コーギーを飼おうかと悩んでいるけれど、コーギーにはトリミングは必要なのかと疑問を持たれている方も少なくないでしょう。
またコーギーを飼っている方のなかでも、愛犬のためにもっとコーギーのトリミングについて知識を深めたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では疑問や質問にお答えしつつ、コーギーのトリミングについてカットスタイルや料金相場、自宅でできるケアの方法など解説していきます。
コーギーのトリミングの必要性
- コーギーの毛の特徴を教えてください。
- 犬には、主にシングルコートとダブルコートとよばれるタイプの毛の生え方があります。シングルコートはオーバーコート(上毛)のみの単層構造です。オーバーコートはアンダーコート(下毛)と比較して耐久性が高いため、紫外線や外からの熱、衝撃から皮膚を保護する役目を果たしています。
次にダブルコートですが、コーギーはこのタイプに属している犬種です。オーバーコートとアンダーコートの2層構造になっており、耐久性のあるオーバーコートの下に短くやわらかいアンダーコートが密に生えています。アンダーコートの役割は主に、体温や水分の保持です。そのため、ダブルコートの犬種は寒冷地や日本のように四季のあるような地域の出身が多くなっています。シングルコートと比較して、換毛期に多く毛が生え変わるのが特徴です。初めてダブルコートを飼われる方のなかには、抜ける毛の多さに驚かれる方も少なくないでしょう。
- コーギーにカットは必要ですか?
- 先述したとおり、コーギーはダブルコートとよばれる換毛期のある犬種です。換毛期に冬毛と夏毛を行き来することにより、伸び続けることはありません。そのためトリミングが必要ない犬種といわれています。
しかし、肉球の間の毛などが伸びていると転倒して腰や足を痛めてしまうこともあるので、定期的に犬用バリカンなどでカットするとよいかもしれません。
- シャンプーやカットの理想的な頻度を教えてください。
- 基本的に理想のシャンプーの頻度としては、月に1〜2回といわれています。散歩や日常生活のなかで付着した汚れをそのままにしておくと、皮膚病の原因にもなりかねません。
カットは必須ではありませんが、抜け毛がとても多い犬種なので、日々のブラッシングが重要になってきます。ブラッシングを行うことで、古い毛を取り除き清潔な皮膚環境を整えるだけでなく、シャンプーの際に汚れが落としやすくなるのでおすすめです。
- コーギーのトリミング料金はどのくらいですか?
- コーギーのトリミング代はサロンによってさまざまですが、およそ4,500〜8,000円(税込)となっています。メニューとして足元のバリカンカットや爪切り、耳掃除、肛門線絞りなども用意している所もあるので、まずはお近くのサロンを調べてみるのがおすすめです。
また、しっぽ周りをハートにカットするなどのデザインカットは、1,000〜3,000円(税込)ほど追加料金がかかる場合もあります。
コーギーのカットスタイル
- コーギーにおすすめのカットスタイルを教えてください。
- コーギーのカットスタイルで人気なのは、可愛らしいおしりを活かした桃尻カットです。プリプリと歩くうしろ姿はふかふかの毛も相まって、食パンカットともよばれ、たくさんの方から愛されています。そんなチャームポイントを生かした桃尻カットは、可愛いだけではなく、排便や排尿による汚れを防ぎ衛生的であるという側面も持ち合わせているおすすめなカットです。
また、コーギーはその毛の多さや短足がゆえに身体が地面と近くなることもあり、暑さに弱い犬種です。暑さ対策としてサマーカットと呼ばれるカットスタイルがありますが、基本的にブラッシングをこまめにしていれば必要はありません。
しかし、換毛期ではかなり多くの毛が抜け落ちるため、ブラッシングをするのにもひと苦労です。そう感じる飼い主の方も少なくはなく、サマーカットをすることで手入れやシャンプーの負担を軽減する場合もあります。
- サマーカットをする際の注意点を教えてください。
- サマーカットをする場合は短くしすぎず、オーバーコートを残してカットするようにしましょう。サマーカットは風通りもよく肌まで風が行き渡るので暑さ対策になるのに加えて、ブラッシングやシャンプーもしやすくお手入れも楽です。
しかしサマーカットにはデメリットもあります。基本的にコーギーは2層構造の毛で皮膚が守られているため、皮膚があまり強くありません。サマーカットではバリカンで毛を短く刈るので肌が露出します。それにより紫外線や日光の影響を直接受けやすくなるので、皮膚が炎症を起こしてしまったり熱中症を引き起こしてしまうこともあります。よって日が出ていない早朝や夜などに散歩できる場合でないとあまりおすすめはできません。
さらに、肌が露出することにより、ノミやダニに刺されやすくなります。サマーカットで1番注意しなくてはならないのが、毛刈り円形脱毛症です。バリカンで毛を刈ることで毛が生えてこなくなってしまったり、生えてくる毛が少なくなってしまったりするので、特にダブルコートの犬種は注意が必要になります。
また、毛刈り円形脱毛症は治療法も確立されていないので、ちゃんとした毛が生えてくるまで待つしかありません。いずれは生えて来るので治療を行う必要性は低いようですが、育毛促進のために必須脂肪酸やビタミンE、へパリン類似物質などが効果的です。さらに、5-アミノレブリン酸(5-ALA)とよばれるサプリメントで発毛効果があるとされ、5-ALA含有のペット用サプリメントも発売されています。5-ALAはラットやヒトでも発毛効果が認められており不安なく使用できます。
- サマーカット以外の熱さ対策方法はありますか?
