夜間無人とスタッフ常駐のペットホテルの違いは?選び方や注意点を解説

夜間無人とスタッフ常駐のペットホテルの違いは?選び方や注意点を解説

ペットと一緒に暮らしていると、出張や旅行など、どうしても長期間家を空けてしまうこともあるでしょう。そのようなときに利用できるサービスが、ペットホテルです。

ペットホテルには、夜間無人やスタッフ常駐など、さまざまな形態があります。飼い主とペットのどちらにも合ったペットホテルを選ぶためにも、それぞれの特徴や違いを理解しておくことが大切です。

この記事では、夜間無人とスタッフ常駐のペットホテルの違いや選び方、注意点などを詳しく解説します。

夜間無人とスタッフ常駐のペットホテルの違い

ドッグカフェでノートパソコンを使う女性

ペットホテルを選ぶ際の基準がわからない方もいるでしょう。検討する際のポイントの一つとして、夜間にスタッフが常駐しているかを確認するのがおすすめです。

まずは、夜間無人とスタッフ常駐のペットホテルの違いを解説します。

夜間無人のペットホテルの特徴

ペットホテルでは、悪質な業者の排除や適切な飼育環境確保のため、設備面積や動物取扱責任者の配置などに関する基準が定められています。しかし、夜間にスタッフが常駐しなければいけないという明確な規定はないため、夜間は無人となるペットホテルも少なくありません。

夜間に無人なら人件費を抑えられるため、料金が安くなる傾向があります。しかし、夜間の緊急対応が難しい、というデメリットがあることも理解しておきましょう。

夜間無人のペットホテルのなかには、夜間の緊急対応に対する不安を軽減するために、24時間監視カメラを設置している施設も増えています。

ペットの様子を確認したい方は、スタッフだけでなく、飼い主のスマートフォンでも見られるサービスを提供している施設がおすすめです。このようなサービスは、追加料金が発生することもあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

夜間無人のペットホテルは、持病がなく健康なペットで、料金を安く抑えたい方に向いている施設です。

夜間もスタッフ常駐のペットホテルの特徴

犬(ペット)を抱っこするトリマーの女性

夜間もスタッフが常駐しているホテルは、どのような時間帯でも体調チェックが可能で、緊急時に素早く対応できることが特徴です。また、スタッフが常駐しているため、夜間や早朝でも預かり対応をしているペットホテルも少なくありません。

急な出張や早朝出発の旅行などの際、柔軟に対応してもらえる可能性があることは、飼い主にとって利用しやすいペットホテルといえるでしょう。

ただし、スタッフが常駐している分人件費がかかるため、夜間無人のペットホテルに比べると料金が高くなる傾向があります。夜間対応として追加料金が発生することもあるため、事前の確認が大切です。

夜間もスタッフが常駐しているペットホテルは、持病や健康に不安のある場合に利用すると、安心感を持って預けられるでしょう。

夜間無人とスタッフ常駐のペットホテルの違い

夜間無人とスタッフ常駐のペットホテルの特徴から、料金や夜間の緊急対応などに違いがあることがわかります。

料金の違いを見ると、夜間無人の場合は人件費が抑えられた分だけ安くなり、スタッフ常駐の場合は高くなる傾向があります。一方で夜間の緊急対応を見ると、スタッフ常駐のペットホテルの方が、夜間の急変やトラブルが起きた際に迅速な対応が可能です。

また、人がいない環境に慣れているペットであれば、夜間無人でも落ち着いて過ごすことができるでしょう。

一方で普段から人といることに慣れているペットの場合は、人がいないことがストレスとなり、体調を崩してしまう可能性があります。

ペットホテルを選ぶ際は、これらの違いを理解したうえで、飼い主とペットのどちらにも合った施設を選ぶことが大切です。

夜間無人のペットホテルのメリットとデメリット

獣医さん

夜間無人のペットホテルには、料金や緊急時の対応など、利用するにあたってのメリットとデメリットがあります。適切な施設を選ぶためにも、夜間無人ペットホテルのメリットとデメリットを把握しておきましょう。

メリット

夜間無人のペットホテルには、以下のようなメリットがあります。

  • スタッフ常駐のペットホテルに比べると料金が安い傾向がある
  • ペットによっては落ち着いて休める可能性がある
  • 24時間カメラで監視できるシステムを導入していることもある

