動物病院のレントゲン費用はいくら?料金の内訳や検査でわかることも解説

動物病院のレントゲン費用はいくら?料金の内訳や検査でわかることも解説

動物病院でレントゲン検査を受ける際、費用がどのくらいかかるのか不安に思う飼い主さんもいらっしゃるかと思います。レントゲンは体内の状態を詳しく確認するために重要な検査であり、病気の早期発見や適切な治療方針の決定に役立ちます。本記事では、動物病院で行われるレントゲン検査の費用相場や追加費用の可能性、保険の適用条件などを詳しく解説します。検査に備えるためにも、事前に必要な知識を押さえておきましょう。

動物病院でのレントゲン検査

動物病院でのレントゲン検査

ここでは、レントゲン検査でわかることや必要性、その特徴やほかの検査との違いについて解説します。

レントゲン検査でわかることを教えてください
レントゲン検査では、骨折や関節の異常、異物の誤飲、内臓の炎症や腫瘍、臓器の腫大や変形など、体内のさまざまな状態を視覚的に確認できます。例えば、肺炎、心肥大、胃拡張張、腸閉塞、膀胱結石、子宮蓄膿症などの診断に用いられ、腫瘍の位置や大きさ、炎症の進行具合、異常な影の有無も把握可能です。さらに、手術の前後で状態を比較したり、治療の効果を確認したりする際にも活用されます。こうした画像診断は、症状を言葉で伝えられない動物の診療において、大きな助けとなる検査手段です。
どのような病気や症状でレントゲン検査が必要ですか?
ペットが嘔吐や食欲不振、下痢、咳などの症状を示す際、消化器系や呼吸器系に異常がある可能性があります。こうした体調不良の原因を特定するために、レントゲン検査が使われることもあります。また、交通事故や転落などによる骨折や内臓損傷の有無を確認する際にも必要とされます。妊娠中の犬や猫では胎児の数や位置を把握するために用いられることもあります。健康診断の一環として、高齢や持病のあるペットに対して定期的に行うケースもあります。これにより、病気の早期発見や治療方針の決定に役立ちます。
レントゲン撮影に麻酔や鎮静剤は必要ですか?
多くの場合、ペットが静かに姿勢を保てる状態であれば、レントゲン撮影に麻酔や鎮静剤は不要です。ただし、検査部位や撮影内容によっては、身体を正確な位置に固定する必要があり、動いてしまうと鮮明な画像が得られません。特に骨盤や頭部など、微細なズレが診断に影響する部位の撮影では、鎮静剤や軽い麻酔が使われることがあります。また、緊張しやすい性格の動物や骨折や脱臼などで怪我を伴う場合には、撮影時の安全性や正確さを確保するために、鎮静剤が選ばれることもあります。
レントゲンとエコーやCTの違いを教えてください
レントゲンはX線を使って骨や臓器の状態を平面的に映し出す検査で、撮影が短時間で済み、身体への負担が少ないのが特徴です。エコー(超音波検査)は放射線を使用せず、心臓や腹部の臓器、妊娠中の胎児などの様子をリアルタイムで観察できます。一方、CTはレントゲンと同じX線を用いますが、断層画像として立体的に描出でき、病変の位置や広がりをより詳細に確認できます。ただし、CTは撮影に時間がかかるうえ、費用も高額で、麻酔を必要とすることもあります。それぞれの検査には得意分野があり、そのため、症状や目的に応じて獣医師が適切に使い分けています。

