飼い猫の声が急にガラガラになってしまい、焦ったことはないでしょうか。どのように対応すればよいのかまったく検討がつかないと、ますます不安は募るものです。そこで今回は猫の声がガラガラになった場合に考えられる原因や病気に関する情報を詳しくまとめました。状況別の対処法についても解説を加えています。声の異常をそのまま放置してしまうととても危険なケースもあるため、参考にしてください。
猫の声がガラガラになる理由

猫の声がガラガラになる理由はさまざまです。ここでは、なぜ猫の声がガラガラになるのかその理由をお伝えします。猫のガラガラした声にはどのような病気が考えられるのかも解説していますので、飼い猫の様子がおかしいときの参考にしてみてください。
- なぜ猫の声がガラガラになるのですか?
- 猫の声がガラガラになる理由は、いくつかあります。寝起きに声がかすれるのは声帯がまだ完全に機能していないためで、時間の経過とともに自然と回復するため、心配いりません。また、一時的に興奮して鳴きすぎてしまい、声がかすれた場合も、休息すればもとに戻ることがほとんどです。一方で喉の病気や風邪などにより、猫の声がガラガラになるケースもあります。病気が原因であれば放置すると悪化の恐れもあるため、適切に対処しなければなりません。
- 猫の声がガラガラな場合、どのような病気が考えられますか?
- 猫の声がガラガラになる病気は一つではありません。まずは、喉に炎症が起きる喉頭炎です。この病気になると声のかすれ以外にも、咳やよだれ、食欲不振といった症状が出ます。また、猫風邪が原因で声がガラガラになっている場合もあります。ヘルペスウイルスやカリシウイルスへの感染によって起こる猫風邪は、くしゃみや咳、鼻水、熱、目ヤニなどの症状を伴う点が特徴です。その他の原因としては、気管の変形によって呼吸がしづらくなる気管虚脱という病気が考えられます。気管虚脱は犬に起きやすい病気ですが、猫がかかる可能性もゼロではありません。その他の原因として気管虚脱や、気管支炎、甲状腺機能亢進症などがあげられます。気管虚脱は猫では少ない病気ですが、気管の変形を伴い呼吸困難を呈します。また、気管支炎は胸腔内の気管支に炎症が生じるもので、前述した猫風邪やアレルギーなどで起こるものです。甲状腺機能亢進症はホルモン疾患ですが、興奮状態が続きひっきりなしに鳴くことがあり、そのせいで声がかれてしまうことがあります。そして非常にまれですが、咽喉頭~気管にかけての腫瘍も候補にあげられます。
猫の声がガラガラになった場合の対処方法
猫の声がガラガラになった場合、飼い主さんはどのような対処ができるかここでは解説します。どのタイミングで病院に連れ行くべきかの目安についてもお伝えいたします。
- 猫の声がガラガラになった場合、自宅でできる対処方法があれば教えてください。
- 寝起きや鳴きすぎが原因で、一時的に猫の声がガラガラになっているのであれば、多くの場合は時間の経過とともに回復するため、特に対処する必要はありません。飼い主としては不安になってしまいますが、そっと見守ってあげましょう。一方でいつまでたっても回復の兆しが見られない場合は、病気にかかっている可能性もあるため、そのままにしておくことは危険です。早めに動物病院を受診することをおすすめします。
- ガラガラとした声が続く場合は、動物病院を受診すべきですか?
- いつまでもガラガラとした声が続き、その他にも普段と違う症状が見られるようであれば、早めに動物病院を受診しましょう。猫の声がガラガラになる病気は一つではないため、獣医師の判断を仰ぎ、適切な治療を受けることが必要です。例えば、猫風邪が原因の場合は抗生物質やインターフェロン、感染症やほかの部位の炎症によって起こった咽頭炎の場合は抗生物質や消炎鎮痛剤が投与されます。なお、異物誤飲などで原因が明らかな場合にも、口にしたものによっては命の危険があるため、すぐに動物病院へ連れて行ってください。いずれにしても、安易な自己判断で何も対応しないようなことは避けましょう。
- 動物病院を受診する目安があれば教えてください。
- 猫の声がかすれており、くしゃみや鼻水、熱、目ヤニなどの症状が続く場合は、猫風邪の疑いが強まります。猫風邪自体は重篤な病気ではありませんが、そのまま放置してしまうと、重症化する恐れもあって危険です。声の異常が一時的なものではなく、その他の症状も伴うようであれば、可能な限り早く動物病院を受診しましょう。また、飼っている猫が子猫や高齢猫であり、食欲不振や消化器症状が見られる場合にも、すぐ獣医師に相談してください。脱水症状を起こしやすくなっており、重度になると命に関わります。ほかの症状がないとしても、声のかすれが続くようであれば、放置しておくことはおすすめしません。声帯が炎症している可能性も考えられるため、動物病院へ連れて行き、獣医師の診察を受けましょう。
猫の声がガラガラになるのを予防する方法

普段から猫の様子をよく観察することは、異変にいち早く気付くことにつながります。ここでは、飼い主さんが日頃からどのようなことに気を配ればよいのか、また猫の声の不調の予防方法はあるのかという点について解説します。
- 声の不調を早期発見するために、日頃から注意すべき点はありますか?
- 声の不調を早期発見するためには、日頃から猫の様子をよく観察しておくことが欠かせません。常に飼い猫の行動を気にかけて、普段と違うところがないか、食欲不振に陥っていないかなど、健康状態をチェックしておきましょう。猫の声がガラガラになってしまっても、元気にごはんを食べているようであれば、まずは過度に心配せず、様子をみましょう。しかし、声のかすれが長期間にわたって続いたり、ほかの症状が見られたりすれば、動物病院の受診を検討すべきです。また、もともと大人しくあまり鳴き声を出さない猫もいますが、ごはんの時間も含めて一日まったく鳴かない状態が続くとなると、やはり何らかの原因がある可能性が考えられます。飼い主として猫の状態をよく把握したうえで、気がかりな点があれば、獣医師に相談してください。
- 猫のガラガラ声の予防は動物病院でできますか?
- ガラガラ声の原因の一つである猫風邪は、ヘルペスウイルスとカリシウイルス、さらに頻度は低いものの、クラミジアによって引き起こされます。これら3つによる猫風邪は混合ワクチンの接種によって予防することができるため、かかりつけの動物病院に相談してみるとよいでしょう。なお、混合ワクチンには3種、4種、5種混合ワクチンがあります。ヘルペスウイルスとカリシウイルスによる猫風邪は、どのワクチンを接種しても予防できますが、クラミジアによる猫風邪は5種混合ワクチンによってのみ予防が可能となるため、留意してください。これらの混合ワクチンを摂取することは義務ではありません。ただ、ワクチンの接種によって猫の病気を予防することが可能となり、より健康に過ごすことができるため、あらかじめ接種しておくと安心です。一方で、混合ワクチンの接種がアナフィラキシーショックや発熱、消化器症状などの副反応を引き起こす可能性も否定できません。そのあたりの詳細も含めて、獣医師に説明を受けるとよいでしょう。
編集部まとめ
可愛い飼い猫の声がガラガラになると、とにかく慌ててしまいますが、一時的なもので、すぐに回復するケースも少なくありません。ただし、あなどって放置していると、背後に重大な病気が潜んでいる場合もあります。猫の鳴き方や声を出す頻度には個体差もあるため、普段から飼い猫の様子に気を配り、おかしな点があれば、すぐ気付くことができるように心がけましょう。そして、自宅で解決しない場合には、早めに動物病院を受診してください。