愛犬がいびきをかく姿を見て、かわいいと思いつつも少し心配になることはありませんか?いびきが単なる寝息なのか、それとも健康に問題があるサインなのかを見極めることは重要です。
本記事では犬のいびきについて以下の点を中心にご紹介します。
- 犬のいびきの原因と病気の関係
- いびきをかきやすいとされる犬種
- 気を付けた方がよい犬のいびきの症状と受診の目安
犬のいびきについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
目次 非表示
犬のいびきの原因
- 犬のいびきの原因には何がありますか?
- 犬も人間同様、睡眠中に喉の筋肉がゆるむことがあり、このゆるみにより喉が狭くなり、結果的にいびきをかくことがあります。どの犬でも起こり得る現象ですが、喉が狭い犬種や、喉の狭さを引き起こす異常や病気を抱える犬では、いびきがより顕著になることがあります。その他、肥満や加齢、アレルギー、感染症、病気、先天的な構造異常などが関わることがあります。
また、異物を誤って飲み込んだ場合、鼻や喉に植物の種子やドッグフードなどが引っかかってしまうことがあります。このような異物が取れなくなると、呼吸時に音がしたり、急にいびきをかくようになったりすることがあります。このような症状が見られたら注意が必要です。
- いびきをかきやすいとされる犬種を教えてください
- いびきをかきやすい犬種には、短頭種と呼ばれる鼻の短い犬が含まれます。代表的な犬種としては、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグ、パグ、ペキニーズ、ボストン・テリア、シー・ズー、チワワなどが挙げられます。
これらの犬種は頭蓋骨が広く、鼻先が短いため、気道が狭くなりやすく、空気が通りにくい構造となっています。そのため喉が振動しやすく、いびきをかくことが多いようです。
また、軟口蓋過長症や鼻孔狭窄など、呼吸器系の異常も見られることがあり、これがいびきの原因をさらに悪化させることがあります。
犬のいびきと病気の関係
- 犬のいびきの原因が病気の可能性はありますか?
- 前項で述べたように、いびきは睡眠中の筋肉の緩みにより気道が狭まり発生します。しかし、いびきが急に大きくなったり、息苦しそうな様子が見られるときは病気の兆候であるケースがあるため注意が必要です。主ないびきの原因となる病気を、以下に述べます。
【肥満】
肥満の犬は、喉周辺の脂肪蓄積が気道を圧迫して空気の流れが悪くなることでいびきを引き起こしやすく、呼吸器や心臓にも負担をかけるため、体重管理が重要です。
【アレルギーや鼻炎】
アレルギーや感染症によって喉の粘膜が腫れたり、鼻づまりが生じることで空気の通りが悪くなることがあります。アレルギーが原因の場合は、くしゃみや鼻水の症状も伴うことがあります。特にタバコの煙は悪化の要因となるため、禁煙や空気清浄機の設置が推奨されます。
【腫瘍】
鼻腔や口腔内の腫瘍も原因の一つで、気道が圧迫されることでいびきが発生します。起きているときにも呼吸音がする、鼻水や出血がある場合は、早期の検査と治療が必要です。
【先天性の病気】
その他、軟口蓋過長症などの先天的な構造異常があると、喉をふさいで空気の通りを妨げ、いびきの原因となることがあります。
このような症状が見られる際は、いびきを単なるものとせず、早めに獣医師の診察を受けましょう。
- 犬のいびきは放置しても大丈夫ですか?
