文鳥を迎えたもののどのようなことに気をつけたらよいのかわからず、動物病院に相談したいけれど近くに病院がない、いざというときに文鳥を診てもらえる動物病院がないという可能性があります。
この記事では文鳥を診察できる動物病院の探し方・文鳥がかかりやすい病気・動物病院を受診するときの注意点などを解説します。文鳥を飼育している方や文鳥の飼育を検討している方のお役に立てたら幸いです。
文鳥を診察してくれる動物病院の見つけ方
- 文鳥を診察してくれる病院の見つけ方を教えてください。
- 文鳥の診察をしている動物病院を探すにはインターネットで検索をし、不明確な場合は電話で問い合わせるのがよいでしょう。文鳥はエキゾチックアニマルとも呼ばれます。文鳥と明記されていなくてもエキゾチックアニマルと記載されていれば診療を行ってくれることがあるでしょう。
犬や猫に比べ文鳥をはじめとするエキゾチックアニマルの診療を行っている動物病院は少ないので、文鳥を飼い始めたら近くの動物病院を探しておくことをおすすめします。ペットショップから文鳥を迎えることになった場合、ペットショップの店員さんに尋ねるのもよいでしょう。
- なぜ診察してくれる病院が少ないのですか?
- 文鳥の診療を行っている動物病院が少ない理由は、犬や猫に比べて飼育している人が少ないからといえるでしょう。近年では文鳥をはじめとするハムスター・フェレット・ウサギなどのエキゾチックアニマルとよばれる動物を飼育する方が増えてきています。
しかし、まだ一般的ではなく、獣医師が専門的に学んでいないので診察を行うことができません。ですので、文鳥の飼育を始めるときには近隣で文鳥やエキゾチックアニマルの診療を行っている動物病院があるか確認するのをおすすめします。
文鳥に対する治療の特徴
- 文鳥に対する治療の特徴を教えてください。
- 文鳥は自身が体調不良であることをギリギリまで隠す動物です。それは見た目としてわかる弱さを見せると外敵に襲われてしまうので、本能として体調不良を隠す性質があります。体調不良が確認できたときには手遅れになっている可能性があるのが特徴です。普段の過ごし方や食事量、排泄の状態をよく観察し少しでも違和感を覚えたら動物病院を受診する必要があります。
治療においては文鳥の身体が小さいので、使用する薬剤や麻酔の使用量に注意が必要です。自宅で投薬治療が必要なときには、文鳥用に希釈された薬剤を獣医師の指示通りに使用することが大切です。病気を治すための治療薬や麻酔に文鳥が耐えることができるのかの検討が必要なところが特徴といえるでしょう。
また、外科的な処置を行ったときでも、絶食が行われるケースはそれほど多くありません。それは通常文鳥の血糖値は高く、絶食をすることで血糖値が急激に低下し低血糖を引き起こしてしまう可能性があるからです。ただし必要であれば、3〜4時間程度の絶食は実施されることがあります。
- 文鳥がかかりやすい病気はありますか?
- 文鳥がかかりやすい病気は以下のとおりです。
- トリコモナス症
- コクシジウム症
- 甲状腺腫
- 卵詰まり
- くちばしの異常
- 副鼻腔炎
トリコモナス症の症状は食欲不振・嘔吐・くしゃみ・あくび・口腔粘液の吐出などがあります。嗉嚢検査で原因となる寄生虫が確認されると内服薬での治療が開始されます。コクシジウム症は腸内の寄生虫に感染すると発症する病気です。無症状のことがほとんどですが、血便や下痢の症状がみられることがあります。
甲状腺腫は呼吸器が圧迫されてしまう病気です。鳴き声に変化があったり呼吸時に異音がしたりします。交尾をしなくても卵を産むことができるのでメスの文鳥を飼育している方は卵詰まりに注意が必要です。カルシウム不足が原因で発症することがほとんどです。
くちばしの異常は噛み合わせ不良が考えられ、ご飯をこぼしやすくなります。治療ではくちばしを定期的にカットする必要があります。一度なると完治が難しいので獣医師と相談して治療を継続しましょう。副鼻腔炎は免疫力が低下したときに発症しやすい病気です。くしゃみ・頭を止まり木などに擦り付ける・涙目になるなどの症状がみられます。抗生剤による治療が行われることがほとんどですが治療しにくい病気です。飼育している文鳥の異変を早期発見できるよう、全身の観察・食事量・排便状況など日頃から細やかに観察しましょう。
- 文鳥の治療で通院が必要になることはありますか?
