旅行や出張、帰省など、家を空けなければならないとき。愛するペットと離れるのは、飼い主にとって心配なものです。
特に初めてペットホテルを利用する方なら、「予約は何日前までにすればいいの？」や「どのような準備が必要？」などの不安や疑問が多いのではないでしょうか。
大切なペットが、快適に過ごせる環境を確保するためには、計画的な準備が何よりも大切です。
本記事では、ペットホテル選びから予約、宿泊当日までの具体的な流れ、そして万が一予約が取れなかった場合の対処法まで、飼い主さんの不安を解消できるようわかりやすく解説します。
ペットホテル予約の基礎知識
ペットホテルを利用する前には、いくつかの基本的な知識を押さえておくことが、ペットと飼い主双方の安心につながります。
ペットホテルの利用は単に世話の代行を依頼するだけでなく、ペットがストレスなく過ごせる環境を選ぶための大切なステップです。
以下で紹介するポイントを押さえておきましょう。
ペットホテルを予約するまでの流れ
ペットホテルの予約は、ただ空き状況を確認して申し込むだけではありません。大切なペットが快適に過ごすには、飼い主の丁寧な準備が大切です。
まず、信頼できるホテルを見つけるために、しっかり情報を集めましょう。
特に大事なのは、施設が第一種動物取扱業に登録されているかどうかです。登録されている施設は法律に基づいて運営されています。
また、動物病院が併設されているか、資格を持ったスタッフがいるかなど、安全面もチェックしましょう。
初めて利用する場合は、実際に施設を見学して、清潔さやスタッフの対応を自分の目で確認するのがおすすめです。
利用したい施設が見つかったら、電話やインターネットで予約しましょう。
ペットホテルの予約から宿泊までの流れ
ペットが安心して過ごせるかは、事前準備がしっかりできているかで大きく変わります。
まず、キャンセルや免責に関するルールが書かれた利用規約兼同意書をよく読んで、納得したうえでサインしましょう。
次に、ほかの動物への感染を防ぐために、1年以内の狂犬病予防接種証明書（犬の場合）や混合ワクチン接種証明書を用意します。
また、環境の変化によるストレスを軽減するために、いつものごはんを1食分ずつ小分けにして持参するのがおすすめです。
自宅のにおいがついたおもちゃや毛布も一緒に持っていくと、ペットが落ち着きやすくなります。
ペットホテルの繁忙期と予約が取りにくい時期
人間の宿泊施設と同じく、ペットホテルにも予約が集中する繁忙期は存在します。
旅行や帰省の計画を立てる際は、繁忙期を意識した早めの予約が大切です。
以下では、ペットホテルの予約が取りにくい繁忙期と取りやすい時期を解説します。
ペットホテルを予約しにくい時期
ペットホテルの予約が特に困難になるのは、多くの方が長期休暇を取得する時期です。
具体的には、以下がペットホテルの繁忙期になる傾向にあります。
- 年末年始（12月下旬～1月上旬）
- ゴールデンウィーク
- お盆を含む夏季休暇（7月～8月）
人気施設は予約開始と同時に満室になる場合も珍しくないため、予定が決まったらすぐに予約するのが理想です。
多くの施設では、繁忙期には通常料金とは別に繁忙期料金が設定されています。
希望の施設を確保するためには、利用予定日の数ヶ月前から予約するのが理想的です。
ペットホテルの予約が取りやすい時期
繁忙期とは対照的に、予約がスムーズに進む時期も存在します。
一般的に、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆のような大型連休を除く平日が閑散期にあたり、連休が終わった直後は狙い目の時期です。
通常期の場合は利用日の1〜2ヶ月前に検討を始めれば、希望の施設を選びやすくなります。
スケジュールがわかっている場合は早めの予約がおすすめ
旅行や出張、帰省など、ペットを預ける必要がある予定が事前に確定している場合、可能な限り早めの予約が理想的です。
年末年始やお盆などの繁忙期には予約が極端に集中します。
特に、出発日が近づいてからでは、ペットが慣れている施設や人気のホテルを確保するのは難しいでしょう。
事前に預け先を確保しておけば、出発日が近づいてから慌てて探したり、妥協したりするストレスを回避できます。
また、複数の施設をじっくり比較検討する時間的余裕が生まれるため、ペットに適したホテルを選びやすくなるのも、早めの予約をおすすめする理由のひとつです。
早めにペットホテルを予約するメリットとデメリット
スケジュールが決まったらすぐに予約するのは多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
双方を理解したうえで、ご自身のスケジュールに適したタイミングでの予約が大切です。
早期予約のメリット
早めの予約で得られる主なメリットは、料金が安くなりやすいことと希望の条件で利用しやすいことの2点です。
多くのペットホテルでは、早めに予約や支払いをした方に対して早割（早期割引）を行っています。
例えば30日前までの予約で割引や、お盆期間の予約は特定日までに申し込むと5％オフなど、お得になる施設は多いです。