動物病院のレントゲン費用と内訳

ここからは、レントゲン検査にかかる費用の相場や、検査費用に含まれる項目、追加費用の例などを詳しく解説します。

犬のレントゲン費用相場はいくらですか?
犬のレントゲン検査費用は、犬の体格や撮影する部位、枚数などによって異なりますが、小型犬・中型犬では1回あたりおおよそ5,000〜10,000円、大型犬では8,000〜15,000円が一般的な相場です。また、診察料や初診料、再診料などが別途加算される場合もあります。骨折や誤飲などの緊急時には撮影枚数が増える傾向があり、特に誤飲の場合は消化管造影といってバリウムを飲ませるので、その分費用も上がることがあります。さらに、動いてしまう犬には鎮静剤を使うこともあり、これにも別料金が発生することがあります。正確な費用については、事前に動物病院に確認しておくとよいでしょう。
猫のレントゲン費用相場はいくらですか?
猫のレントゲン検査費用は、おおむね1回3,000〜5,000円が目安とされています。費用は撮影部位の数や角度、撮影の難易度によって変動します。例えば、胸部・腹部の複数撮影が必要な場合や、骨折や異物誤飲の疑いがある際には、2〜3枚以上の撮影が行われることもあり、費用が1万円を超えることもあります。また、猫は犬に比べて緊張しやすく、撮影時にじっとできないケースもあるため、鎮静剤を用いるとその分の費用が加算されることがあります。予想される金額は、事前に動物病院で確認しておくとよいでしょう。
犬・猫以外のペットの場合、費用相場はいくらですか?
エキゾチックアニマル(ウサギやハムスター、フェレット、モルモットなどの犬・猫以外のペット)でも、レントゲン検査は必要に応じて実施されます。費用は動物の種類や大きさ、撮影内容によって異なりますが、一般的には1回あたり5,000円〜が相場です。小動物の撮影には工夫が必要で、特に動きを抑えるために鎮静や保定が求められることがあり、その費用も加算されます。また、エキゾチックアニマルを診療できる設備や経験を持つ動物病院での対応となるため、高額な費用設定となっていることもあります。事前に対応可能な病院に確認しましょう。
レントゲン撮影以外にかかる費用を教えてください
レントゲン撮影以外にも、動物病院でかかる費用として診察料(初診料・再診料)が一般的に1,000〜2,000円程度かかります。また、症状によっては血液検査や超音波検査、便検査などが追加で必要になることもあり、それぞれ数千円の費用が発生します。撮影時に動物がじっとしていられない場合は、鎮静剤や軽い麻酔を使用することがあり、これに数千円の追加費用がかかるケースもあります。さらに、治療が必要な場合は薬代や処置費も別途発生します。事前に費用の内訳を確認しておくことで、当日の対応がしやすくなります。
レントゲン検査で追加費用がかかるケースを教えてください
レントゲン検査では、基本的な撮影費用のほかに状況に応じて追加費用が発生することがあります。例えば、検査部位が複数にわたる場合や、前後左右など複数の角度での撮影が必要な場合には、その分費用が加算されます。また、動物がじっとしていられない場合には鎮静剤や麻酔を使うことがあり、これにも別料金がかかります。さらに、異物の誤飲や腫瘍などが疑われるケースでは、造影剤が必要になることもありますし、撮影後に追加の検査(超音波や血液検査など)が提案されることがあり、全体として費用が高くなる傾向があります。事前に見積もりを確認することが大切です。

動物病院のレントゲン検査の前後で注意すること

動物病院のレントゲン検査の前後で注意すること

ここでは、レントゲン検査を受ける前後に飼い主さんが注意すべき準備や、検査後の対応についてご紹介します。

レントゲンの撮影前に絶食や絶水は必要ですか?
レントゲン検査を受ける際、基本的には絶食や絶水の必要はありません。ただし、撮影部位によっては事前の準備が必要な場合もあります。例えば、腹部の検査では胃や腸の内容物が画像を妨げることがあるため、診断精度を高める目的で数時間の絶食を指示されることがあります。また、鎮静剤や麻酔を使用する予定がある場合には、誤嚥リスクを避けるために、獣医師の判断で絶食・絶水が指示されることもあります。病院によって診療方針が異なる場合があるため、検査前にあらかじめ具体的な指示を確認し、適切に準備を進めておきましょう。
レントゲン検査後すぐに帰宅できますか?
レントゲン検査のみであれば、多くの場合は検査後すぐに帰宅することが可能です。撮影に鎮静剤や麻酔を使用していない場合、検査が終わり次第、獣医師からの説明を受けた後にそのまま帰宅できます。ただし、鎮静や麻酔を用いた場合は、覚醒を確認し、しばらく院内で様子を観察する時間が必要になります。また、検査結果によっては追加の検査や治療の相談が必要になることもあるため、所要時間に余裕をもって来院することが望ましいです。不安な点があれば、事前に病院に相談しておくことで、落ち着いて対応できます。

編集部まとめ

動物病院でのレントゲン検査は、病気の早期発見や適切な治療方針の決定に欠かせない重要な検査です。撮影する部位や使用する薬剤、ペットの体格などによって費用や準備内容が異なるので、事前に動物病院で確認しておきましょう。鎮静剤の使用やそのほかの追加費用がかかるケースもあるため、十分な説明を受けたうえで検査に臨みましょう。ペットの健康と命を守るために、飼い主さんがご自身が正しい情報を把握しておくように努めましょう。

【参考文献】