犬や猫のひげはトリミングする?ヒゲの役割、カットの必要性と注意点を解説

犬や猫のひげはトリミングする?ヒゲの役割、カットの必要性と注意点を解説

犬や猫の顔周りに生えているひげについて、
「伸びすぎて邪魔にならないのかな?」
「トリミングサロンで、ひげもカットしてもらえる?」
などの疑問を抱いたことはありませんか?
また、自分でカットする方法や注意点を知りたいという飼い主さんもいるでしょう。

犬や猫のひげは、単なる飾りではありません。周囲の世界を感じ取り、安全に生活するための重要な役割を担っています。ひげをカットすることで大切な感覚を奪い、日常生活にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重に行うことが重要です。

本記事では、犬と猫のひげが持つ驚くべき役割やカットの必要性について詳しく解説します。また、カットする際の注意点についても説明しています。
この記事を読めば、犬や猫のひげが伸びてしまった場合の具体的な対処法がわかるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

犬と猫のひげの役割

犬や猫のひげは、周囲の環境を認識するためのセンサーのような役割を果たしています。本章では、犬と猫におけるひげの役割を詳しく解説します。

犬のひげにはどのような役割がありますか?
犬のひげには、以下のような役割があります。

周囲の環境を感じ取るセンサーとしての役割
平衡感覚を維持する役割
感情表現としての役割

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

【周囲の環境を感じ取るセンサーとしての役割】
犬は、ひげを通じて風の流れや匂いを感じ取り、物体との距離感や形状を把握します。特に暗い場所では、ひげによる感覚が頼りになります。

【平衡感覚を維持する役割】
ひげには平衡感覚を保つ役割もあります。犬は、ひげによる触覚情報と内耳からの感覚を連動させて、身体の動きや傾きを感知します。

【感情表現としての役割】
ひげの動きで感情を表現することもあります。
例えば、前方に向いていれば興奮していることが読み取れます。これはひげを突き出し、より多くの感覚情報を得ようとするためです。また、ひげが自然に下がっていればリラックス状態であることがわかります。
このように、犬はひげの動きで感情を表現し、犬同士や人とのコミュニケーションを取っています。
猫のひげの役割を教えてください。
猫の口元に生えているひげの根本には、普通の毛よりも多くの神経が取り巻いており、高性能なセンサーのような機能を果たします。
猫のひげの主な役割は以下のとおりです。

敏感な触覚センサーとしての役割
獲物の動きを感知する役割
身体の幅を感知する役割
捕まえた獲物が生きているかを感知する役割

【敏感な触覚センサーとしての役割】
わずかな空気の流れや振動を感じ取り、周囲の物体の位置や距離、大きさを正確に把握します。これにより、暗闇でも障害物を避けたり、狭い場所を通り抜けられるかどうか判断したりするのに役立ちます。

【獲物の動きを感知する役割】
優れた狩りの能力を持つ猫にとって、ひげは獲物の微細な動きや空気の振動を感じ取るための重要なセンサーです。これにより、暗闇でも獲物の位置を特定し、正確な狩りをサポートします。

【身体の幅を感知する役割】
猫のひげは狭い場所を通る際に、自分の体がその隙間を通れるかどうかを判断するための目安となります。

【捕まえた獲物が生きているかを感知する役割】
猫は顔のひげだけでなく、前足の手首の後ろ側にも数本のひげが生えています。これらのひげは、捕まえた獲物がまだ生きているかどうかを判断するのに役立ちます。

犬や猫のひげはカットすべき?

犬や猫のひげは、生活するうえで重要な役割を果たしており、安易なカットは避けることが望ましいでしょう。一方で、カットが推奨されるケースもあります。
本章では、犬のひげをカットした方がよい場面や、猫のひげを切ることで生じる悪影響についてみていきましょう。

犬のひげが伸びているのですが切るべきですか?
原則として、犬のひげは無理にカットする必要はありません。ひげは、周囲の物体との距離感や形状を把握し、危険を察知するために不可欠な感覚器官であるためです。

