大切な家族の一員であるペットが、もしも病気やケガをしたらどうしよう。そんな不安を感じたことはないでしょうか。
人間と比べてペットの治療費は高額になることがあり、突然の出費に驚いたり治療をためらったりするケースも少なくありません。
そんなときに備えて、安心感を持って治療を行える環境をサポートするペット保険を検討してみてはいかがでしょう。
本記事では動物病院の治療費が高くなる理由やペット保険に入るメリットやデメリットについてもご紹介します。 大切なペットとの将来について考えるきっかけになれば幸いです。
ペット保険の特徴や補償内容
- ペット保険の特徴を教えてください。
- ペット保険は、ペットが病気やケガで動物病院を受診した際の治療費を補償する保険です。ペットは人間と異なり公的な健康保険制度がないため、治療費は全額自己負担となります。高額になりがちな医療費の負担を軽減できるのがメリットです。
手術や入院費用だけでなく、通院費や薬代なども補償の対象となるものもあります。保険料はペットの種類や年齢、補償内容によって異なり、さまざまなプランからニーズにあったものを選択できます。
- 補償の内容を教えてください。
- 一般的なペット保険の補償内容は、通院・入院・手術の3つが基本となります。
- 通院：病気やケガで動物病院に行き治療を受けた場合の診療費
- 入院：病気やケガで入院した場合の入院中の診療費と入院費
- 手術：手術に対する費用や麻酔代
これらの基本補償に加え、以下のようなオプションをセットすることでより充実した補償内容を提供しているものもあります。
- ペット賠償特約：他人の物を壊したり噛んでケガを負わせた場合の賠償責任
- 葬祭費用補償：ペットが亡くなった際の火葬費用
- 車椅子作成費用：高額なペット用車椅子を購入した場合の費用
補償割合は保険会社やプランによって異なり、50％・70％・100％などがあります。また予防接種や先天性疾患、特定の病気が対象外となる場合があるため注意が必要です。
- 加入してからどのくらいで補償が開始されますか？
- 保険会社やプランによって異なりますが、申し込み後すぐに補償が開始されるわけではありません。多くの保険会社では申し込み日の翌月、または翌々月1日から補償が開始されます。補償開始には、保険会社が申し込み内容を確認しペットの健康状態などを審査する期間があるためです。
また保険会社によっては、待機期間（免責期間）の設定が設けられている場合があります。これはペット保険加入後、一定の期間は補償を受けられない期間のことです。ほとんどのペット保険は病気にのみ待機期間が設定されており、ケガは保険開始日から補償の対象となります。
動物病院の治療費と保険
- 動物病院の治療費は高額になる可能性がありますか？
- 動物病院の治療費は高額になりやすいといえます。動物病院の診療は自由診療であるため、治療費の全額を飼い主が負担する必要があります。診療費は各病院が自由に料金を設定できることから、同じ治療内容でも費用が大きく異なるのはこのためです。
またペットは人間のように言葉で症状を伝えることができません。これにより病気を特定するのに検査費用がかさみがちです。さらにペットの高齢化が進み慢性疾患や重篤な病気にかかるケースが増えています。治療や医薬品の原価が高いことで治療費に大きく影響します。
- ペット保険に入っておくメリットを教えてください。
- ペット保険に入るメリットは以下があげられます。
- 診療費の自己負担を軽減できる
- 治療の選択肢が増える
- 早期発見・早期治療につながる
- 精神的な安心感を得られる
高額な治療費の負担を軽減できることは、メリットといえるでしょう。これにより受けたい治療を受けることが可能です。ペットは人間よりも早く老化が進んでいるといわれているため、数日様子を見ようと病院に行くのが遅れればかなり病状が進んでしまう可能性もあります。補償があることでためらうことなく早期に治療を受けることができ、早期の回復が期待できます。
- ペット保険にデメリットはありますか？
- ペット保険にはデメリットもあるため、加入前には知っておく必要があります。以下に主なデメリットをあげます。
