フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫であるフィラリアが引き起こす病気です。心臓や肺の血管に寄生して肺疾患や心不全などをもたらし、治療が遅れると命に関わる恐れもあるため、しっかりと予防することが欠かせません。フィラリアは飲み薬や動物病院での注射によって予防しますが、どちらを選ぶとよいのでしょうか。今回はフィラリア注射に焦点を当て、飲み薬との違いや注射を受ける場合のメリット、注意点などについて詳しく解説を加えます。
フィラリア予防注射の基本知識

まずは、フィラリア予防注射の基本知識をまとめます。フィラリア予防注射の概要を押さえることで、その必要性について理解を深め、大切なペットの健康管理に役立てていきましょう。
フィラリアの予防注射の方法
次に、フィラリア注射と飲み薬の違いを具体的に確認しましょう。気になる料金相場なども含め、両者の違いを掘り下げて理解しておくと、注射の方法を迷ったときにも納得感のある判断が下せます。
- フィラリア注射と飲み薬の違いはなんですか?
- フィラリア注射と飲み薬の特徴は、まったく異なります。まず、フィラリア注射の駆除対象がフィラリアのみであるのに対して、飲み薬はフィラリア以外にも対応しています。一方、フィラリア注射の効果は1年間も持続しますが、飲み薬の場合は1ヶ月だけとなっており、毎月投薬する必要があります。このような違いを理解したうえで、自身とペットに合った方法を選択することが重要です。
- フィラリア注射と飲み薬の料金相場の違いを教えてください
- 動物病院でフィラリア予防を受けるときに必要な費用は、使用する薬の種類や投与方法、動物の体重、病院の料金設定などによって大きく異なります。例えば、月1回の飲み薬であれば1回あたり1,000円から2,500円程度が料金相場となり、これをフィラリアが媒介する蚊の活動時期に合わせて半年から8ヶ月間継続します。一方、年に1回のフィラリア注射は1万円から2万円程度かかる場合もあります。さらに、予防開始前には感染の有無を確認するための血液検査を実施する必要があり、その際にも1,000円から3,000円程度かかります。合計すると、1シーズン1万円から2万5,000円前後の出費になると理解しておきましょう。
動物病院のフィラリア注射について
このパートでは、動物病院でのフィラリア注射について解説します。フィラリア注射に向いているケースや、逆に注射できない状況を押さえて、フィラリア注射を受けるかどうか検討する一助としてください。
- フィラリア注射を受ける時期や年齢に制限はありますか?
- フィラリア注射はペットの体重によって注射する量が変化することや、副作用の危険性がはっきりしていないことなどから、成長期や妊娠中のペットには使用できません。子犬の場合は1歳以上になってから注射するとよいでしょう。また、体重減少が顕著な老犬なども注射を控えてください。
- フィラリアの予防注射ができない犬種はありますか?
- フィラリア注射の安全性は高いとされていますが、一部の犬に副作用が見られるケースもあるため、不安に感じることがあれば、あらかじめ獣医師に確認しておくとよいでしょう。ちなみに、飲み薬の成分であるイベルメクチンには、ボーダーコリーなどのコリー系品種が反応しやすく、副作用が認められる可能性も高いといわれています。
動物病院でフィラリア注射を受ける際の注意点

終わりに、動物病院でフィラリア注射を受ける際の注意点についてもチェックしましょう。さまざまなメリットがあるフィラリア注射ですが、副作用などのリスクを無視することはできません。
- フィラリア注射による主な副作用やリスクを教えてください
- フィラリア注射の安全性は高いとされているものの、急にぐったりするなどのアナフィラキシーショックや発熱、嘔吐、顔の腫れ、食欲不振といった副作用が報告されています。また、副作用の危険性がはっきりしていない面があるのも実情です。年に1回の注射で済み、料金も割安になるケースが少なくありませんが、フィラリア注射はフィラリア症のみにしか対応していないため、ノミやダニの駆除については別途対策が必要という手間もかかります。とはいえ、飲み薬にも同様に副作用などのリスクはあります。どちらが完全に優れているとはいえないので、それぞれのメリットとデメリットを正しく理解して、状況に応じた予防注射の方法を選択しましょう。
編集部まとめ
治療が遅れると命に関わる恐れもあるフィラリア症を予防することは、飼い主の大切な責務といえます。しかし、一口に予防といってもさまざまな方法があるため、メリットとデメリットを見極めて、自身やペットの状況に合った対応を取りましょう。判断に迷ったときや不安を抱えているときには、早めに動物病院を受診して、獣医師のサポートを受けることも大切です。また、普段からペットの健康状態に気を配り、副反応などの異変を敏感に察知できるよう心がけましょう。

