猫のよだれは病気のサイン!?猫の病気について

飼っている猫がよだれを垂らしていたり、食欲がなかったりということはありませんか?もしかしたらそれは猫の病気のサインかも知れません。猫は言葉をしゃべることができないことから、飼い主はペットのあらゆるサインを理解しておくことがとても大切です。今回はよだれを垂らしている猫にみられる病気や予防方法など飼い主が猫を病気から守るための知識を歯科サプリ編集部がお届けします。

この記事の監修獣医師
鈴木 遊喜子 (アイ動物医療センター高萩 獣医師)

猫がよだれを垂らす原因

猫がよだれを垂らしているときは口の中に病気があるかも

猫がよだれを垂らしているときは、口内炎や歯周病などの病気を引き起こしているサインかもしれません。また、歯の間に異物が挟まっているときや、吐き気が強いとき、食べ物ではないものを誤って飲み込んだときもよだれを垂らすことがあります。
また猫に口内炎ができるときは、免疫力が低下している恐れがあるため、体調不良などを引き起こす原因となります。よだれに加え食欲がないといった異変がある場合はペット病院で診察を受けるようにしてください。

撫でられてよだれを垂らすこともある

猫は病気でなくても、撫でてもらうことでよだれを垂らすこともあります。これはリラックスしたときはよだれの分泌量が増えることによるものです。なので、撫でているときによだれを垂らしている際には病気のサインではなく、とてもリラックスをしていると受け取って間違いないでしょう。ですがもし撫でる前からたくさんよだれを垂らしていて、口臭が気になるようであれば、念のためにペット病院で診察を受けたほうがいいかもしれません。

夏の暑い部屋でよだれを垂らしているときは熱中症かも

犬や猫は体が毛におおわれていることから、人のように汗をかいて体温調節をすることが難しく、肉球などのわずかな部分からしか汗をかくことができません。そのため、パンディングといって舌をだして息をすることで、気化熱を外に出す体温調節を行います。もし夏場の熱い場所で猫がパンディングをしているときは熱中症の恐れがあります。もしぐったりしている、呼吸がとても速い、息苦しそうといった異変を感じた場合は部屋の温度に気を配り、なるべく早く病院へ行ってください。

ずっと口を開けているときは顎が外れているかも

猫がずっと口を開けているときは、あごの骨が折れている、外れているサインかもしれません。もし口をずっと閉じない、よだれを垂れ流している場合はレントゲンをとって確認してもらったほうがいいかもしれません。顎が外れている間は食事をすることができませんので、出来るだけ早く治療するようにしましょう。

よだれを垂らしている猫にみられる病気

口の中に炎症ができて起こる口内炎

口内炎は口の中の粘膜に炎症を起こす病気です。口内炎を引き起こす原因としては、病気を引き起こすウィルスの感染や歯石の蓄積などが挙げられます。また、歯垢の付着によって細菌が増殖することでも起こります。口内炎がひどい場合は食事が難しくなることに加え、口の中に広く赤い腫れがある場合は、潰瘍性口内炎を引き起こしている恐れがあります。この場合ひどい痛みが出るので注意が必要です。もし口臭が気になる、血が混じっているよだれを垂らしている、食事をしないといった症状が出る際には口の中を確認し、病院で診察を受けてください。

鼻水やくしゃみがひどいときは風邪かも

鼻水やくしゃみ、発熱などの症状が出ているのであれば、猫ウィルス性鼻気管炎(通称;猫風邪)という風邪を引いているかもしれません。原因となるウィルスには、複数の種類があり、ごく軽度のものであれば自然に治ることもありますが、場合によっては治療をする必要があります。また、猫風邪を引き起こすウィルスはワクチンの接種をすることにより大部分を予防することができます。風邪をこじらせないためにも毎年1回のワクチン接種をしておくことも大切です。

