エキゾチックアニマルは動物病院で診てもらえる?主な診察内容や費用相場を解説

エキゾチックアニマルは動物病院で診てもらえる?主な診察内容や費用相場を解説

犬や猫以外のペットを指すエキゾチックアニマルは数が少ないためか、まだ診療体制が充分とは言い難いのが現状です。

数ある動物病院のなかでも診療できるのは少数で、診療できるエキゾチックアニマルが限られる場合もあります。そのため、飼育する場合は診療できる動物病院の確保が重要です。

この記事ではエキゾチックアニマルの医療事情を解説します。飼育を考えている方の参考になれば幸いです。

動物病院ではエキゾチックアニマルも診てもらえる?

獣医にケアしてもらうモルモット

エキゾチックアニマルとはどのような動物ですか?
エキゾチックアニマルの呼称には、はっきりした定義はありません。しかし、一般的には犬や猫以外の愛玩動物を指す場合がほとんどです。
エキゾチックの言葉自体は異国風とか外国産、あるいは風変りやちょっと変わったなどの意味で使われます。しかしペットの場合はそれとは関係なく、外国産の犬や猫でもエキゾチックアニマルとは呼びません。
単に犬や猫とは違う動物との認識が一般的です。また、インコやメジロなどの鳥類は飼育の歴史が長いものの、エキゾチックアニマルに分類されます。
エキゾチックアニマルは動物病院で診察してもらえますか?
動物病院ではエキゾチックアニマルも診察の対象です。
ただし、エキゾチックアニマルの定義が厳密ではないのと同様に、動物病院によって診察できる動物には違いがあります。
これは獣医師の方針や診療設備の違いによるもので、病院によって細かい違いがあるのが実情です。
犬や猫なら動物病院であればまず断られることはありませんが、エキゾチックアニマルの場合は敬遠される場合もあるでしょう。
例えば小型の哺乳類と鳥類などと診察対象の動物を指定している病院もありますが、診療できない動物としてサル類や有毒生物を指定する病院もあります。
そのため動物の飼育を考えた場合は、その動物を診察できる動物病院の有無を確かめるのが重要です。
エキゾチックアニマルの診察に対応している動物病院の探し方を教えてください。
エキゾチックアニマルを診察する動物病院を探すには、各地にある獣医師会のホームページを見ると探しやすいでしょう。
大阪府のようにエキゾチックアニマルを診察する病院を抽出して表示しているところや、東京都のように対象動物で検索するところもあり、様式はまちまちですが簡単に見つけられるはずです。
一口にエキゾチックアニマルといっても種類が多く、飼育しやすいウサギやハムスターなどはすぐに病院が見つかります。
しかし、飼育数が少ない動物はその他で分類されているため、各病院のホームページへ移るなど個別に探すようになります。
動物病院に行く際には予約をした方がよいですか?
動物病院へ行く前には予約をした方がよいでしょう。
動物病院の慣れない空間で長時間過ごすのは、動物にとっては大きなストレスです。待ち時間を減らしてストレスを少なくし、嫌な場所だと記憶させないために予約をおすすめします。
また、緊急の場合ではすぐに診察が可能かどうかを確かめるため、または病院に受け入れ準備をしてもらうためにも事前の電話連絡や予約をすべきでしょう。
予約制の病院では、同時間帯に多くの動物が通院しないように調整しています。
ほかの動物を気にするペットもいるので、できるだけストレスの少ない環境を整えるためにも予約できる病院がおすすめです。

エキゾチックアニマルに対する動物病院での主な診療内容

ウサギの診察をする女性獣医

動物病院で受診する際に持って行く物を教えてください。
受診の際には猫と同じようにキャリーケースを使うか、できればケージごと運びます。
体調が悪いうえに移動のストレスがかかるので、少しでも負荷を抑えることが目的です。また、獣医師に普段の生活環境を知らせる目的もあります。
もしケージでの移動が困難な場合は室内の画像を用意しましょう。
ハムスターやハリネズミなどの小さい動物は体力が弱く、わずかな環境の変化にも対応できずすぐ衰弱します。移動時にはケージにバスタオルや毛布などをかけ、気温の急変を防ぐ措置が必要です。
また普段の生活態様がわかる食餌量、排せつ物の量や見た目、照明やエアコンの使い方などをメモや画像で用意すると正確な診断に役立ちます。
動物病院ではどのような検査を行いますか?
動物病院での検査で代表的なものは、健康診断のための定期的な検査です。
一般的な検査項目には以下のようなものがあります。
  • 身体検査(視診・聴診・触診など)
  • 血液検査(生化学・血球など)
  • 糞便検査(寄生虫)
  • X線検査(頭部・胸部・腹部)
  • 超音波検査

