トリミングサロンの毛玉ケア|毛玉の原因や放置リスク、自宅ケアなどを解説

トリミングサロンの毛玉ケア|毛玉の原因や放置リスク、自宅ケアなどを解説

ペットの被毛にできる毛玉は単なる見た目の問題ではなく、健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。犬や猫などの被毛を持つ動物は、日常的に毛が抜け替わるため、抜け替わりの際に毛同士が絡まり毛玉が形成されます。

特に毛の長い動物は毛玉ができやすく、放置すると皮膚トラブルや生活の質低下につながるでしょう。

本記事では毛玉ができる原因や放置するリスク、トリミングサロンでのケア内容、自宅でのケア方法などを解説します。

また、毛玉の状態ごとに適した対処方法や動物病院やトリミングサロンを利用する際の判断ポイントに触れ、毛玉に悩んだ際に不安なく行動できるよう情報を整理します。

ペットに毛玉ができる原因

犬の毛並みを整える女性

「そもそもなぜ毛玉ができるの?」と感じる方もいるでしょう。犬や猫をはじめとしたペットに毛玉ができる背景には被毛の種類や季節的な要因、日常のケア状況、さらには健康状態まで複数の要素が関係しています。

ここでは、代表的な原因を4つに分けて具体的に解説します。また、毛玉は一つの要因だけで発生するものではなく複数の条件が重なった結果として起こるので、原因を正しく理解することが予防と早期対応につながるでしょう。

毛玉ができやすい犬種・猫種

犬や猫の被毛の種類によって毛玉のなりやすさは異なります。被毛が長く密集している長毛種は、毛が絡まりやすく毛玉が発生しやすい傾向があります。

例えば犬ではプードルやシーズーなどの長毛犬種、猫だとペルシャやメインクーンなどの長毛猫種は毎日のブラッシングが欠かせません。

また、外側の硬い毛と内側のやわらかい毛を持つ特徴をダブルコートと呼びます。柴犬やコーギーなどのダブルコートを持つ犬種は、内側のやわらかい毛が抜ける時期に絡まりが起こりやすいため毛玉に注意が必要です。

被毛の特徴によって毛玉リスクが異なる点は、日頃のケア計画を立てるうえで重要でしょう。特に長毛種やダブルコートのペットを飼育している場合は、ペットの種類の特性を把握したうえで、ブラッシング頻度やトリミングの間隔を検討することをおすすめします。

換毛期や被毛の性質

被毛は常に抜け替わる性質を持ちますが、特に換毛期と呼ばれる季節の変わり目には大量の毛が抜けるでしょう。

換毛期は抜けた毛が残った被毛と絡まりやすくなり、摩擦が増える部分に毛玉ができやすくなる場合があります。また被毛の質によっても絡まりやすいタイプとそうでないタイプがあります。

定期的なブラッシングは、抜け毛を取り除き、絡まりを防ぐうえで欠かせません。また、毛玉ができやすくなる換毛期は普段よりも意識的に被毛の状態を確認し、ブラッシングの回数を増やすとよいでしょう。

ブラッシング不足や生活環境の影響

柴犬のポートレート

日常的なブラッシングが不足していると、抜け毛が被毛に絡まって毛玉へと進行する可能性があります。

特に首輪やハーネスが当たる部分や脇、股間などの摩擦が多い部位に毛玉ができやすいとされています。湿度や温度の高い環境も毛同士がべたつきやすく、絡まりやすい状態を作ってしまうでしょう。

これらの点から、定期的なブラッシングと清潔な生活環境は毛玉予防に大切な要素です。特に室内飼育の場合は空調による乾燥や湿度の変化にも注意し、被毛や皮膚の状態に応じたケアを心がけることも重要です。

体の痛みや皮膚疾患など病気の影響

毛玉ができやすくなる背景には、ペット自身の健康状態も関係してくるでしょう。皮膚に痛みや炎症がある場合は、ペットが自分でグルーミングしにくくなり、被毛の絡まりや毛玉が発生しやすくなることがあります。

また皮膚疾患があると被毛そのものの質が悪くなり、絡まりやすくなるケースもあります。毛玉が頻発する場合は皮膚の健康状態も確認しておくとよいでしょう。

皮膚の赤みやかゆみ、脱毛などの異変が見られる場合は、毛玉ケアと併せて早めに動物病院の受診が勧められます。

ペットの毛玉を放置するリスク

カーペットでくつろぐ猫

ペットに毛玉ができているときに、ペット自身がグルーミングをするので大丈夫と思っている方もいるかもしれません。

しかし、毛玉は見た目の問題だけでなく、ペットの健康や行動に悪影響を及ぼす恐れがあります。毛玉を放置することで起こる可能性のあるリスクをきちんと理解しておくことが大切でしょう。

