ペットホテルは病気の感染に注意が必要?感染予防の方法や対処法を解説

ペットホテルは病気の感染に注意が必要?感染予防の方法や対処法を解説

旅行や出張で家を空けることになったとき、ペットホテルを頼りにしている飼い主さんもいるでしょう。

しかし、ペットホテルでは複数の動物が同じ空間で過ごすため、病気の感染リスクについて心配になることもあるかもしれません。

犬や猫は感染症にかかると、重症化するケースも見られます。大切な家族であるペットを守るには、事前の予防対策と適切なペットホテル選びが欠かせません。

この記事では、ペットホテルでの感染症について詳しく解説します。予防方法や対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

ペットホテルでは病気の感染に注意が必要?

沢山の犬

ペットホテルは不特定のペットが集まる場所であり、感染症のリスクがあります。動物から動物への感染経路には直接接触や飛沫感染などがあり、複数の動物が一緒に過ごす環境では病原体が広がりやすくなる傾向です。

特にワクチン未接種の個体や免疫力が低下している動物は、感染リスクが高いです。施設内では食器やケージ、寝床などを共用することもあり、これらを介して病原体が広がるケースも考えられます。

また、スタッフの手や衣服に付着した病原体がほかの動物に移ってしまう可能性もゼロではありません。

感染症の中には潜伏期間があるものもあり、預けている間は元気でも、帰宅後に症状が出てくることもあるため注意が必要です。

発熱や下痢、嘔吐、食欲不振といった症状が見られた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

さらに、慣れない環境でのストレスによって免疫力が一時的に低下し、普段は発症しない病気にかかってしまうこともあります。

特に初めてペットホテルを利用する子犬や子猫は環境の変化に敏感なため、体調を崩しやすい傾向です。こうしたリスクを理解したうえで、事前に適切な予防策を講じておくことが大切です。

ペットホテルで感染する可能性がある病気

ベッドの上で体調不良の犬

ペットホテルで感染する可能性がある代表的な病気として、ケンネルコフやパルボウイルス感染症が挙げられます。

ケンネルコフは犬風邪とも呼ばれ、パラインフルエンザウイルスやアデノウイルスなどが原因で発症し、乾いた咳やくしゃみ、発熱や鼻水といった症状が現れます。

飛沫や接触によって広がりやすく、犬が集まる場所での集団感染が起こりやすいのが特徴です。

単独感染であれば軽症で済みやすいものの、細菌の二次感染を起こすと重症化して肺炎になることもあるでしょう。

症状が出たら早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。一方、パルボウイルスは感染力がとても強く、激しい嘔吐や血便を伴う下痢を引き起こします。

