トリミングでの犬のサマーカット|向いている犬種やメリット・デメリットも解説します

トリミングでの犬のサマーカット|向いている犬種やメリット・デメリットも解説します

暑い季節、愛犬の被毛を短く整えることで涼しさを提供するサマーカットですが、犬種やカットの長さによっては注意が必要です。

本記事ではトリミングのサマーカットについて以下の点を中心にご紹介します。

  • トリミングとは
  • 【トリミング】犬のサマーカットとは
  • 犬の熱中症について

トリミングのサマーカットについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

トリミングとは

トリミングが必要ない犬種・必要な犬種|トリミングの目的やお手入れ方法も紹介します
トリミングが必要な理由を教えてください
犬のトリミングを行う主な理由は、以下のとおりです。

1. 衛生を保つため
犬の被毛が伸びすぎると、雑菌が繁殖しやすくなるため、トリミングで適切な長さに整えることで、清潔な状態を維持しやすくなります。

2. ケガを防ぐため
足裏の肉球の間から生える毛が伸びすぎると滑りやすくなるため、転倒による関節や筋肉の負担を減らすためにも、定期的なトリミングが重要です。

3. ノミ・ダニの予防
湿気の多いとされる季節は、害虫が繁殖しやすく皮膚病のリスクも高まるため、毛を適切な長さに整え、清潔な状態を保つことで、ノミ・ダニの寄生を防ぐ効果が期待できます。

4. 熱中症予防
犬は汗をかいて体温を調節できず、被毛が長すぎると熱がこもりやすくなるため、サマーカットで通気性を良くし、体温調節を助けることが重要です。

5. 美容やおしゃれのため
犬種に適切なカットスタイルを選ぶことで、美しく整えられた毛並みを維持できます。また、皮膚の健康チェックや被毛の状態を確認できます。

トリミングは単なる美容目的ではなく、愛犬の健康と快適な生活をサポートするために必要なケアの一つです。
トリミングとグルーミングの違いを教えてください
トリミングとグルーミングは、どちらもペットのケアですが、それぞれ目的が異なります。

グルーミングは、日常的なケアを指し、ブラッシング、シャンプー、爪切り、耳掃除などが含まれ、皮膚や被毛の健康を維持し、ノミ・ダニの予防や健康管理につながります。

一方のトリミングは、毛のカットを行い、犬の外見を整えることが目的です。特に毛が伸び続ける犬種では、衛生を保つためにも必要不可欠です。

グルーミングは健康管理、トリミングは美容や衛生管理の役割を持つため、それぞれの特性を理解し、適切に取り入れることが愛犬の健康維持につながります。

【トリミング】犬のサマーカットとは

犬のサマーカットについて教えてください
サマーカットとは、暑い季節を快適に過ごすために、犬の被毛を短く整えるケア方法です。犬の毛を短くすることで通気性が向上し、熱がこもりにくくなり、体温調節を助けることで熱中症の予防や暑さによるストレスの軽減につながります。

しかし、短くしすぎると日焼けや皮膚トラブルの原因になることがあるため、カットの長さは犬種や体質に応じて調整が必要です。
犬のサマーカットのメリットを教えてください
サマーカットには、以下のようなメリットがあります。

1.体温調節を助ける
毛を短くすることで通気性が向上し、熱がこもりにくくなります。その結果、体温調節がしやすくなり、暑い夏でも犬が快適に過ごせるようになります。

2.皮膚トラブルを防ぐ
長い被毛は毛玉や汚れがつきやすく、不衛生になりやすいですが、サマーカットをすることで毛玉の発生を防ぎ、清潔さを維持しやすくなります。

3.お手入れが楽になる
被毛が短くなることで、ブラッシングやシャンプーの手間が軽減されます。乾燥も早くなるため、お手入れの負担が少なくなり、飼い主さんにとってもメリットがあります。

4.皮膚の健康チェックがしやすい
毛が短くなることで、皮膚の状態を観察しやすくなります。ダニやノミの発見がしやすくなり、皮膚の炎症や異常に早く気付けるため、健康管理にも役立ちます。

サマーカットは見た目を整えるだけでなく、犬の健康維持や飼い主さんの負担軽減にもつながる実用的なケア方法といえるでしょう。
犬のサマーカットのデメリットを教えてください
サマーカットにはメリットがありますが、注意すべきデメリットもあります。

1.紫外線や外部刺激からの保護機能の低下
被毛には皮膚を守る役割があり、短くしすぎると紫外線が直接皮膚に当たり、日焼けや皮膚炎のリスクが高まります。

2.被毛の質や毛周期への影響
一度極端に短くカットすると、毛が硬くなったり、毛質が変わったりする可能性があります。

3.虫刺されのリスク増加
毛が短くなることで、ノミやダニ、蚊などの外部寄生虫に刺されやすくなります。

4.冷房による冷えすぎの危険
犬の被毛は断熱材のような役割も果たしており、極端に短くすると寒さを感じやすくなります。

サマーカットをする際は、被毛を短くしすぎず、犬種や体質に適切なカット方法を選ぶことが大切です。
サマーカットが向いている犬種を教えてください
サマーカットが向いているのは、シングルコートの犬種や、暑さに弱いダブルコートの犬種です。