ここでは毛玉を放置するリスクを整理します。また、一見すると小さな毛玉であっても、時間の経過とともに状態が悪化する可能性があるため軽視しないことが大切です。

皮膚の炎症や感染症につながる

毛玉を放置すると、毛が皮膚を強く引っ張る状態が続きます。これにより皮膚への負担が増え、炎症や赤み、湿疹を引き起こす可能性があります。

毛玉の下が通気性の悪い状態になり、菌が繁殖しやすくなるので感染症につながることもあるでしょう。皮膚疾患はペットの生活の質を低下させるだけでなく、治療が必要な疾患に発展するケースもあるので注意が必要です。

特に高温多湿の季節は皮膚トラブルが起こりやすく、毛玉が原因で症状が悪化することもあるため、日頃からの観察が重要です。

歩行困難や姿勢不良、ストレス増大

重度の毛玉は皮膚への影響だけでなく、被毛が絡んで固まることでペットの動きを制限してしまうことがあるでしょう。

動きにくさから歩行困難などが生じ、姿勢が不自然になることがあります。また痛みや不快感が継続すると、ペットはストレスを感じやすくなり、行動変化や食欲低下などの問題行動が出る可能性があります。

また、こうした変化は加齢によるものと誤解されやすいため、被毛の状態も含めて総合的に確認しましょう。

グルーミングできず悪化する可能性

ソファでくつろぐ雑種の猫(グルーミング)

一度毛玉が大きく固まってしまうと、自宅でのブラッシングなどのケアでは取り除きにくくなり、悪化してさらに大きな毛玉になる可能性があるでしょう。

毛玉の範囲が広がると、プロのトリマーや獣医師による専門的な処理が必要になるケースも増えます。こまめなチェックと早期対応が大切です。

また、毛玉が小さい段階で対処することで、ペットへの負担や処置にかかる時間を抑えることができます。

毛玉の状態がひどいと麻酔の必要な可能性も

処置の際に強く抵抗するペットの場合や、広範囲に及ぶ重度の毛玉を除去する際には、鎮静や麻酔が必要になることがあります。

皮膚が毛玉に覆われていると通常のケアで処置できない場合もあるため、獣医師の判断によって麻酔を併用するケースもあるでしょう。

こうした処置はペットへのリスクや飼い主への負担が発生します。双方の負担を考えるうえでも、早期の毛玉対策が望まれます。

トリミングサロンの毛玉ケアとは

犬(ペット)のトリミングやカットをするトリマーの若い女性

トリミングサロンでは毛玉の状態やペットの性格、皮膚の健康状態に応じて、専門的な毛玉ケアが行われています。

日々のブラッシングを含めた自宅ケアとの違いを理解することで、適切な選択がしやすくなるでしょう。また、専門家によるケアは見た目を整えるだけでなく、皮膚の健康維持や毛玉の再発防止にもつながります。

部分カットやブラッシングで毛玉を除去

トリミングサロンでは、毛玉の程度に応じてスリッカーブラシやコームなど専門的な道具を使って丁寧に毛玉をほぐせます。

毛玉が小さい場合はブラッシングで取り除き、大きい場合は絡まり部分を部分的にカットして取り除くことが一般的です。プロのトリマーは皮膚を傷つけないように配慮しながらケアを行います。

皮膚状態に応じた薬用シャンプーの活用

トリミングサロンでは、皮膚の状態にあわせて薬用シャンプーを使用することもあるでしょう。

皮膚が敏感になっている場合や炎症が見られるケースでは、抗炎症成分や保湿成分を含むシャンプーを使うことがあり、被毛だけでなく皮膚の健康も同時にサポートします。

専門家による適切なシャンプー選びは皮膚トラブルの改善だけでなく予防にも役立ちます。

毛玉予防に効果的なカットスタイルの提案

ヘアカット中の白い犬

トリマーは毛玉ができにくいようにカットスタイルを提案することもあります。特に長毛種やダブルコートの被毛の場合は、日常のケアがしやすい長さや形に整えることで毛玉発生を抑える効果があります。

また、専門家がライフスタイルや希望を聞きながら適切なスタイルを提案してくれるでしょう。

毛玉があると追加料金が発生する?

毛玉がある場合、一部のトリミングサロンでは追加作業として毛玉処理料金が発生することがあります。

毛玉除去には通常のトリミングよりも時間と手間がかかるため、その分の料金設定として反映されるケースがあるでしょう。

追加料金に関してはサロンごとに異なるため、事前に確認が必要です。

動物病院併設トリミングの特徴

動物病院併設のトリミングサロンでは、高齢のペットや健康面のリスクがあるペットにも対応しやすい体制があります。

また、トリミングの際に毛玉の状態がひどくても獣医師の判断を仰ぐことができるため、不安なく対応を任せられます。獣医師とトリマーが連携しながら皮膚の状態を確認しつつ毛玉処理を進めることができるため、健康リスクが高い場合や高齢ペットのケアに適しているでしょう。

