10歳以上のペットにトリミングは必要?サロン利用時の注意点や負担軽減のポイントとは

10歳以上のペットにトリミングは必要?サロン利用時の注意点や負担軽減のポイントとは

ペットの見た目を整えるだけでなく、健康を管理する意味でも、適切なトリミングを行うことはとても大切です。とはいえ、10歳以上のペットにトリミングは必要なのか、よくわからないという飼い主の方も少なくないでしょう。今回は高齢ペットのトリミングをテーマに、サロンを利用するときの注意点などをまとめました。ペットの負担を軽減するために飼い主ができることも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

10歳以上のペットのトリミング

10歳以上のペットのトリミング

まずは、何歳頃から高齢ペットとみなすべきなのかなど、基本的な情報を押さえましょう。トリミングを行うことはペットにとって少なからず負担となるため、適切な頻度を理解しておくことも欠かせません。

何歳頃から高齢ペットとみなすべきですか?
高齢とみなすべき年齢はペットの種類によって異なりますが、例えば犬の場合、小型犬は9歳から11歳、中型犬は8歳から10歳、大型犬は7歳から8歳頃になると、老犬と呼びます。年齢だけでいえばまだまだ若い印象を受けるものの、ペットは人間に比べて早く年を取るのです。なお、老化のタイミングはペットの性格や生活環境、食生活や運動量によっても変わります。身体や見た目に変化が認められたら、老化のサインととらえましょう。
10歳以上のペットにもトリミングは必要ですか?
10歳を超えて活動量が減ったり、寝ている時間が長くなったりすると、もうトリミングは必要ないようにも思えます。しかし、シニア期を迎えたペットの皮膚は乾燥や脂っぽさが目立つようになるため、適切な頻度でトリミングを行い、清潔な状態を保つことが欠かせません。被毛だけでなく、爪切りや肛門腺のケアも必要です。高齢だからといってケアを怠れば、歩行の妨げになったり、皮膚炎を起こしたりするリスクが高まります。高齢による排泄の失敗や免疫力の低下も、皮膚トラブルの発生につながります。トリミングでのしっかりとした衛生管理は、10歳以上のペットにこそ必要です。
10歳以上のペットに推奨されるトリミングの頻度を教えてください
10歳以上であってもトリミングは必要ですが、高齢ペットにとって身体に負担のかかる作業であることは否定できません。特に寝たきりのペットや自力での歩行が難しいペットの場合はリスクが大きくなるため、こまめにドライシャンプーを使用したり、濡れタオルで拭いてあげたりすることで、清潔さを保ってあげましょう。ある程度は動くことができ、施術を行えるようであれば、1ヶ月に1回のペースを目安にトリミングを実施してください。若い頃と比較してトリミングの頻度が低くなっても、大きな問題はありません。なお、持病を抱えているペットについては、あらかじめトリマーに相談のうえ、無理のないケアの進め方を検討するとよいでしょう。

トリミングサロンを利用するときの注意点

トリミングサロンを利用するときの注意点

10歳以上のペットをトリミングするとなると、プロのサポートがあれば心強いですが、トリミングサロンは高齢ペットに対応しているのでしょうか。ここでは、高齢ペットがトリミングサロンを利用するときの注意点について、詳しく解説を加えます。

高齢を理由に施術を断られるケースはありますか?
トリミングサロンのなかには、高齢ペットの受け入れを断っている店舗もあります。高齢ペットは急な体調の変化を起こしやすく、受け入れにリスクがあるためです。一方で動物病院は基本的に、高齢ペットや持病を抱えているペットのトリミングも行っています。予期せぬトラブルが起きても獣医師がすぐに対応してくれるので、高齢ペットのトリミングが不安なら、動物病院に相談するのも一案です。なお、トリミングサロンを利用する場合にも、動物病院で経験を積んだトリマーが所属していれば、問題なく対応してもらえるケースが少なくありません。関連の情報をよくチェックして、高齢ペットを任せられる施設を見付けましょう。
10歳以上の高齢ペットに適したトリミングサロンの選び方を教えてください
高齢ペットのトリミングを依頼する場合には、動物病院で経験を積んだトリマーが所属しているサロンや、動物病院併設のサロンを選ぶのがおすすめです。また、移動の負担や飼い主が近くにいないことへの不安を軽減するために、自宅で施術を行ってくれる、出張トリミングサービスの利用を検討するのもよいでしょう。
高齢ペットのトリミングで準備すべきことを教えてください
年齢を重ねたペットにとって、トリミングの負担は決して小さくありません。そのため、トリミングを行う前には体調管理を万全にし、わずかな変化にも敏感になっておく必要があります。五感の衰えにより、施術中に予期せぬ行動を取ることも考えられるので、何かあったときには素早く対応できるよう準備を整えておくことも欠かせません。トリミングに際して気になる変化が見られたら、無理に施術を続けるようなことは避けましょう。ストレスや疲労で、体調を崩してしまう恐れがあります。

ペットの負担を軽減するために飼い主ができること

10歳以上だからといって、トリミングが不要になるわけではありませんが、高齢ペットをトリミングするにあたっては、十分な配慮が求められます。終わりに、ペットの負担を軽減するために飼い主ができることをまとめるので、参考にしてください。

自宅でセルフカットした方が負担は少ないですか?
自宅でセルフカットすると、ペットの負担を軽減できるように感じますが、高齢ペットのトリミングには細心の注意が必要です。少しの配慮不足が大きなトラブルにつながりかねないため、不安があれば、プロのサポートを仰ぐようにしましょう。自身で作業を進める場合には、無理に全身をカットするようなことは避けて、できる範囲で部分的なケアのみ行ってください。例えば足の裏やお尻周りの毛など、伸びやすい部分をこまめに整えておくと、サロンでトリミングを行うときにも時間が短縮されて、ペットの負担が少なくなるでしょう。
ペットが高齢の場合、凝ったデザインは避けた方がよいですか?
トリミングはペットの見た目を整えるためにも大切ですが、10歳以上になったら、健康重視のデザインにすることを優先してください。あまり凝ったデザインにすると、施術時間も長くかかり、ペットの負担が大きくなります。
10歳以上のペットのトリミングで飼い主が配慮すべきことを教えてください
10歳以上のペットをトリミングする場合、負担になることは一気に済ませてしまおうと考えがちですが、長時間慣れない環境に身を置いたり、立ち続けたりすると、体調不良につながりかねません。体力が落ちている子はシャンプーとカットをそれぞれ別の日にして負担を軽減することも一案です。

編集部まとめ

10歳以上のペットにとっても、適宜トリミングを行うことは欠かせません。とはいえ、高齢ペットの施術にはより慎重な対応が求められるため、信頼できるトリミングサロンを見付けておくことが大切です。なお、日々のブラッシングなどはこまめに実施してください。飼い主による被毛のケアを習慣化しておくと、毛玉の発生を防ぐことができ、トリミングサロンでの施術もスムーズになって、大切なペットの負担が軽減されます。

【参考文献】