オウムのペットホテルはどう選ぶ?快適に過ごせるホテルの選び方と事前準備を解説

オウムのペットホテルはどう選ぶ?快適に過ごせるホテルの選び方と事前準備を解説

オウムは知能が高く、飼い主への愛着がとても強いペットですが、飼い主の入院や旅行、出張などでペットホテルに預ける機会もあるでしょう。慣れない環境に大切なオウムを預けることに不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで本記事では、オウムにとってストレスが少なくリラックスして過ごせるペットホテルの選び方や事前の準備を紹介します。

オウムは一般的にオウム目オウム科の鳥で、頭に冠羽(かんう、飾り羽)のある21種類を差します。当記事ではオウムに加えヨウム、コンゴウインコなど大型インコ類を想定しています。

オウムを預けるペットホテルの選び方

オウムはペットホテルに預けても大丈夫ですか?
飼い主以外の人間を過度に警戒しない、健康でおおらかな性格のオウムなら預けても問題になることは少ないでしょう。しかし知らない環境で飼い主と離れることは、オウムにとって不安を覚えやすいものです。信頼して預けられるペットホテルを選びましょう。
オウムを預けられるペットホテルの選び方を教えてください
オウムを預けられるペットホテルは多くないですが、以下の条件をクリアしたところを選びましょう。

・第一種動物取扱業(保管)の許可
・動物病院と提携している

第一種動物取扱業(保管)は、ペットホテルに必要な許可です。動物愛護保護法で定められたスペース、換気設備、管理体制などが義務付けられ、必要に応じて立入検査が行われます。ホームページに掲示してあるので、事前に確認しましょう。

ペットホテルにオウムを預けている最中に、突然の病気やケガで体調が急変することがあります。緊急時には、すぐに動物病院で診てもらえるペットホテルを選びましょう。
オウムに向いているペットホテルの特徴を教えてください
預かり中に元気に過ごしてもらうために、以下の特徴があるホテルをおすすめします。

・感染対策を重視している
・鳥の扱いに慣れているスタッフがいる

オウムは予防接種ができないため、犬や猫に比べて感染症に弱い生き物です。ぜひ感染対策に力をいれているペットホテルを選びましょう。ペット同士の隔離や換気、消毒などを実施しているペットホテルであれば感染リスクを軽減できます。
ペットホテルは愛玩動物全般に対応したホテルと、鳥類専門のホテルがあります。オウムはほかのペットに比べて扱いが難しいため、可能なら鳥専門ペットホテルが望ましいでしょう。
オウムなどの鳥類のペットホテルにあるとよい設備は何ですか?
鳥は肺が空気を取り込みやすい特殊な構造をしています。そのため空気汚染に弱く、換気が悪い環境だと病気のリスクがあります。

・適切な換気設備、空気清浄装置がある
・鳥同士が適切に距離の取れる、スペースに余裕のある設備

この2つは鳥類のペットホテルに欠かせない設備です。管理する環境は事前に確認しましょう。

オウムをペットホテルに預ける前の準備

オウムを入れるケージはいつも使用しているものがよいですか?
可能なら、いつもオウムを収容するケージごと預けるのが理想です。しかしケージの持ち込みはオウムの大きさ、ペットホテルの方針により異なります。
ペットホテルが用意したケージを使うペットホテルもあるため、預ける前に確認しましょう。ホテル側のケージを使う場合は、別途ケージ利用料を必要となるケースもあります。
オウムが快適に過ごせるように準備しておくべきものを教えてください
オウムは一般的に環境変化に弱く、孤独でいることでストレスを感じやすいといわれています。できる限り、自宅で慣れ親しんだアイテムと一緒に預けましょう。

