ペットホテルでは長期預かりしてもらえる? 長期利用が必要なケースや料金、持ち物も解説

ペットホテルでは長期預かりしてもらえる? 長期利用が必要なケースや料金、持ち物も解説

飼い主の事情でペットホテルを長期利用する必要があり、長期の預かりが可能か、費用はどの程度かかるのか不安に感じる方もいるでしょう。

ペットホテルのなかには、長期預かりに対応している施設もあります。ただし、長期間ペットを預ける際は、事前の準備や注意が欠かせません。

トラブルを防ぐためには事前にペットホテルと連携し、準備を進めることが大切です。

この記事では、どのようなケースでペットホテルが長期利用されるのか、利用する際の料金や準備などを解説します。

ペットホテルでは長期預かりしてもらえる?

悩む女性

長期利用に対応するペットホテルは、1ヶ月から数年間までの長期預かりが可能です。

ペットホテルごとに預けられる期間は異なり、最大1ヶ月までの施設もあれば、数年間や生涯にわたり預けられる施設もあります。

近年はペットと暮らす方が増え、飼い主のライフスタイルも多様化したため、長期預かりに対応するペットホテルが増加しました。

ほかのペットとのトラブルを防ぐために、個室で預かるホテルや、ストレスがないようケージフリーで対応するホテルもあります。

毎日の散歩を行ったり、ドッグランを併設して伸び伸びと遊べるようにしたりと、ペットの心と体の健康に配慮した対応も望めます。

ただし、対応内容や預かり期間はペットホテルごとに異なるため、方針や管理方法を比較して預け先を決めることが大切です。

ペットホテルの長期利用が必要になるケース

ケース

飼い主の事情により、ペットホテルの長期利用が必要になる場合があります。主なケースは以下のとおりです。

  • 海外赴任
  • 自宅の改装
  • 飼い主さんの入院や療養
  • 飼い主さんの介護施設などへの入所

ここからは、ペットホテルで長期預かりを行うケースを見ていきます。

海外赴任

飼い主が海外赴任をする場合、数ヶ月から数年の長期預かりが見込まれます。

海外でペットと暮らせる環境を整えるのは難しく、一緒に連れていくのを断念し、預けることを選ぶ方も少なくないでしょう。

親族や知人に預けることも可能ですが、長期間になると負担が大きく、生活環境によっては預かれない場合もあります。

ペットホテルなら環境が整っており、業者への依頼であるため遠慮せずに利用できます。

また、適切な管理ができるプロに任せれば、不安な気持ちが軽減されるでしょう。

自宅の改装

自宅のリフォームも、ペットホテルを長期利用する理由の一つです。

住宅の大規模な改装工事を行うときは、一時的に仮の住まいへと住居を移すことがあります。仮の住まいが手狭なアパートや、ペット不可の賃貸住宅であるケースは少なくありません。

また、仮住宅への移転が不要だとしても大規模な改装では生活スペースが削られ、業者の出入りや作業によりペットが快適に暮らせる環境は保てません。

作業中は危険を避けるために、ペットをケージに入れたり、別室へ移したりといった対応が必要になることがあります。

工事の大きな音や知らない人の出入りは、警戒心の強いペットや臆病なペットにとっては、ストレスになりかねません。

落ち着いた環境で暮らす方がよいと判断した場合や、仮住宅で一緒に住めない場合は、長期間の預け先としてペットホテルを利用することがあります。

飼い主さんの入院や療養

入院

入院で長期間家を空けたり、ケガや体調不良で療養が必要になったりすると、飼い主さんが自分自身でペットの世話ができません。そんな入院や療養時に頼れるのが、ペットホテルです。

長期利用に対応できるペットホテルを選べば、ペットに余計なストレスを与えず、快適な環境で過ごさせることができます。

入院するまでの期間に余裕があれば、早めにペットホテル探しを始めて、自身のペットに合った施設を見つけられます。

入院の予定がない場合でも、急な事態に備えて、長期預かりができるペットホテルを見つけておくのがおすすめです。

飼い主さんの介護施設などへの入所

飼い主さんが介護施設や高齢者住宅へ入所することになり、ペットとの生活を続けられなくなることもあります。家族や知人にペットを託せない場合は、生涯にわたって世話をしてくれるペットホテルを探さなければなりません。

