大型犬のしつけはどこで受けられる?しつけ教室で学べることやしつけ教室の選び方を解説

大型犬のしつけはどこで受けられる?しつけ教室で学べることやしつけ教室の選び方を解説

これから大型犬を家族として迎え入れるためには、身体の大きさと性格を考慮したうえで正しいしつけが必要です。飼い主さんから見れば、可愛い家族でも他人からは「大きくてこわい」「近寄りがたい」印象があります。

大型犬のしつけはプロに任せておけばいいわけではありません。飼い主さんもともに学び、愛犬が社会で孤立しないように見守っていきましょう。

本記事では、大型犬がしつけを学べる場所やしつけ教室で学ぶメリット・デメリットについて解説します。

大型犬がしつけを受けられる場所

大型犬がしつけを受けられる場所

動物も人間と一緒で年を取れば行動パターンに変化が訪れます。飼い主さんはペットの性格や体格だけでなく、その年齢にあったしつけを行い大型犬がストレスなく過ごせる環境を作らなければいけません。

ここでは、大型犬のしつけを受けられる場所と特徴を解説します。 

ドッグスクール

専属トレーナーが、犬の性格や体格に合わせたしつけや訓練を行う教室です。

飼い主さんと一緒に、人間の社会で生きていくためには相互の理解が大切であり、ストレスを感じさせないしつけが必要になります。服従訓練は人との信頼関係を結ぶことであり、人間社会で大型犬が愛されて生きていくためには重要な点でもあるでしょう。

個性に合わせた指導がされるだけでなく、飼い主さんも一緒になって信頼関係を築けるように訓練していきます。ドッグトレーナーによる預託訓練や日帰訓練、飼い主さんが訓練士と一緒に愛犬をしつけるなど、さまざまなコースが用意されています。

動物病院

愛犬の健康管理だけでなく、医学的な見地から大型犬の性格や行動学・学習理論に基づいたしつけを行います。ドッグトレーナーや栄養管理士なども在籍し、健康管理としつけを同時に行えるのがメリットです。

通いなれた動物病院で行われているしつけ教室であれば、人見知りや飼い主さん以外に慣れない気難しい大型犬も自然とマナーを身につけられます。

調子が悪いときや体調不良など、動物病院スタッフならではの目線で接してもらえるため、飼い主さんも安心して任せられるでしょう。

すべての動物病院で行っているわけではないため、かかりつけの病院でしつけ教室が開かれているか聞いてみるのがおすすめです。

訓練士による出張トレーニング

「しつけ教室を利用したいけれど時間がない」「しつけ教室が近くにない」など、利用しにくいと困っている飼い主さんもいるのではないでしょうか。大型犬を連れて歩けない、自分がリードできるほど、大型犬とコミュニケーションが取れていない飼い主さんには、訓練士が自宅に来てくれる出張パーソナルトレーニングがおすすめです。

愛犬の性格や体力に合わせ、訓練士がマンツーマンでしつけ指導するトレーニングが行われます。愛犬に合ったトレーニングを行ってもらえるだけでなく、自宅での様子や環境を見たうえでしつけが行われるため飼い主さんとともに効率的に進められます。

運動や食事のアドバイスを受けながら、しつけを学べるコースがあるなど訓練士によって内容が異なるため事前の問い合わせで確認しておきましょう。

警察犬訓練所

警察犬訓練所では、しつけ相談から訓練まで受けられます。公認訓練士が大型犬をしつけてくれるため、ほかの教室ではスムーズにいかなくて諦めていた飼い主さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

訓練所の規模にもよりますが、通って受けられるコースや合宿訓練や出張訓練などを行っています。審査会や競技会などへの出場目的で訓練に参加している大型犬もいるなど、一般のしつけ教室とは違った緊張感があります。緊張感のあるなかで、充実したしつけを学ばせたい飼い主さんやコンクールやイベントへの参加を検討している飼い主さんにおすすめです。

訓練士は愛犬の性格や体格を理解し、個性を生かしたトレーニングを行います。基本のしつけはもちろんですが、警察犬と同じ高度な訓練を受けられます。

大型犬がしつけ教室で学べること

大型犬がしつけ教室で学べること

生活に関わる基本的な点を、プロのトレーナーが大型犬に指導する場がしつけ教室です。

大型犬がしつけ教室に通うと何が学べるのか、ここでは具体的な学びの内容を3つ解説します。

基本的なコマンドやマナー

食事やおやつを与えるとき・遊ぶ前などに「待て」や「おすわり」などの指示を与えるのをコマンドと呼びます。コマンドは飼い主さんと大型犬の信頼関係を築くためのコミュニケーションの1つで、覚えれば的確な指示で行動できるようになるのがメリットです。

