犬のトリミングは、いつから始めるべきか迷う飼い主も多いのでしょうか。トリミングは見た目を整えるだけでなく、健康維持にも欠かせないケアです。
本記事では、犬のトリミングは何歳から行うとよいのかについて以下の点を中心にご紹介します。
- 犬のトリミングは何歳から行うとよいのか
- 初めてのトリミングで気を付けること
- トリミングサロンの選び方
犬のトリミングは何歳から行うとよいのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
犬のトリミングについて
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犬のトリミングとはどのようなものなのか、必要な犬種や費用の相場を以下で解説します。
トリミングとは
トリミングとは、犬の毛を整えてカットする行為を指し、犬の美容や健康を保つために重要なケアの一環です。この作業を専門に行う職業は”トリマー”と呼ばれ、ハサミやバリカン、トリミングナイフなどを使用して丁寧に毛を刈り揃えます。
トリミングには見た目を美しくするだけでなく、犬の衛生状態を改善し、健康を守る目的もあります。例えば、口元や下半身の毛が長いと、食べカスや排泄物が付着して不衛生な状態になりやすく、皮膚病や感染症のリスクが高まります。
また、被毛が伸びすぎることで転倒や視界不良、さらには熱中症の危険性も生じるため、定期的なケアが欠かせません。
トリミングを行うことで、犬本来の健康と美しさを引き立たせ、快適な生活環境を提供できます。
トリミングが必要な犬種
トリミングが必要な犬種としては、被毛が長く絡まりやすいシングルコートの犬や、毛が多く密集しているダブルコートの犬が挙げられます。
プードルやヨークシャー・テリア、マルチーズなどのシングルコート犬は、毛の生え替わりが少なく、放置すると毛玉ができるため、定期的なトリミングが欠かせません。
また、チワワやダックスフンド、ポメラニアン、コーギーなどのダブルコート犬もトリミングが必要です。ダブルコートの犬は季節ごとにアンダーコートが生え変わりますが、これを適切に整えることで毛の絡まりや不衛生な状態を防ぎます。
これらの犬種は、毛のカットだけでなく、健康管理の一環としてトリミングが重要といえます。
トリミングの費用相場
犬のトリミング費用は、サロンのメニュー内容や犬種、大きさ、地域などによって異なります。
東京都内の平均相場として、小型犬は6,000円前後、中型犬は7,500円程度、大型犬では16,000円程度が目安です。ただし、チワワのような小型犬でもトイ・プードルやミニチュア・シュナウザーなど毛質に個性がある犬種の場合、8,000円前後となることもあります。
また、毛玉対応料金や追加オプション(薬用シャンプー、炭酸スパ、マイクロバブルなど)が加算されるケースもあり、最終的な費用が上がる場合があります。
費用を抑えるためには、事前にブラッシングを徹底し毛玉を防ぐことや、サロンに問い合わせて詳細を確認することが大切です。
犬のトリミングは何歳から?
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犬のトリミングデビューは、生後3〜6ヵ月が目安とされています。生後3〜4ヵ月頃はワクチンプログラムが終わる時期で、免疫が整うため安全にトリミングが行えるタイミングです。
また、この時期は”社会化期”と呼ばれ、好奇心が旺盛で新しい環境や出来事に慣れやすい特徴があります。この時期にトリミングに慣れさせておくと、将来的にトリミングへの苦手意識が軽減され、トリマーへの負担も軽くなります。
シャンプーを始めるのは生後2ヵ月頃が目安で、体調を見ながら少しずつ慣らし、月に一度のペースでケアを重ねると、生後4ヵ月頃にはトリミングデビューがスムーズに進むでしょう。
早めに始めることで犬自身の健康管理や社会性向上にもつながるため、飼い主として積極的に検討することが大切です。
初めてのトリミングで気を付けること
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初めてのトリミングの際は、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。以下に解説します。
ワクチン接種の有無や接種時期
初めてトリミングを受ける際には、ワクチン接種が済んでいることが必須条件となるサロンや動物病院がほとんどで、1年以内の混合ワクチンと狂犬病予防接種の証明書を持参する必要があります。証明書がない場合、トリミングを受けられないことがあるため、事前に準備を済ませておくことが重要です。