数ヶ月から数年の長期預かりをしてくれるペットホテルはあるものの、生涯の預かりを受け入れてくれるペットホテルは数が限られてきます。

近隣の市区町村では見つからず、預け先が少し離れた地域になる可能性があります。

遠くに預ければペットの様子を簡単には見に行けないため、十分に下調べや見学をして、安心感を持って任せられるホテルを探すことが大切です。

高齢のペットに対応ができる介護や看護の資格をもつスタッフがいれば、不安が和らぎます。

ペットホテルの利用期間別の料金設定

犬の手形

ペットホテルでは、預かる環境や対応できる範囲などにより、施設ごとに料金設定はさまざまです。

長期預かりの割引を設けているペットホテルもあり、短期利用よりも長期利用の方が1日あたりの料金が安くなる傾向にあります。

ここでは、次の3つの利用ケースごとの料金を紹介します。

  • 数日程度の短期利用
  • 長期利用
  • 一生涯にわたっての預かり

数日程度の短期利用

数日のみの預かりは、一泊ごとの料金が適用され、泊まった日数分の費用がかかるのが一般的です。ペットの大きさごとに料金は異なり、以下が一泊あたりの料金目安となります。

  • 小動物や小型犬:3,000~5,000円程(税込)
  • 中型犬:4,000~7,000円程(税込)
  • 大型犬:7,000~10,000円程(税込)
  • 超大型犬:10,000~15,000円程(税込)

うさぎや鳥などの小動物、猫や小型犬は世話の負担が少ないため、低めに設定されています。

一方で、体格の大きなペットは広い預かりスペースが必要となるため、大型になる程料金が高くなる傾向にあります。

短期利用でも日数が増えると割引をしてくれるペットホテルもあるため、利用予定の期間を伝えて、施設ごとに料金を比較するのもよいでしょう。

長期利用

ペットホテル

ペットホテルの長期利用では、1ヶ月ごとに料金設定がされているケースが見られます。1ヶ月ごとの料金目安は以下のとおりです。

  • 小動物や小型犬:30,000~70,000円程(税込)
  • 中型犬:50,000~90,000円程(税込)
  • 大型犬:80,000~120,000円程(税込)
  • 超大型犬:要相談

超大型犬の長期預かりは、料金を明示していないペットホテルが少なくなく、相談のうえで決まるのが一般的です。

1年単位の料金設定を設けているペットホテルもあり、1ヶ月単位の更新よりも割安になる可能性があります。数年間の利用が決まっている場合は、年間契約を検討するのもよいでしょう。

一生涯にわたっての預かり

ペットを生涯にわたって預けるには、数十万円〜数百万円の料金が必要になることもあります。

料金設定はペットホテルによりさまざまで、生涯預かりの基本料金が決まっている施設や、月単位や年単位の料金で預かる場合もあります。

ペットの年齢や健康状態、介護の必要度に応じても料金は異なります。日常の投薬や定期的な医療行為、介護などが必要な場合は、別途料金が発生するケースがほとんどです。

ペットが高齢になる程医療行為や介護が必要となり、料金は増していく傾向にあります。

ペットの生涯預かりは、数百万円の費用を見込んでおくのが無難です。

ペットホテルを長期間使う前の注意点

注意点

ペットホテルの長期利用では、短期の預かりに比べて準備や注意点が多くなります。以下の点に注意が必要です。

  • しばらく慣らしで預かってからの利用になりやすい
  • ワクチンなどの接種証明書が必要
  • 別途生活に必要な用品の請求
  • 入院費や美容代もかかりやすい
  • 預かってもらえないケース把握しておく

