猫が外に出たがる理由とは?出ないようにする対策もあわせて解説!

猫が外に出たがる理由とは?出ないようにする対策もあわせて解説!

猫が外に出たがる理由は多岐にわたります。猫は好奇心旺盛で探検好きな生き物であり、外の世界には魅力的な刺激と冒険が満ちています。しかし、外出することにはリスクも伴います。

本記事では、猫が外に興味を持つ理由と、室内で楽しく過ごせるようにするための対策を解説します。

  • 猫が外に出たがる理由
  • 猫を外に出すリスク
  • 猫が外に出ないようにする対策

ぜひ最後までお読みください。

猫が外に出たがる理由

猫が外に出たがるのには、いくつかの理由があります。以下では、猫が外に出たがる心理と行動について、詳しく解説しています。内容を参考に、猫の心理と行動を理解し、猫にとって快適な環境を整えてください。

ストレス

猫が外に出たがる一因として、ストレスが挙げられます。
屋内での生活が退屈であり、外出することで新しい刺激を求めてストレスを発散しようとするのが理由です。
また、環境の変化新しい家族の加入、季節の変わり目などがストレスの原因となり、外の世界に興味を持つようになることがあります。
このような猫の行動は、太陽の光を浴びたり、外の風景を見たりすることで、ストレス発散になり得ます。

縄張り意識

猫は本能的に自分のテリトリーを持ち、その範囲を守るために外に出ることがあります。特に、ほかの動物が近づくと、侵入者を追い払おうと行動するため、外に出たがることが多くなります。

猫の縄張り意識は、生存戦略の一部であり、自然界での猫の行動パターンに基づいています。
猫が自分の縄張り内で安全を感じられると、よりリラックスし、ストレスが減少します。
そのため、猫の縄張り意識を理解し、尊重することは、猫と人とが共に暮らすうえで重要です。

以上のことにより、家庭内で縄張り争いを防ぐためには、猫が自分だけのスペースを持てるようにすることが不可欠です。これには、キャットタワーや隠れ家が設置された特定のエリアを用意することが含まれます。
また、複数の猫を飼う場合は、それぞれが自分の領域を持てるよう配慮することも大切です。
これにより、猫同士の不要な競争や争いを減らし、調和の取れた環境を維持できるでしょう。

元々外で生活していたから

猫が外に出たがる理由として、元々外で生活していた生き物であるという経験が挙げられます。
なかでも野良猫は、外の環境に慣れており、閉じられた室内環境に適応するのが難しいことがあります。
このような猫は、以前のように自由な生活を求めて外に出ようとする行動を示すことがあります。
このため、新しく家に迎えたばかりの猫が外に出たがる場合、背景には過去の生活習慣が影響している可能性が高いと言えます。

好奇心旺盛

ほかにも考えられる要因として、猫の好奇心が挙げられます。猫は好奇心旺盛な動物であり、新しい環境や未知のものへの興味から外へと駆り立てられます。
外の世界はさまざまな音、匂い、動くものがあり、これら全てが猫の探索欲を刺激するため、外に出ようとする行動を示すことがあります。
そのため、室内の造りを猫が飽きさせないように工夫することが重要です。

発情期

猫が外に出たがる理由の一つに、発情期があります。
発情期に、猫は繁殖相手を探す本能が働き、なかでもオス猫はメス猫を求めて広範囲を歩き回ることがあります。
広範囲を歩き回る以外にもいくつかの特徴的な行動が見られます。
オス猫では、マーキング行動が増え、尿を使って縄張りに印を付けることが多くなります。

また、オス猫とメス猫と共に鳴き声が大きくなり、より頻繁に鳴くようになることがあります。
メス猫の場合は、体を地面に擦り付けるようにして甘えた行動を示すことがあります。

発情期の周期は、猫によって異なりますが、年間を通じて何度か発生し、各発情期は数日から2週間程度続くことが多い傾向にあります。
特に、春と秋に発情期が来やすいとされています。この期間中に、猫は外に出る行動が顕著になり、脱走のリスクも高まります。発情期の猫の管理には注意が必要です。

猫を外に出すリスク

猫が外に出たがる姿を、つい許してしまう飼い主は少なくありません。
しかし、猫を外に出すことは、猫の命と健康を脅かすさまざまなリスクを伴います。
以下で、猫を外に出すことで起こり得るリスクについて、詳しく解説します。

怪我

猫を外に出すことには多くのリスクが伴いますが、特に怪我のリスクが高まります。交通事故の危険やほかの動物との争いによって猫が重傷を負うこともあります。
また、外の環境は予測不能な要素が多く、猫が怪我をする可能性を高めることになります。
そのため、猫の安全を確保するためには、室内での飼育が適しているといえるでしょう。

妊娠

猫を外に出す際のリスクの一つとして、無計画な妊娠を招く場合があります。
メス猫は、外で出会ったオス猫と交尾する可能性が高まり、妊娠してしまう危険性があります。
これは猫の健康にも影響を及ぼし、野良猫の増加にもつながるため、適切な管理と予防策が求められます。

病原菌

最後にリスクとして挙げられるのは、病原菌の感染です。
外の環境にはさまざまな病原菌が存在し、猫が晒されることで病気に感染する可能性があります。
野良猫やほかの動物との接触は、感染症のリスクを高める主要な要因です。
病原菌によっては、人間にも感染するものがあり、猫だけでなく家庭全体の健康にも影響を及ぼすことがあります。

