動物病院のフィラリア予防の料金|フィラリアの基礎知識と予防の際の注意点も解説

動物病院のフィラリア予防の料金|フィラリアの基礎知識と予防の際の注意点も解説

春の訪れとともに気をつけたい病気のひとつがフィラリア症です。蚊を媒介に感染するこの病気は、予防していれば防げるものの、放置すると命に関わる深刻な状態に陥ることもあります。特に初めて予防を行う場合には、事前の検査や予防薬の選び方、料金の目安など、気になる点が多いかもしれません。この記事では、動物病院で行われるフィラリア症の検査や予防の流れ、費用の相場について詳しく解説します。

フィラリアについて

フィラリア症は犬の命に関わる寄生虫感染症です。主に蚊を介して感染し、心臓や肺に重大な影響を与えるため、正しい理解と予防が重要です。

フィラリアについて
フィラリアとはどのような病気ですか?
フィラリア症は、蚊に刺されることで感染する寄生虫疾患で、主に犬の心臓や肺の血管にフィラリア(犬糸状虫)が寄生することで発症します。寄生虫は成長すると心臓や血管に重大なダメージを与え、咳や運動を嫌がるなどの症状のほか、重症化すれば呼吸困難や腹水、突然死に至ることもあります。初期には症状が出にくく、気付かないうちに進行しているケースもあるため、予防と定期的な検査がとても重要です。猫でも発症例はありますが、犬と比べて多くはありません。
フィラリアにかかった場合、どのような症状がでますか?
フィラリアに感染すると、初期にはほとんど症状が出ないため、飼い主さんが気付きにくいのが特徴です。しかし、寄生虫が成長して心臓や肺の血管に影響を及ぼすようになると、元気がなくなる、咳が出る、運動を嫌がるといった症状が現れます。さらに進行すると、呼吸困難や腹水の発生、貧血など深刻な状態になり、命に関わるケースもあります。突然死に至ることもあるため、フィラリア症は予防が大変重要な病気とされています。
蚊に刺されると必ず発症するのか教えてください
蚊に刺されたからといって、必ずフィラリア症を発症するわけではありません。感染の原因となるのは、フィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)を持つ蚊に刺された場合のみです。健康な蚊や、フィラリアに感染していない蚊からの吸血では感染は起こりません。また、感染してもすぐに症状が出るわけではなく、成虫になるまでの期間があるため、発症には時間がかかります。ただし、見た目にはわからないまま進行することも多く、毎年の予防こそが、よりしっかりと感染を防ぐ手段といえるでしょう。
フィラリアにかかった場合はどのような治療を行いますか?
フィラリア症に感染していると診断された場合、症状の進行具合によって治療法が異なります。軽度の場合は、寄生しているフィラリアを駆除するための薬を段階的に投与し、身体への負担を抑えながら治療します。重度の場合には、外科的に成虫を取り除く手術が必要になることもあります。さらに、心臓や肺に障害が出ている場合は、それに応じた対症療法も並行して行います。いずれの場合も長期的な管理が必要になり、治療の負担も大きいため、予防が効果的な対策です。

