トリミングはいつからできる?トリミングが推奨されている時期や注意点を解説

トリミングはいつからできる?トリミングが推奨されている時期や注意点を解説

犬のトリミングは見た目を整えるだけでなく、健康や衛生の維持にも重要な役割を果たします。しかし「トリミングはいつから始めていいの?」「まだ子犬だけど大丈夫?」といった不安を抱える飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事ではトリミングはいつからできるのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 犬のトリミングとは
  • 犬のトリミングはいつからできるのか
  • トリミングサロンの選び方

トリミングはいつからできるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

犬のトリミングとは

犬のトリミングにかかる平均時間は?負担を少なくする方法や注意点などを解説

犬のトリミングとはどのようなケアのことを指すのでしょうか。以下で、トリミングの目的や詳しい内容、必要な犬種まで解説します。

トリミングの目的

犬のトリミングは、見た目を整えるだけでなく、健康維持にも深く関わる重要なケアです。被毛が伸びすぎると、汚れや排泄物が付着しやすくなり、皮膚トラブルを引き起こす恐れがあります。

また、足裏の被毛が伸びたままだと滑りやすくなり、ケガや関節への負担が生じることもあります。特にシングルコートの犬種は毛が伸び続ける子が多いため、定期的なカットが必要です。

ダブルコートの犬であっても、暑さ対策や被毛管理のためにトリミングを行うことがあります。衛生面と快適な生活環境を守るためにも、トリミングは欠かせないケアです。

トリミングの内容

犬のトリミングは、清潔を保ち健康を維持するための大切なケアで、トリマーが担当します。まずはカウンセリングで、犬の体調や被毛の状態、飼い主の希望を確認し、施術内容を決めます。

サロンによっては、炭酸泉浴や泥パック、マッサージ、歯磨きといったオプションを提供している場合もあり、犬の皮膚や被毛の状態に応じたメニューを選べます。

トリミングが必要な犬種

トリミングが必要なのは、シングルコートで毛が伸び続ける犬種です。例えば、トイプードルやビションフリーゼ、マルチーズなどは巻き毛や絹のような毛質で絡まりやすく、放置すると毛玉や皮膚トラブルの原因になります。

ヨークシャーテリアやシーズーのような長毛種も、毛が目やお口にかかることで、不衛生になりやすく、定期的なカットが欠かせません。

また、ミニチュアシュナウザーやアメリカンコッカースパニエルのように、スタイル維持や通気性を保つ目的でトリミングが推奨される犬種もいます。

一方、柴犬やゴールデンレトリバーなどのダブルコート犬種は基本的にトリミングは不要ですが、抜け毛対策や暑さ対策としてサマーカットを希望される飼い主さんもいます。なお、トリミングが不要でも、ブラッシングやシャンプーなどのグルーミングはすべての犬に必要です。

犬のトリミングはいつからできる?

子犬のトリミングはいつから始めてよいか迷う方も多いとされていますが、目安は生後3ヶ月頃です。ただし、年齢よりも重要なのは、混合ワクチンと狂犬病予防接種が完了していることです。

ワクチン接種後、1週間程経過してから受け入れられ、サロンによっては接種証明書の提示が求められる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

生後1〜2ヶ月は免疫が安定していないため、外出は控え、自宅で軽いブラッシングや足拭き、耳掃除などのケアに慣れさせておくといいでしょう。

生後3〜6ヶ月頃には、初めてのシャンプーや爪切りを体験させるとよいでしょう。6ヶ月を過ぎたら、成犬と同じく定期的なトリミングを習慣にすることが理想的です。

トリミングに行く前の注意点

トリミングに行く前には、さまざまな注意点があります。以下に詳しく解説します。

1.予防接種と健康管理

トリミングに行く前には、予防接種の完了と体調の確認が欠かせません。トリミングサロンではほかの犬と接触する機会があるため、混合ワクチンや狂犬病予防接種を済ませていることが基本的な条件です。

ただし、接種直後は体調が不安定になる場合もあるため、1週間程間隔をあけてから予約を入れるとよいでしょう。

また、当日の体調チェックも大切です。食欲や排便の状態、元気があるかなどを確認し、嘔吐や下痢などの症状がある場合は、無理をせず延期するのが賢明です。体調不良のままトリミングを受けると、犬にとって大きな負担になります。

