犬の肉球が赤いのは大丈夫?肉球の役割や赤い場合の原因について徹底解説!

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犬の肉球はぷにぷにした特有の触り心地で可愛いですよね。犬を飼っている方はつい触ってしまう方もいるのではないでしょうか。そんな肉球ですが、実は犬にとって大事な役割を果たしている部位でもあるんです。
本記事ではそんな犬の肉球が赤いことについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 犬の肉球の役割
  • 犬の肉球が赤くなる指間炎について
  • 指間炎の犬にできること

犬の肉球が赤いことについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

犬の肉球について

編集部まとめ
犬の肉球にはどのような役割がありますか?
犬の肉球は、その機能と重要性が興味深い部位とされています。まず、肉球は犬の足を保護する役割を果たします。地面との接触部分は硬い角質層で覆われ、内部は弾力性のある組織と脂肪組織で構成されています。これにより、走ったり跳んだりしたときの衝撃を吸収し、犬の足を保護しているのです。
また、肉球は体温調節の役割も果たします。犬の体では唯一、汗を作るエックリン汗腺が存在し、これにより体温調節が可能とされています。さらに、肉球の表面はでこぼことしており、これにより地面との摩擦が生じ、犬が走っていても急に止まることが可能といわれています。
最後に、肉球は地面の温度を感知する能力も持っています。しかし、犬は自分で暑さや寒さを避けることはできないため、飼い主が適切なケアをすることが重要です。以上のように、犬の肉球は多くの重要な役割を果たしています。
犬の肉球の構造を教えてください。
犬の肉球は、表皮、真皮、皮下組織という三つの層から成り立っており、表皮の一番上の角質層はほかの部位より厚いです。また、肉球の皮下組織には脂肪やエラスチンと呼ばれる弾性線維、そしてコラーゲン(膠原線維)などが混在しています。
また、犬の肉球は、その形状と位置により、いくつかの部位に分けられます。まず前足には爪の直下に位置する「指球」が四つあります。また、前足の中心部には大きな「掌球」があり、これが目立つ肉球です。さらに、前足の手首に相当する部分には「手根球」があります。
後ろ足にも肉球がありますが、名称が異なります。爪の直下の肉球は「趾球」と呼ばれ、中心部の大きな肉球は「足底球」と呼ばれます。
また、爪についても特筆すべき点があります。犬の前足には通常5本の爪があり、後ろ足には4本の爪があります。そして人間の親指に相当する部分にある爪は「狼爪」と呼ばれ、地面に触れにくい位置にあるため、定期的な手入れが必要です。
犬の肉球と爪のケアは、犬の健康に直結しています。それぞれの部位がどのような役割を果たしているかを理解することで、より適切なケアが可能とされます。
体調の変化は肉球に現れますか?
犬の肉球は、健康状態を示す重要な指標となります。肉球の色、硬さ、湿度などの変化は、犬の体調の変化を反映する場合があります。
例えば、肉球が乾燥していたり、ひび割れていたりする場合、犬が乾燥や栄養不足に苦しんでいる可能性があります。また、肉球が湿っている場合は、犬がストレスを感じているか、体温調節に努めている可能性があります。
肉球の色が変わることも、犬の健康状態を示す可能性があります。肉球の色が薄くなったり、赤みがかったりする場合、肉球が乾燥しているか、内出血や指間炎を起こしている可能性があります。
したがって、犬の肉球の観察は、健康状態を理解するための重要な手段となります。