- 犬のいびきを放置してもよいかどうかは、いびきの原因や症状により異なります。いびきそのものはよく見られる現象で、短頭種の犬では起こりやすく、普段どおりのいびきであれば心配する必要はありません。
しかし、急にいびきが強くなったり、以前はなかったのに突然いびきをかくようになった場合は注意が必要です。これは呼吸器に何らかの異常が生じている可能性があるためです。
先述したとおり、肥満が原因で気道が狭くなり、いびきを引き起こすこともありますし、アレルギーや感染症により喉が炎症を起こし、空気の通りが悪くなっているケースも考えられます。
また、鼻や喉に腫瘍ができた場合にもいびきが増えることがあります。こうした場合、犬が呼吸を楽にするために頭を持ち上げた姿勢をとることが多くなります。
いびき以外にも呼吸が苦しそう、元気がない、食欲が低下しているといった症状が伴う際は放置せず、速やかに獣医師の診察を受けるべきです。
- 気を付けた方がよい犬のいびきの症状を教えてください
- 気を付けた方がよい犬のいびきの症状には、普段と異なる音の変化や伴う症状が挙げられます。
まず、これまでいびきをかかなかった犬が急に大きな音でいびきをかき始めたり、いびきの音が以前と比べて強くなった場合は注意が必要です。このような変化は、呼吸器に何らかの異常が発生している可能性があるため、早めの診察が推奨されます。
また、いびきだけでなく、活動中の呼吸音がガーガーと響いたり、少し運動しただけで息切れをして休んでしまうような場合も要注意です。このような症状の原因の一つとして気道が狭くなっていることが挙げられ、特に、肥満やアレルギー、感染症、腫瘍、心臓病などの可能性もあるため、呼吸音が普段と違うと感じたら速やかに獣医師に相談しましょう。
いびきの原因を見極め、病気の兆候を見逃さないためにも、いびきの変化に気を配ることが犬の健康管理には重要です。
犬のいびきの対処法
- 犬のいびきが治まらない場合、何かできることはありますか?
- 犬のいびきが治まらない場合、まず試してみたいのは体勢の調整です。仰向けや横向きに寝ていると気道が狭くなりやすいため、犬をうつ伏せにして呼吸がしやすい体勢に変えてあげると効果が期待できます。
居住環境も大切で、特に高温多湿は呼吸を苦しくする可能性があるため、室温や湿度を快適な範囲に保つことが推奨されます。アレルギーの可能性がある場合、部屋の掃除を徹底してアレルゲンを取り除くことも、いびきの改善に役立ちます。
また、肥満が原因の場合は、ダイエットを通じて喉周りの脂肪を減らすことで、気道が広がり、いびきが軽減されることがあります。
軟口蓋過長症や鼻孔狭窄などの呼吸器の異常がある場合は、外科的な治療が必要になることがあります。
- 犬のいびきの予防法はあるのでしょうか?
- 犬のいびきの予防には、生活環境の見直しや健康管理が重要です。
まず、肥満がいびきの原因となることが多いとされるため、適度な運動や食事制限を通じて理想体重を維持することが大切です。毎日の散歩や活動量を増やすとともに、おやつの量も調整するとよいでしょう。
アレルギーや喉への刺激もいびきの一因です。タバコの煙や埃などが喉や鼻を刺激すると、呼吸が妨げられていびきをかくことが増えるため、定期的に掃除を行ったり、空気清浄機を設置したりして、空気の汚染を取り除きましょう。また、アレルギーが疑われる場合は、獣医師と相談し、原因物質を特定して取り除くことが大切です。
さらに、寝る体勢を変えることも予防に役立ちます。仰向けや横向きに寝ると気道が圧迫されやすいため、犬がうつ伏せで寝られるようにサポートしてあげるといびきが軽減されることがあります。
編集部まとめ
ここまで犬のいびきについてお伝えしてきました。
犬のいびきについて、要点をまとめると以下のとおりです。
- 犬のいびきは、肥満、加齢、アレルギー、感染症、または軟口蓋過長症などの先天的な異常が原因で発生することがあり、肥満では喉周りの脂肪が気道を圧迫し、加齢では筋肉が緩むことでいびきが増える傾向があり、アレルギーや鼻腔の腫瘍が気道を狭める場合もある
- 短頭種であるフレンチ・ブルドッグやパグ、シー・ズーなどは、鼻が短く気道が狭いため、いびきをかきやすい犬種で、これらの犬種は、軟口蓋過長症や鼻孔狭窄といった呼吸器の問題も多いとされ、いびきを悪化させることがある
- これまでいびきをかかなかった犬が急に大きな音でいびきをかき始めたり、いびきの音が以前と比べて強くなった場合、また起きているときにも呼吸音がする、鼻水や出血がある場合は、何らかの異常が発生している可能性があるため、早めの受診が必要。いびき以外にも呼吸が苦しそう、元気がない、食欲が低下しているといった症状が伴う際も速やかに獣医師の診察を受けるべき
犬のいびきはかわいらしいものですが、健康状態の変化を示すサインでもあります。いびきが突然大きくなったり、呼吸が苦しそうな場合は、何らかの異常が潜んでいる可能性もあるため、早めに獣医師に相談することが大切です。日頃からいびきや呼吸音の変化に気を配り、愛犬の健康管理に役立てていきましょう。
本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。