普段から飼い主と一緒に寝ていて、人がいないことに慣れていないペットの場合は、落ち着いて休めない可能性があります。

夜間無人のペットホテルを利用する際は、日頃からケージやサークルなどの限られたスペースで過ごすことに慣れさせておくとよいでしょう。

料金や施設の管理体制だけでなく、ペットの性格を考慮して選ぶことが大切です。

デメリット

夜間無人ペットホテルのデメリットは、以下のとおりです。

  • 夜間の緊急対応を迅速に行うことが難しい
  • 人がいないことに慣れていないペットはストレスを感じる可能性がある
  • スタッフ常駐のペットホテルよりも安心感を得にくい

このようなデメリットがあることから、利用前は短時間の預かりを繰り返すことがおすすめです。何度か利用を繰り返すことで、ペットが施設の環境やスタッフに慣れるため、ストレス負担の軽減につながります。

また、飼い主は信頼できる施設であるかどうかを見極める時間ができ、安心感を持って預けられるようになるでしょう。

飼い主が抱える不安を解消するためにも、施設の監視体制や空調の管理方法、緊急時の対応方法などを事前に確認することが大切です。

夜間無人のペットホテルの選び方

愛犬と遊ぶ女性

夜間無人のペットホテルを選ぶ際、安いからという理由だけで選ぶと、思わぬトラブルが発生してしまうかもしれません。ペットの安全を守るために、ペットホテルを選ぶ際の5つのポイントを解説します。

モニタリング体制が整っているか

夜間無人のペットホテルを利用する場合は、モニタリング体制がしっかりと整っているのかを確認しておきましょう。

具体的には、24時間監視のカメラの有無や、室温やペットの動きなどを感知する見守りセンサーの有無などです。また、空調管理をどのようにしているのかも把握しておくとよいでしょう。

ペットホテルのなかには、飼い主のスマートフォンでペットの様子を確認できるサービスを導入していることもあります。

モニタリング体制が整っている施設であれば、夜間が無人でも安心感を持ってペットを預けられるでしょう。

近隣に提携している動物病院があるか

猫・ペットを抱く動物病院の男女の獣医師

近隣に提携している動物病院があれば、夜間の急な体調不良やトラブルが起こった際に、獣医師の診察と処置を迅速に受けられます

特に、老犬や持病があるペットの場合は、動物病院と提携しているペットホテルがおすすめです。提携している動物病院があることが確認できたら、ペットホテルだけでなく、その動物病院についても事前に確認しておきましょう。

提携している動物病院に実際に行き、アレルギーや持病などを事前に伝えておくと、何か起こった際にスムーズに処置を行ってもらえる可能性があります。

緊急時や異常時の対応方法が決まっているか

ペットホテルでは、ペットの体調の急変や脱走など、実際にさまざまなトラブルが発生しています。そのため、緊急時や異常時の対応方法が決まっているのかも、ペットホテルを選ぶうえで重要なポイントです。

対応方法が曖昧な施設は、何か起こった際にスムーズな連携が取れず、さらなるトラブルにつながるおそれがあります。

緊急時の連絡方法や提携動物病院までの搬送、処置方法などを具体的に確認しておくことが大切です。また、口頭での説明だけでなく、契約書や同意書に明記されているのかもしっかりとチェックしておきましょう。

明記されていない場合は、契約の見直し、または追加で記載してもらうように伝えることをおすすめします。

体調や性格に合っているか

愛犬と遊ぶ男女

ペットホテルは飼い主には便利なサービスである一方で、ペットにとってはストレス負担が大きく、滞在中に体調を崩すことも少なくありません。

特に、怖がりな性格や持病があるペットは、預ける際は元気でも夜間に体調が悪くなる可能性があります。ペットホテルを選ぶ際は、料金や施設の環境だけでなく、ペットに合った施設であるかどうかを見極めることが大切です。

例えば、ほかの犬が苦手なら個室が用意されているか、アレルギーがあるならご飯の持ち込みができるのかなどを確認しておくとよいでしょう。

また、事前にペットの体調や性格、トイレの習慣などを伝えておくのもおすすめです。事前に伝えると、ペットに合った環境を提供してもらえる可能性があります。

可能なら事前に見学して環境を確認

ペットホテルを選ぶ際、可能であれば事前に見学して、施設環境を確認することがおすすめです。実際に施設を見ることで、施設の雰囲気や衛生環境、スタッフの対応などを確認できます。

見学時には、以下の5つのポイントを確認しておきましょう。

  • 動物取扱業の登録証が掲示されているか
  • ケージや共有スペースが清潔に保たれているか
  • 温度や湿度管理が適切に行われているか
  • スタッフの対応は丁寧か
  • ほかに預けられているペットは落ち着いているか

