トリミングで噛む犬はどうしたらよい?対処法やトリマーの選び方、改善方法を解説

トリミングで噛む犬はどうしたらよい?対処法やトリマーの選び方、改善方法を解説

トリミングは、愛犬の健康や清潔を保つために欠かせないケアです。しかし、「うちの子はトリミング中に噛んでしまう」「毎回暴れてトリマーさんに申し訳ない……」と悩む飼い主さんも少なくありません。

犬にとってもトリミングはストレスになりやすく、特に神経質な子や過去に嫌な経験がある子は、噛み癖が出やすい傾向にあります。

この記事では、トリミング中に噛んでしまう犬の対処法や噛み癖のある犬に向いているトリマーの選び方、さらに普段の生活のなかでのしつけ方法や接し方を解説します。

噛み癖のある愛犬が安全性の高い形でトリミングを受けられる方法を、一緒に見つけていきましょう。

トリミングで噛む犬の対処法とトリマーの選び方

犬(ペット)のトリミングやカットをするトリマーの若い女性

犬がトリミング中に噛む理由を教えてください。
犬がトリミング中に噛む理由は犬によりそれぞれ異なりますが、以下のようなことが考えられます。
  • 恐怖
  • 不安
  • 過去のトラウマ
  • 拘束されることへの抵抗
  • 身体のどこかに痛みがある

普段と違う環境で見知らぬ人に触られることや、爪切りやバリカンなどの音や振動に驚いてしまう犬は少なくありません。
特に、過去にトリミング中に痛い思いや怖い思いをした経験がある犬は、それをきっかけに防衛反応で噛んでしまう場合があります。

噛み癖のある犬をトリミングしてもらうときの対処法はありますか?
まず大切なことは、トリミングの予約や初回のカウンセリングのときに、噛み癖があることを伝えましょう。また、具体的な方法として次のような対処法もあげられます。
  • マズルガード(口輪)を使用する
  • 徐々に慣れるようにシャンプーのみカットのみなど段階的にトリミングを行う
  • トリミング中にご褒美でおやつを与える

噛み癖のある犬に慣れているトリマーであれば、犬の性格や様子を考慮しながら適した方法でトリミングを行ってもらえるでしょう。

噛み癖がある場合のトリマーの選び方を教えてください。
トリミングサロンを選ぶ際、噛み癖がある犬に対応しているトリマーがいるかの確認が重要です。以下のポイントを参考にトリミングサロンを探してみましょう。
  • カウンセリングを丁寧に行ってくれるか
  • 問題行動に理解があるか
  • 動物病院と連携しているサロンであるか

事前に犬の性格や、噛むようになった原因や経緯などをしっかり確認してくれるトリマーに相談しましょう。
また、トリミング時に噛んだり暴れたりといった問題行動を理解し、犬のしつけの知識や行動心理に詳しいトリマーであれば噛む原因を見極めながら対応してもらえる可能性が高いです。
動物病院と提携しているサロンであれば、万が一事故やけがをした場合も安全面に配慮されているため事前に確認するとよいでしょう。

暴れる場合は麻酔を使用してもらった方がよいですか?
基本的にトリミングをする際には、麻酔は使用されません。どうしても暴れて危険な場合には、動物病院で獣医師による鎮静処置を行ったうえでトリミングを受ける場合もあるでしょう。
しかし、麻酔や鎮静剤の使用は、犬の健康状態によりリスクになるため慎重な選択が必要です。まずは信頼できるトリマーを探して相談し、愛犬に適した方法を検討しましょう。

噛み癖がある犬をトリミングに連れて行くときの注意点

犬とおもちゃ

噛み癖がある犬をトリミングに連れて行く場合の注意点を教えてください。
トリミングは、犬にとって大変ストレスを感じるイベントのひとつです。そのため、できるだけストレスを軽減できる工夫が大切です。事前に噛み癖や過去に受けたトラブルがあれば、トリマーに事前に伝えるようにしましょう。噛む原因や過去のできごとを把握できるとトリマーはあらかじめ対応策を考えたうえで受け入れることができます。
また、サロンを予約する際には、混み合う時間帯を避けるとよいでしょう。ほかの犬がたくさんいると、鳴き声や物音などが刺激になりストレスを感じやすくなります。
トリミングに行く前に散歩をしたり遊んだりしてエネルギーを発散させることや、食事をさせてから連れていくことも、気分を落ち着かせる方法として効果があります。
愛犬が落ち着ける方法は何かを日頃から把握し、リラックスできるように環境を整えてあげることが大切です。
持って行った方がよい物があれば教えてください。
サロンに行く際には、以下の物を持参するとよいでしょう。
  • 犬が落ち着くおもちゃやタオルなど
  • マズルガード(口輪)
  • お気に入りのおやつ
  • 健康状態を記載したメモ

