室内飼いの猫でもノミがつく?予防や駆除の方法などについて解説!

室内飼いの猫でもノミがつく?予防や駆除の方法などについて解説!

猫は室内飼いするケースも多く、家族の一員のような存在の動物です。しかしながら猫にはネコノミ(猫に寄生するノミ)が寄生する場合があります。室内飼いだからといって安心はできません。

ノミのジャンプ力は驚異的で、どこからでも侵入が可能です。愛猫がネコノミの症状に苦しむばかりでなく、一緒に生活する人間にも感染の可能性があります。正しいネコノミの知識を得て、いざという時のために駆除、予防とその対策方法を知っておきましょう。

猫につくノミについて

猫につくノミについて

散歩中に愛猫にネコノミが寄生してしまうケースは多くあります。ネコノミの成虫は、24~48時間で体表に卵を産みます。ネコノミの卵は、猫の体から落ちて、寝床やカーペット、畳などで孵化。幼虫が何度か脱皮をしてサナギになり、成虫になると再び寄生します。ノミが繁殖するには、室温が13℃あれば十分。家の中では1年中繁殖可能で、あっという間に増えてしまいます。

これが、ネコノミの実態です。これからネコノミについての疑問にお答えいたします。

猫につくノミにはどれくらい種類がありますか?
世界中には2000種類以上のノミが存在していますが、猫につくノミは基本的に「ネコノミ」という種類のノミです。ネコノミという名称ですが、犬・ネズミ・などの小動物や人間にも寄生します。
猫につくノミの特性について教えてください。
ネコノミの体長は2~3mm程度の大きさであるのに、30cmも跳ぶことが可能で、二酸化炭素や体温で動物の気配を察知します。成虫のメスは1日に10個、一生に1000個もの卵を産むなど、繁殖はとても盛んです。幼虫はカーペットやソファー、部屋の四隅など、湿気が高く暗い場所を好み、食べこぼしや成虫の糞などの有機物をエサにして脱皮を繰り返し、サナギになります。サナギは周囲のごみなどを自身に付着させることで、環境の変化から身を守るというタフさ。サナギは乾燥しない条件下で数ヶ月間生存することができ、猫への寄生の機会を待つといわれています。
また、オス、メス共に吸血しますが、吸血する成虫はわずか5%で、残りの95%は卵、幼虫、サナギの状態で見えないところに隠れているのです。
このようなネコノミの生態からわかるように、室内でネコノミが増えてしまった場合は、駆除するには大変苦労します。
猫につくノミのライフサイクルについて教えてください。
ネコノミは成虫1匹で、1日になんと、4~20個もの卵を産むといわれています。猫の体表に寄生して8分以内に吸血。48時間以内に産卵するという素早さです。その後も成長は著しく、1~6日程度で卵から孵化して幼虫となり、2度脱皮を経て、サナギから成虫へと成長します。成虫になった後は、再び猫に寄生します。以上のサイクルを夏は約12~14日、冬は約180日かけて繰り返されます。したがっておよそ1~2ヶ月の寿命の間に1000個もの卵を産む計算になります。これらのことから、駆除を早くしないと、どんどん増えてしまうのです。

猫にノミがつく原因と予防方法

猫は活発な動物であるため、室内で飼っていても、いろいろな場所に移動し、ネコノミに感染してしまうことが多くあります。ネコノミがつく原因を知り、予防や駆除に役立てましょう。

室内飼いでも猫にノミがつく原因は何ですか?
ネコノミは体調1~2mm程度で非常に小さく、人間がすぐに目視できないサイズの吸血性の寄生虫です。そのため、室内飼いの猫であっても知らないうちにネコノミが家の中に侵入して、感染してしまうことがあります。具体的には、人間の衣服や靴にくっついて室内に侵入してくる場合があります。ネコノミのジャンプ力は驚異的であり、光の刺激や動物が発する二酸化炭素、体温に反応して体長の約60倍の距離を移動し、約100倍の高さまで飛び跳ねることができるのです。このように、室内飼いの猫でも、外部から持ち込まれたノミが寄生する可能性は十分あります。
猫にノミがつかないようにする予防方法について教えてください。
猫に寄生するネコノミは成虫なので、成虫になる前に卵、幼虫、サナギの段階で室内から除去します。
日ごろから掃除機をまめにかけ、ネコノミが繁殖しない環境づくりを心がけましょう。掃除機だけではなく、粘着テープのついたコロコロなどを併用するのもおすすめします。
部屋の掃除のほか、換気、温度、湿度の調節も大切です。また、ノミの弱点は熱に弱いことです。60℃以上で死滅するので、猫がよく過ごす場所にあるもの(シーツ、カバー類、毛布など)やクッションは、お湯で洗い、乾燥機で乾かすとよいでしょう。
また、ネコノミは湿気を好むのでクッション、布団を干すことも有効。その場合は両面しっかり干すことが肝心です。

