶなど複数のしつけ教室を検討するのがおすすめです。
自宅でできる吠え癖への対策法

さまざまな事情でしつけ教室に通わせられない方もいるでしょう。また、しつけ教室だけでは不十分な場合もあります。
そのため、飼い主は自宅でできる吠え癖への対策法をしっかり学び、実践しましょう。
何に吠えてしまうのか原因を調べる
まずは愛犬が、何に対して吠えてしまうのか原因を調べてみましょう。
有効な方法として、吠えるシチュエーションを次の5つのポイントに沿って書き出してみるとよいでしょう。
- いつ?
- どこで?
- 何をしているときに?
- 誰に(何に)対して?
- どのような吠えかたをしているのか?
この5つのポイントを押さえて愛犬が吠えるシチュエーションを書き出してみると、吠える原因が見えてきやすいです。原因がわかれば、その原因に合わせた対応ができます。
要求吠えに反応しない
要求吠えは、愛犬が飼い主におねだりしている状態です。可愛くてうれしく感じ、飼い主が応え続けた結果が吠え癖につながっています。
有効な対策は、要求吠えに反応しないことです。
要求吠えをしたら、愛犬の前から立ち去りましょう。無視するのも方法ですが、そう簡単には諦めてくれません。愛犬の前から立ち去ることで、吠えても意味がないことを学習します。
また、家族の中でも統一したルールを作り実行することも大切です。
家族でバラバラの対応をすれば、愛犬も学習し要求を叶えてくれる家族に吠えておねだりしてしまいます。おねだりのルールを決めておくのもよいでしょう。
大声でしかりつけない
大声でしかりつけてしまっていませんか?愛犬が静かになることもありますが、根本的な解決方法ではありません。
飼い主の大声に驚いて怯えてしまったり、なぜ怒られたのかわからなかったりします。また、飼い主が反応してくれたと思い、吠え続けてしまう場合もあります。
大声でしかりつけることで、愛犬がストレスを抱えて別の問題行動に発展する可能性があります。
愛犬と飼い主の関係悪化のリスクもあり、大声でしかりつけるのはデメリットしかないといえるでしょう。
住環境を整える
吠え癖の原因を探っていくと、インターフォンの音で大きく吠えたり窓から見えた人間などに吠えたりする場合があります。
このような環境が原因で吠えるのであれば、興奮材料を遠ざけたり慣れさせたりしてみましょう。
例えばインターフォンの音に過剰に反応するのであれば、音の設定を小さくしたり電話などで知らせてもらったりなどの対策ができます。
愛犬が安心できるように、自宅の環境を見直すことも大切です。
要求吠え癖や要求鳴きへの正しい対応方法

要求吠え癖や要求鳴きへの正しい対応方法を覚え実践することで、愛犬との生活がより豊かなものになります。
飼い主の対応方法によって、要求吠え癖や要求鳴きが軽減するか悪化するかのどちらかになるでしょう。
要求吠えや要求鳴きとは、「ごはんが欲しい」「遊んで欲しい」など愛犬が飼い主におねだりのために吠えることです。普段から要求に応えてしまうと、吠えると希望通りになると学習し、癖になります。
正しい対応方法は、無視をすることです。
可哀想になってしまい要求通りにしてあげたくなるのもわかりますが、根気よく続けましょう。そうすることで、吠えても希望通りにならないと学習して吠えが軽減します。
吠えている間は別室に行き、愛犬の前から立ち去るのも方法です。吠えても意味がないと愛犬が気付きやすくなります。
家族全員が同じ方法を実践し、協力して取り組むことが大切です。
吠え癖への対策効果を持続させるコツ

吠え癖への対策効果を持続するコツは、しつけ教室と同じ対応を一貫して行うことです。家族全員で統一したルールを決めて、ブレないようにするのもポイントです。
しつけ教室だけではなく、家庭でもトレーニングを取り入れましょう。習ったことを自宅で実践してみたり、トレーニングの時間を作ってみたりすると愛犬も覚えやすくなります。
また、成功したときにはしっかりと褒めてあげたりご褒美をあげたりしましょう。愛犬がよい行動を続けやすくなります。
ポイントは、吠えていないときに行うことです。吠えずに静かにしていると、飼い主に褒められたりご褒美をもらえたりすることでより有効となるでしょう。
吠え癖の改善には、時間がかかる場合があります。焦らずに続けていくことが大切です。トレーニングの時間は、愛犬との信頼関係が深まるきっかけともいえます。
しつけ教室によっては、フォロー体制が整っていることがあります。その場合は、有効活用しましょう。追加レッスンやトレーナーに相談するなど一人で抱え込まないことも大切です。
まとめ

愛犬が吠える理由をしっかりと探り、適切な対応を行うことで吠え癖は軽減します。
愛犬にとっては、吠えることもコミュニケーションの一つです。あなたに聞いて欲しいことがあるから吠えています。吠えたから叱ると、お互いにストレスを感じてしまう場合もあります。
普段から愛犬の健康観察と一緒に、吠え方も確認しておきましょう。
かかりつけの獣医師やドッグトレーナーに相談しやすい環境を作るのも、愛犬と一日でも長く一緒に過ごすためには大切です。
しつけを通して愛犬との間に信頼関係を築き、今よりも幸せな生活を手に入れましょう。
参考文献