端的なリズムと行動を身体に覚えさせれば、飼い主さんがコントロールしやすくなります。大型犬がコマンドを理解することで、飼い主さんとの関係性が密接になり、信頼関係が生まれます。コマンドを理解してマナーを守るからこそ、飼い主さんや周囲の人たちから愛される存在となり守られるようになるのです。

基本的なマナーやコマンドの理解は、散歩などの社会との関わりにも深く関係するため、災害時やトラブル下での過ごし方にも影響を与えます。

社会性

散歩に出かければほかの犬にも出会いますし、ドッグランや競技会では犬同士で競い合ったり協力したりが必要になるでしょう。

人と同じで、犬同士のコミュニケーションが必要になるため、しつけがされていないと身体の小さな犬を攻撃したり、自分本位に行動したりしてしまいます。

反対に、コミュニケーションがうまくいかず孤立してしまうとメンタルに影響を及ぼし内向的になるでしょう。社会性を学ぶことで、犬同士のコミュニケーションがとりやすくなり、ほかの犬に吠えたり、飛びかかったりなどの問題行動が少なくなります。

飼い主さんとのコミュニケーション方法

大型犬が暴れたり、他人に傷をつけたりしないようにするには、飼い主さんの命令を守るようにしつけることが必要です。飼い主さんは自分の主人であり、コマンドは絶対だと理解するためにはコミュニケーションが十分に取れるようにしなければなりません。

信頼関係ができていれば、大人しくすべき場所では静かに過ごし、一緒に遊べる開放的なシーンでは思い切り遊んで楽しめます。しつけ教室は大型犬のためだけでなく、飼い主さんもモラルやマナーを学び、大型犬を理解して関わり方を学ぶ場所でもあります。

大型犬がしつけ教室で学ぶ基本のしつけ

大型犬がしつけ教室で学ぶ基本のしつけ

身体の大きな大型犬は、ときとして飼い主さんがコントロールできないくらいの力を発揮します。その衝動的な行動が、飼い主さん以外に向かってしまわないようにするのがしつけです。

ここでは、具体的にどのようなしつけを学ぶのかを解説します。

引っ張り癖のコントロール

大型犬がリードを引っ張る理由はさまざまで、好奇心が旺盛なため何らかの対象物に向かうケースもあれば、動くものに反応する、飼い主さんとの信頼関係ができていない場合もあります。

社会性が低い大型犬は、散歩がストレスとなりパニックを起こすことで引っ張り癖がつくケースもあります。「先に進みたい」その場から「早く逃げたい」など、大型犬が突発的に行動すると、飼い主さんが大怪我をする可能性もあるでしょう。

トレーニングしながら原因を解明し、問題を解決してリードに慣れさせるとコントロールできるようになります。

噛む力のコントロール

犬が噛むのは「遊んでほしい」や飼い主さんと「遊びたい」「かまってほしい」というサインでもありますが、だからといって放置すれば怪我や事故につながります。噛み癖が治らないと日常生活を送る際にも支障がでてしまうため、噛んでいいもの・悪いものを覚えさせ、ダメなときや場所ではやらないようにしつけなければなりません。

ストレスなのか、ムズムズして噛みたいのかによって対応が異なりますが、怒鳴る・体罰でやめさせるのではなく噛まれると痛いことを理解させます。

飼い主さんと一緒にいたいなら「噛んではいけない」ことを覚えさせ、欲求を満たすために、噛むおもちゃを与え発散させるのも方法の一つです。

無駄吠えを抑える指示出し

家庭内でも無駄吠えが増え、近所迷惑になる、散歩では犬にも人にも吠えてゆっくりできないと悩む飼い主さんもいます。無駄吠えは精神的なストレスや不安、自己コントロール不足によって起きます。

なにが原因で無駄吠えをしているかを見つけ、無駄吠えが起きたときに落ち着かせられるように指示を出していきます。無駄吠えをしても欲求は満たされないことを理解させて、飼い主さんの指示を守れば可愛がってもらえる、よいことがあるのだとしつけていきます。

