犬のトリミングは生後何ヶ月からがおすすめ?メリットやサロンの選び方、注意点を解説

犬のトリミングは生後何ヶ月からがおすすめ?メリットやサロンの選び方、注意点を解説

犬のトリミングは、愛犬の健康と美しさを保つうえで欠かせないものです。

しかし、初めて犬を飼育する場合は「いつからトリミングを行ってよいの?」や「どのようなことに気をつけたらよいの?」といった疑問を持つ飼い主さんは少なくありません。

本記事では犬のトリミングは生後何ヶ月からがおすすめなのか、メリットやサロンの選び方、注意点について解説します。

これから愛犬をトリミングに連れて行きたいと考えている飼い主さんは、ぜひ一読してもらえると幸いです。

犬のトリミングの基礎知識

トイプードル 犬

初めて愛犬をトリミングに連れて行きたいと考えている飼い主さんに知っておいてほしい、犬のトリミングの基礎知識からお伝えしましょう。知っておいてほしいポイントは3つあります。

  • トリミングの必要性
  • トリミングを行う頻度の目安
  • トリミングの費用相場

それぞれ詳しくみていきましょう。

トリミングの必要性

まずはトリミングの必要性です。犬のトリミングは、見た目を美しくするためだけに行うものではありません。

  • 皮膚の通気性を確保する
  • 視界を妨げないようにする
  • ケガや病気を予防する
  • 犬が快適に過ごせるようにサポートする

特にプードルやシュナウザー、シーズーなどの毛が伸び続ける犬種は、皮膚の通気性を確保することが重要です。皮膚の通気性が悪くなると、皮膚炎や湿疹の原因となることがあります。

また、毛が長い状態で長期間過ごしてしまうと、毛玉によって耳や足が絡まって炎症やケガを引き起こす可能性もあります。トリミングと聞くと、毛をカットするだけだと認識している飼い主さんも少なくないでしょう。

毛をカットすることはもちろんですが、シャンプーで身体をきれいにして、爪もカットします。爪が伸びすぎると肉球に刺さって痛みが生じたり、歩行に支障をきたしたりするため、注意が必要です。

このようにトリミングは犬の健康管理の一環として重要な役割があります。

トリミングを行う頻度の目安

ドライヤーを持つ人と犬

トリミングを行う頻度は、犬種や生活環境によって異なります。一般的には月に1回、もしくは2ヶ月に1回程度です。

長毛種の場合は、月に1回を目安にトリミングを行うことが推奨されています。短毛種は2ヶ月に1回程度のトリミングがおすすめです。

トリミングは毛のカットだけでなく、爪切りや耳掃除、肛門腺絞りなどのケアも行われます。また、季節の変わり目や換毛期には、普段よりもこまめなケアが必要になる場合もあります。

愛犬の皮膚の健康状態を知る機会でもあるため、適切なトリミングの頻度をみつけることが大切です。

トリミングの費用相場

トリミングの費用は、犬種やサイズ、トリミングの内容によって異なります。一般的なトリミングの費用相場は以下のとおりです。

  • 小型犬(シーズーやトイプードルなど):5,000〜8,000円(税込)
  • 中型犬(柴犬やコーギーなど):7,000〜10,000円(税込)
  • 大型犬(ゴールデンレトリバー):10,000〜15,000円(税込)

ただし、店舗によってトリミングに含まれるサービスが異なります。シャンプーとカットの基本料金に加えて、毛玉料金や薬用シャンプー、カット以外のサービスに追加料金がかかる場合もあります。

トリミングサロンを予約するときは、まず料金形態やどこまでのケアが含まれているのかを調べることが大切です。

トリミングは生後何ヶ月からがおすすめ?

子犬

犬のトリミングは、生後3〜4ヶ月から始めることをおすすめします。この時期は、子犬が社会性を学び、新しい経験や刺激を受け入れやすい時期とされているためです。

ただし、ワクチン接種が完了し、獣医師から外出の許可が出ていることがトリミングを行える前提となります。また、初めてのトリミングは犬にとって慣れない環境や器具に触れるなど、さまざま刺激からストレスを感じやすくなります。

そのため、シャンプーのみにしたり爪切りや耳掃除だけにしたりと、短時間で終わるケアから慣れさせていくことがおすすめです。

ほかにも、子犬のうちから定期的にトリミングサロンに通い、トリマーとの触れあいやトリミング台に乗ることを経験させましょう。将来的にトリミング嫌いになることを防ぎ、ケアを受け入れやすくなります。