●シングルコートの犬種
プードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、シーズー、ミニチュアシュナウザー、アメリカンコッカースパニエルなどが該当します。これらの犬種は自然に毛が抜け落ちにくいため、伸びすぎた被毛を短く整えることで、快適な状態を維持できます。

●暑さに弱いダブルコートの犬種
ゴールデン・レトリバーやシベリアンハスキー、サモエドなど、毛の密度が高く暑さに弱い犬種も部分的なサマーカットがおすすめですが、短くしすぎると皮膚を紫外線や外部刺激から守る機能が低下するため、適切な長さに整えることが大切です。

サマーカットをする際は、犬種や体質に合わせた適切なカット方法を選び、相談しながら行うと安心です。
サマーカットを行う時期はいつがおすすめですか?
サマーカットをする適切な時期は、春の終わりから初夏(5月〜6月)にかけてです。気温が徐々に上昇し、犬が夏の暑さに適応しやすいタイミングとなり、日中の気温が25度を超える日が続く頃が目安です。

この時期は換毛期にもあたるため、サマーカットを行うことで抜け毛の管理がしやすくなり、皮膚の通気性を高める効果も期待できます。

しかし、犬種や毛質によって適切なカット頻度は異なるため、初夏に一度カットを行い、夏のピーク前(7月頃)に再調整するのがおすすめです。

犬の熱中症について

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犬も熱中症になりますか?
犬も熱中症になります。犬は人間のように全身で汗をかいて体温調節ができず、肉球の汗腺とパンティング(舌を出して速く呼吸する動作)によって熱を逃がしますが、高温多湿の環境ではこの方法だけでは体温調節が追いつかず、熱中症のリスクが高まります。

熱中症になると、体温の異常上昇、脱水、意識障害、臓器の機能不全を引き起こすことがあり、重症化すると命に関わることもあるため、注意が必要です。
熱中症になりやすい犬種を教えてください
熱中症になりやすい犬種は、以下のとおりです。

●短頭種(鼻が短い犬種)
パグ、フレンチブルドッグ、ペキニーズ、ボストンテリアなどは、鼻が短く気道が狭いため、パンティングで効率よく体温を下げられず、熱中症のリスクが高くなります。

●寒冷地原産の犬種
シベリアンハスキー、サモエド、アラスカンマラミュートなどのダブルコートの犬種は、厚い被毛により熱を逃がしにくく、日本の暑さに弱い傾向があります。

●黒い毛色の犬
黒や濃い色の毛を持つ犬は日光を吸収しやすく、体温が上がりやすいため注意が必要です。

●子犬・シニア犬・肥満犬
体温調節機能が未発達な子犬や、代謝が低下しているシニア犬、さらに体に熱がこもりやすい肥満の犬も熱中症にかかりやすくなります。

これらの犬種には、日陰やエアコンの活用、こまめな水分補給、散歩の時間調整などの熱中症対策が特に重要です。
サマーカット以外の犬の熱中症対策を教えてください
犬の熱中症を予防するためには、以下の対策法が推奨されています。

1. 室内環境を快適にする
室温は25〜28度、湿度は45〜65%を目安に、エアコンや扇風機を活用して涼しい空間を確保しましょう。

2. 散歩の時間帯と地面の温度に注意
日中のアスファルトは高温になり、肉球を火傷する危険があるため、朝晩の涼しい時間帯に散歩をし、外出前に手で地面の温度を確認しましょう。

3. こまめな水分補給
犬用の飲み水を常に用意し、散歩や外出時には携帯用の水ボトルを持参しましょう。飲みやすいように浅めの水皿を使うのもおすすめです。

4. 身体を冷やす工夫
冷却マットや保冷剤入りのバンダナを活用し、首や脇の下、内ももを冷やすと効果が期待できます。

5. 車内に放置しない
車内は短時間でも急激に温度が上昇し、命の危険につながるため、エアコンをつけていても、犬を車内に残さないようにしましょう。

6. 外飼いの場合の対策
日陰のある場所に犬小屋を設置し、風通しをよくしましょう。冷却シートやミストスプレーを活用し、こまめに水を補給できる環境を整えることが大切です。

適切な対策を講じることで、犬を熱中症から守れます。

編集部まとめ

ここまでトリミングのサマーカットについてお伝えしてきました。トリミングのサマーカットの要点をまとめると以下のとおりです。

  • トリミングとは、愛犬の被毛をカットし衛生と安全性を保ちながら見た目を整えるケアのこと
  • サマーカットとは、犬の被毛を短く整えることで通気性を向上させ、体温調節を助ける暑さ対策である
  • 犬の熱中症は汗腺が限られる体質や環境により発生しやすいため、涼しい環境と水分補給が大切

サマーカットを通じて愛犬が暑い季節も快適に過ごせるよう、ぜひ本記事を活用してください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【参考文献】