トリミングで耳掃除もしてもらうメリットは?ペットの耳掃除の必要性や自宅で行う方法などを解説

トリミングで耳掃除もしてもらうメリットは?ペットの耳掃除の必要性や自宅で行う方法などを解説

愛犬のトリミングに連れて行く際、耳掃除もお願いする飼い主さんは多いのではないでしょうか。トリミングサロンで耳掃除をしてもらうことには、さまざまなメリットがあります。

本記事ではトリミングで行える耳掃除について以下の点を中心にご紹介します。

  • ペットの耳掃除の必要性
  • トリミングサロンや動物病院で耳掃除を行うメリット
  • 自宅でペットの耳掃除を行う場合

トリミングで行える耳掃除について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

ペットの耳掃除について

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ペットの耳掃除は必要なのでしょうか?
はい、ペットの耳掃除は健康維持のために大切なケアの一つです。犬や猫の耳には自浄作用があり、通常は耳垢や汚れが自然に排出されます。そのため、人間ほど頻繁に掃除をする必要はありません。

しかし、垂れ耳の犬やスコティッシュフォールドのような耳が閉じがちなペットは、通気性が悪く耳垢や湿気が溜まりやすいため、定期的な掃除が必要です。

また、耳の汚れが多い場合や感染症の既往歴がある場合は、掃除を怠ると外耳炎やダニの寄生などのトラブルが発生しやすくなります。
ペットの耳掃除はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
ペットの耳掃除の頻度は、耳の形状や健康状態によって異なりますが、基本的には1週間に1回程度の確認がおすすめです。なかでも、耳が直立しているペットは通気性がよく汚れにくいですが、垂れ耳の場合は湿気がこもりやすいため注意が必要です。

耳の中が汚れている場合は、その都度軽く拭き取る程度で十分です。月に1〜2回程度はしっかりと掃除を行うと、耳の健康を保ちやすくなります。
スコティッシュフォールドのような垂れ耳の猫は、週に2回程度のチェックが推奨されています。

ただし、耳の中を綿棒で拭き取るなど過剰な耳掃除は耳を傷つける恐れがあるため避け、見える部分を脱脂綿などで拭き取る程度にしておきましょう。
最終的には個体差があるため、耳の状態を観察しながら必要に応じてケアを行い、健康を維持しましょう。

トリミングサロンや動物病院で行う耳掃除

トリミングサロンや動物病院で耳掃除を行うメリットは何ですか?
例えば動物病院では、獣医師が耳の状態を確認しながら処置を行うため、外耳炎や耳ダニなどの病気の兆候を早期に発見できます。異常が見られた場合も適切な処置を受けられるため、ペットの健康を守ることにつながるでしょう。

また、プロに任せることでペットのストレスが軽減されるのも大きな利点です。自宅での耳掃除は慣れていない場合、時間がかかりペットに負担をかける可能性がありますが、経験豊富なスタッフや獣医師なら短時間で適切に処置が行われます。なかでも耳を触られるのが苦手なペットには、プロによるケアがおすすめです。

さらに、動物病院では耳掃除の方法を直接学べる場合もあります。
適切なケアを知ることで、自宅でのケアも安心して行えるようになります。
注意すべき耳垢などはありますか?
はい、健康な犬の耳垢は黄色みがかった白色で、量が少なく臭いやベタつきがありません。一方、猫の健康な耳垢はやや茶色で少し湿っており、無臭で量も少ないのが特徴です。これらが正常な耳垢の状態ですが、異常が見られる場合は注意が必要です。

耳垢が黒や茶色でべっとりしていたり、異臭を伴ったりしている場合は、マラセチア性外耳炎や細菌性外耳炎の可能性があります。また、ドロッとした黄色の耳垢で膿の臭いがする場合、細菌感染が疑われます。症状を放置すると、外耳炎から中耳炎、内耳炎へ進行する恐れがあります。

さらに、赤黒い耳垢が見られる場合、ミミヒゼンダニの感染によるミミダニ症が考えられます。強いかゆみや耳を触られるのを嫌がる行動が見られる場合も病気の兆候といわれています。

自宅で行うペットの耳掃除

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犬の耳掃除を自宅で行う方法を教えてください
自宅で犬の耳掃除を行う際は、以下の手順を参考にしてみましょう。

耳の汚れをチェック
まず耳の中の状態を確認しましょう。耳垢の量、臭い、赤みや炎症がないかを注意深く観察してください。

犬をリラックスさせる
犬が落ち着いた状態で作業を始めます。マズルを軽く持つなどして保定しましょう。暴れる場合は優しくお口を押さえて落ち着かせます。

耳を丁寧に拭く
コットンやガーゼに水やイヤーローションを含ませ、耳の入り口をやさしく拭きます。見える範囲だけを掃除し、奥まで無理に拭き取らないように注意してください。自宅で行うお掃除は、耳の外側までにとどめておきましょう。