トリミングを行うメリット

犬のカットをするトリマーの若い女性

ここからは犬のトリミングを行うメリットについて解説します。メリットは大きく3つあります。

  • 毛玉や汚れを取り除ける
  • 見た目を整えられる
  • 病気の早期発見につながる

トリミングの基礎知識でも少し触れていますが、さらに詳しくお伝えしましょう。

毛玉や汚れを取り除ける

トリミングを行う大きなメリットの一つは、日常生活で付着した毛玉や汚れを取り除けることです。特に長毛種の場合は、日常のブラシがけだけでは毛玉を完全に防ぐことが難しいでしょう。

毛玉は皮膚を引っ張り、犬に痛みや不快感を与える可能性があります。また、毛玉ができると皮膚の通気性が悪くなり、細菌が繫殖しやすい環境を生み出します。

細菌が増加すると、皮膚炎や感染症の原因となるため、注意が必要です。ほかにも、ブラシがけをすることでダニをはじめとした寄生虫を取り除ける場合もあります。

ただし、ダニが皮膚に食い込んでいる場合は無理に取り除かず、動物病院を受診しましょう。このようにトリミングを行うことで、皮膚炎や感染症のリスクを減らして、愛犬の快適な生活につながります。

見た目を整えられる

トリミングを行うメリットの二つ目は、愛犬の見た目を整えられることです。常に清潔感のある印象を保てるだけでなく、愛犬にとっても視界を良好に保ち、滑りや転倒を防ぐなどの機能的な面でもメリットがあります。

飼い主さんにとっても、きれいに整えられた愛犬をみるとうれしさを感じられて、コミュニケーションのきっかけにもなりやすいでしょう。

病気の早期発見につながる

トリミングのメリット三つ目は、愛犬の病気の早期発見につながる重要な機会になることです。特にトリミングサロンを利用すると、トリマーが全身をくまなくチェックしながらトリミングを行います。

そのため、飼い主さんが気付きにくい身体の異変を発見することがあります。よく発見される身体の異変は以下のとおりです。

  • 皮膚のしこりや腫れ、赤み
  • 脱毛
  • 耳の内部の炎症
  • 爪の異常
  • 関節の痛みや変形

上記は、普段の生活では見落としがちなサインであることがほとんどです。トリマーは、このような身体の異常を発見した場合、すぐに飼い主さんに報告してくれます。

これにより、病気の早期発見や早期治療につながるケースも多く報告されています。愛犬の健康を守るためにもトリミングを定期的に行うことがおすすめです。

トリミングサロンの選び方

マッサージを受ける口を開いた犬

愛犬の健康管理に欠かせないトリミングですが、トリミング時に大きなストレスを与えてしまっては元も子もありません。

愛犬に極力ストレスがかからないトリミングサロンを選ぶことが重要です。そのため、トリミングサロンを選ぶときに抑えてほしいポイントを4つ紹介します。

ペットの年齢に対応しているか

まずはペットの年齢に対応しているかを確認しましょう。特に子犬やシニア犬の場合は、通常のトリミングとは異なる配慮が必要となります。

子犬をトリミングする場合は、少しずつ環境の変化に慣れさせるために、短時間のケアや段階を踏んでくれるトリミングサロンが望ましいです。シニア犬の場合は、無理のない体勢でのトリミングや休憩をこまめに取るなどの負担の軽減が求められます。

そのため、トリミングを行う前に見学や電話で子犬やシニア犬などのトリミングに関するポリシーや、具体的な対応策について確認することをおすすめします。

自宅から近いサロンを選ぶ

トリミングサロンは自宅から近いところを選びましょう。愛犬にとってトリミングサロンへの移動は少なからずストレスとなります。

特に車酔いしやすい犬や、長時間の移動が苦手な犬にとって、移動時間の長さは大きな負担になるためです。また、トリミング中に急な用事や体調不良などで愛犬を迎えにいく必要が出た場合でも、すぐに駆けつけることができます。

さらに、定期的に通うことを考えると、飼い主さんの負担も軽減されます。通いやすい立地のトリミングサロンを選ぶことは、愛犬と飼い主さん双方にとってメリットが大きいでしょう。

衛生管理が徹底されているサロンを選ぶ

トリミングサロンを選ぶうえで、衛生管理が徹底されているかどうかはとても重要なポイントです。不衛生な環境のサロンでは、病原菌や寄生虫がまん延しやすい傾向にあります。

そのため、愛犬が病気になったり皮膚トラブルを起こしたりする危険性があるため、注意が必要です。愛犬のトリミングをお願いする前に、トリミングサロンを見学するようにしましょう。

見学の際に注目してほしいポイントは以下のとおりです。

  • 床や壁、ゲージやトリミング台などがきれいに掃除されているか
  • ハサミやバリカン、ブラシなどのトリミング器具がきちんと消毒されているか
  • 排泄物の処理が適切に行われているか
  • 換気や空気清浄など清潔な空気環境が保たれているか

