動物病院の往診はどれくらいの料金がかかる?費用の目安やメリット、デメリットを解説

動物病院の往診はどれくらいの料金がかかる?費用の目安やメリット、デメリットを解説

飼っている動物を病院に連れて行きたいけれど忙しくて時間がない、というときはありませんか? そんなときは、動物病院の往診サービスを活用してみるのもいいかもしれません。近年、体調の悪い動物を病院まで連れていくことができない飼い主さんのために、往診が可能な動物病院が増えています。そこでこの記事では、動物病院の往診サービスを利用した場合、どれくらいの料金がかかるのか、その費用の目安をQ&A方式でご紹介します。また、往診のメリットやデメリットも併せて紹介していますので、利用を検討されている飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。

動物病院の往診について

動物病院の往診について
動物病院の往診とは何ですか?
往診とは、病院へ出向いて診察を受けるのではなく、医師が患者さんの自宅や施設を訪問して診察や治療を行うサービスのことです。動物病院の往診では、獣医師が自宅などに出向いて必要な診療を行います。高齢で動くことが難しい動物や、病院へ行くことに大きなストレスを感じる動物などの病気も診療できることがメリットです。体調の悪い動物を病院まで連れていくことなく、自宅のリラックスした状態で受診することができるため、近年需要が高まっています。
往診で行ってもらえる治療内容を教えてください
往診では、獣医師が必要な医療機器や医薬品を持参して診療を行います。往診における診察内容は、視診、触診、聴診、血液検査、尿・糞便検査、けがの治療、点滴、注射、ワクチン接種、簡易的な超音波検査、緩和ケアなどが挙げられます。しかし、精密検査や大がかりな治療などはできないことも多く、往診で可能な診療の内容も動物病院によって異なります。希望する診療が対応可能かどうかは、予約をする際に事前に確認するようにしましょう。
往診に対応していない場合、オンライン診療を活用すべきですか?
近年では自宅診療の需要の高まりにより、オンライン診療が可能な動物病院も増えてきています。しかし、公益社団法人日本獣医師会による愛玩動物における遠隔診療の適切な実施に関する指針において、オンライン診療は日頃から対面診療を重ねている場合などを基本とし、オンラインによる初診は原則不可とされています。今まで受診したことのない動物病院のオンライン診療は原則として受けることができないため、かかりつけの動物病院にオンライン対応がない場合は、対面での病院受診を検討するか、初診でも往診可能な動物病院を探しましょう。

動物病院の往診料金

動物病院に往診を依頼する場合の費用相場を教えてください
動物病院の往診費用は通常、診察料、処置料、往診料などをもとに計算されます。診察料としては初診料や再診料が必要で、初診料の方が高く設定されています。処置料は治療内容によって異なります。また、往診料は距離によって変わるところが多いようです。このほかにも、検査を行った場合は検査料が、薬が処方された場合は薬代がかかります。治療内容やその他の条件によって費用が変わるため、一概にはいえませんが、一回の往診に5,000円〜15,000円程かかるところが少なくないようです。こうした診療にかかる費用に加えて、夜間には夜間診療料金、年始年末、ゴールデンウィーク、夏季には割増料金を設定しているところもあります。また、往診の際にかかった高速代、有料駐車場代などは実費が請求されることがあります。
往診料金は動物病院によって異なりますか?
人間の病院には保険診療が存在しますが、動物病院は自由診療です。料金はその病院が自由に決めることができるため、病院によって往診料金は異なります。往診では獣医師が自宅などに出向いて診療をするため、往診料金は動物病院へ行って受診するよりも費用が高くなりがちです。また、さまざまな名目の費用もかかりますので、費用に不安のある方は、事前に概算の見積もりを聞いておくようにしましょう。さらに、当日現金の持ち合わせがない場合に備えて、クレジットカードなどでの支払いが可能かどうかも聞いておくことをおすすめします。
動物病院の往診費用を抑える方法を教えてください
往診費用は、通常の診療に加えて往診料やその他の費用が追加でかかりますので、割高になりがちです。特に往診料はその病院から自宅までの距離によって料金設定がされていることも多いため、できるだけ近くの動物病院を選ぶことが往診費用を抑えることにつながります。また、夜間や祝日、年始年末などの時間や時期によって割増料金が設定されていることも少なくないため、割増料金のかからない日時を選ぶことも選択肢のひとつです。なお、動物保険に入っている場合は、支払いが減額されることもあります。興味のある方は調べてみることをおすすめします。

動物病院の往診のメリットとデメリット

動物病院の往診のメリットとデメリット
動物病院の往診を受けるメリットを教えてください
往診は自宅にいながらにして診療を受けることができるため、飼い主さんと動物の両方に多くのメリットがあります。まず、飼い主さんにとってのメリットとしては、移動の負担軽減が挙げられます。移動を嫌がる動物や、大型犬、複数の動物を飼っている場合など、移動が難しい場合は、往診を利用することで負担を軽減できます。病院まで遠い場合や、飼い主さんが車を運転できない場合、飼い主さんが忙しい場合などにも便利です。また、待ち時間がないという利点もあります。病院で受診をすると、混み合っている時間帯は待ち時間が発生してしまいます。往診であれば、予約の時間まで自宅で待つことができるため、飼い主さんにとっては時間の有効活用が可能になります。動物にとっても、体調の悪いなか、知らない場所へ移動するストレスが減り、自宅という慣れている環境で診察を受けることができるため、リラックスしやすいというメリットがあります。また、感染リスクを避けることもでき、特に高齢の動物や終末ケアを受けさせる場合などに向いています。
往診を受けるにあたってデメリットはありますか?
動物病院の往診サービスは自宅にいながらにして診療を受けることができますが、獣医師が持参する医療機器や医薬品は限られるため、精密検査や大がかりな治療が施せないというデメリットがあります。往診ではできないことが多い治療には、下記のようなものがあります。

・レントゲンなどによる精密検査
・全身麻酔による処置
・外科手術
・CTやMRIなどの画像診断

このほか、体調が重篤な場合は、緊急時の対応が難しいこともあります。また、往診料や時間外料金などがかかることも少なくないため、通常の診療よりも費用が高くなる傾向があることもデメリットといえるでしょう。
動物病院の往診が向いているのはどのようなケースですか?
動物病院の往診は、下記のような場合に有効です。

・動物が高齢または健康状態が悪く移動が困難なとき
・大型犬や複数の動物を飼っていて、移動が難しいとき
・神経質な性質の動物で、病院へ連れていくのが不安なとき
・終末期ケア
・飼い主さんが忙しい、または事情によって、病院へ連れて行けないとき
・病院での待合時間を減らしたいとき
・病院での感染リスクを軽減させたいとき
・時間的制約のあるなかでワクチン接種などを受けさせたいとき

編集部まとめ

動物病院の往診サービスは、体調の悪い動物に移動のストレスをかけないだけでなく、忙しい飼い主さんでも病院まで連れていく必要がないため、多くのメリットがあるといえます。往診を効果的に利用することで、動物の健康管理やケアをよりスムーズに行うことが可能となります。ただし、対応できない検査や処置もありますので、利用の際には必ずどのような診療を受けられるか確認をしておきましょう。また、病院での受診に比べて追加費用も多いため、概算の金額をあらかじめ聞いておくことをおすすめします。

【参考文献】