・お気に入りのおもちゃ
・好きなおやつ
・食べ慣れているフード
フードや水も持ち込むべきですか?
フードの持ち込みはペットホテルにより方針が異なりますが、食べ慣れたフードを持ち込めばオウムの食べ物の選択肢が増えます。水は水道水を与えることが想定されるため、普段から鳥類専用の水など水道水以外の水を飲ませている場合には、飲み慣れた水を持参するとよいでしょう。
ペットホテルのスタッフにわかりやすいように、フード、おやつは1食分ずつ小分けにして用意してください。フードの袋にはオウムの名を記載し、念のため1~2日多めに準備しましょう。
オウムをペットホテルに預ける際の費用の目安を教えてください
オウムの預かり可能なペットホテルの費用は施設によってさまざまですが、1泊につき、おおよそ2,000円~7,700円が相場です。
繁忙期は別途、500円~3,000円の料金が加算されます。大型鳥類のオプション料金が必要なホテルもありますので、各ペットホテルのオプション料金も確認しておきましょう。

お泊り中の様子を動画や写真付きのメールで報告するサービスを有料オプションとして提供するペットホテルもあります。日光浴や放鳥サービスも1,100円~1,650円ほどの追加料金で可能なホテルもあります。

オウムをペットホテルに預ける際に気を付けること

オウムをペットホテルに預けられないケースはありますか?
以下のケースではお断りされることがあります。

・お泊りに向かない性質(極端に憶病、攻撃的、声が極端に大きいなど)
・高齢、ヒナ、感染症が治っていないオウム
・感染症が未検査

多くのペットホテルで断られやすい原因は、オウムの性格です。パニックを起こしやすい性質の子は、お断りされる可能性があります。
また、オウムや大型インコのなかには鳴き声が大きな種類がいます。ほかの鳥たちへの影響を考慮して、お断りされることがあります。

動物病院併設の管理が厳しいペットホテルでは、感染症未検査のオウムは原則お断りされます。

PBFD(オウム類嘴羽毛病)やクラミジアなどの対策で、動物病院併設のホテルでは検査証明が求められます。ペットホテルと連携した動物病院で受診歴があるオウムのみ受け入れるケースもあります。ホテルの利用予定がなくても、一度は健診を兼ねて動物病院の受診をおすすめします。

未検査のオウムでも別室管理で受付可能なペットホテルもありますが、別途管理料が必要になるケースもありますので、確認をしておきましょう。
オウムを預ける際に注意すべきことを教えてください
感染症、ケガ、精神的ストレスによる毛引きなどのリスクには注意しましょう。飼い主と離れる以上ストレスは避けられませんが、親身に世話をしてくれるスタッフや静かな環境を用意できれば、ある程度はやわらげることができます。

日本で飼育されているインコ、オウム類のうち、PBFDウイルス(オウム嘴羽病の原因ウイルス)を保菌している割合はセキセイインコで40.1%、大型白色オウム類で24.2%と高い数値を示しています。
未検査の鳥と同じ部屋にいると感染リスクがあります。
オウムをペットホテルに預けることで生じるリスクはありますか?
オウムは飼い主への愛着が強いため、ペットホテルに預けることは一定のリスクがあります。

・パニックを起こし怪我をする
・ストレスから体重減少、毛引きなど体調不良を起こす
・分離不安が起こり、飼い主へ不信感が溜まる

日本で飼育されるオウム・インコ類の11.7%は毛引きなど羽毛損傷行動を起こし、うちオウム類は30.6%、ヨウム24.5%という統計があります。しかし留守時間の長さと毛引きは関連がないとされています。

預けている間はストレスで食が細くなり、体重が減少する可能性があります。帰宅後には体重を測り、たっぷり愛情をもって接しましょう。オウムが落ち着いて食欲が戻れば、徐々に体重は回復します。

編集部まとめ

オウムは分離不安や感染症のリスクがあるため、信頼できるペットホテル選びが欠かせません。預ける予定がなくても普段から情報収集を行いましょう。監視カメラや日々の報告がある施設を選ぶとトラブルを減らせます。

参考文献