急な外出が決まった際などに、飼い主の強い味方となってくれるペットホテルですが、滞在中に予期せぬ事態が発生するかもしれないというリスクが気になり、利用を躊躇している方もいるでしょう。今回はペットホテルで起こりうる事故やトラブルをテーマに、安全性が高い施設の見極め方や、事前に取るべき対策などの情報をまとめました。事故が起きてしまった場合の対処法についてもお伝えするので、万が一のときに慌てないためにも、ぜひ参考にしてください。
ペットホテルで起こりうる事故やトラブル

まずは、ペットホテルで起こりうる事故にはどのようなものがあるのか、具体的に確認しましょう。さまざまな状況を想定したうえで、あらかじめできうる限りの対策を講じておくことが、大切なペットをトラブルから守ります。
- ペットホテルで起こりうる事故やトラブルにはどのようなものがありますか?
- ペットホテルに預けられたペットは、普段と異なる環境に身を置くことから、少なからずストレスを感じています。そのため、ほかのペットとの喧嘩によって怪我をしてしまったり、食欲不振から体調不良に陥ったりする恐れがあるでしょう。施設側の管理不足による、怪我や逃走のリスクも考えられます。また、万全を期したつもりでも、急に持病が悪化したり、災害に巻き込まれたりする可能性がないとはいえません。
- 特に注意すべき事故のリスクを教えてください
- ふとした瞬間にペットが施設から逃げ出して、交通事故に遭ってしまったり、そのまま行方不明になったりすると、もはや取り返しがつきません。ペットの安全性を担保するだけの設備や体制が整っていることは、ペットホテルを選ぶうえで欠かせない要素です。
- 事故が発生しやすい状況や原因はありますか?
- 24時間スタッフが常駐していないと、夜間に緊急事態が発生したときの対応が行き届かず、重大な事故につながる可能性が高くなります。
事故を防ぐためのペットホテルの選び方
一口にペットホテルといっても、提供されるサービスは施設ごとに大きく異なります。ここでは、滞在中のペットを事故から守るために、信頼のおけるペットホテルの選び方を押さえましょう。
- 安全性が高いペットホテルの見極め方を教えてください
- まずは、衛生管理や温度管理が徹底されていることを確認しましょう。そのうえで、ほかのペットとの距離は適切に保たれているか、必要に応じてペットの様子を報告してくれるかといった点を調べます。24時間スタッフが常駐しているかどうかも、安全性の高さを見極めるポイントです。また、特に健康面の不安を抱えているペットの場合には、動物病院併設のペットホテルを選ぶとよいでしょう。
- 施設の設備や管理体制で確認すべきことはありますか?
- 設備に関しては、防犯カメラが設置されているかなど、セキュリティ面の不安はないかをチェックしてください。管理体制という点でいうと、やはり24時間スタッフが常駐している施設がおすすめです。
- スタッフの配置人数や資格は重要ですか?
- 関連の資格を有した経験豊富なスタッフが適正人数いることは、安全性の高いホテルを選ぶうえでとても重要です。加えて、スタッフたちがペットに愛情を持って接していることも、信頼のおけるペットホテルの条件といえます。
事故リスクを減らすために預ける前にできること

ペットホテルにおける事故のリスクを完全に取り除くことはできません。しかしながら、事前に適切な対応を取っておけば、さまざまなリスクを軽減することは可能です。より安全性の高い滞在のために飼い主ができることは何か、ポイントを絞って解説します。
- ペットを預ける際に伝えておくべき情報はありますか?
- ペットに何かあったときにはすぐに教えてもらえるように、緊急連絡先は必ず伝えておきましょう。海外出張などで対応が難しくとも、親しい人の協力を得て、万が一の際には速やかにホテルと連携が図れるよう準備しておくことが重要です。
- 事前の施設見学や相談で確認すべきポイントはどこですか?
- 施設見学のときには、普段の生活に近い環境が整っているかなど、実際に足を運んでみなければわからない細かい部分を入念にチェックしましょう。ペットが急な体調不良を起こしたときに、どのような対応が取られるのか尋ねておくことも欠かせません。獣医師のサポートをスムーズに受けられるような体制が整っていれば、飼い主の不安も軽減されます。なお、事前見学を実施するだけでなく、お試しの宿泊に対応しているホテルもあるため、こうしたサービスを活用することにより、施設の実情を見極めるのも一案です。
ペットホテルで事故が起きた場合の対処法
十分な備えをしていても、不慮の事故は起こりうるものです。終わりに、ペットホテルで事故があったときの対処法についても、説明を加えます。予期せぬ状況にも慌てることがないよう、目をとおしてください。
- ペットが帰宅したら、何をチェックすべきですか?
- 施設ではほかのペットたちと一緒に過ごす以上、何らかの病気をうつされている可能性も否定できません。ペットを迎え入れたら、咳をしていないか、皮膚に異常はないかなど、健康面で気にかかる点は見られないか、丁寧にチェックしましょう。
- 事故が起きた場合、ペットホテルは賠償に応じてくれますか?
- 過去の事例を見ると、ペットホテル側の落ち度で怪我を負ってしまっても、ペットホテルが責任を認めず、賠償に応じないケースはあります。その後の裁判によって、損害賠償が認められたとしても、ペットと飼い主の双方に大きな負担がかかることは避けられません。それだけに、利用前の段階で、信頼のおけるペットホテルかどうか、よく見極めることが大切です。
- ペットホテル利用中の事故はペット保険の補償対象になるのか教えてください
- ホテル側の過失があればホテルの賠償責任保険もしくは店舗の補償制度によって補償されます。持病の悪化やストレスでの下痢や食欲不振は補償されないので、ペット側の保険を使うことでホテル中の病気でも補償されます。特に長期にわたってペットホテルに滞在する場合には、何らかの事故が起こる可能性も高まるため、こうした保険への加入を検討すべきです。ちなみに、ペットホテルでよく起こるトラブルの一つがほかのペットとの喧嘩による怪我なのですが、多くのペットホテルはこれを施設内での管理不備によるものとして、医療費の全額または一部を負担する方針を取っています。特に優良な施設の場合はペット預かり約款を明示のうえ、どのような場合に補償があるのか、上限額はいくらなのか、飼い主の自己負担はどの程度になるのかといった点を、事前に説明してくれるでしょう。当該施設の補償ポリシーを知り、疑問を解消しておけば、事故が起きたときにも冷静に対応できます。ペットホテル側の補償があり、そこに個人で加入しているペット保険を組みわせると、より手厚い補償を受けられることもあるので、関連の情報をあたってみてください。
編集部まとめ
冒頭でも詳しく述べたように、ペットホテルの利用は一定のリスクを伴います。そのことを念頭に置いたうえで、ペットがより健やかに過ごせるよう、飼い主として準備を整えておきましょう。ペットホテル選びは慎重に行い、事故が起きたら速やかに連携を図るべく、スタッフとは適切なコミュニケーションを取ることを心がけてください。ペットホテルとの信頼関係を構築しておくことも、大切なペットを不要なトラブルから守る助けとなります。
