犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気とは?対処法や予防策も合わせて解説!

犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気とは?

突然犬が痙攣を起こしたら、どう対処すればよいのでしょうか?

また、どのような病気が痙攣を引き起こす可能性があるのでしょうか?

本記事では、犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気とは?
  • 犬が痙攣を起こしたときの対処法とは?
  • 犬が痙攣を起こさないための予防策とは?

犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

そもそも犬の痙攣とは

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犬の痙攣は、犬の脳から体への指令が一時的にコントロール不能になり、筋肉が勝手に動いてしまう状態を指します。

この状態は、犬自身の意志とは無関係で、体が混乱して震えたり、意識を失ったりすることもあります。

痙攣は、犬の体の一部だけが震える軽度の症状から、全身が震えて意識を失う重度の症状まで、さまざまな形であらわれます。

また、痙攣は1度だけ起こることもあれば、何度も繰り返すこともあります。

痙攣が起こると、犬は失禁したり、大量のよだれを出したり、歯をくいしばったり、あるいは倒れて足をバタバタさせる動作が出たりすることもあります。

これらの症状はすべて、「発作」とも呼ばれます。

痙攣の原因は多岐にわたり、特定の病気や状態によって引き起こされることがあります。

そのため、犬が痙攣を起こした場合、動物病院に連絡し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気

犬の病気のサイン

犬が痙攣を起こす原因は多岐にわたり、一時的なストレスや過労から、特定の疾患や病状によるものまで、さまざまです。

以下では、犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気や状態について詳しく解説します。

てんかん

てんかんは、犬における神経系の障害で、突如として発作を引き起こす可能性があります。

これは、脳内に明らかな異常が見当たらないにもかかわらず、発作が発生する状況を示しています。

てんかんの原因としては、遺伝的な要素が大きく影響しているとされています。

発作が発生すると、犬は意識を失い、体が硬直したり、痙攣したりします。

発作は数秒から数分続き、その後自然に回復することが多いとされています。

しかし、発作が頻繁に起こる場合や長時間続く場合は、獣医師の診察が必要です。

てんかんを完全に治すことは難しいですが、適切な治療と管理により、発作の頻度と重症度を軽減することが可能とされています。

てんかんは、主に抗てんかん薬を使用して治療されます。

抗てんかん薬は、脳の電気的活動を抑制し、発作を防ぐ働きが期待できます。

脳の腫瘍

脳の腫瘍は、犬の神経系に影響を及ぼし、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。その1つが痙攣です。

脳の腫瘍は、脳組織の異常な細胞増殖により形成されます。

脳にできた腫瘍は、脳の機能を妨げ、神経伝達を乱す可能性があります。

その結果、犬は痙攣を起こすことがあります。

脳の腫瘍によって起こる痙攣は、脳の特定の部分が影響を受けている場合、特定の体の部分に影響を及ぼす可能性があります。

脳の腫瘍は、高齢の犬に多く、症状は徐々に悪化するといわれています。

感染症

犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気の中には、感染症も含まれます。

感染症は、細菌、ウイルス、寄生虫などによって引き起こされ、犬の神経系に影響を及ぼし、痙攣を起こすことがあります。

感染症は、犬の免疫系が弱っている場合や、特定の病原体に対する自然の抵抗力が低い場合に発症する可能性があります。

また、犬が他の感染症の犬と接触した場合や、汚染された食物や水を摂取した場合にも感染する可能性があります。

感染症によって引き起こされる痙攣は、病原体が脳や神経組織に影響を及ぼすときに発生します。

これは、病原体が神経組織を直接侵害するか、病原体によって引き起こされる炎症が神経組織を圧迫または損傷することによって起こるといわれています。

中毒

犬が有害な物質を摂取した場合、それが体内で吸収され、神経系に影響を及ぼす可能性があります。

例えば、チョコレート、観葉植物、特定の薬物など、犬にとって有毒な物質があります。

犬にとって有毒な物質は、犬の神経系に直接影響を及ぼし、痙攣や他の神経系の症状を引き起こす可能性があります。

また、犬が過剰な塩分を摂取した場合、「塩中毒」を引き起こす可能性があり、これも痙攣の一因となります。

てんかんになりやすい犬種

犬 熱中症

てんかんは、犬種によって発症しやすさが異なるとされています。

特に、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ビーグル、シェトランド・シープドッグ、ボーダー・コリー、ダックスフンド、プードルなどの犬種は、てんかんの発症率が高いとされています。

これらの犬種は、日本国内でも人気がありますが、他の犬種に比べて特発性てんかんの発症率が高いといわれています。

特発性てんかんは、特定の原因が見つからないてんかんのことを指します。

しかし、てんかんになりやすい犬種が、必ずしもてんかんを発症するわけではありません。

また、てんかんになりやすい犬種以外でも、てんかんを発症する可能性があります。

犬が痙攣を起こしたときの対処法

犬の診察

愛犬が突然、体を震わせ始めたらどうしますか?