不衛生なトリミングサロンはお店に入った時点で、臭いやカットした毛が充満していることがあります。

近年はトリミングスペースがガラス張りでなかの様子が確認できるトリミングサロンがほとんどです。飼い主さんの目でみて、衛生管理が徹底されているかを確認することが大切です。

ほかの犬との接触が少ないサロンを選ぶ

トリミングサロンは、ほかの犬との接触が少ないところを選ぶことをおすすめします。特に犬見知りな性格の犬や、ほかの犬とのトラブルを避けたい場合には重要なポイントです。

  • 個別のケージやスペースが確保されているか
  • 予約時間を調整してほかの犬と重ならないよう配慮してもらえるか
  • トリミング完了後にすぐ引き渡してもらえるか

トリミングをお願いする前に、この3つのポイントを確認することをおすすめします。子犬は特にまだ社会性が未熟なため、ほかの犬との接触を少なくすることで、ストレスだけでなく病気や感染症のリスクも抑えることができるでしょう。

トリミングに行く前の準備

グルーミング道具と犬

愛犬がトリミングを快適に受けられるよう、飼い主さんはいくつか準備をしておくことが大切です。まず、トリミング当日は予約時間から2時間以上前までに食事を済ませるようにしましょう。

満腹状態でトリミング台に乗ると、消化不良を起こしたり気分が悪くなったりする可能性があります。また、トリミング中に排泄してしまうことを防ぐためにも、トリミングサロンに行く直前に散歩させておくことも大切です。

ほかにも、自宅で愛犬にブラシがけをして毛玉やもつれをある程度取り除いておくと、トリミングがスムーズに進みやすくなります。

子犬の場合は、ワクチン接種が完了していることを証明できるものを準備しておくことも大切です。また、アレルギーや持病がある場合は、事前にトリミングサロンに伝えておきましょう。

初めてトリミングに行くときの注意点

飛び跳ねるトイプードル

初めてトリミングに行くときはいくつかの注意点があります。愛犬が大きなストレスを抱えないよう、ぜひ抑えてほしいポイントです。

人に触れられることに慣れておく

初めてトリミングに行く場合は、事前に愛犬が人に触れられることに慣れておくことが重要です。トリミング中は、全身を触られたり抱き上げられたりします。日常生活からさまざまな体勢を経験させましょう。

  • 耳のなかに触れる
  • 爪に触れる
  • 肉球に触れる
  • お口を開けて歯をみる
  • 全身を優しくなでる

犬は普段触れない部分を触られると、警戒したり嫌がったりすることがあります。家族以外の人にも協力してもらい、優しく全身に触れられる練習をすると効果的です。

トリミングは愛犬の健康管理に欠かせないケアなので、ストレスなく受け入れられるよう子犬の時期から積極的に身体に触れる習慣をつけておきましょう。

ワクチン接種と寄生虫予防をしておく

注射をする医師

トリミングサロンを利用するには、ワクチン接種と寄生虫予防が必要であることがほとんどです。ほとんどのトリミングサロンでは、初めて利用する場合に狂犬病ワクチンと混合ワクチンの接種証明書の提示を求められます。

混合ワクチンはジステンパーやパルボウイルス感染症、レプトスピラ症などの犬がかかりやすい感染症を予防するものです。また、ノミやマダニなどの外部寄生虫やフィラリアといった内部寄生虫の予防も、ほかの犬への感染を防ぐために必要不可欠です。

トリミングサロンを利用するときに必要になることはもちろんですが、愛犬の健康を守るうえでも重要な予防接種になります。

噛み癖がある場合は必ず伝える

愛犬に噛み癖がある場合は、事前にトリミングサロンに伝えましょう。噛み癖はトリマーの安全性を確保するためだけでなく、愛犬の安全性を保つためにも重要な情報です。

トリミング中にトリマーが噛まれるとケガをするだけでなく、犬がパニックを起こして事故につながる可能性があります。

事前に伝えることで、マズルガードの装着や二人体制での対応など、犬の性格や状態にあわせた配慮や対策を講じることができます。正直に情報を共有して、快適なトリミング環境を整えることが大切です。

まとめ

犬のケアをする女性

今回は犬のトリミングは生後何ヶ月からがおすすめなのか、メリットやサロンの選び方、注意点について解説しました。

トリミングは愛犬の健康管理に必要不可欠なことはもちろん、飼い主さんとのコミュニケーションでもあります。

愛犬と飼い主さん双方にストレスなく、定期的にトリミングを受けられる環境を整えることが大切です。少しでも参考になれれば幸いです。

参考文献