犬は、飼い主の臭いがついたものや常日頃から遊んでいるおもちゃなどがあると、慣れない環境でも落ち着くことができます。また、トリミング中や終わった後のご褒美として大好きなおやつを持って行くとよいでしょう。トリミングを受けるとご褒美がもらえると覚えてもらうためにも効果的です。
可能であれば、愛犬の健康状態や気になる点などを書いたメモを持参するとよいでしょう。トリマーに、より詳しく犬の状態が伝わるため、対応方法を検討する際に大変役立ちます。

犬がトリマーにケガをさせてしまった場合はどうしたらよいですか?
万が一、犬がトリマーに噛みついたり暴れたりしてケガをさせてしまった場合には、落ち着いて誠意のある対応が大切です。謝罪するとともに、状況をよく確認しましょう。ケガの状態によっては、治療費を負担しなくてはいけない場合があるかもしれません。
愛犬の噛み癖で他人に被害を加える可能性がある場合、加入している保険の契約内容を確認しましょう。民法上の賠償責任を負った際に、個人賠償責任保険(日常生活賠償責任保険)で対応できる場合があります。
また、サロンによって保険制度を導入している場合もあります。事前に万が一の場合の対処方法があるのかを確認しておくとよいでしょう。

犬の噛み癖の改善方法

犬の散歩をする女性

犬の噛み癖の改善方法を教えてください。
犬の噛み癖を改善するためには、噛む原因は何かを見極めて根気強い対応が大切です。具体的な改善方法として、以下のようなアプローチ法があります。
  • 噛まれたときに冷静に対応する
  • 噛む原因を解決する
  • 噛む欲求を満たしてあげる

飼い主が噛まれたとき、感情的に叱ったり大声を出したりすることは避けましょう。冷静に痛いことを伝え、やってはいけないことの認識を植え付けることが大切です。大きな声で叱ったり手で追い払ったりする行為を、遊んでくれているのかなと勘違いし、さらに噛む行為がエスカレートする可能性もあります。
犬が噛む理由はいろいろあり、ストレスや恐怖、運動不足、身体や皮膚の不調などが影響している場合があります。環境によりストレスを感じている場合は、リラックスできる環境に整えるようにしましょう。また、体調不良や皮膚疾患が原因である場合には、早めに医療機関を受診し治療を受けることが必要です。
噛む根本的な原因を追求し対処すると、噛み癖を改善していくことができるでしょう。

噛み癖のある犬には普段どのように接するべきですか?
噛み癖のある犬には、日常生活のなかで安心感を与えるように接することが大切です。犬にもペースがあるため、無理に抱っこをしたり触れたりすることもストレスになります。嫌がる素振りを見せた場合には、すぐに距離をおくようにしましょう。
接するときは、アイコンタクトを取り優しい声かけが安心感を与えます。日頃から、信頼関係を築き信頼できる存在であると認識してもらえるよう意識しながら接するようにしましょう。
犬のしつけ教室は効果がありますか?
犬の噛み癖の改善には、犬のしつけ教室は効果的です。犬の知識があるトレーナーにより、犬の特徴や性格などを考慮したしつけ方法を行ってくれます。
個別指導をしてくれる教室では、犬の性格を見極めながら飼い主とよりよい関係性を築けるよう、より個別性を重視した指導が受けられるでしょう。
しつけ教室に通うことで、飼い主自身が犬のしつけ方法や関わり方を学べるため、犬との生活をより快適に送れるようになります。

編集部まとめ

ドッグセラピー

トリミング中に噛んでしまう犬も、正しい方法でしつけを行い、信頼できるトリマーの力を借りることで無理なく施術を受けられるようになります。

飼い主が強く怒ったり、厳しくしつけたりするのではなく、犬の気持ちに寄り添いながら少しずつ噛む原因を解決していくことが大切です。

噛み癖がある犬こそ丁寧なケアが必要であり、飼い主との信頼関係が安心感を与えます。

犬との関わり方に困ったら一人で悩まず、まずはトリマーや獣医師などに相談するのをおすすめします。

トリミングは怖くないという経験を積み重ねながら、犬も飼い主も快適にトリミングを受けられるようにしていきましょう。

参考文献