ただし、ワクチン接種直後は体調が万全ではないことが多いとされるため、接種後すぐのトリミングは避けるようにしましょう。少なくとも数日〜1週間程度間隔を空けてからトリミングを行うことで、犬への負担を軽減できます。
これらの準備を怠らないことで、愛犬の健康を守りつつ、スムーズにトリミングデビューを進められます。
トリミング直前はご飯を控える
初めてのトリミングでは、犬は環境の変化や緊張からストレスを感じやすくなります。その結果、消化不良を起こすことがあるため、トリミング直前にご飯をあげることは避けた方がよいでしょう。
トリミング中はリラックスして休むことが難しく、満腹の状態だと体調を崩す原因になることもあります。午前中にトリミングの予約が入っている場合は、朝ご飯を軽めにしたり、時間を調整して早めに済ませることがおすすめです。
また、空腹でエネルギー不足にならないように注意しつつ、愛犬の体調をしっかり確認してからトリミングに臨みましょう。
適切な食事管理を心がけることで、トリミング中の負担を軽減し、より快適に過ごせるようサポートしてあげることが大切です。
トイレを事前に済ませる
トリミング中は犬が自由にトイレに行けないため、事前にトイレを済ませておくことが重要です。子犬の場合、トイレトレーニングが完了していないことも多いとされるため、飼い主がタイミングを見てサポートしてあげる必要があります。
トリミング中にトイレを我慢する状況が続くと、犬にとって大きなストレスとなるだけでなく、施術中のリラックスが妨げられる原因にもなります。トリミングサロンに向かう前に自宅や散歩中でトイレを済ませる習慣をつけると安心です。
施術前に排泄を済ませておくことで、愛犬がより快適な状態でトリミングを受けられるよう配慮しましょう。些細な準備が犬の健康とリラックスにつながります。
できる範囲でブラッシングをしておく
トリミングの前にブラッシングをして、毛玉や毛のもつれをあらかじめ確認しておくことが大切です。ひどい毛玉が多い場合、サロンで毛玉料金が加算されることもあるため、できる範囲で事前にブラッシングを行い、犬の負担を減らしましょう。
ただし、毛玉を無理に取ろうとして毛を引っ張ると犬に痛みを与えてしまうため、取りにくい毛玉はプロに任せるのが賢明です。耳の後ろ、首輪やハーネスが当たる部分、わきの下など、毛がもつれやすい場所を重点的に確認するとよいでしょう。
事前にブラッシングをしておくことで、犬がトリミング中に受けるストレスを軽減できるだけでなく、仕上がりもより美しくなります。
犬の健康と快適さを考えた準備を心がけましょう。
苦手なことやペットの情報を事前に伝える
初めてのトリミングでは、愛犬の苦手なことや必要な情報をトリマーに事前に伝えることが重要です。
足先やしっぽ、首回りを触られるのを嫌がる、爪切りに抵抗する、大きな音が苦手など、犬によって特有の反応があります。これらを把握し、トリマーに共有することで、安全でスムーズな施術につながります。
また、施術中のストレス軽減のため、大好きなおやつを準備し、トリマーからご褒美として与えてもらうのもよいでしょう。
さらに、愛犬の名前、犬種、性別、生年月日、持病やアレルギーの有無といった基本情報も整理して伝えることで、愛犬が安心してトリミングを受ける環境を整えられるでしょう。
犬のトリミングを行う頻度
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犬のトリミングはどのくらいの頻度で行うのがよいのでしょうか。以下に解説します。
犬種別の頻度
犬のトリミング頻度は、犬種や毛の長さ、季節、カットスタイルによって異なりますが、月1回程度が目安とされています。
例えば、トイ・プードルやマルチーズなどのように毛が伸び続ける犬種は、毛玉ができにくく、希望するスタイルを保つためにも月1回のトリミングが推奨されます。
一方、チワワやダックスフンドなど毛が一定以上伸びない犬種は頻繁なトリミングは必要ありませんが、季節に応じたスタイル変更や体臭が気になる場合にはサロンでのケアを検討するとよいでしょう。
毛玉が広がると犬が痛みを感じたり、希望するスタイルに仕上げにくくなったりするため、3ヵ月以上の放置は避けるべきです。
また、毛が絡まりそうな状態や目に毛がかかる場合も早めにトリミングを行うと犬の快適さを保てます。
シニア犬の場合
シニア犬の場合、トリミングやグルーミングを行う際には体への負担を考慮する必要があります。目安として、1ヵ月に1回程度の頻度が推奨されますが、体調や持病などの状態によっては難しい場合もあります。
サロンでのトリミングでは、施術時間を短縮してもらうよう相談し、犬への負担を軽減する工夫をしましょう。また、自宅でのこまめなブラッシングやケアを行うことで、サロンでの施術時間を短縮し、負担をさらに減らせます。