ノミが原因で猫がかかる病気

ノミが原因で猫がかかる病気にはどのようなものがありますか?
・瓜実条虫症(ウリザネジョウチュウショウ)
サナダムシの幼虫が寄生しているノミを、猫が毛づくろいの際に経口摂取すると感染します。ノミとともに経口摂取された幼虫は腸で成虫となり、腸炎を起こすこともあります。
・ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの被害では最も重要です。ノミによる吸血が繰り返されると、猫はアレルギー状態となり、皮膚炎を起こすことがあります。激しい痒みや湿疹、脱毛などがおこります。
・貧血
子猫はノミによる吸血で貧血に陥ることもあります。成猫でも持病と寄生数によっては可能性もあります。
ノミが原因で猫がかかる病気の治療方法について教えてください。
瓜実条虫症の治療は、猫に駆虫薬を投与して駆除します。駆虫薬には経口薬、背中に滴下する滴下剤、注射薬などがあり、状態に応じて処方されます。
ノミアレルギー性皮膚炎の症状が強い場合の治療は、抗アレルギー薬の投与です。並行して猫の皮膚を強くする食事療法や、炎症や緩和効果が期待できるサプリメントを与えてもよいでしょう。

猫につくノミの駆除方法

猫につくノミの駆除方法

ノミがいるとわかった場合には、放置して自然に収まることはありません。猫だけではなく、飼い主やほかの動物にも危害が及ぶため、即座の駆除対策は必須です。早急に駆除対策を行いましょう。

猫にノミがついているか調べる方法について教えてください。
猫にノミがいるかどうかを調べる方法として、猫のグルーミング(毛づくろい)の仕方に異変がないかどうかをチェックする方法があります。ノミに敏感な猫の場合、ノミの唾液によって痒みが発生し、アレルギー反応を起こすことがあるのです。その際、猫は過剰なまでに毛づくろいをするようになります。そのようなしぐさを見た場合は、ノミの寄生を疑い、動物病院を受診することをおすすめします。
また、猫の被毛をノミ取り櫛でとかして、ノミを調べる方法もあります。ノミは猫の足の間にある腹部の被毛に寄生しやすいため、重点的にとかしてみて、ノミが飛んで逃げるかを見てください。ノミの成虫が見つからなくても、卵や糞が櫛に付着していないかを探す方法も有効です。
猫についているノミの駆除方法について教えてください。
ネコノミの駆除を行うには、部屋の掃除を徹底する必要があります。ソファー、カーペット、クッションなど、ネコノミが潜んでいる可能性がある場所は重点的に掃除機で吸引し、掃除後はスプレー式の殺虫剤を噴霧しておくと安心です。ネコノミを発見した場合には、最低でもこのサイクルを3週間は行うようにしましょう。
また、ノミの駆除薬を使用するときは、できる限り獣医師の処方を受けた薬を使用することをおすすめします。副作用が出た場合のサポートを受けられるという点で安心できます。

編集部まとめ

大切な愛猫と安心して暮らすためには、ノミ対策は外せない問題です。ノミは簡単に室内に侵入し、生息してしまいます。ノミを生息させないようにするには、どうしたらいいかと心配する飼い主も多いのではないでしょうか? 

ノミの実態や、習性を知っておくと、ちょっとした猫のしぐさでノミの存在を知ることもできます。早期発見、駆除がノミを退治する最も有効な手段です。正しい情報を知ることが、愛猫とのくらしにきっと役立つはずです。