しかし、以下のような状況においてはカットが推奨されることもあります。

ひげの絡まりがある場合
ひげが視界を妨げている場合
ひげ周囲に感染や傷がある場合
見た目を改善したい場合

いずれのケースにおいても、自己判断でカットせず、必ず獣医師や経験豊富なトリマーに相談することが重要です。続いて、カットが推奨されるケースについて、一つひとつ解説します。

【ひげの絡まりがある場合】
ひげが絡まると犬に不快感を与えます。ひげが極端に長くなり、絡まりやすい場合はカットすることもあります。

【ひげが視界を妨げている場合】
ひげが伸び、視界の妨げになっている場合も、カットすることがあります。カットすることで、犬の視野が広がり、安全かつ快適に過ごせるでしょう。

【ひげ周囲に感染や傷がある場合】
ひげ周囲に感染や傷がある場合、それらの治療のために、一時的にひげをカットするケースもあります。ひげをカットすることで、薬の塗布や患部の観察をしやすくします。

【見た目を改善したい場合】
美容上の理由からひげをカットすることもあります。犬のひげをカットして、見た目を整えたいと考える飼い主さんは少なくないでしょう。
飼い主さんの判断による安易なカットは避けるべきですが、専門家に相談のうえで慎重に整えることは問題ありません。
猫のひげを切ることで生じる悪影響を教えてください。
猫のひげは、重要な感覚器官です。ひげ切ってしまうと、猫の身体の均衡が保てなくなったり、獲物の動きを感じ取れなくなったりするなど、さまざまな悪影響が生じる可能性があります。ひげを失うことは、猫に強いストレスを与える可能性があるため、できる限り避けましょう。

トリミングにおける犬や猫のひげの取り扱い

トリミングサロンにて、犬や猫のひげをカットしてもらいたいと考えている方は少なくないでしょう。ここでは、サロンで犬や猫のひげを切ってもらえるかについて解説します。

トリミングサロンで犬のひげをカットしてもらえますか?
トリミングサロンでは、犬のひげをカットしてもらえる場合があります。特に、初めてのひげカットや神経質な犬のひげカットは、プロに任せることで安全に行えるでしょう。
希望するひげの長さや健康状態などについてトリマーに伝え、気になることがあれば相談してみるのがおすすめです。
トリミングサロンで猫のひげを切ってもらえますか?
猫の場合、基本的にひげのカットは行わないのが一般的です。猫にとってひげは感覚器官としての重要性が高いためです。

犬のひげをトリミングする際の方法と注意点

続いて、犬のひげをトリミングする際の正しい方法と、注意点について解説します。

犬のひげの切り方を教えてください。
犬のひげをカットする場合は、以下の手順で行いましょう。

1. 犬が落ち着ける静かな環境を整える
2. 安定した姿勢を取らせる(膝の上やテーブルの上に乗せるなど)
3. 利き手でハサミを持ち、もう片方の手で犬の顔を支える
4. 犬に優しく話しかけながら、徐々に慣れさせる
5. 犬が不安を感じている様子がみられたら、中断したりおやつを与えたりする
6. 必要な箇所だけを素早くカットする
犬のひげを切る際の注意点はありますか?
犬のひげをカットする際には、以下の点に注意し、慎重に行いましょう。

・自己判断でのカットは避け、専門家に相談する
・ペット用の安全なハサミを使用する
・犬が嫌がったり、暴れたりする場合は中断する
・カット後にご褒美のおやつを与える

基本的にはカットしないことが推奨されますが、必要な場合には上記のポイントを押さえて行うことが重要です。

編集部まとめ

犬と猫のひげは、周囲の世界を感じ取り安全に生活するために欠かせない、重要な感覚器官です。風の流れや振動を感じるセンサーとしての役割や平衡感覚を保つ役割、そしてコミュニケーションの手段としての役割などがあります。

猫のひげをカットすることは、強いストレスを与える可能性があるため、基本的には避けましょう。犬は健康上の理由や美容のためにカットすることもあります。カットが必要な場合は、トリミングサロンにて専門家に実施してもらうことをおすすめします。自宅でひげをカットする際は、専門家の指導のもと、ストレスが最小限になるよう慎重に行うことが重要です。

この記事が、犬や猫におけるひげカットの悩みを解消するための一助となれば幸いです。

参考文献