- 保険料の支払いが発生する
- 補償対象外の病気や治療がある
- 補償割合や限度額がある
- 待機期間（免責期間）がある
毎月または毎年保険料を支払う必要があります。基本的にはかけ捨ての保険であるためペットがまったく病気をしなかった場合、保険料は無駄になってしまうと感じるかもしれません。万が一に備えておくものだととらえましょう。
またすべての病気や治療が補償されるわけではなく、予防接種、去勢・避妊手術、先天性疾患、既往症、健康診断などの項目は対象外になる場合があります。補償割合は保険会社やプランによって異なるため、しっかり確認しておくことが重要です。
- ペット保険はいつ加入を検討すべきですか？
- ペットが若くて健康なうちに検討するのがベストです。若いうちは病気のリスクが低いため多くの保険会社で幅広いプランに加入できます。高齢になると加入できる保険が限られたり保険料が高くなったりする場合があります。とはいえ若いからといって病気やケガにならないわけではありません。加入の検討をするのであればなるべく早く0歳からがよいでしょう。
- 請求には動物病院の診断書が必要ですか？
- ペット保険の請求には、診断書が必要になるケースがほとんどです。特に入院や手術、高額な治療費の請求には診断書が必須になります。
なかには、軽微な通院治療や保険会社が定める一定の条件を満たす場合には、診断書の提出を省略できる場合もあります。この場合、代わりに診療明細書や領収書などの提出で済むことがほとんどです。保険会社によっては所定の診断書フォーマットを用意していることがあり、その場合は動物病院でそのフォーマットを記入してもらう必要があります。
ペット保険に加入できるペットや告知義務
- どのようなペットが加入できますか？
- ペット保険に加入できる動物は犬と猫が大多数です。近年では犬や猫以外のウサギ・フェレット・リスなどの小動物や鳥、爬虫類を対象とした保険も増えてきています。ただし犬や猫に比べると、取り扱っている保険会社は多くありません。
またペットショップやブリーダーなどの売買目的の犬や猫、闘犬・警察犬・麻薬犬は加入が認められていません。どの動物が加入できるかは、保険会社によって異なるため確認するようにしましょう。
- 加入には年齢制限がありますか？
- ペット保険の加入には年齢制限があります。新規加入時の年齢制限は、上限が8歳〜10歳程度に設定されていることが一般的です。これは、犬や猫が7〜8歳を超えるとシニア期に入り病気のリスクが高まるためです。逆に下限は生まれたばかりの0歳から加入できる場合がほとんどですが、保険会社によっては生後数週間以上経過してからでないと加入できないこともあります。
一方更新時には年齢制限がない場合がほとんどです。ただし更新時に保険料が上がることもあるので、確認する必要があります。
- ペット保険にも告知義務がありますか？
- ペット保険に加入する際には、人間の保険と同様に、ペットの健康状態や過去の病歴などを保険会社に正確に告知する義務があります。これを告知義務といいます。告知内容は以下の情報が一般的です。
- 種類や生年月日などの基本情報：犬種・猫種・体重など
- 既往歴：過去にかかった病気やケガ・治療内容・治療期間
- 現在の健康状態：経過観察中の病気やケガの有無
- 予防接種状況：ワクチン摂取の有無や種類
- 過去の通院歴：予防以外の通院歴
- ほかのペット保険への加入状況
もし虚偽の告知をした場合、告知義務違反となり保険金が支払われなくなったり契約が解除されたりする可能性があります。
編集部まとめ
この記事では、動物病院の治療費が高額になる理由と、ペット保険のメリット・デメリットについて解説しました。
ペット保険は、家族であるペットの健康と飼い主の安心感を支える心強い味方です。ただし保険料や補償内容、免責事項などをしっかり理解したうえで選ぶことが重要です。
気になる方は、各保険会社の資料請求やオンライン見積もりを活用することをおすすめします。ペットとの充実した生活を送るため、この機会にペット保険を考えてみてはいかがでしょうか。
参考文献