ここからは、準備や注意点の内容を具体的に解説します。

しばらく慣らしで預かってからの利用になりやすい

ペットホテルを長期利用する場合は事前に日帰りや一泊程度の短期預かりを行い、環境に慣れさせるための準備が推奨されます。

理由は、慣れた自宅や飼い主さんから離れて急に生活環境が変わると、ペットが不安を感じやすいためです。

強いストレスを受けると、ペットがご飯を食べなくなったり体調を崩したりと、心身に悪影響を及ぼします。

預ける期間が長期になる程慣らしの預かりが重要となり、ペットの性格や様子次第では、数回の短期預かりが必要です。

ワクチンなどの接種証明書が必要

ペットホテルのほとんどが、ワクチンを接種していないペットの預かりを行わない規定を設けています。そのため、ワクチン接種証明書の提示が必要です。

犬であれば、国から接種義務が課されている狂犬病ワクチンはもちろんのこと、任意の混合ワクチンの接種も必須となることがあります。

混合ワクチンは重度の感染症を防ぐためのものであり、ペットホテル内で感染症を広げないためにも必要です。

ワクチン証明書が手元にない場合は、接種した動物病院に証明書を発行してもらうことで、預かりが可能になります。

別途生活に必要な用品の請求

小銭

ペットホテルでの長期預かりの料金は、月単位や年単位で決まっている基本料金のほかにも、かかった費用は別途支払いが必要な施設もあります。

基本料金以外にかかる可能性がある費用としては、ペットフードの購入代金や、通院時の医療費とガソリン代などです。その場合後日、飼い主さんへ実費で請求が行われます。

急な体調不良による時間外の対応や、介護が必要になった際にも、追加費用が発生することもあります。

ペットホテルごとに追加費用がかかる項目は定められており、長期預かりの契約前に確認が可能です。

入院費や美容代もかかりやすい

犬種によっては定期的なトリミングが必要となり、かかった美容代は別途支払うのが一般的です。

サロンを併設しているペットホテルもあり、ホテル滞在中のトリミングは割引対象となるケースもあります。

ホテル併設以外の慣れたサロンに通わせたい場合は、美容代のほかにもガソリン代や送迎料がかかることがほとんどです。

また、入院の必要性があれば飼い主さんに相談を行い、飼い主さんの負担で入院することになります。ペットの美容代や医療費、入院費は、長期利用時にかかりやすい費用です。

預かってもらえないケースを把握しておく

ペットホテルでは、預かりを引き受けるための条件を設けています。以下のペットは、預かりを拒否される可能性があります。

  • 凶暴性が強いペット
  • 高齢のペット
  • 持病のあるペット
  • 超大型犬
  • ペットホテルの利用が初めてのペット
  • 指定外の種類のペット

さまざまな理由によりスタッフが世話をするのが難しく、お互いの安全性が確保できないと判断されると、ペットホテルの利用を断られます。

凶暴性が強くスタッフが近づけないペットや超大型犬、特殊な環境が必要な動物は、スタッフの手に負えず世話ができないこともあります。

ペットの体重制限や種類制限を設けているペットホテルもあり、体格の大きなペットや犬と猫以外は預かれないことも少なくありません。

介護や日常の医療行為が必要なペットも、専門の知識や資格をもったスタッフがいないと対応できないケースがあります。

自分のペットが預けられるかどうかは、事前に確認しておく必要があります。

ペットホテルを長期利用する際の持ち物

チェックポイント

ペットホテルを長期利用時する際には、飼い主さんが準備して持参すべきものがあります。代表的な持ち物は以下のとおりです。

  • フードやおやつ
  • 薬やサプリメント
  • リードやハーネス
  • おもちゃ
  • 寝床に使う毛布やベッド

フードの持参は必須でない場合もありますが、急な食事の変更は体調不良の原因になるため、食べ慣れたフードを持参するのがおすすめです。

毛布やベッド、おもちゃなども必須ではありませんが、使い慣れたものを持たせることが推奨されます。

飼い主さんやペット自身の匂いが付いたものがあると知らない場所でもペットが落ち着いて過ごせます。

長期利用に対応してくれるペットホテルの選び方

笑顔の女性

ペットを長期間預ける際は、ペットが不安なく心地よく過ごせる環境を選ぶことが大切です。

長期間預けていれば、十分な管理を行っていても、急な体調不良が起こる可能性は否定できません。

体調不良の際は夜間でも付き添いができるか、緊急時には飼い主の判断を待たずに病院へ連れて行ってもらえるかなど、可能な対応を確認しておきましょう。

脱走防止対策やほかのペットとのトラブル防止など、安全対策が整っているかも重要です。

また、長期滞在でストレスを溜めないために、散歩やドッグランを利用できる施設がおすすめです。

ペットホテルで長い期間を過ごすペットのために、快適で安全性の高い環境選びは欠かせません。

まとめ

犬をなでる

ペットホテルは数日の短期から数年の長期まで、さらには生涯にわたっての預かりも可能です。

飼い主さんの要望に応じて柔軟な対応ができる一方で、ペットホテルごとの規定に従い、慣らしの事前預かりやワクチン証明書の提示などが必要となります。

ペットが過ごす環境や料金、万一の際の対応はペットホテルにより異なるため、預ける前にいくつかの施設を見学して比較検討することが大切です。

ペットを不安なく預けられるよう、ホテル選びや準備はしっかりと行わなければなりません。

参考文献