さらに、動物病院が併設されているので、痛みがある場合やペットが興奮している場合でも鎮静剤や麻酔の利用が可能です。

このような動物病院併設のトリミングサロンは、飼い主にとっても不安なくケアを受けられる利点があります。自宅ケアでは難しいと感じた場合は、無理をせず専門家に相談することがペットの安全性向上につながるでしょう。

【毛玉の状態別】ケア方法の選び方

猫の毛並みをハサミで整えるトリマーの女性

専門家の処置のほかにも自宅でのケアが必要ですが、毛玉の大きさや固さによって適切なケア方法は異なります。「毛玉はあるけど自己判断が難しい……」という方もいるかもしれません。

無理な自己処理やトラブルを避けるためにも、状態別の判断基準を知っておくことが重要です。ここでは、毛玉の状態別の対処方法を整理します。

毛玉の状態を正しく見極めることで、不要なトラブルやペットへの負担を防げるでしょう。

軽度の毛玉|自宅ケアやトリミングサロンでケア

毛玉が小さく、被毛が絡まっている程度なら自宅でのブラッシングで対応できることがあります。

スリッカーブラシやコームを使い、少しずつ絡まりを解きほぐします。ケアに不安がある場合やペットが嫌がる場合は、早めにトリミングサロンに相談してケアしてもらうとよいでしょう。

また、日々の積み重ねが毛玉予防につながるため、無理のない範囲での継続が重要です。

中等度以上の毛玉|トリミングサロンや動物病院で早めにケア

毛玉が大きく、皮膚に密着している場合やペットが痛がる様子を見せる場合は、トリミングサロンや動物病院での専門家によるケアが必要です。

重度の毛玉は自宅で無理に取ろうとすると皮膚を傷つけたり、ペットがストレスを感じたりすることがあります。中等度以上の毛玉がある時や、毛玉の状態を自身で判断することが難しい場合は、専門家に任せて不安なく毛玉を除去することが重要です。

自宅でできる毛玉ケアのポイント

換毛期に猫のブラッシングをする男性

日常的な自宅ケアは毛玉の予防に欠かせません。正しいポイントを押さえることで、トリミングの際の負担軽減や毛玉を含めた皮膚トラブルの予防につながります。

毛玉ができやすい部分を知り、ブラッシングの頻度やコツを抑え正しい知識でペットの毛玉予防や改善に取り組みましょう。

また、シャンプー後にはしっかりと被毛を乾かすことも皮膚トラブルの防止や毛玉の予防に必要です。

毛玉ができやすい部分

毛玉ができやすいのは摩擦や動作が多い部分です。特に首輪やハーネスが当たる首周りや脇の下、股の付け根、後ろ足の付近などは毛同士が絡まりやすい場所として注意が必要でしょう。

これらの部分は日常のブラッシングでの重点的なケアで毛玉発生を抑えることができます。

ブラッシング頻度の目安とコツ

ブラシで整えられる猫

毛玉予防には定期的なブラッシングが重要です。長毛種や被毛がダブルコートなら毎日、短毛種でも週数回のブラッシングを行うとよいでしょう。定期的なブラッシングで抜け毛を取り除き、絡まりを防ぐことができます。

ブラッシングの際はスリッカーブラシやコームを使い、被毛全体をやさしくブラッシングしながら絡まり部分を解いていきます。ペットがリラックスできる環境で行うこともブラッシングのポイントです。

シャンプー後は乾燥ケアをしっかり!

シャンプー後の被毛は、湿ったままだと毛同士が絡まりやすくなる場合があります。被毛が完全に乾くまでドライヤーなどでしっかりと乾かすことが大切です。

被毛が湿った状態で放置すると、新たな毛玉や皮膚トラブルを誘発する可能性もあるため、丁寧な乾燥ケアを心がけましょう。

まとめ

動物病院で猫をブラッシングする獣医師

毛玉は放置すると皮膚炎や感染症などを引き起こし、ペットの日常生活に支障をきたすおそれがあります。

毛玉には早期のケアと予防を含めた適切な対処が重要です。ペットの被毛の性質や生活環境を理解し、定期的なブラッシングや適切なトリミングを行うことが健康的な生活につながるでしょう。

また、毛玉対策は特別なことではなく、日常的な観察とケアの延長にあります。早めの対応を心がけることで、ペットの健康維持や安全性の向上につながります。

毛玉が気になる場合や自宅でのケアに不安を感じた際は、無理に自己判断せず、トリミングサロンや動物病院に相談することも大切です。

特に高齢のペットや皮膚トラブルを抱えているペットの場合は、早めに専門家の意見を取り入れることで、状態の悪化を防ぎやすくなります。自宅ケアとプロのケアを上手に組み合わせて、ペットの快適な毎日をサポートしましょう。

参考文献