- なるべくサマーカットをせずに暑さ対策を行うためには、以下の方法が挙げられます。1番大切なのはブラッシングです。ブラッシングをこまめに行うことで、古い毛や抜けかけている毛を取り除くことができるので風通しがよくなります。室内にいるときなどは、エアコンやサーキュレーターなどを使用して快適な温度に保つとよいでしょう。
散歩などで外に出るときは、直射日光を避けてなるべく日差しのない朝や夜などがおすすめです。日中は紫外線や日差しだけでなく、地面も暑くなっているので、アスファルトで肉球をやけどしてしまったり熱中症になりやすくなったりと犬に負担がかかってしまいます。なるべく涼しく散歩ができるよう心がけましょう。
コーギーは脂肪を蓄えやすいのに加えて食欲が旺盛な犬種です。散歩などで運動をさせないと太りやすいので食事や運動を飼い主がしっかりと管理しましょう。脂肪は断熱材の役割を果たします。夏には熱がこもりやすく体調を崩したり、脂肪が気管を圧迫することで呼吸がしづらく体温調節機能がうまく働かなくなってしまったりと注意が必要です。体調管理も暑さ対策としてとても大切になります。
自宅でできるコーギーのお手入れ
- コーギーのトリミングは自宅でもできますか?
- 基本的にトリミングはプロのトリマーの方におまかせするのが一般的ですが、愛犬と飼い主の安全性が確保されていれば自宅でのトリミングは可能です。高齢でサロンに連れていくのが不安だったり、人見知りや飼い主以外の方が触れると暴れてしまったりとサロンに通うのが難しい犬では、ご自宅で飼い主の方がトリミングを行った方が愛犬にとっても負担が少なく済みます。加えてコーギーは元々トリミングの必要のない犬種です。
- 足裏カットの方法を教えてください。
- まず足裏カットの際には動いてしまうと危険なので、ハサミではなくバリカンを使用するのがおすすめです。小回りのきく部分用バリカンなども売られているので用意しておくとよいでしょう。バリカンの刃は短いミリ数で使用し、刃は立てずに足裏と平行になるようにして、足先からかかとに向かってスライドするようにゆっくりと刈っていきましょう。
また、バリカンのスイッチをつけっぱなしにしていると熱を持ってしまうので、愛犬が火傷をしないように、こまめにONとOFFを切り替えるとよいです。
- シャンプーのコツはありますか?
- コーギーはアンダーコートが密に生えているので、シャンプーをする前に念入りにブラッシングしましょう。ブラッシングを行うことで、シャンプーが地肌まで行き届き、しっかりと洗うことができます。また、すすぐ際にも水の通りがよくなるので洗い残しの防止にもなります。
- ブラッシングのポイントを教えてください。
- ブラッシングでは適切なブラシを選ぶことが大切です。コーギーでは主に、ピンブラシやスリッカーブラシ、ファーミネーターと呼ばれるブラシが広く使用されています。長めのピンブラシは皮膚までしっかり届き、マッサージ効果もあるため血流促進作用があり、スリッカーブラシやファーミネーターは、毛をしっかりと絡めとってくれるので換毛期などのたくさん毛を除去したいときにおすすめです。
編集部まとめ
コーギーは、基本的にトリミングは必要のない犬種ですが、その可愛らしさからおしりなどのカットをする場合も少なくありません。
コーギーにおいて健康に必要なのは、トリミング以上に日々のブラッシングです。こまめにブラッシングを行いながら、健康チェックやコミュニケーションをとりましょう。
特に夏場には暑さ対策も必要となってくるので、サマーカットを行う場合には注意点やリスクなどもしっかりと理解したうえで行うのがおすすめです。
参考文献