肉球が赤くなる「指間炎」について

指間炎とはどのような病気ですか?
犬の指間炎は、犬の足の指と肉球の間に生じる炎症性の疾患で、赤みや腫れを引き起こします。指間炎は、細菌や真菌の感染、アレルギー反応、外傷、または心因性の要素など、多様な原因により引き起こされます。犬が足を舐めたり噛んだりすると、病状は悪化し、治癒が困難になります。また、複数の要因が組み合わさって発症することが多く、一度治癒しても再発しやすい特性があります。
指間炎の初期症状は、赤みが出る程度であり、飼い主が見逃してしまうことが多いようです。指間炎が進行すると足先やその周辺で雑菌が増殖し、皮膚が赤くただれる場合や、強いかゆみや脱毛を引き起こすといわれています。
なぜ指間炎になるのでしょうか?
犬の指間炎は、多くの要因によって引き起こされます。
足先は外部と頻繁に接触し、切り傷や火傷などの物理的なダメージを受けやすいです。また、肉球や指の間に直接的な刺激が加わることも指間炎の原因となります。また、足先は汗腺が発達しており、汗による湿気が指間炎を引き起こすこともあります。なかでも、シャンプー後の乾燥不足や足の裏のトリミングによる刺激は注意が必要です。
さらに、繰り返しになりますが、犬自身が足を舐める行為も指間炎の一因となります。犬は暇を持て余している場合や、飼い主の注意を引きたい場合に足を舐めることがあるとされています。足を舐める行為がエスカレートすると、皮膚炎を引き起こす可能性があります。
その他の原因としては、皮膚疾患(アトピー、脂漏症など)、真菌感染、寄生虫感染、爪の疾患、ストレス、神経系の異常などがあります。これらの要因が組み合わさって、指間炎が発生するといわれています。指間炎を繰り返す場合は、これらの要素を確認し、適切な対策を講じることが重要です。
指間炎の治療法を教えてください。
犬の指間炎の治療は、原因を特定し、その原因を取り除くことが重要です。原因はさまざまで、個々の犬によって異なります。外傷がある場合は、そのケアが必要であり、それと並行して指間炎の治療も行います。
具体的な治療方法としては、塗り薬や飲み薬の使用などです。かゆみや痛みを抑える抗炎症剤や、症状によってはステロイドといった炎症止めを使用することもあります。また、細菌感染が見られる場合は抗生物質も使用します。
さらに、薬用シャンプーを使用して患部の雑菌をコントロールする場合もあります。シャンプーは、殺菌効果が期待できるもの、炎症を抑える効果が期待できるもの、皮脂の生成をコントロールするものなど、犬の状態に合わせて選択します。シャンプーは治療の一部として位置づけられており、使用するシャンプー剤やシャンプーの頻度、漬け置き時間などは獣医師の指示に必ず従います。
また、犬種によっては指と指の間に毛が密集していることがあり、これが原因で湿気や雑菌の付着を引き起こすことがあります。そのため、足裏の毛を刈る場合もあります。ただし、バリカン負けを避けるために注意が必要です。そして、治療中は、犬が舐めないようにすることが早期回復の鍵となります。
指間炎になりやすい犬の特徴を教えてください。
指間炎になりやすい犬の特徴は、皮膚病を持つ犬や足を舐める癖がある犬です。また、飼い主が犬の足を洗った後、乾かさずに放置すると、指間炎のリスクが高まる可能性があるとされています。また、指間炎は全ての犬種で発生する可能性がありますが、柴犬、シーズー、フレンチブルドッグ、ブルドッグ、ラブラドールレトリーバー、ゴールデンレトリーバーなどの皮膚病が多い犬種、短毛種、大型犬は指間炎になりやすい傾向があります。

犬のために飼い主ができること

指間炎の犬に飼い主ができることを教えてください。
指間炎の犬がいる場合、まず飼い主は、犬が患部を舐めたり噛んだりしないようにすることが重要です。エリザベスカラーや特別な靴下を使用して、犬が直接患部に触れないようにしましょう。また、肉球の状態を定期的に確認し、乾燥している場合は保湿クリームを塗るなどのケアを行います。
塗り薬の使用は、犬が気にならないタイミングで行うことが効果的とされます。食事前や散歩前に薬を塗ると、犬の注意がほかのことに向けられます。
さらに、食事も指間炎の改善に寄与します。皮膚を健康に保つための食事を提供することで、皮膚のバランスを整え、指間炎の改善につながります。
指間炎を予防する方法はありますか?
指間炎の予防には、以下の三つのポイントがあります。

1. 清潔さの維持:指間や肉球は細菌や真菌が増殖しやすいため、常に清潔に保つことが重要です。散歩後は、手足をきれいに拭き取るか洗い流すことで、肉球のケアを行います。

2. 保湿:肉球が乾燥しすぎると、痒みが生じ、舐めることで指間炎を引き起こす可能性があります。そのため、肉球が乾燥しやすい犬には、犬用の保湿ローションやスプレーを使用して、肉球が乾燥しないようにします。

3. ストレスの発散:犬がストレスを感じると、手足を舐めることが多くなり、指間炎が悪化する可能性があります。そのため、散歩や遊びを通じてストレスを発散させ、知育玩具を使用して退屈を防ぐことが推奨されます。

4. 日々の観察:犬が足裏をしきりに舐めている時は、外傷や指間炎のサインです。散歩後などに足裏を清潔にするのと同時に、問題がないかチェックしてあげる習慣をつけておくと異常に気付きやすくなるでしょう。

編集部まとめ

犬を抱き上げる女性

ここまで犬の肉球が赤いことについてお伝えしてきました。
犬の肉球が赤いことについての要点をまとめると以下の通りです。

  • 犬の肉球は、足を保護する役割や体温調節の役割、地面の温度を感知する役割を持っている
  • 犬の指間炎は、犬の足の指と肉球の間に生じる炎症性の疾患で、赤みや腫れを引き起こす
  • 指間炎の犬にできることとして、犬が患部を舐めたり噛んだりしないようにすることや塗り薬を使用することなどが挙げられる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献