また、有名なホテルや、広い個室、監視カメラ付きの特別なお部屋などは、すぐに予約が埋まってしまいます。
条件のいい部屋を確保するには、早めの予約が欠かせません。
さらに、料金が高くなる前に予約できるため、繁忙期料金などによる後からの値上がりを避けられる可能性も高まります。
早期予約のデメリット
早めに予約するデメリットは、予定が変わったときにキャンセル料がかかる点です。
飼い主の都合で予約をキャンセルする場合、多くの施設ではキャンセル料が発生します。
キャンセル規定は利用規約に明記されており、利用日が近づくにつれてキャンセル料率が段階的に上がるのが一般的です。
例えば以下のようなキャンセル規定が存在します。
- 利用当日：100%
- 前日：50%
- 前々日から1週間前まで：30%
また、利用開始後に飼い主の都合で予定より早くお迎えに来るなど、滞在期間が短縮された場合でも、残りの期間分の料金は返金されないのが通例です。
キャンセルの可能性を考慮し、予約時にはキャンセルポリシーを十分に確認しておきましょう。
直前でも預けられるペットホテルの探し方
急な出張や家族の不幸など、突然ペットを預けなければならない事態も起こります。
もし予約サイトで満室と表示されていても、あきらめるのはまだ早いかもしれません。
まずはホテルに直接電話をしてみましょう。サイトには反映されていないキャンセルが出ていて、実は空きがある場合もあります。
また、キャンセル待ちを受け付けているホテルも多いので、希望のホテルに連絡して登録しておくのもひとつの手です。
空港やターミナル駅の周辺には、急な預かりに対応してくれるペットホテルが一定数存在します。
さらに、普段から通っている動物病院がホテルを併設している場合は、日頃の信頼関係から優先的に預かってくれる場合もあります。
ペットホテルの予約が取れなかったときの対処法
万が一、ペットホテルも予約が取れない状況に直面した場合でも、いくつかの代替策があります。
どのような方法がご自身のペットに合っているか、各対処法の特徴を理解して慎重に選びましょう。
ペットシッターサービスを利用する
ペットホテルの予約が取れないときの代わりの方法として、ペットシッターサービスがあります。
ペットシッターサービスは、専門のペットシッターが飼い主の自宅に来て、食事や水の交換、トイレの掃除、お散歩など、日常のお世話をしてくれるサービスです。
大きなメリットは、ペットが住み慣れた自宅で過ごせるので、ストレスが少なくてすむ点です。特に環境の変化に敏感な猫や、高齢のペットに向いています。
ただし、自宅の鍵を預ける必要があるため、シッターが信頼できるかどうかの確認がとても大切です。
ペットシッターも法律で第一種動物取扱業の登録が必要と定められているため、登録されているかも確認しましょう。
また、愛玩動物看護師や認定ペットシッターなどの資格を持っているかや、万が一に備えて損害賠償保険に入っているかも、依頼する際のチェックポイントになります。
知人・友人・家族に預ける
ペットを預ける方法のひとつに、信頼できる知人や友人、家族にお願いする方法もあります。ペットが普段から慣れている方なら、環境が変わってもストレスが少なく過ごしやすいのがメリットです。
ただし、知人・友人・家族に預けるのは相手の善意に頼ることになるため、細やかな気配りが必要です。
お礼の気持ちを伝えるのはもちろん、ペットの食事内容や散歩の時間、緊急時の連絡先やかかりつけの動物病院などをメモにまとめて渡しておきましょう。
相手にできるだけ負担をかけないような配慮が大切です。
また、何かトラブルが起きたときに責任の所在がはっきりしないケースもあります。
お願いする前に相手との関係や状況をよく考えて、無理のないよう慎重な依頼がトラブル回避につながります。
動物病院での一時預かり（医療預かり）
持病がある、高齢である、薬を定期的に服用しているなど、日頃から医療ケアが必要なペットには、動物病院での一時預かりが適切な選択肢になる場合があります。
獣医師や愛玩動物看護師の専門的な管理下にあるため、万が一体調が急変しても迅速な医療対応を期待できるのがメリットです。
ただし、すべての動物病院がホテルサービスや医療預かりに対応しているわけではありません。
また、基本的には治療や健康管理が優先されるため、遊びなどの時間はペットホテルに比べて少なくなる傾向があります。
利用を検討する場合は、まずかかりつけの病院に、預かりサービスの有無や利用条件などの事前確認が必要です。
まとめ
初めてペットホテルを利用する場合は、第一種動物取扱業の登録があるかを確認し、施設を見学して信頼できる場所を選ぶことが大切です。
旅行や出張の予定が決まっているなら、特にゴールデンウィークやお盆、年末年始などの混み合う時期は、数ヶ月前からの予約をおすすめします。
早めに予約すれば希望のホテルを確保しやすくなりますが、キャンセル料がかかる可能性もあるので、予定に合わせて慎重に決めましょう。
もし予約が取れなかった場合でも、ペットシッターや動物病院など、ペットの性格や健康状態に合った別の方法があります。
本記事が、皆様が安心してペットを預け、ご自身の時間を有意義に過ごすための一助となれば幸いです。
参考文献