散歩のマナートレーニング

外には危険な場所もあれば、足を踏み入れてはいけないエリアもあります。「犬が勝手に」では済まされない交通事故、異物を食べる・他人やほかの犬に怪我をさせないようにするのが散歩のマナートレーニングです。愛犬を守るためにも、しっかりとしたしつけが必要であり、大型犬だけでなく品種の特性に合わせたトレーニングを行います。

リードを使用したトレーニングは、スムーズな歩行や飼い主さんに合わせた歩行、信号などでのコマンドの理解、また飛びつきや引っ張りなどの加減をバランスよく学べます。飼い主さんも一緒になり、糞の始末などの社会的マナーもじっくりトレーニングしましょう。

しつけ教室に大型犬を通わせるメリット・デメリット

しつけ教室に大型犬を通わせるメリット・デメリット

愛犬のしつけをすることは、信頼関係を結び社会性を学ばせることで、犬が生きやすい環境を作ります。

ここでは、大型犬をしつけ教室に通わせるメリットやデメリットとは何かを解説します。

メリット

しつけ教室は大型犬の性格や行動などを理解し、犬の気持ちになってしつけが行われます。プロの元で訓練ができるため、正しいしつけを学び社会性の向上につながります。

また、愛犬の性格を把握しやすくなり、なにを求めているかが明確化されるようになるでしょう。

飼い主さんのライフスタイルを邪魔することがないため、お互いにストレスなく受け入れられるようになります。同じ大型犬とのコミュニケーション能力も高まり、飼い主さんもコミュニティに参加できるようになるメリットもあります。

デメリット

トレーナーのコマンドは聞くのに、飼い主さんのコマンドには反応が鈍くなるケースがあります。どのタイミングでコマンドを発すると反応するか、飼い主さんが理解していないのが問題です。飼い主さんも積極的にマナー教室に参加しましょう。

マンツーマン指導を依頼する場合、一定期間預けることになり金銭面で負担になる飼い主さんもいます。愛犬と一緒に学ぶ姿勢を持ち、教室のスタイルを比較し、予算や愛犬の性格にあった場所で受けましょう。

大型犬のしつけ教室の選び方

大型犬のしつけ教室の選び方

大型犬向けしつけ教室は、さまざまな場所にあるため、教室を探すのは難しいことではありません。時間やカリキュラム内容は、それぞれの教室で異なるため、目的をはっきりさせて選びましょう。

ここでは、大型犬のしつけ教室の選び方を解説します。

大型犬に適したカリキュラムがあるか

大型犬は賢いのでしつけが簡単であると勘違いしている方もいますが、犬も個体により性格が異なります。大型犬は身体が大きいだけでなく力が強く、散歩中でも飼い主さんを引きずり回してしまうくらいのパワーがあります。

子犬の時期から、しっかりしつけてくれるカリキュラムが用意されているのか、確認しましょう。独特な問題行動がある大型犬の特性を理解し、個別な問題解決に対応しているか調べておいてください。

大型犬の訓練を行った経験のあるトレーナーが在籍しているか

大型犬とのコミュニケーションが豊富で、さまざまな問題行動を改善してきた経験があるトレーナーが在籍している教室を選びましょう。飼い主さんとのコミュニケーションや信頼関係を結べるように、トレーナーの元で学べる場所がおすすめです。

大型犬を飼育している、飼育経験があるなど、大型犬への理解が深く専門的な知識を学んでいるトレーナーが在籍していると安心して任せられます。

ペットに適したしつけ教室か

社会性を学び、大型犬特有の問題行動の予防はもちろんですが、リーダーシップトレーニングや飼い主さんとの強い信頼感を学びます。日常生活においてのマナーやしつけはもちろんですが、ドッグショーやイベントへの参加目的でのトレーニングや具体的な指導を受けたい場合は、専門のカリキュラムが必要です。

これからペットとどのように向き合っていくか生活していくのかを考え、ペットに適した教室を選びましょう。

まとめ

まとめ

大型犬は訓練で覚えたマナーを忘れません。マナー教室に預けっぱなしで自分が寂しかったからと、甘やかしてしまえば犬は混乱してコマンドに反応しなくなります。

どのようなカリキュラムで何を学んだのか、愛犬の様子はどうだったのかを細かく聞き出し日常生活に活かしましょう。

どこで学ぶか、誰から学ぶかは愛犬との相性もあるため、見学も含めてトレーナーと話し合い適切なしつけ教室を選んでください。

参考文献