フィラリア予防を受ける場合の料金

フィラリア予防にかかる料金は、動物病院や薬の種類によって異なります。ここでは、費用の目安や料金を抑える工夫についてご紹介します。

動物病院でフィラリア予防を受ける場合の費用目安を教えてください
フィラリア予防にかかる費用は、使用する薬の種類や投与方法、動物の体重、病院の料金設定によって異なります。例えば、月1回の内服薬であれば1回あたり1,000円〜2,500円程度が目安となり、これを蚊の活動時期に合わせて半年〜8ヶ月間継続します。また、年1回の注射タイプは1万円〜2万円程度かかることもあります。さらに、予防開始前には感染の有無を確認する血液検査(1,000円〜3,000円程度)が必要です。合計で1シーズン1万〜2万5,000円前後が一般的な相場です。
フィラリア予防の料金を抑える方法があれば教えてください
フィラリア予防の費用を抑えるには、まず動物病院ごとの料金設定を比較することが有効です。複数月分をまとめて購入することで割引が適用される場合もあるため、事前に確認してみましょう。また、一部の病院では春先にフィラリア予防のキャンペーンを実施していることがあり、検査料や薬代が通常より安くなることもあります。さらに、体重に応じて薬の用量が変わるため、体重管理をすることも間接的なコスト抑制につながります。無理のない範囲で賢く予防を続ける工夫が大切です。
フィラリア予防はどこの動物病院でも受けられますか?
基本的に、ほとんどの動物病院でフィラリア予防は実施されています。予防薬の処方には事前の血液検査が必要なため、獣医師による診察と検査を受けることが前提となります。動物病院によって扱っている薬の種類や価格、予防プランの内容が異なることがあるため、かかりつけの病院で事前に確認することが望ましいことです。また、初めての受診や転院の場合は、ワクチン接種歴や既往症などの情報を伝えるとスムーズに対応してもらえます。地域の病院の特徴を把握し、信頼できる施設で予防を受けることが大切です。
動物病院ごとに用いるフィラリア予防薬は異なりますか?
はい、フィラリア予防薬にはいくつかの種類があり、動物病院によって取り扱っている製品が異なることがあります。主な予防薬には、チュアブルタイプ(おやつ型)、錠剤タイプ、スポットタイプ(皮膚に垂らすもの)、注射タイプなどがあり、それぞれに特徴があります。動物の体質や飼い主さんの生活スタイルに合わせて処方されるため、必ずしもどの病院でも同じ薬が出るわけではありません。使用経験やアレルギーの有無なども考慮されますので、気になることがあれば獣医師に相談しましょう。

フィラリア予防を行う際の注意点

フィラリア予防を行う際の注意点

フィラリア予防は継続と正しい使用が重要です。薬の飲み忘れや体調への影響など、予防時に気をつけたいポイントを確認しておきましょう。

フィラリアの予防薬を飲み忘れたときはどのように対処すればいいですか?
予防薬を1回飲み忘れてしまった場合でも、できるだけ早く獣医師に相談し、指示を仰ぐことが大切です。自己判断で次回分を前倒しで与えたり、2回分をまとめて与えるのは避けてください。飲み忘れた期間にフィラリアに感染していた場合、予防薬の投与によって体内で成虫になりかけた幼虫が一斉に死滅し、ショック症状を起こすリスクもあります。そのため、感染の有無を確認するための血液検査が必要になることもあります。定期的な投薬を習慣化するために、カレンダーやリマインダーの活用がおすすめです。
フィラリアの予防薬に副作用はありますか?
フィラリアの予防薬は、適正に使用すれば安全性が高い薬とされていますが、まれに副作用が現れることがあります。代表的な症状には、軽い下痢や嘔吐、食欲不振、元気がないといった一時的なものが多く、ほとんどは自然に回復します。しかし、まれにアレルギー反応として発疹や呼吸困難などが出ることもあるため、服用後に普段と違う様子が見られた場合は、すぐに動物病院に連絡してください。体質に合った薬を選ぶことや、毎年の検査と併せて慎重に観察を続けることが大切といえるでしょう。
薬の服用で体調が悪くなったように見える場合の対処法を教えてください
予防薬を服用した後に体調の変化が見られた場合は、まずは安静にさせて様子を見つつ、速やかに動物病院へ連絡しましょう。嘔吐、下痢、発疹、呼吸が荒い、元気がないといった症状がある場合、薬に対するアレルギーや体質の問題の可能性があります。自己判断で薬を中断したり、ほかの薬を与えるのは危険です。また、動物病院に相談する際は、服用した薬の名前や投与時間、症状の出たタイミングをできるだけ詳しく伝えることが重要です。今後の処方にも関わるため、慎重に対応しましょう。

編集部まとめ

フィラリア症は、予防さえしっかり行えば防げる病気です。しかし、万が一感染すると治療には時間も費用もかかり、命に関わるケースもあるため、毎年の予防がとても重要です。動物病院での予防薬の種類や料金には差がありますが、飼い主さんが情報を正しく理解し、愛犬に合った予防法を選ぶことで、しっかりと健康を守ることができます。この記事が、フィラリア予防を始める際の参考となれば幸いです。

【参考文献】