驚きや恐怖で心が乱れるかもしれません。

しかし、このような状況では冷静さを保つことが何よりも重要です。

以下では、犬が痙攣を起こしたときにどのように対処すべきか、詳しく解説します。

けいれんを起こしてすぐ

愛犬が痙攣を起こしたとき、犬を抱っこしたり、体や顔を撫でたりするのは避けてください。

なぜなら、痙攣は犬自身の意志とは無関係に発生し、痙攣中に犬が飼い主を噛んでしまう可能性があるからです。

これは犬の意図的な行動ではなく、痙攣によるものなので、止めることはできません。

そのため、飼い主が噛まれて怪我をする危険性があります。

痙攣が続いている間

まず、愛犬の安全を確保することが最優先事項です。

周囲の物を取り除き、愛犬が自由に動けるスペースを作ることで、意図しない動きから生じるケガを防げます。

また、高い場所で痙攣が起きた場合は、落下によるケガを防ぐために、毛布やクッションを使用してください。

次に、痙攣が起こっている間の状況を観察してください。

どの部位がどのように動いているか、意識はあるのかないのかなど、痙攣の状態を把握することが重要です。

可能であれば、スマートフォンを使って痙攣の様子を動画で記録してください。

これにより、後で獣医師に詳しい状況を伝えられます。

さらに、痙攣がどれくらいの時間続いているかを正確に把握することも大切です。

痙攣が長く続くと、深刻な状態を示している可能性があります。

そのため、痙攣の持続時間を計測し、獣医師に伝えることが必要です。

痙攣が終わった後

痙攣が止まった後の対応は、痙攣が発生したときと同様に重要です。

まず、落ち着きを保ち、犬が安心できるように優しく声をかけてみてください。

しかし、痙攣が止まったからといって、すぐに問題が解決したわけではありません。

痙攣が止まった後も、犬の状態を継続的に観察することが重要なため、動画を撮影し続けると良いでしょう。

動画を撮影できない場合は、「少し元気がない」「よだれが出ている」など、痙攣後の状態をメモに記録しておいてください。

そして、早めに動物病院に連絡することが重要です。

特に、痙攣が5分以上続いたり、何度も繰り返したりした場合は、すぐに病院に連絡してください。

犬が痙攣を起こさないための予防策

犬 脱毛症

犬が痙攣を起こす原因は多岐にわたりますが、その中には感染症、中毒、てんかん、代謝異常、水頭症、脳の炎症や腫瘍などが含まれます。

これらの病気の予防策は一部存在しますが、全ては防げないといわれています。

まず、感染症については、定期的に混合ワクチンを接種することで予防可能です。

特に、犬ジステンパーウイルスなどの感染症は、ワクチン接種により予防できます。

次に、中毒については、飼い主が注意深く行動することで防ぐことが可能とされています。

犬が誤飲しないように、危険な物質を適切に管理することが重要です。

てんかんについては、遺伝的や家族的などの要因で生じると考えられており、予防は困難です。

しかし、発作の引き金となる大きな音や強い光などの刺激やストレスを避けたり、抗てんかん薬を定期的に投与したりすることで、症状の緩和が可能とされています。

また、代謝異常については、定期的な健康診断により早期に発見し、早期治療をすることが重要です。

最後に、水頭症や脳の炎症、腫瘍などについては、予防は難しいですが、薬物療法により症状を抑えることが可能とされています。

以上のことから、犬が痙攣を起こさないための予防策は一部存在しますが、全てを防ぐことは難しいといえます。

まとめ

脱水症状でも気を付けたいもの

ここまで、犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気についてお伝えしてきました。

犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気についての要点をまとめると、以下の通りです。

  • 犬が痙攣を引き起こす可能性のある病気として、てんかん、脳の腫瘍、感染症などが挙げられる
  • 犬が痙攣を起こしたときは、ケガをしないように犬の周囲をクッションなどで囲い、どの部位がどのように動いているか、意識はあるのかないのかなど、痙攣の状態を把握することが重要である
  • 犬が痙攣を起こさないための予防策として、感染症予防の混合ワクチンを接種したり、犬が誤飲して中毒症状を起こさないよう注意深く行動したりすることが重要である

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献