見学する際のチェックポイントがわかっていれば、ペットに合った施設を選びやすくなるでしょう。

夜間無人のペットホテルを利用する場合の注意点

愛犬と遊ぶ女性

夜間無人のペットホテルを利用する際は、以下の点に注意して選ぶとよいでしょう。

  • 契約書や同意書をしっかりと確認する
  • 狂犬病やワクチンは打っておくのが望ましい
  • ペットのストレスになる可能性があることを理解しておく
  • 事前に健康診断を受けておく

また、ペットホテルではほかの犬や猫と接することもあるため、感染症予防としてノミ・ダニの予防薬やフィラリア予防薬の投与も大切です。

ペットホテル利用前に、ケージやサークルなどの限られた空間で過ごす練習をしておくと、ペットのストレスが軽減される可能性があります。

持ち込みができるペットホテルであれば、ペットの好きなおもちゃや毛布などを持参するのもおすすめです。

これらの注意点を押さえて事前準備をしておくと、夜間無人のペットホテルを利用しやすくなるでしょう。

夜間対応が不安な場合の選択肢

愛犬と遊ぶエプロン姿の女性(道路)

ペットの性格や体調によっては、夜間無人のペットホテルの利用が不安なこともあるでしょう。そのような場合は、動物病院併設型やペットシッター、短時間のお試し預かりなどを活用するのがおすすめです。

ここでは、夜間対応が不安な場合の3つの選択肢とあわせて、利用する際のポイントを紹介します。

動物病院併設型や有人ホテルを選ぶ

夜間対応が不安な場合は、動物病院併設型や夜間もスタッフが常駐しているペットホテルを選びましょう。特に、動物病院併設型であれば、夜間の急な体調不良やトラブルが起こった際などの医療対応が可能です。

動物病院の雰囲気に緊張してしまうペットの場合は、夜間もスタッフが常駐しており、ペットホテルのみを提供している施設を利用するとよいでしょう。

ペットホテルのみを提供している施設であれば、トレーニングやリラクゼーションなど、滞在以外のサービスが充実していることもあります。

ただし、サービスが充実している分料金が高くなる傾向があるため、ペットの性格や体調を考慮したうえで検討することが大切です。

ペットシッターや在宅預かりサービスを利用

スポーツウェアで犬の散歩をする女性

ペットシッターは、飼い主の自宅を訪問して、散歩や食事などのお世話をしてもらえるサービスです。ペットがいつもの環境で過ごすことができるため、ペットホテルに預けるよりもストレスが少なくなります。

ほかの犬と接するのが苦手な犬や怖がりな性格のペットに向いているサービスといえるでしょう。また、老犬や持病などで移動がペットの体に負担となる、という場合にもおすすめです。

利用する際は事前に顔合わせを行い、貴重品やプライベート空間の管理、ペットの健康状態などを伝えておきましょう。

短時間のお試し預かりで様子を見る

ペットのストレスを軽減するために、短時間のお試し預かりで様子を見るのもおすすめです。何度かペットホテルを利用することで、ペットがその施設の環境やスタッフに慣れ、長時間の滞在でもストレスが少なくなる可能性があります。

また、飼い主はスタッフとコミュニケーションを重ねられるため、信頼できる施設であるかどうかを見極めることも可能です。

スタッフの人柄や対応などを確認できれば、安心感を持ってペットを預けやすくなるでしょう。ただし、ペットホテルによっては短時間の預かりを行っていないこともあるため、利用前には確認が必要です。

まとめ

ライフスタイル

ペットホテルを選ぶ際、夜間無人でも大丈夫なのか、と悩む方もいるでしょう。

夜間無人のペットホテルは、夜間の緊急対応が難しいというデメリットがある一方で、スタッフ常駐の施設よりも料金が安くなる傾向があります。

また、24時間監視システムや、近隣の動物病院と提携して夜間の急変に対応できるようにしている施設も少なくありません。ただし、ペットホテルを選ぶ際は、料金や設備だけでなくペットの体調や性格に合っているのかも重要なポイントです。

特に、怖がりな性格や持病があるペットの場合は、環境の変化によって体調が悪くなる可能性があります。このような不安があるなら、動物病院併設型のペットホテルや、自宅でお世話をしてもらえるペットシッターなどがおすすめです。

可能であれば、事前に見学したり短時間のお試し預かりを利用したりして、信頼できるペットホテルであるかどうかを見極めるのもよいでしょう。

ペットの安全を守るためにも、緊急時の対応方法や施設環境、スタッフの対応の丁寧さなどをしっかりと確認することが大切です。

参考文献