小型で賢く、人懐っこい性格が魅力のデグーは、近年人気のペットとして注目されています。しかし旅行や出張で家を留守にしなければならないとき、「デグーを預けられるペットホテルはあるのだろうか?」と不安に思う飼い主さんは多いのではないでしょうか。
この記事では、デグーをペットホテルに預けることは可能かどうか、宿泊費用の目安やホテルの選び方などについて、獣医師監修のもとQ&A形式で詳しく解説します。
大切なデグーを安心して預けるための参考になれば幸いです。
デグーを預けるペットホテルの基本情報

- デグーを預かってくれるペットホテルはありますか?
- はい、あります。
近年では、デグーを含む小動物を預かってくれるペットホテルは増加しています。しかし、小動物に対応したホテルは都市部に集中している傾向があり、地方ではまだ数が限られているのが実情です。
さらに、犬猫専門の施設では対応していない場合もあるため、小動物専門または小動物対応、エキゾチックアニマル可などの表記がある施設をインターネットで探したり、かかりつけの動物病院やペットショップに相談して紹介してもらったりすると、見つけやすくなります。
- デグーをペットホテルに預ける際の費用相場を教えてください
- デグーをペットホテルに預ける際の費用は、施設によって異なります。
都心部や空港の近くなどアクセスのよい立地にあるホテルや、宿泊時の様子を伝えるなどサービスが充実した施設はやや高めの料金設定になる傾向があります。
例えば、東京都内で預ける場合、1泊2日あたりの費用相場はおよそ2,000円〜4,500円程度となっています。
ペットホテルでは年末年始やゴールデンウィーク、夏休みシーズンなど繁忙期に割増料金が加算される場合もあります。
宿泊を検討する際には、事前に電話やWebサイトで確認することをおすすめします。
デグーを預けるペットホテルの選び方

- デグーを預けるペットホテルを選ぶポイントはありますか?
- デグーを預けるペットホテルを選ぶ際に、いくつか注意するポイントがあります。
特に確認しておきたい点を、以下にまとめました。
・小動物専門のホテル、または小動物専用の部屋が用意されている
・温度や湿度、衛生面など、飼育環境が適切に管理されている
・小動物の飼育経験があるスタッフが在籍している
・動物病院併設、または動物病院と連携している
犬猫を対象としたホテルに比べ、小動物に対応した施設の数は限られているのが実状です。
すべての条件を満たすホテルが近くにない場合もありますが、できるだけデグーにとってストレスの少ない環境で宿泊できるホテルを選ぶようにしましょう。
- デグーに向いていないペットホテルの特徴を教えてください
- 前項では、ペットホテルを選ぶ際のポイントについて説明をしました。ここでは逆に、デグーの宿泊には不向きな施設の特徴について解説します。
以下のようなホテルでは、デグーにとって負担が大きくなる可能性があります。
・犬猫の宿泊をメインに取り扱っており、小動物専用のスペースがない
・飼育環境が適切に管理されていない
・騒音が多く、デグーにとってストレスとなる環境
デグーは視力、聴力、嗅覚がとても鋭く、些細な環境変化や音、においにも敏感に反応します。そのため、できるだけ静かで落ち着いた環境が求められます。
小動物に配慮した設備や対応があるかどうかを、事前によく確認しましょう。
ホテルの予約をする前に見学し、宿泊環境やスタッフの対応をチェックすることをおすすめします。
- デグーは獣医師が運営しているペットホテルに預ける方がよいですか?
- はい。可能であれば、動物病院が運営しているペットホテルに預けるのが理想的です。
こうしたホテルでは、医療体制が整っているため、もし体調を崩した場合でも、対応してもらえる可能性があります。
また、宿泊前に身体検査や健康チェックを実施しているケースもあり、事前にデグーの健康状態を把握したうえで預けられる点も大きなメリットです。
獣医師が運営していなくても、獣医師が在籍、また、動物病院と連携しているホテルも存在します。そのような施設であれば、いざというときに医療的なサポートが期待できます。
- 小動物専門のペットホテルの方がデグーにとってよいですか?
- はい。小動物専門の施設は、適切な温度、湿度の管理や、音などに対する配慮を行っている施設が多いため、デグーにとって過ごしやすい環境が整っています。
宿泊しているほかの動物が小型であれば、騒音や恐怖によるストレスも軽減されます。
近くに小動物専門のホテルがないときは、小動物のための独立した部屋がある施設を選ぶと、落ち着いて過ごせる可能性が高まります。
デグーをペットホテルに預けるときの準備と注意点

- デグーをペットホテルに預ける場合はケージが必要ですか?
- ペットホテルによっては、デグーやハムスターなどの小動物を預ける際に、飼育ケージの持参を推奨しているところもあります。ホテルで貸出している飼育用具ではなく、いつもと同じ環境で過ごせることが、ストレスの軽減につながります。
床材や回し車、給水ボトルなど、普段使っている用品を持ち込むのも効果的です。なじみのある匂いや感触が、安心感をあたえます。
なお、施設によって持ち込み可能なものや準備内容が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
- デグーをペットホテルに預ける際に準備しておくことを教えてください
- デグーをホテルに預ける際には、以下のような準備をしておきましょう。
・清潔なケージ一式
・いつも食べているペレットやチモシー
・給水ボトル、床材、寝床など飼育道具
・性格や注意点をまとめたメモ
持参するものはホテルによって異なる場合がありますが、これらを用意しておくことで、スタッフがより適切にお世話をすることができます。
- デグーをペットホテルに預けるにあたって注意すべきことはありますか?
- デグーはとても繊細な小動物です。慣れない場所での宿泊は大きなストレスとなり、食欲の低下や体調の変化がみられることもあります。
特に注意したいのは、急激な温度変化や騒音、慣れないにおいなどです。これらはデグーにとって強い不安要素となるため、できるだけ普段の生活環境に近づける配慮が必要です。
ホテルのスタッフがデグーや小動物の扱いに慣れているかも確認しておきたいポイントです。預ける前には普段の生活の様子を伝えておくと、個体に合った対応をしてもらいやすくなります。
- 2匹のデグーを同じケージに入れて預けることはできますか?
- デグーは本来、群れで生活する社会性の高い動物です。 普段から仲よく暮らしているペアであれば、同じケージでの預かりも可能です。ただし、慣れない環境では、ストレスにより普段と違う行動を見せる場合もあるため注意が必要です。
そのため、2匹を一緒に預ける際は、普段の関係性に問題がないかあらためてよく確認したうえで、事前にペットホテルのスタッフに相談しておくことが大切です。
場合によっては一時的に別々のケージで過ごしたほうが、穏やかに過ごすことができるケースもあります。
大切なデグー達が少しでも安心して過ごせるよう、不安なことや気になる点は遠慮せずにホテルに問い合わせておきましょう。
編集部まとめ

デグーをペットホテルに預ける際には、その繊細な性質に配慮した施設を選ぶことが重要です。
小動物専用の設備が整っているか、小動物の飼育経験があるスタッフがいるかどうかなど、施設の対応力を事前にしっかり確認しましょう。
不明な点があれば遠慮なく問い合わせ、必要な準備を整えることで、デグーが環境の変化に戸惑わずに過ごせる可能性が高まります。
デグーの心身の負担をできるだけ抑えるためにも、信頼できる施設を選び、飼い主が不在の間も落ち着いた状態を保てるようにしておくことが大切です。
参考文献