ペットが動物病院を受診しているとき、飼い主としてはよりよい治療方針を求めたいと考えるものです。そこで検討したいのがセカンドオピニオンの活用ですが、いざ受けようとすると、どのような手順を踏めばいいのか、料金はいくら程なのか、疑問は尽きません。今回は動物病院のセカンドオピニオンに焦点を当てて、その重要性や手順、押さえておくべき注意点などの情報をまとめました。デメリットについても言及するので、活用を検討するときの参考にしてください。
セカンドオピニオンの重要性

まずは、セカンドオピニオンがどのようなものなのか確認したうえで、その重要性について理解を深めましょう。セカンドオピニオンにはさまざまなメリットがあるため、大切なペットを守るためにも、うまく活用することが大切です。
- 動物病院のセカンドオピニオンとは、どのようなものですか?
- 動物病院のセカンドオピニオンとは、ペットの治療方針について、かかりつけの獣医師とは別の獣医師に意見をもらうことです。異なる視点からの意見をえられると、ペットにとってよりよい治療方法を選ぶための参考になります。なお、セカンドオピニオンを受けて複数の選択肢をえた後、どの治療方法にするのか決定を下すのは飼い主自身です。飼い主が現在の診断に不安を抱いたときや、ほかの治療方法を検討したいときの判断材料として、セカンドオピニオンを活用することになります。
- セカンドオピニオンの必要性を教えてください
- 近年、ペットに対する医療ミスのトラブルや裁判が頻発しています。こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、獣医療業界におけるセカンドオピニオンの必要性が提言されているところです。また、獣医学の進歩によりさまざまな治療法が開発されたこと、ペットの高齢化により慢性疾患が増えたことを受けて、飼い主の要求も多様化しています。一人の獣医師だけでなく、複数の獣医師から専門的な意見をえて治療方針の選択肢を広げることは、今後ますます重要になっていくでしょう。
- セカンドオピニオンを受けるメリットは何ですか?
- セカンドオピニオンを活用して、かかりつけの獣医師とは別の獣医師の意見がえられると、誤診予防になるとともに、選択肢が増えるため、よりよい治療方法を見付けるための助けとなります。加えて、新しい知識を取り入れることにより、病気や治療への理解が深まるというのも、セカンドオピニオンを受けるメリットです。
セカンドオピニオンの手順と料金
セカンドオピニオンの重要性をお伝えしましたが、実際に活用するとなると、適切なタイミングや具体的な手順がわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、セカンドオピニオンを受けるときの手順や料金相場について、わかりやすく解説を加えます。
- どのようなときにセカンドオピニオンを受けるべきですか?
- 高額かつ専門的な手術を提案されたときや、治療を続けているものの思ったような効果がえられず症状が改善しないときなどに、セカンドオピニオンの活用を検討するとよいでしょう。また、複数の治療方法があり、どの選択肢にするべきか判断に迷ったときも、セカンドオピニオンを受けるべきです。
- セカンドオピニオンの手順を教えてください
- セカンドオピニオンは、ほかの獣医師の意見をもとに、かかりつけの獣医師と今後の適切な治療方針を模索していくためのものです。まずは、かかりつけの獣医師に疑問や不安を相談したうえで、セカンドオピニオンを受けたいと明確に伝えれば、ペットの症状についてわかりやすく説明しなおしてくれたり、ほかの高度診療施設に紹介状を書いてくれたりするでしょう。具体的な手順についてですが、かかりつけの獣医師にセカンドオピニオンを受けたいという希望を伝えたら、過去の病気や手術歴、投薬状況などのメモをご自分で整えてください。同時に、診療情報提供書(紹介状)、治療経過の記録を準備してもらいます。その後、セカンドオピニオンを受けたい動物病院に予約の連絡を入れましょう。予約の際には、セカンドオピニオンを受けたい旨を伝え、ペットを一緒に連れて行くべきかどうかも尋ねるようにします。
- セカンドオピニオンの料金相場を教えてください
- セカンドオピニオンの料金は動物病院によって異なりますが、30分程の相談料でいえば、5,000円から10,000円程度が目安です。なお、診察がある場合は相談料がかからない動物病院もあれば、セカンドオピニオン費用に加え、別途診断料などがかかる動物病院も見られます。不要なトラブルを避けるためにも、予約を入れるときにはセカンドオピニオンを受けたいと伝えたうえで、料金の詳細を確認しておきましょう。
セカンドオピニオンを受ける際の注意点

うまく活用すれば、さまざまなメリットがあるセカンドオピニオンですが、その反面、あらかじめ押さえておくべきデメリットもあります。おわりに、セカンドオピニオンを受ける際の注意点についても確認しましょう。
- セカンドオピニオンのデメリットはありますか?
- デメリットの一つとして挙げられるのが、医療費の負担が増える点です。診断のために元の動物病院で行った診察や検査をもう一度受け直すこともあるので、そうした場合には当然費用がかさみます。別の動物病院を受診すると、費用だけでなく手間も増えてしまいす。結果としてペットの心身に負担がかかることも、セカンドオピニオンを受けるデメリットといえるでしょう。
- セカンドオピニオンを受けるときに留意すべきことを教えてください
- セカンドオピニオンを希望するとき、飼い主が動物病院の診断に不安や疑問を抱いているケースは少なくありません。しかし、セカンドオピニオン外来を受診するときにはマナーを守り、ほかの獣医師の不平や不満を口にすることは避けましょう。仮に転院したとしても、連携などで元の病院のお世話になる機会があるかもしれません。獣医師とは良好な関係を保つよう留意してください。一方で、セカンドオピニオンを受けることに罪悪感を覚える必要もありません。セカンドオピニオンを希望するのは何となく気まずい、セカンドオピニオンを受けたいものの遠慮してしまうといった声がよく聞かれますが、セカンドオピニオンは飼い主が納得して治療を受けるための権利です。希望する場合には、明確に申し出るようにしましょう。
- セカンドオピニオンを受診するにあたり、特別な準備は必要ですか?
- セカンドオピニオンを受けるときには、過去の病気や手術歴、投薬状況などを記したメモを整えておきましょう。また、かかりつけの獣医師に診療情報提供書(紹介状)や治療経過の記録を準備してもらう必要があります。これらの資料がしっかり用意されていると、別の獣医師も状況を把握しやすくなります。セカンドオピニオン外来を受診する前に、伝えたい内容をまとめておくことも有効です。
編集部まとめ
セカンドオピニオンは飼い主が納得して治療を受けるための大切な権利です。うまく活用すると治療方法の選択肢が増え、ペットを守ることにつながるので、必要に応じて取り入れるとよいでしょう。セカンドオピニオンを希望するときにマナーを守ることは大切ですが、かかりつけの獣医師に対して罪悪感を抱く必要はありません。セカンドオピニオンの意義をよく理解して、正しい手順を踏むことがポイントです。