感染した動物の便や嘔吐物に触れることで広がり、ウイルスは環境中でも長期間生存するため、施設内での感染拡大には特に注意が必要です。

特に子犬や子猫では致死率が高く、発症から24〜48時間以内に命を落とすこともあるため、早期発見と迅速な治療が求められます。

これらの感染症はワクチン接種で予防できる病気なので、定期的な接種を忘れずに行いましょう。猫でも同様にパルボウイルス感染症を引き起こすことがあります。

ペットホテルでの病気感染を予防する方法

予防接種をするヨークシャテリア

感染症からペットを守るためには、事前の予防対策が重要です。ワクチン接種や日常的な健康管理は、感染症予防に効果的な手段です。

ペットホテルを利用する前に、飼い主さん自身ができる予防策を講じておくことで、感染リスクの軽減が期待できます。

預ける直前ではなく、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。

万が一体調を崩した場合にも対応できるよう、時間に余裕を持っておくことをおすすめします。ここでは、具体的な予防方法について詳しく紹介します。

ワクチン接種を済ませておく

混合ワクチンの接種は、感染症予防において欠かせません。

犬の場合、パルボウイルスやジステンパーなどを予防する混合ワクチンが用意されています。猫にも、さまざまな感染症を防ぐための混合ワクチンがあります。

ワクチンは適切なタイミングで複数回接種するのが望ましく、特に子犬や子猫の時期から計画的に進めることが大切です。

母親からもらった移行抗体が残っている間は効果が発揮されにくいため、獣医師と相談しながらスケジュールを組みましょう。

ノミやダニのチェックをしておく

ペットサロンでお手入れ

ノミやダニは、ほかの動物から移ることがあり、ペットホテルのような複数の動物が集まる場所では特に注意が必要です。

ノミやダニなどの外部寄生虫は病原体を媒介する可能性があり、皮膚炎やアレルギー症状を引き起こすこともあります。

ペットホテルの利用前には、スポットタイプやチュアブルタイプの駆虫薬を投与して予防しておくことがおすすめです。

また、被毛や皮膚の状態を丁寧に確認し、かゆみや赤み、脱毛などの異常がないかチェックしましょう。

特に散歩で草むらに入ることが好きなペットは、マダニが付着していないか念入りに調べましょう。

動物病院で健康チェックをしておく

ペットホテルに預ける前に、動物病院で健康診断を受けておくこともおすすめです。1年以上継続して飼養する犬猫については、年1回以上の獣医師による健康診断が推奨されています。

健康診断を受けると、飼い主さんが気付いていない病気の早期発見につながり、ほかの動物への感染を防ぐことも可能です。

血液検査や糞便検査などで隠れた感染症が見つかるケースもあるため、預ける1〜2週間前を目安に受診しておくと余裕を持って対応できます。

体調に不安がある場合は、預ける時期を検討し直すことも一つの選択肢です。

ペットホテルで病気にかかった場合の対処法

動物病院で獣医師に診察を受ける猫と女性

ペットホテルから帰宅後に体調の変化が見られた場合は、速やかな対応が求められます。

嘔吐や下痢、食欲不振、元気がないなどの症状に気付いたら、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

パルボウイルス感染症のように進行が早い病気もあるため、様子を見すぎることは避けましょう。

受診の際は、ペットホテルを利用していた期間や施設名を詳しく獣医師に伝えることが大切です。

ほかの動物との接触があったことを伝えると、感染症を疑った検査を優先的に行ってもらえる場合があります。

自宅に複数のペットがいる場合は、帰宅後すぐに隔離し、病院で異常がないと確認できるまで接触を避けましょう。

なかには潜伏期間がある感染症もあるため、帰宅直後は元気に見えても油断は禁物です。数日間は注意深く様子を観察しましょう。

病気に感染しないためのペットホテルの選び方のポイント

犬を抱っこするトリマーの女性

感染リスクを軽減するためには、ペットホテル選びが重要なポイントです。施設によって衛生管理の水準や受け入れ条件は異なるため、事前に複数の施設を比較検討しましょう。

料金だけで選ぶのではなく、感染症対策がしっかり行われているかどうかを確認することが大切です。

以下に、ペットホテルを選ぶ際に確認しておきたいポイントをご紹介するので、施設選びの参考にしてみてください。

衛生管理がしっかりしている

衛生管理が行き届いた施設を選ぶことは、感染予防においてとても大切です。パルボウイルスはアルコール消毒では死滅せず、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が必要です。

