トリミング前の予防接種は必須?未接種のリスクや施術に際しての注意点も解説

トリミング前の予防接種は必須?未接種のリスクや施術に際しての注意点も解説

大切なペットを病気から守るうえで、予防接種を受けることはとても重要です。トリミングサロンを利用するときにも接種履歴を確認されますが、トリミング前の予防接種は必須なのでしょうか。今回はトリミングと予防接種の関係性に焦点を当てて、飼い主が押さえておくべきポイントをわかりやすくまとめました。未接種のリスクについて掘り下げるとともに、予防接種後のトリミングに際して注意すべきことは何かもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

トリミング前の予防接種は必須?

トリミング前の予防接種は必須?

初めに、トリミング前の予防接種は必須か否かという疑問を解消しましょう。正しい知識に基づいて準備を整えておくと、ペットの健康を適切に管理できるだけでなく、施術のタイミングで焦ることがありません。

予防接種を受けずにトリミングサロンを利用することはできますか?
ほとんどのサロンでは予防接種が必須とされていて、予防接種を受けずにトリミングサロンを利用することはできないのが現状です。予防接種はペット同士の感染症リスクを下げるのはもちろん、人間に感染するウイルスからトリマーを守る役割も果たすため、規定のワクチンを接種していないペットは施術を断られてしまうでしょう。ただし、予防接種を受けられないペットに限り、獣医師によって発行された猶予証明書や診断書などがあれば、施術が可能となるケースもあります。特別な事情を抱えている場合には、かかりつけの動物病院やトリミングサロンに相談してみてください。
予防接種を終えていることは、どのように証明しますか?
予防接種を終えていることは、ワクチン接種証明書の提示によって証明します。ワクチン接種証明書がないと、実際には予防接種を終えているのに施術を断られる恐れもあるため、トリミングサロンを利用するときは忘れずに持参しましょう。ワクチン接種証明書を紛失してしまった場合には、かかりつけの動物病院に証明書の再発行を依頼するなどの対応を取る必要があります。
トリミング前に接種しておくべきワクチンの種類を教えてください
日本国内の飼い犬すべてに年一回の接種が義務付けられている狂犬病ワクチンと、複数の病気を予防してくれる混合ワクチンは、トリミング前に接種しておくべきです。混合ワクチンの接種は義務化されていないものの、感染症のリスクを抑えるために、しっかりと接種を終えておきましょう。

予防接種を受けずにトリミングするリスク

ここでは、予防接種を受けずにトリミングするリスクについて、より詳しく解説を加えます。状況によっては予防接種を受けなくてもよいのではないかと考える飼い主の方もいるかもしれませんが、関連の知識を身に付けたうえで、適切に対処することが大切です。

予防接種を受けずにトリミングすると、どのようなリスクがありますか?
先程のパートでも触れたように、予防接種を受けることなくトリミングサロンを利用すると、ペット同士の感染症リスクが高まります。直接的な接触がなくても、毛や洋服に付着したウイルスが感染源となるケースもあるため、油断はできません。普段は穏やかな性格のペットであっても、施術中に興奮して引っかいたり、噛み付いたりするような状態になれば、感染のリスクは一気に高まります。前提として、予防接種を受けずにトリミングサロンへ行くと施術を断られる可能性が高いことも、未接種のリスクといえるでしょう。
幼年期やシニア期のペットにも定期的な予防接種が必要ですか?
幼年期やシニア期のペットこそ免疫力や抵抗力が低下しやすい状態にあることから、定期的な予防接種がより必要となります。とはいえ、シニア期を迎えて著しく体力が衰えたペットなどについては予防接種を控えた方がよいケースもあるため、前もって獣医師に相談してみてください。
自宅でトリミングする場合も予防接種を受けた方がよいのでしょうか?
自宅でトリミングする場合は感染症リスクが下がるものの、空気感染などの可能性を完全に排除することはできません。特別な事情がなければ、必要な予防接種を受けるべきです。

予防接種後のトリミングに際して注意すべきこと

予防接種後のトリミングに際して注意すべきこと

トリミング前に予防接種を受けることの重要性を説明しましたが、予防接種が終わったら、すぐにトリミングを行ってもよいのでしょうか。終わりに、予防接種後のトリミングに際して注意すべきことをまとめます。

予防接種の直後にトリミングを行うことは可能ですか?
予防接種の直後は体調不良を起こすケースもあるため、しばらくは安静に過ごさなければいけません。トリミングはペットにとって体力を消耗する行為であることから、予防接種後少なくとも3日間、できれば1週間程度は行わない方がよいでしょう。獣医師から別の指示を受けた場合には、その内容にしたがってください。なお、ペットの体調を考慮して、予防接種後3日間は施術を行わないといった明確なルールを決めているトリミングサロンも見られます。
シャンプーだけであればペットの負担になりませんか?
予防接種後は体内で免疫反応が起こり、有害事象が起きやすい状態なので安静を保つ必要があります。シャンプーもトリミングと同じくペットに身体的な負担をかける行為であり、ストレスにもつながりやすいため、3日間から1週間程度は行わない方がよいでしょう。個体差で気になる点があって判断に迷うような場合には、獣医師に相談してみてください。予防接種後早い段階でペットの汚れや匂いが気になり始めたら、シャンプーの代わりに、洗浄成分が配合されたペット用のシャンプータオルやデオドラントスプレーなどを取り入れるのがおすすめです。
予防接種後に気をつけた方がよい症状があれば教えてください
予防接種の安全性は高いとされているものの、顔の腫れや嘔吐、下痢、発熱といった副作用が起こるケースもあります。副作用は予防接種後24時間以内に起こる可能性が高いので、愛犬の様子をよく観察し、異変が見られた場合はすぐに動物病院へ連絡を入れましょう。加えて、ワクチン接種後数分から30分程の間はアナフィラキシーショックにも注意しなければいけません。アナフィラキシーショックは急性のアレルギー症状であり、発生の確率は高くないですが、呼吸の異常やぐったりして反応が鈍くなる、ショック症状(血圧低下)を起こします。悪化すると命を落としてしまう恐れもあるため、予防接種の直後は特に気を配り、万が一の際にはすぐに対応できるよう準備を整えておくことが重要です。一方で、ワクチン接種後24時間以上経ってから、腫れや赤み、かゆみ、嘔吐などのアレルギー反応が出るケースもあります。こうした点や抗体がつくまでにしばらく時間がかかることを鑑みても、やはり予防接種の直後にトリミングを行うのは避けるべきでしょう。

編集部まとめ

ペット自身はもちろん、周囲を守る意味でも、トリミング前の予防接種を欠かすことはできません。ワクチン接種証明書がなければ、トリミングサロンを利用するのも難しいので、予防接種はしっかりと終えておきましょう。予防接種が完了しても、ペットの負担や副作用の可能性などを考慮すると、すぐにトリミングを行ってはいけません。必要に応じて獣医師の指示を受けつつ、ペットの心身に寄り添ったうえで、カットやシャンプーなどのケアを進めてください。

【参考文献】