- 長期的に服用が必要な薬があれば通院が必要になることがあります。文鳥は自身の体調不良をギリギリまで隠す動物なので、定期的に動物病院で健康診断を行うことはおすすめです。
文鳥の平均寿命は10年で、およそ人の10倍早く歳をとります。一年に一度の健康診断だと人間でいう10年に一度の健康診断にあたります。可能であれば3ヶ月から6ヶ月に一度は健康診断を受診するとよいでしょう。
- 文鳥の動物病院での治療費について教えてください
- 文鳥の診察料は自費検査です。そして軽度な病気の治療であれば自宅での内服治療が行われますが、外科的治療が行われると数日間の入院治療が必要になることがあり、高額な治療費がかかることがあります。
目安としてですが、健康なときの診察料は少なくとも約5,500円で、少しでも治療を行ったり内服薬が処方されたりすると約8,000円以上は治療費がかかるでしょう。外科的な手術を行えばそれ以上に費用がかかります。診療時間外に通院した場合、時間外料金も加算されます。そのため、可能であれば動物保険に加入しておくことがおすすめです。
動物病院で文鳥を診てもらうときに心がけること
- 動物病院で文鳥を診てもらうときに心がけるべきことはありますか?
- 文鳥は外敵から身を守るため、自身の体調不良をギリギリまで隠す性質があります。また、外部からのストレスを受けやすく体調不良のときに少しでもストレスが加わると病状が急激に悪化したり、死を招いてしまったりすることがあります。受診したからと安心せず、治療が終了するまで最悪の事態も想定しておくことが重要です。
動物病院で獣医師との会話で心がけることは、飼育している文鳥がいつから体調を崩したり怪我をしたりしているのか、時系列にそって伝えられるようにすることです。日々の食事量・飲水量・排泄量や状態などを伝えられるようにも準備をしましょう。排泄物に異常がみられる場合には、できるだけ新しい排泄物を持参する・採取できなければ写真を撮影しておくなどして、獣医師に確認してもらうのも正確に病気を診断するために有効です。
- 受診にあたり準備すべきことを教えてください
- ひどい暑さや寒さなど温度差や環境の変化に弱いのでなるべく普段の生活状況に近い状態で通院ができるように環境を整えます。定期検診などで元気な文鳥が動物病院を受診する際の移動では、餌や水の準備をしておくのもよいでしょう。
文鳥の元気がなく何らかの病気が疑われる場合には、普段飼育しているケージごと移動することがおすすめです。そのときにはケージに毛布などを被せて隙間風が入らないように調節します。文鳥がとても弱っていたり意識障害があったりする場合には、止まり木を低くしたりブランコを外したりして、弱った文鳥がさらに怪我をしないよう環境を整えておきます。服用しているお薬などがあったら持参するのもよいでしょう。
どれほど急いでいても一度動物病院に電話をし、病状と緊急性があることを伝えるようにしましょう。病院受診までに行っておくとよい対応も確認できるとなおよいです。
- 治療前後で注意すべきことはありますか?
- 治療前にはもちろん、飼育している文鳥の体調変化がないか細やかに確認が必要です。日頃から文鳥の観察を行うようにしましょう。
文鳥は治療を始めたからといってすぐに安心してはいけません。治療を始めたら効果が出ているのかを確認する必要があります。投薬がしっかり行えていること・体温に変化がないこと・餌を食べられていることを観察することが大切です。文鳥は体調不良を隠す習性があるので、投薬・食事・排泄など細やかに確認しましょう。
編集部まとめ
文鳥は自身が弱っているのをギリギリまで隠す本能があります。文鳥に変化がないか細やかに観察を行い、少しでも違和感を覚えたら動物病院を受診するようにしましょう。
また文鳥をペットショップから迎えたときには、ほかの鳥から細菌やウイルスをもらっていたり、環境変化のストレスを受けたりして弱っている可能性があります。文鳥を診てもらえる動物病院を見つけつつ、一度文鳥の健康状態を確認しておくのもおすすめします。