おやつを与えて褒める
掃除後にはおやつをあげて、ポジティブな印象を持たせましょう。これにより耳掃除を嫌がらなくなります。
猫の耳掃除を自宅で行う方法を教えてください
猫の耳掃除は慎重に行う必要があります。以下のステップを参考にして、ケアを行いましょう。

コットンにイヤークリーナーを含ませる
コットンを半分湿らせる程度にイヤークリーナーを含ませます。イヤークリーナーがない場合は、オリーブオイルやベビーオイルでも代用できます。

耳の状態を確認する
猫の耳を優しくめくり、汚れや耳垢の状態を確認します。黒い耳垢や異臭がある場合は自宅でのケアを中断し、獣医師の診察を受けましょう。

耳垢をやさしく拭き取る
イヤークリーナーを含ませたコットンを使い、耳の入口部分を優しく拭きます。無理に奥の汚れを取ろうとせず、見える範囲のみ掃除します。

おやつを与えて褒める
掃除後にはおやつをあげて、ポジティブな印象を持たせましょう。これにより耳掃除を嫌がらなくなります。

新しいコットンで仕上げる
汚れたコットンはその都度交換し、新しいコットンで耳をきれいに仕上げます。
ペットの耳掃除で気を付けるべきことは何ですか?
ペットの耳掃除を行う際は、以下のポイントに注意しましょう。

綿棒や耳かきは使わない
綿棒や耳かきを使用すると、耳の中を傷つけたり耳垢を奥に押し込んでしまう恐れがあります。コットンや専用のイヤークリーナーを使って優しく拭き取るようにしましょう。

消毒用アルコールやウェットティッシュを避ける
アルコールは耳の皮膚を傷め、ウェットティッシュは成分が刺激となる場合があります。ペット専用のイヤークリーナーや耳掃除シートを使いましょう。

注入タイプのイヤークリーナーを使用しない
洗浄液を直接耳に入れると、鼓膜が破れている場合に悪化させる恐れがあります。耳に液体を入れるのではなく、コットンで汚れを拭き取る方法がおすすめです。

耳毛は抜かない
耳毛を無理に抜くと、毛穴を傷つけて炎症を引き起こす可能性があります。耳毛の処理が必要な場合は、プロに任せましょう。

頻繁にしすぎない
動物の耳には自浄作用があります。過度な掃除は皮膚のバリア機能を損なう恐れがあるため、月1〜2回程度を目安にしましょう。

ペットの耳掃除は慎重に行い、必要以上のケアを控えることで耳の健康を保ちやすくなります。
ペットが耳掃除を嫌がる場合はどうしたらよいですか?
ペットが耳掃除を嫌がる場合は、無理せず段階的に慣れさせることが大切です。

耳を触ることに慣れさせる
普段から耳周辺を優しく触り、耳を触られることが“ポジティブな体験”であると教えましょう。耳の裏を撫でるなど、気持ちよいと感じる触れ方を探してみてください。

段階的に慣らす
最初は耳に触れるだけから始め、次に軽く拭く練習をします。成功したらおやつを与え、“耳掃除=よいこと”と記憶させましょう。

嫌がったら中断する
強制すると“耳掃除は嫌なこと”と認識され、今後さらに嫌がる原因になります。一度中断し、翌日に再挑戦しましょう。

リラックスした環境を整える
静かな場所で行い、ペットが安心できる状態を作ります。優しく声をかけながら作業を進めましょう。

プロに任せる
どうしても嫌がる場合や耳に異常がある場合は、動物病院やトリミングサロンに相談し、プロに任せるのもよい選択です。

耳掃除の後はご褒美を与え、楽しい経験として覚えさせることがポイントです。根気よく慣らしてあげることで、徐々に嫌がらなくなる可能性があります。

編集部まとめ

犬 フィラリア

ここまでトリミングで行える耳掃除についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。

  • ペットの耳掃除は人間ほど頻繁に掃除をする必要はないものの、垂れ耳の犬やスコティッシュフォールドのような耳が閉じがちなペットは、通気性が悪く耳垢や湿気が溜まりやすいため、定期的な掃除が必要
  • トリミングサロンや動物病院で耳掃除を行うメリットは、獣医師が耳の状態を確認しながら処置を行うため、外耳炎や耳ダニなどの病気の兆候を早期に発見できたり、耳掃除をプロに任せることでペットのストレスが軽減されたりする
  • 自宅でペットの耳掃除を行う場合は手順を守り、綿棒や耳かき、消毒用アルコールやウェットティッシュを使用せず、耳毛も抜かないよう気を付ける

ペットの耳掃除について理解を深め、トリミングサロンや動物病院、または自宅でペットの耳のケアを行いましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献