大切なペットの健康を守るうえで、動物病院の受診は欠かせません。しかし、動物病院へ初めて行くとなると、どのように対応すべきかわからず、戸惑ってしまう方もいるのではないでしょうか。今回は初めての動物病院受診をテーマに、あらかじめ押さえておきたいマナーについてポイントをまとめました。動物病院へ行く際の準備やトラブルを防ぐための注意点なども含めて詳しく解説を加えているので、ぜひ参考にしてください。
初めて動物病院に行く前の準備

まずは、初めて動物病院へ行くにあたって必要な準備は何か確認しましょう。落ち着いて準備を整えておくと、診察がよりスムーズになるだけでなく、ペットの不安を軽減することができます。
- 初めての診察を受けるときは、予約をした方がよいですか?
- 初めて診察を受ける場合には、事前に電話を入れて初診であることを伝え、予約を取った方がよいでしょう。その際に症状なども伝えておくと、よりスムーズに案内してもらえる可能性があります。
- 初めて受診する当日の持ち物を教えてください
- 動物病院を受診する際にも、通常の外出時と変わらず、首輪やハーネスにリードを装着しましょう。キャリーバッグなどに入れるときも、飛び出す恐れのある子には、リードは装着したままにします。その際、首輪やハーネスは緩すぎないように注意しましょう。その他には、生年月日が記載されているものやワクチン証明書などの提示を求められる場合があるため、必要な書類はなにか、事前に確認しておくとよいでしょう。また、診断に役立つ可能性が高いことから、便や嘔吐物があれば持参してください。症状が確認できる写真や動画、詳細をまとめたメモなども、診断の助けになります。急な下痢や嘔吐に備えて、ティッシュやペットシーツ、タオル、ビニール袋なども用意しておきましょう。加えて、ペットが気に入っているおもちゃなどを持参しておくと、移動時のストレス軽減に役立ちます。
- 動物病院に連れて行くときの注意点はありますか?
- 初めての動物病院となると飼い主も緊張してしまいますが、不安を前面に押し出していては、ペットに伝わります。逆に飼い主がリラックスしていると、慣れない状況にあってもペットが安心できるため、可能な限り普段どおりに振る舞うよう意識してください。
動物病院の待合室でのマナー
次に、動物病院の待合室にて守るべきマナーをまとめます。飼い主が正しいマナーを理解したうえで行動すれば、自身のペットはもちろんほかの動物たちを危険から守ることもできるため、あらかじめチェックしておきましょう。
- 待合室でリードやキャリーは必要ですか?
- 動物病院の待合室で過ごすときも、基本的にはキャリーバッグなどのなかからペットを出さない方がよいでしょう。やむを得ず出さなければならない場合にはリードやハーネスがしっかり装着されているか確認して、脱走を防いでください。
- ほかの動物と距離を保つ方法を教えてください
- ペットはキャリーバッグなどに入れるか、必ずリードを装着して、ほかの動物との距離を保ってください。リードは短めに持ち、ペットが歩き回らないようにするのもポイントです。ペットが膝に乗るサイズであれば、抱っこした状態で待つのもよいでしょう。動物病院を受診する理由はさまざまです。感染症の恐れもあるため、ペットから目を離さないよう常に気を配り、ペット同士の接触を避けてください。ほかへ意識が向きやすい受付や支払いのタイミングには、特に注意が必要です。
- 無駄吠えや鳴き声が気になる場合の対処法を教えてください
- ペットが無駄吠えしたり暴れたりと興奮が見られた場合には、いったん外に出て気分転換するのも一案です。外に出る際には必ずスタッフに声をかけて、待ち時間を把握しておくよう留意してください。順番になったら呼び出してくれる動物病院もあるため、一度確認してみるとよいでしょう。
動物病院の診察室でのマナー

ここでは、診察室でのマナーについて説明します。飼い主がよかれと思って取った行動が診察の妨げになる可能性もあるため、いざというときに慌てることがないよう、理解を深めましょう。
- 診察台にペットを乗せるときに注意することはありますか?
- ペットを診察台へ乗せるときには獣医師の指示に従いましょう。また、過度な介入や指示はスムーズな診察の妨げになる恐れがあるため、必要以上にペットに声をかけたり触ったりすることも控えてください。
- 獣医師に症状を伝えるときのポイントを教えてください
- 受診に際しては、症状の経過や内容をできるだけ具体的に伝えることがポイントです。いざ診察室に入ったときに焦らないためにも、写真や動画、メモなどをあらかじめ準備しておき、これらを活用しながら説明するとよいでしょう。診察中に疑問や不安があれば、遠慮なく獣医師に質問することも大切です。
動物病院でトラブルを防ぐための注意点
終わりに、初めて動物病院を受診するにあたって心に留めておきたい注意点をまとめます。飼い主として責任を持ち、自身のペットのみならず周囲にも十分配慮して、予期せぬトラブルの発生を防ぎましょう。
- 大型犬の場合、何に気をつけるべきですか?
- 大型犬が受診するときには短めのリードにつなぎ、しっかりとで制御できる人が連れて行くようにしましょう。首輪は引っ張ると抜けてしまう恐れがあるため、ハーネスの活用をおすすめします。ふいにほかの動物へ近寄って行き、喧嘩が起こる可能性も考えられます。大型犬が威嚇したり嚙みついたりすると、重大なトラブルにつながりかねません。自身の愛犬は喧嘩したことがないので大丈夫などと侮らず、対策は万全に行ってください。
- もしペットが粗相してしまったらどうすればよいですか?
- 動物病院へ連れて行くと慣れない環境に緊張し、中に入った途端粗相してしまうペットもいます。念のために汚物をまとめるトイレシートやビニール袋などを用意しておくことも、マナーの一つといえるでしょう。万が一トイレグッズを持っていない状態で粗相してしまったら、速やかにスタッフへ申し出てください。消毒を必要とする場合もあるため、そのまま放置してはいけません。
- 飼い主として特に心がけておくべきことを教えてください
- 動物病院でいろいろなペットと顔を合わせると、可愛さのあまりつい声をかけたり撫でたりしたくなりますが、こうした行動はマナー違反です。動物病院には病気や怪我をしており、健康な状態ではないペットがたくさんいます。散歩のときと同じように考えて軽い気持ちで触れ合おうとすると、神経質になっているペットを興奮させてしまい、攻撃される可能性も否定できません。加えて、伝染病にかかっているペットと接触することにより、感染を拡大させてしまう恐れもあるでしょう。動物病院はほかの動物たちとコミュニケーションを図る場所ではありません。あくまでもペットの病気やケガを予防・治療する場所ということを念頭に置いたうえで、配慮ある行動を心がけてください。
編集部まとめ
飼い主にとっても緊張する場面となることが少なくない初めての動物病院受診ですが、事前にしっかり準備を整えておけば、不安の軽減につながります。大切なペットの診察をスムーズに進めるためにも、落ち着いた行動と正しいマナーを意識してください。受診にあたって気になる点があれば、あらかじめ動物病院に確認しておくことも大切です。信頼できる動物病院とよい関係を築き、ペットの健康管理に役立てましょう。