普段からブラッシングや歯磨きに慣れさせておくことも、トリミングをスムーズに行うためのよい準備になるでしょう。日常的なケアが、トリミング前の安心にもつながります。

2.トリミング直前にご飯をあげない

トリミングに行く前は、直前の食事を控えることが大切です。なかでも、初めてのトリミングでは、慣れない環境や音に緊張し、消化不良や吐き戻しを起こすことがあります。

トリミングは、見た目以上に体力を使う作業です。犬にとっては、軽い運動以上の負担になる場合もあるため、満腹の状態だと体に大きな負担がかかってしまいます。

人間でも食後すぐの運動が苦しいように、犬も食後すぐのトリミングは避けた方がよいでしょう。トリミングの時間から逆算して、2〜3時間程前に食事を済ませるようにするのがおすすめです。

3.トイレは事前に済ませる

トリミング中は長時間ケージ内や施術台の上で過ごすため、トイレに行けず我慢する必要があります。なかでも、子犬の場合はトイレの間隔が短く、トイレトレーニングがまだ完了していないこともあるため、トリミング前に排泄を済ませておくことが大切です。

トリミング中に排泄してしまうと、体が汚れてしまったり、施術が中断されたりする可能性があります。来店前に散歩に連れて行く、サロン到着前にトイレの時間を確保するなど、余裕を持って対応するのがおすすめです。

事前の排泄を習慣づけることで、トリミングを落ち着いて受けられるようになり、犬のストレス軽減にもつながります。

4.無理のない範囲でブラッシングをしておく

トリミング前に無理のない範囲でブラッシングをしておくことで、毛玉やもつれの状態をあらかじめ確認できます。軽いもつれであれば自宅でほぐしておくことで、トリミング当日の施術がスムーズになるほか、毛玉処理の追加料金を防ぐことにもつながります。

ただし、無理に引っ張ったり、嫌がる部分を力任せに解こうとすると、犬に痛みやストレスを与えてしまいます。特に耳の後ろ、脇の下、首輪やハーネスが当たる部分などは毛玉ができやすいため、優しく確認するのがポイントです。

取りにくい毛玉や広範囲のもつれがある場合は、無理せずプロに任せることが大切です。犬が快適にトリミングを受けられるように、できる範囲でケアをしておきましょう。

5.前日にシャンプーやシャワーをしない

トリミングの前日にシャンプーやシャワーを自宅で済ませてしまうのは、避けてください。皮膚を守る役割を持つ皮脂が必要以上に洗い流されてしまい、乾燥や肌トラブルの原因になることがあります。

また、毛玉やもつれが残った状態で濡らすと毛がさらに固まりやすくなり、サロンでの施術時に余計な負担がかかってしまいます。特に根元まで乾かすのは難しく、生乾きのままだと作業がしにくくなることもあります。

汚れやにおいが気になる場合でも無理に洗わず、トリマーに任せましょう。トリミング時にシャンプーが施されるため、自宅での洗浄は不要です。

6.犬の苦手なことをトリマーに伝えておく

トリミングに行く前には、愛犬が苦手としていることをあらかじめトリマーに伝えておくことが大切です。足先や首回り、しっぽ、お腹など、犬によって触られるのを嫌がる部位はさまざまです。また、爪切りに抵抗がある、バリカンの音に敏感で緊張してしまうといった子もいます。

そのような情報を事前に共有しておくことで、トリマー側も無理のない範囲で配慮しながら施術を進められます。トリマーの安全確保にもつながり、愛犬にとってもストレスの少ない時間になるでしょう。

また、自宅で困っているお手入れの悩みなどがあれば、遠慮なく相談してみるとよいでしょう。

7.好きなおやつを持参する

トリミングは犬にとって慣れない音や触れられ方が多く、少なからず緊張や不安を感じる時間です。そんなとき、大好きなおやつがあるだけで気持ちが落ち着き、前向きにトリミングを受けやすくなります。

トリミングサロンによっては、お手入れ中におやつを与えながら進めることもあるため、愛犬が好きなおやつを持参しておくのがおすすめです。

また、施術が終わった後にご褒美として与えることで、「頑張った後にはいいことがある」とポジティブな印象を持たせられます。おやつはコミュニケーションのきっかけにもなり、トリマーとの信頼関係づくりにも役立ちます。

8.予約時に犬の情報を伝える

トリミングの予約を取る際には、犬の基本情報や健康状態について正確に伝えることが大切です。

初めてのサロンでは、犬種、年齢、体重、性格に加えて、持病やアレルギー、過去のけがや治療歴などを確認されることがあります。なかでも、皮膚疾患や心臓疾患、てんかんなど治療中の病気がある場合は、事前に伝えましょう。

