トリミング中に噛む犬の対処法や注意点、飼い主ができることを解説

トリミング中に噛む犬の対処法や注意点、飼い主ができることを解説

トリミング中に噛んでしまう犬を飼っており、適切な対処法がわからず、頭を悩ませている飼い主の方はいませんか。トリミングサロンを頼ろうかと検討してみても、どのような対応を受けるか不安で、利用を躊躇している場合もあるでしょう。今回はトリミング中に噛む犬をテーマに、具体的な対処法や注意点などをまとめました。 噛み癖を防ぐために飼い主ができることも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

トリミング中に噛む犬の原因と対処法

トリミング中に噛む犬の原因と対処法

まずは、犬がトリミング中に噛んでしまうのはなぜなのか、その理由を説明します。噛み癖の原因を押さえたうえで、適切な対処法や必要な準備についても、理解を深めていきましょう。

犬がトリミング中に噛む理由を教えてください
犬がトリミング中に噛む理由は、いくつか考えられます。まずは、トリミングに対するストレスや恐怖心です。トリミングに慣れていない犬の場合、普段とは違う状況に身を置くことで、不安や緊張感が高まります。そうした感情が募った結果、噛み癖が引き起こされるのです。トリミング中に身の危険を感じることにより、自己防衛反応の一種として噛み癖が現れるケースもあります。噛むことで、本能的に不安を解消しようと試みているのです。その他には、過去のトラウマが引き金となっている可能性も考えられます。いずれにしても、噛み癖の原因を見極めたうえで不安の軽減に努め、犬にとってリラックスできる環境を整えてやることが大切です。
噛まれたときは、どのように対応するとよいですか?
ふいに噛まれると、つい感情的に叱りたくなりますが、大きなリアクションを取るようなことは避け、冷静に対応するよう努めてください。静かにその場を離れて、噛めば飼い主がいなくなってしまうと認識させるのが効果的です。
噛み癖がある犬をトリミングするにあたり、必要な事前準備はありますか?
トリミングをスタートするときに、いきなりハサミなどを取り出して大きな音を立てると、犬が驚き、噛み癖が出てしまう恐れがあります。事前にハサミやブラシ、クリッパーなどのトリミングツールを準備して、そっと犬に触れさせておきましょう。まずは、静かな場所でツールを使い、徐々に音を立てるといった配慮も必要です。普段とは違うということが犬の不安を煽るため、少しずつトリミングの状況に慣れさせるよう意識してください。ツールに触れる時間も段階的に長くしていき、その間は優しく声かけを行います。トリミングに対してポジティブなイメージが付けば、心理的な負担が軽減され、よりリラックスした状態でケアを受けられるようになるでしょう。

トリミングサロンを利用するときの注意点

トリミングサロンを利用するときの注意点

ここでは、噛み癖のある犬がトリミングサロンを利用するときの注意点をまとめます。ポイントを押さえて信頼できるトリミングサロンを選べば、必要なケアをスムーズに受けることが可能です。

あらかじめ噛み癖があることを伝えるべきですか?
あらかじめ噛み癖があると明言するのは、気が引けるという飼い主の方もいるかもしれません。しかしながら、トリマーが事前に必要な情報を把握できていれば、より効果的なトリミングを行うことが可能となります。施術前に電話やメールを通じて、噛み癖があることを伝えておきましょう。日々の様子を記録した健康手帳などを共有するのも一案です。
トリマーはどのような対策を講じてくれますか?
トリマーは噛む犬のトリミングに臨むとき、通常よりも慎重にアプローチします。施術前には時間をかけて犬の身体に触れ、優しく声をかけて、緊張を和らげてくれるでしょう。トリミング作業は短時間で区切りながら行い、負担が大きくならないように配慮します。また、犬が恐怖心を示した場合には、いったん作業を中断してリラックスさせるように努めるなど、安全性重視の施術が行われます。状況によっては犬の不安を取り除くべく、飼い主に協力を仰ぐため、指示にしたがってください。口輪は犬の快適さを考慮したうえで、ほかの有効な手段がないときに用いられます。
噛み癖がある犬を任せられるトリミングサロンの選び方を教えてください
噛み癖がある犬をトリミングに連れて行くときは、噛むようになった原因や経緯をしっかりヒアリングしてくれる施設を探しましょう。そのうえで、問題行動に詳しいトリマーが在籍する施設を選べば、適切な対応を取ってもらえる可能性が高まります。トラブルが起きてしまった場合のことを考慮して、動物病院と提携しているトリミングサロンを選ぶのもおすすめです。

トリミング中の噛み癖を防ぐために飼い主ができること

終わりに、トリミング中の噛み癖を防ぐために飼い主ができることをお伝えします。日頃の心がけが噛み癖の改善につながるケースもあるので、愛犬の健やかな毎日のサポートを目指して、正しい知識を身に付けましょう。

トリミング中の噛み癖を防ぐために、日頃から心がけるべきことはありますか?
トリミング中に噛んでしまう犬と接するときには、安心感を与えられるような態度を取ることが大切です。日頃から犬のペースに合わせることを意識して、無理やり触れたり抱っこしたりせず、嫌がる様子が見られた場合はすぐに距離を置くよう心がけてください。アイコンタクトや、優しい声かけも有効です。愛犬との間に信頼関係が構築されると、噛み癖の改善につながるでしょう。
噛み癖の改善に役立つトレーニング方法を教えてください
愛犬に噛まれてしまったら、感情的に叱ったり大声を出したりはせず、冷静に痛いと伝え、やってはいけないことという認識を植え付けるようにしましょう。手で追い払ったりすると、遊んでくれていると勘違いして、行為がエスカレートする可能性もあるため、十分注意する必要があります。噛み癖が環境的要因によって引き起こされているようであれば、リラックスできる環境を整えてあげることも大切です。どのような原因があったとしても、噛み癖の根本的な理由は何かを追求し、それに応じた適切なトレーニングを行えば、改善が期待できます。
噛み癖が治らない場合は、プロのサポートを受けた方がよいですか?
犬の噛み癖を改善するにあたっては、噛む原因は何かを見極めて、根気強く対応することが欠かせません。飼い主の努力によって治そうとしても、なかなか効果が見られず、限界を感じる場合には、プロのサポートを受けるとよいでしょう。しつけ教室に通えば、専門的な知識を持ったトレーナーによる、犬の特徴や性格を考慮したしつけを受けることができます。飼い主自身も適切なしつけ方法や、愛犬との関わり方を学べるため、利用を検討してみてください。状況によっては、動物病院の受診も考えましょう。一人で悩んで状況が悪化する前に、トレーナーや獣医師に相談することが大切です。

編集部まとめ

飼い主を悩ませるトリミング中の噛み癖ですが、その背景には根深い原因が潜んでいる可能性もあります。とりあえずその場を収めようと叱りつけても改善しないため、犬との信頼関係を意識しつつ、冷静な対応を取らなければなりません。トリミングサロンを利用する場合には、事前に噛み癖のことを伝えたうえで施術を受けましょう。また、噛み癖がひどく、まったく状況がよくならないときは、トレーナーや獣医師のサポートを受けることも必要です。

【参考文献】