食道炎は食道狭窄を引き起こす恐れがある

食欲がない、食べたものをすぐに吐いてしまう、唾を飲み込めなくなるといった症状がある場合は食道炎を起こしているかもしれません。食道炎は症状が悪化すると、脱水症状や食道が狭くなる食道狭窄を引き起こす原因となります。もし食道炎になった場合は粘膜保護剤や胃酸の分泌を抑える投薬を行いますが、異物で閉塞していたり、食道周囲にできた腫瘍が原因の場合は、内視鏡検査をしたり、場合によっては手術を行う必要があります。食道炎を引き起こす原因は、プラスチックや刺激物などの異物を飲み込んでしまう事や、胃酸の逆流、頻繁に嘔吐が起こった場合、感染症といったものが挙げられます。猫が食道炎を引き起こすようなものを誤って食べないように注意してください。

飼い主が猫の病気を予防するための知識

口の中の細菌を増殖させないためには歯磨きが効果的?

猫はなかなか歯磨きをさせないので、歯垢が溜まってしまうことがしばしばあります。ほとんどの猫は歯磨きをなかなか受け入れてくれないので、お口の病気の予防はとても大変ですが、ブラシで磨く以外の簡単でストレスの少ないケアから始めてみましょう。歯垢を放置しておくと口内炎や歯周病などの病気の原因となり、それが食欲不振を引き起こす悪循環の原因となってしまいます。ワクチンなどでペット病院を受診する際は、お口の中も定期的にチェックしてもらいましょう。歯垢や歯石がひどいようであれば全身麻酔下で汚れのクリーニングをした方がよいかもしれません。

異物摂取から守るため、部屋の掃除をする

部屋で猫を飼っている方は、ビニール袋や小さなおもちゃ、アクセサリー、ひも状の異物などを飲み込むことを防止するために掃除は欠かさないようにしましょう。また、飲み込めそうなサイズの物を猫の手の届くところに置かないように気を付け、ゴミ箱をあさられたりしないように工夫しましょう。

日々の食事に気を付けよう

飼っている猫の大好物やおやつをたくさんあげていると猫はどんどん太っていき、糖尿病や尿結石などの病気を引き起こす原因となってしまいます。もし太ってきた場合はダイエットフードにしたりして少しずつダイエットをさせるようにしましょう。太った体は猫の関節や心臓に負担がかかってしまうことから、病気を引き起こしやすくなる恐れがあります。また、呼吸がしにくくなる恐れもあるため、時には厳しく接することも健康の面では大切です。

予防接種は風邪や猫エイズウィルスから猫を守ってくれる

猫の病気には、ウィルスに感染することで起こる病気がたくさんあり、複数の猫を飼っている場合や、猫が外へ行く場合は猫エイズウィルスや猫白血病ウィルス、その他の風邪をこじらせるウィルスに感染する恐れもあります。子猫や老猫の場合は免疫力が低いことがあるので特に予防接種が重要です。予防接種を受ける頻度は大人の猫では基本的に年に1回と言われています。

衛生面に配慮して猫の病気を予防

いかがでしたか、猫の病気を予防するためには、日々の口腔ケアや室内の掃除など、衛生面に気を使った配慮や予防接種が大切です。もし病気に感染してしまったら、出来るだけ早く病院で診察を受けるようにしてください。

鈴木 遊喜子 獣医師監修ドクターのコメント

猫ちゃんの口腔疾患のうち、口内炎はとてもよくみられます。重症の子でよだれが出ているケースも多くみられます。口内炎はウィルス関連や免疫異常をはじめとした様々な要素が原因になっています。ごはんが食べれなくなるほどの痛みが生じる場合、根治の為に全ての歯もしくは犬歯以外の歯を抜歯するという治療法が選択されることもあります。口内炎でなくても、お口の周りによだれが付着していたら、獣医さんに診察してもらうことをお勧めいたします。

 

監修ドクター:鈴木 遊喜子 獣医師

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出典:http://www.aitom.jp/guide/hospital01.html

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