疾患の予防や早期発見を行う目的で行う検査です。
一方で、エキゾチックアニマルにはそれぞれにかかりやすい疾患があり、動物病院ではそれに応じた各種検査で診断や治療を行います。例えばハリネズミは生殖器の病気、腫瘍、皮膚病などをおこしやすい動物です。
ストレスを感じやすい性質に配慮しながらX線やエコー検査を行いますが、場合によっては高精度のCT検査ができる病院もあります。

動物病院での主な診療内容を教えてください。
動物病院で行われる診療の内容はおおむね以下のとおりです。
  • 健康診断
  • 一般診療(内科や外科など)
  • 飼育相談
  • 各種ケア全般

健康診断は前述の各種検査による疾患の予防や早期発見を目指す一方で、ワクチンの予防接種も行います。
一般診療で扱うのは内科や外科、泌尿器科や眼科などはもちろん、歯科などあらゆる診療科目です。
動物病院の多くは科目にこだわらず、どの部位の疾患でも診療します。
ただ動物の種類によって分業化していて、多くが犬や猫、ウサギなどの診療が主体です。エキゾチックアニマルを診療できる動物病院は少数なのが実情ですが、エキゾチックアニマル科を設けた病院もあります。
動物病院では医療以外にも飼育に伴うさまざまな相談にも応じます。また、爪切りなど日常的なケアの指導や実施も可能です。

避妊や去勢の手術にも対応していますか?
犬や猫の避妊手術や去勢手術は一般的になりました。同様にエキゾチックアニマルにも、避妊手術や去勢手術が可能です。
ただ飼い主さんのなかには、麻酔に対する不安や身体への負担を気にする方もいます。
しかし、近年は手術方法の進歩や麻酔用機器の発達が目覚ましく、手術の安全性は格段に向上しました。エキゾチックアニマルのなかでも、繁殖力が強いウサギへの避妊手術の普及が進んでいます。
特にメスのウサギは加齢で子宮や卵巣の疾患が多くなるため、これらの疾患の予防の面でも重要な手術です。

動物病院でエキゾチックアニマルが診察を受けた場合の費用相場

ペットの医療費のイメージ

エキゾチックアニマルが診察を受けた場合の費用はどのくらいかかりますか?
動物病院でかかる費用は自由診療のため一定ではなく、各病院によって違います。
エキゾチックアニマルの医療費と、一般的な犬や猫の医療費との比較は困難です。身体の構造、サイズや診療内容が違うため、一概に医療費は提示できません。参考までに、エキゾチックアニマルの診察費用の一例を以下で紹介します。
  • 初診料・診察料:小型哺乳類2,000円(税込)・鳥類2,000円(税込)
  • 入院費1日分:小型哺乳類3,000円(税込)・鳥類2,000円(税込)
  • 血液検査:10,000円前後(税込)(小型哺乳類、鳥類ともに)
  • X線検査:5,000円前後(税込)(小型哺乳類、鳥類ともに)
  • 開腹手術:70,000円~100,000円以上(小型哺乳類、鳥類ともに)

手術は難易度が高い場合もあり、上記目安より差が大きくなる可能性があります。
また、実際の受診ではこうした各項目の費用が合算されるため、費用は高額になる傾向です。

エキゾチックアニマルもペット保険に入れますか?
エキゾチックアニマルもペット保険に入れます
まだ多くのペット保険が犬や猫を対象とするなか、近年ではエキゾチックアニマルが入れるペット保険も増加傾向です。
エキゾチックアニマルの診療を行う動物病院であれば、エキゾチックアニマル用の保険プランに対応している可能性が高いです。
取り扱いのある病院であれば窓口で精算でき、支払額が少額または無料になる場合があります。取り扱いがない病院ではいったん全額を支払い、別途自分で保険会社に請求する方法です。
ペット保険への加入には年齢制限があるため、加入するなら保険料が安い低年齢のうちに決断しましょう。

編集部まとめ

ウサギの診療をする女性の獣医師

エキゾチックアニマルの医療事情を解説しました。種類ごとに生態が違う生き物で対応が難しいなか、診療できる病院も見つけやすくなってきました。

動物病院ではそれぞれの動物に適した方法で、健診から診察、検査や手術まで幅広く対応できます。健診や検査など小まめに病院で受診すれば、動物も健康で長く過ごせるでしょう。

参考文献