必要に応じて、短時間で数日に分けてトリミングを行うか、飼い主が簡単なカットを行うことも選択肢となります。加えて、プロのトリマーに相談すれば、シニア犬の体調を考慮した丁寧かつ迅速な施術が期待できます。
病気の早期発見にもつながるため、シニア犬のトリミングを受け入れているサロンを事前に確認しておくとよいでしょう。
トリミングサロンの選び方
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トリミングサロンはどのように選ぶとよいのでしょうか。以下に解説します。
1.清潔さ
新しい店舗が必ずしも清潔とは限らず、掃除や消毒が行き届いているかどうかがポイントです。バスタブや犬舎は雑菌が繁殖しやすいため、適切な清掃と消毒が欠かせません。
例えば、バスタブの排水溝がカビで汚れていたり、犬舎の消毒を怠るサロンは避けるべきです。また、使用器具の消毒状況や毛の処理方法、施設内の埃や汚れの有無も確認すべきポイントです。
予約前に実際に見学をし、清掃状況や衛生管理の体制についてスタッフに質問することで信頼性を判断しましょう。
愛犬の健康と快適な時間のために、清潔さが徹底されたサロンを選ぶことが大切です。
2.安全に配慮しているか
トリミングテーブルには、事故を防ぐための”アーム棒とリード”が設置されているか確認しましょう。愛犬が飛び降りて怪我をするリスクを減らせます。
子犬は体が未発達で、少しの事故が重大な怪我につながる可能性があるため、安全管理が徹底されたサロンを選ぶことが大切です。
さらに、設備や商品にも注目しましょう。例えば、オゾンシャワーやマイクロバブルなど衛生面も考慮されたシャワー設備や、犬が快適に過ごせる広めのケージがあるか確認の確認が必要です。
また、犬の皮膚に優しいシャンプーを使用しているかなど、細かい配慮も安心の基準となります。
安全第一のサロンを選ぶことは、愛犬の健康と快適さを守るために欠かせません。
3.技術力や信頼性
まずはサロンの提供するメニューや施術例の写真をチェックし、繊細なカットや独自性のあるスタイリングが施されているかを確認しましょう。
また、サロンでのカウンセリングがどの程度丁寧に行われるかも、技術力を見極めるポイントです。トリマーが保有する資格や研修歴、顧客への対応姿勢なども判断材料となります。
飼い主の要望を細かく聞き取り、希望のスタイルが愛犬に合うかどうかを提案しながら丁寧に説明してくれるサロンは信頼性が高いといえます。
さらに、犬の性格や過去の経験を事細かに質問し、安全かつ快適なトリミングを提供できる体制が整っているかを確認しましょう。初めてのトリミングでは、飼い主とトリマーとの相性を見極めることも大切です。
丁寧なカウンセリングと確かな技術を備えたサロンを選ぶことで、安心して愛犬を預けられます。
4.通いやすいか
トリミングサロンを選ぶ際、自宅からの距離やアクセスの良さも重要なポイントです。
自宅から近い場所にあるサロンは、通いやすく負担が少なくなります。公共交通機関を利用する場合は駅やバス停からの距離、車を使用する場合は駐車場の有無も確認しましょう。
また、送迎サービスを提供しているサロンもあり、忙しい方には便利です。ただし、初めて利用する際には送迎ではなく、愛犬と一緒に直接サロンを訪れ、雰囲気や対応を確認することをおすすめします。
地方都市では車でのアクセスが便利ですが、都心部では駅からの近さが通いやすさを左右します。愛犬にとっても負担の少ない移動手段を確保できることが大切です。
アクセスのよいサロンを選ぶことで、継続的に通いやすくなり、愛犬の健康と快適な生活をサポートできます。
まとめ
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ここまで犬のトリミングは何歳から行うとよいのかについてお伝えしてきました。
犬のトリミングは何歳から行うとよいのかの要点をまとめると以下のとおりです。
- 犬のトリミングを始める時期は生後3〜6ヵ月頃が目安となり、この時期に慣れることでトリミングへの苦手意識が軽減される
- 初めてのトリミングでは、ワクチン接種の確認、直前のご飯やトイレの管理、事前のブラッシングが重要である
- トリミングサロンを選ぶ際は、清潔さや安全対策の徹底、トリマーの技術力や信頼性、さらに自宅からのアクセスの良さを確認することが大切
初めてのトリミングは犬にとって、緊張や不安を伴うものです。信頼できる施設を探しておくことと、事前の準備が安心につながります。慣れればトリマーさんが大好きになり、喜んで通うようになるわんちゃんはたくさんいます。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。