また、サロンによっては年齢制限や体調に応じた施術方針があるため、ご自身の愛犬が受け入れ可能かを確認しておくことも重要です。正確な情報を共有することで、愛犬が落ち着いて施術を受けられる環境づくりにつながります。

トリミングサロンの選び方

トリミングサロンを選ぶときは、衛生環境やサービス内容、愛犬の性格に合うかどうかなど、複数の観点からチェックすることが大切です。

まず確認したいのは、犬種や年齢によって受け入れ可能かどうか、持病や高齢犬の対応をしているかは、事前に問い合わせておきましょう。

また、店舗の衛生管理が行き届いているかも要チェックです。サロン内の清掃状況やにおい、設備の清潔感などを見て、安心して預けられる環境か確認してください。

通いやすさも重要で、なるべく自宅から近くアクセスしやすい場所にあるサロンを選ぶことで、犬の移動による負担も軽減できます。車酔いしやすい犬にとっては、サロンへの距離が大きなストレス要因になることもあります。

その他、スタッフさんの対応や技術力、トリマーの人柄、カットの仕上がりも重要な判断材料です。事前カウンセリングで要望をしっかり聞いてくれるか、希望するスタイルに対応できるか、SNSなどで経験を確認しておくのもおすすめです。

トリミングの料金目安

最後に、トリミングの料金目安について犬のサイズ別に解説します。

小型犬の場合

小型犬のトリミング料金は、施術内容や犬種によって異なりますが、シャンプーコースで3,500〜7,000円、カットコースで5,000〜9,000円前後が目安です。

シャンプーコースには、爪切り、耳掃除、肛門腺絞りなどの基本ケアが含まれることが多く、カットコースはそれに加えて全身の毛を整えるカットが含まれます。

特に、トイプードルやビションフリーゼ、ウエスト、ハイランド、ホワイトテリアなどは毛量が多く、カットに時間と技術が必要なため、料金がやや高めに設定されていることがあります。

中型犬の場合

中型犬のトリミング料金は、犬種や毛質によって異なりますが、シャンプーコースで6,000〜8,000円前後、カットコースは6,500〜12,000円程度が相場です。小型犬よりも体が大きく毛量も多い傾向にあるため、トリミングにかかる時間や手間が増える分、料金もやや高めになります。

例えば、ウェルシュ、コーギーやシェットランド、シープドッグ、日本スピッツ、ボーダーコリーなどは、毛が密集しており手入れに時間がかかるため、料金設定が高くなる傾向があります。また、アメリカンコッカースパニエルのように被毛のデザイン性を求められる犬種の場合は、仕上げの技術料が加わることもあります。

大型犬の場合

大型犬のトリミング料金は、小型犬と中型犬よりも高額になりがちで、シャンプーコースは9,000円〜16,000円前後、カットコースは14,000円〜2万円程度が相場とされています。中型犬と同じく体が大きく毛量も多い傾向にあるため、洗浄・乾燥・カットにかかる時間と労力が大きく、料金も比例して高くなる傾向があります。

代表的な犬種は、ゴールデンレトリバーやスタンダードプードル、グレートピレニーズ、サモエド、バーニーズマウンテンドッグ、ボルゾイなどが挙げられます。同じ犬種であっても、体重や毛量によって追加料金がかかる場合もあるため、事前にサロンへ問い合わせておくのがおすすめです。大型犬を受け入れていないサロンもあるため、受け入れ可否も含めて確認しておきましょう。

まとめ

ここまでトリミングはいつからできるのかについてお伝えしてきました。トリミングはいつからできるのかの要点をまとめると以下のとおりです。

  • トリミングが必要なのは、シングルコートで毛が伸び続ける犬種だが、ミニチュアシュナウザーやアメリカンコッカースパニエルのように、スタイル維持や通気性を保つ目的でトリミングが推奨される犬種もいる
  • 子犬のトリミングはい生後3ヶ月頃から始めるのが理想的である
  • トリミングサロンを選ぶ際は、衛生面や通いやすさ、犬種や年齢の受け入れ可否、持病のある犬や高齢犬への対応、施設の清潔感やスタッフさんの対応、技術力、カットの仕上がりを確認し、事前にカウンセリングやSNSで情報を確認することが大切

本記事では、トリミングの目的や具体的な内容、犬種ごとの必要性、さらにはいつから始めるべきかについても詳しく解説しました。初めてのトリミングに不安を感じる方も、事前準備やサロン選びのポイントを押さえておくことで、安心して臨めるでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献