猫が感染する病原菌にはさまざまな種類があり、猫風邪を引き起こすヘルペスウイルスやカリシウイルス、呼吸器や消化器疾患を引き起こすクラミジアやボルデテラが含まれます。
また、フェリン・インモノデフィシェンシーウイルス(FIV)やフェリン・レウケミアウイルス(FeLV)のような深刻なウイルス感染症もあり、猫の免疫系に影響を及ぼすことがあります。

猫が外に出ないようにする対策

猫が外に出ないようにするための対策は、飼い主にとって重要な課題です。
以下からは、猫が外へ脱走することを防ぐための具体的な方法を紹介します。

室内環境を整える

猫が外に出ないようにするためには、室内環境を整えることが重要です。
室内にキャットタワーやスクラッチボードなど、冒険心をくすぐるような遊び場を設置することで、猫が外に出なくても満足しやすくなります。
また、窓辺に外の動きがよく見える仕掛けを設けることで、猫の好奇心を室内で解消する手助けとなります。
このようにして室内を充実させることで、猫が外に出たがる理由を軽減できます。

では、改めてキャットタワーとスクラッチボードについて解説します。
これらは、猫が室内で活動的に満足感を得られるよう設計されています。
キャットタワーは、猫が登るのを楽しめる複数の段と、休憩や眺望を楽しむためのベッドやハンモックが付いています。

一方、スクラッチボードは爪研ぎに適した素材で作られており、家具などが傷つくのを防ぎます。選ぶ際には、大型で多機能なキャットタワーや、デザイン性と耐久性を兼ね備えたスクラッチボードがおすすめです。
ただし、製品の安定性や材質には注意が必要で、中でもアレルギー反応を示す可能性がある素材には注意が必要です。

去勢手術を行う

去勢手術を行うことも、猫が外に出ないようにする対策の一つです。去勢手術を行うことで、猫の発情行動が抑制され、外に出たいという衝動が減少します。

去勢手術は、主に陰囊(いんのう)切開法と腹腔内切開法で行われます。
まず、陰囊切開法は陰囊を切開して精巣を摘出します。手術時間は短く、比較的負担が軽い方法と言えます。

腹腔内切開法は、陰囊に炎症がある場合や、精巣が腹腔内に留まっている場合などに選択される手術方法です。
腹腔を切開するため、陰囊切開法よりも手術時間が長く、負担も大きくなります。

去勢手術は全身麻酔を行うため、麻酔によるアレルギー反応やその他の合併症のリスク、尿路結石のリスクがわずかに増加する可能性がありますが、猫の健康管理やほかの猫とのトラブル防止に適切な方法といえるでしょう。

猫と触れ合う時間を増やす

猫との触れ合い時間を増やすことも、猫が外に出ないようにする対策になり得ます。
猫との定期的な遊びやスキンシップは、猫の精神的な満足感を高め、外への興味を減少させられます。
猫が求めたときに真摯に応えてあげることで、猫との絆を深められ、ストレス解消にもつながります。
これにより、猫が室内で穏やかに過ごす時間が増え、脱走行動の予防につながります。

猫が外に出てしまいやすい場所

猫は、想像以上に小さな隙間や高い場所からでも脱走してしまうことがあるので、油断は禁物です。
以下では、猫が外に出てしまいやすい場所と対策について、詳しく解説します。
家の中だけでなく、庭やベランダ、玄関周りなど、さまざまな場所をチェックして、猫の安全を確保しましょう。

玄関

猫が外に出てしまいやすい場所として、玄関が挙げられます。
玄関は日常的に人の出入りが多く、扉の開閉が頻繁に行われるため、猫が脱走する機会が増える場所です。
玄関からの猫の脱走を防ぐためには、扉を開ける際には猫が近くにいないことを確認し、猫用のゲートを設置するなどの対策が効果的とされます。

ベランダ

ベランダも注意が必要です。ベランダは、外の景色や空気を感じられる場所であるため、猫の好奇心を刺激しやすく、一瞬を見計らって飛び出すことがあります。
そのため、ベランダへの出入りを制限するか、網や柵などの防護措置をセットすることが重要です。

玄関やベランダ以外に、窓も注意が必要です。窓からは外の景色や音が聞こえるため、猫の探索欲を刺激します。
なかでも開けっ放しの窓は、猫が飛び出すリスクとなり得ます。窓には猫が外に出られないように網戸や防護ネットを設置することが望ましいです。

これまで提示した内容以外にも、猫の安全を守るための対策として、猫に首輪を付け、迷子札を付けておくのも方法の一つです。
さらに、万が一首輪が外れてしまった場合に備えて、マイクロチップを埋め込んでおくのも一つの方法でしょう。
マイクロチップには、飼い主の情報が記録されているため、迷子になった猫を識別できます。

まとめ

猫が外に出たがる理由は多様で、その行動を理解し管理することは、飼い主にとって重要な課題です。本記事では、好奇心旺盛な猫の性格、縄張り意識の強さ、発情期の影響、そして元々外で生活していた背景など、外に出たがるさまざまな動機を解説しました。

要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 猫が外に出たがる理由として考えられるのは、ストレスや縄張り意識、発情期などがある
  • 猫を外に出すと、病原菌の感染や妊娠する恐れがあるため、猫の安全を確保するためには、室内での飼育が安全と言える
  • 猫が外に出ないようにするために、室内にキャットタワーやスクラッチボードなど、猫が楽しめるような環境作りをすることで、猫が外に出なくても満足しやすくなる

最終的に、猫の安全は飼い主の手に委ねられています。

外界の危険から猫を守り、健康で幸せな生活を送るためには、飼い主の継続的な注意と配慮が必要です。
愛猫が外に興味を示すのは自然なことですが、それを適切に管理し、猫が室内から外の世界を楽しめるよう助けてあげましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献