施設の清掃頻度や使用している消毒剤について確認し、ケージやベッドなどの備品が清潔に保たれているかどうかもチェックしましょう。

見学を受け付けている施設であれば、実際に目で確かめることをおすすめします。

換気が十分に行われているか、排泄物の処理が適切に行われているかなども、感染症予防の観点から重要なチェックポイントです。

食事の管理がしっかりしている

ご褒美ごはん中の柴犬

食事管理が適切に行われているかどうかも確認すべきポイントです。ペットによってアレルギーや持病があり、食事内容に配慮が必要なケースも少なくありません。

普段食べているフードを持参できるか、食事の時間や量を個別に対応してもらえるかを事前に確認しておくとよいでしょう。

環境の変化によるストレスで食欲が落ちるペットもいるため、食べ慣れたフードを用意しておくことは体調管理の面でも役立ちます。

また、体調の変化は食欲にも現れやすいため、スタッフが食事の様子をきちんと観察して記録してくれる施設を選ぶと心強いです。

ワクチン接種が義務付けられている

ワクチン接種証明書の提示を求めているペットホテルは、感染症対策にしっかり取り組んでいると考えられます。

すべての預かり動物にワクチン接種を求めることで、施設内での感染症の蔓延を防ぐ効果が期待できます。

どのワクチンが必要か、証明書の有効期限はいつまでかなど、事前に確認しておきましょう。

施設によっては狂犬病予防注射の証明も求められるケースがあるため、犬を飼っている方は毎年の接種を忘れないようにしましょう。

接種から日が浅い場合は抗体が十分に作られていない可能性があるため、余裕を持った準備をおすすめします。

動物病院併設、または連携している

動物病院と連携しているペットホテルを選ぶことで、万が一の際にも迅速な対応が期待できます。

滞在中に体調を崩しても、すぐに獣医師の診察を受けられるので、飼い主さんにとっては心強いポイントです。

提携している動物病院の診療時間や休診日なども確認しておくと、緊急時の対応がスムーズです。

特に高齢のペットや持病があるペットの場合は、医療体制が整った施設を優先的に検討することをおすすめします。

連携先の動物病院の連絡先を教えてもらい、何かあったときにすぐ連絡が取れる体制を整えておくことも大切です。

動物病院併設のペットホテルのメリット

犬の診療をする女性の獣医

動物病院併設型のペットホテルには、さまざまなメリットがあります。獣医療の専門家が常駐している環境で大切なペットを預けられることは、飼い主さんにとって大きな魅力です。

料金は一般的なペットホテルより高めに設定されていることがありますが、その分手厚いケアを受けられるのが特徴です。

ここでは、動物病院併設のペットホテルを利用するメリットについて詳しくご紹介します。

獣医師や看護師によるケアを受けられる

動物病院併設のペットホテルでは、獣医師や動物看護師による専門的なケアを受けることができます。

日常的な健康観察から異常の早期発見まで、専門知識を持ったスタッフが対応してくれるため、質の高いケアが期待できるでしょう。

一般的なペットホテルのスタッフとは異なり、呼吸の様子や粘膜の色、歩き方など細かな変化にも気付きやすい環境です。

日々の様子を詳しく記録してくれる施設もあります。動物の体調変化を見逃さないプロの目が常にあることは、預ける側にとっても心強いでしょう。

急な体調変化に対応してもらえる

滞在中に急な体調変化が起きた場合でも、動物病院併設であればすぐに診察を受けることが可能です。

一般的なペットホテルでは、体調不良時に外部の動物病院へ搬送する時間が必要ですが、併設型であればその時間を大幅に短縮できます。

夜間や休日でも対応してもらえる体制が整っている施設もあります。感染症のなかには進行が早いものもあるため、迅速な対応ができる環境は大きなメリットです。

また、検査機器や治療に必要な設備がすぐそばにあることで、症状に応じた適切な処置を速やかに受けられる点も魅力です。

高齢や持病があるペットを預けやすい

芝生の上のラブラドールレトリバー

高齢や持病を抱えているペットの場合、一般的なペットホテルでは受け入れを断られることがあります。

しかし、動物病院併設型であれば、医療体制が整っているため受け入れてもらえる可能性が高いです。

心臓病や腎臓病、糖尿病などの慢性疾患を抱えているペットでも、獣医師の監督のもとで適切に管理してもらえます。

定期的な投薬が必要な場合や食事制限など特別な配慮が求められるケースでも、専門スタッフが対応してくれるため、飼い主さんは安心感を持って預けやすくなるでしょう。シニア期に入ったペットを預ける際には、ぜひ検討してみてください。

投薬やワクチン接種などをお願いできる可能性がある

動物病院併設のペットホテルでは、滞在中に投薬管理やワクチン接種をお願いできる場合があります。

日常的に服用している薬の投与はもちろん、滞在期間中にワクチンの接種時期が重なる場合にも対応してもらえることがあるでしょう。

また、フィラリア予防やノミ・ダニ駆除などの処置もタイミングが合えば依頼できる可能性があるため、事前に相談してみてください。

預けている間に健康診断を受けさせることも可能な場合があり、忙しい飼い主さんにとっては時間の有効活用につながります。

ペットホテルによっては、爪切りや耳掃除などのケアも併せてお願いできることがあります。

まとめ

犬に抱きつく女性

ペットホテルを利用する際には、感染症への備えが欠かせません。

ワクチン接種や動物病院での健康チェック、ノミ・ダニ対策などの事前準備を行うとともに、衛生管理が行き届いた施設を選ぶことが大切です。

帰宅後に嘔吐や下痢、食欲不振などの症状が見られた場合は、できるだけ速やかに動物病院を受診した方がよいでしょう。

動物病院併設型のペットホテルであれば、専門スタッフによるケアや緊急時の迅速な対応が期待できるため、持病がある子や高齢のペットでも預けやすいです。大切な家族を守るために、しっかりと準備を整えておきましょう。

参考文献