ペットホテルは、ペットを短期間預けられる宿泊施設で、快適なサービスを提供してくれるため、留守番させるのが不安なときに頼れる存在です。特に、早朝から預けられるペットホテルは、飼い主が早朝に出発しなければならない旅行や出張、仕事の際に大変便利です。この記事では、早朝から預けられるペットホテルの概要や選び方のポイント、費用相場、そして利用時の持ち物や事前準備について解説します。
早朝から預けられるペットホテルとは

仕事が早くから始まったり、旅行で早朝便に乗ったりする際は、ペットを早朝から預けたいときがありますよね。本章では早朝から預けられるペットホテルの営業時間とその特徴について解説します。
早朝から預けられるペットホテルの営業時間
通常のペットホテルは朝9~10時頃に開店することが多いですが、早朝から預けられるペットホテルでは受付時間がより早く設定されています。例えば、朝7時台から受け入れてくれるホテルや、事前予約によりさらに早い時間のチェックインに対応してくれる施設もあります。
なかには24時間体制でスタッフが常駐し、深夜・早朝でも受け入れ可能というペットホテルもあり、早朝4時から夜中24時まで対応可能(時間外は手数料あり)といった例もあります。こうした柔軟な営業時間のホテルなら、飼い主は早朝出発の日でも安心してペットを預けることができます。
もし利用予定のホテルが早朝受付に対応していない場合は、前日の夜に宿泊で預けておくことも検討しましょう。早朝のチェックインに対応できるかどうかは施設によって異なるため、事前に問い合わせて確認することが大切です。
早朝から預けられるペットホテルの特徴
早朝受け入れに対応するペットホテルは、その柔軟さを支えるために充実した体制やサービスを備えているのが特徴です。多くの場合、スタッフが24時間常駐してペットを見守っているため、夜間から早朝にかけてもペットの様子をチェックできて安心です。
早朝から預けられるペットホテルは飼い主のライフスタイルに合わせて柔軟に対応してくれる便利さが魅力です。また、スタッフも専門知識を持つ人材(愛玩動物看護師やドッグトレーナーなど)が揃っているホテルもあり、ペットのケアを質の高いレベルで行っています。早朝や深夜でも対応できる体制がある分、緊急時の対処もスムーズで、ペットにとって安全・快適な環境が整えられているといえるでしょう。
早朝から預けられるペットホテルを選ぶポイント

では、早朝から預けられるペットホテルはどのような点に注意すればよいでしょうか。本章では早朝から預けられるペットホテルを選ぶ3つのポイントについて解説します。
獣医師が運営しているか
ペットホテルを選ぶ際には、獣医師や動物病院が運営しているかどうかも重要なチェックポイントです。動物病院に併設されたペットホテルや、スタッフに獣医師・愛玩動物看護師がいるホテルであれば、ペットが急に体調を崩した場合でも迅速に対応できる可能性があります。スタッフが獣医師や愛玩看護師であれば急な体調不良時にも素早い対応が期待できますし、動物病院主体のホテルでは投薬や健康チェックなどきめ細かなケアを行ってくれることも少なくありません。
持病のあるペットや高齢のペットは一般的なペットホテルでは断られることもありますが、獣医師運営のホテルであればそうした場合でも相談しやすいでしょう。このように獣医師が運営に関わっているペットホテルは医療面のバックアップが強みであり、ペットの健康が心配な飼い主にとって安心材料となります。
緊急時の対応は十分か
ペットホテル滞在中に万一ペットの容体が急変したり、ケガや病気の症状が出た場合に備えて、緊急時の対応体制が整っているかを事前に確認しましょう。具体的には、夜間にペットが体調を崩した場合にどう対処してくれるかを聞いておくと安心です。
早朝から預けられるペットホテルは24時間体制であることが多いため安心ですが、それでも具体的な緊急対応マニュアルの有無や緊急連絡先の確認など、万全の備えがある施設か見極めておくことが大切です。何かあった際に迅速かつ適切に対処してもらえるホテルであれば、飼い主も安心して預けることができるでしょう。
ペットに合ったオプションがあるか
ペットホテルごとに用意しているサービスやオプションはさまざまです。愛犬・愛猫の性格やニーズに合わせて、ペットに合ったオプションや環境が整っているかを確認しましょう。例えば、活発な犬であればドッグランや散歩サービスが充実しているホテルが適していますし、神経質な猫であれば犬とは別空間で静かに過ごせる猫専用ルームのあるホテルが望ましいでしょう。ペットホテルには、ケージやクレートで個別に預かるタイプのほかに、昼間は広いプレイルームでほかのペットと遊ばせて夜だけケージで休むスタイル、完全個室で過ごせるタイプなどさまざまな部屋タイプがあります。ペットが狭い場所に慣れているか、ほかのペットと一緒でもストレスを感じないかなど、その子の性格や生活習慣を考慮して環境を選ぶことが大切です。
また、ホテルによってはグルーミング(トリミング)やしつけトレーニング、ライブカメラによる見守りサービスなどオプションも豊富です。こうした追加サービスが必要かどうか、ペットにとってプラスになるかも判断材料にしましょう。さらに、犬猫以外の小動物や鳥類を飼っている場合は、それらを受け入れてくれるホテルかどうかも要確認です。なかにはハリネズミやモルモットなどの小動物、インコやオウムなどの鳥類まで幅広く預かってくれるホテルもあります。各ペットホテルで特徴やサービス内容は異なりますので、ペットの種類・性格・健康状態、そして飼い主の利用目的に応じて適切なホテルを選ぶことが重要です。
早朝から預けられるペットホテルの費用相場

ペットホテルの料金は動物の種類や大きさ、預ける期間、地域や設備のグレードによっても変動しますが、ここでは一般的な相場を動物別に紹介します。早朝対応可能なペットホテルだからといって極端に高額になるわけではなく、基本的には通常のペットホテルの相場に準じます。ただし営業時間外の受付に対する割増料金(時間外手数料)が設定されている施設もありますので、その点は各ホテルの料金表で確認してください。
猫の費用相場
猫の場合、1泊あたり約3,000~5,000円が相場です。地域やホテルのグレードによって上下しますが、大きく逸脱することはありません。この範囲内でサービス内容が充実しているほど高めになる傾向があります。猫は環境の変化に敏感なため、多少費用が上がってもストレスの少ないサービスを選ぶことが望ましいでしょう。
犬の費用相場
犬のペットホテル料金は体格によって差が大きく、小型犬で1泊約3,000~4,000円、中型犬で3,500~4,000円、大型犬では5,000~6,000円、超大型犬になると6,000~7,000円程度が目安です。犬の場合、身体が大きいほど必要なケージやスペースも広くなるため料金が高くなる傾向があります。また、散歩代行やシャンプー・トリミングなどをオプションで付けると追加料金が発生することがほとんどです。なお、超大型犬や特殊犬種(超大型犬種など)は受け入れ可能なホテル自体が限られるため、早朝対応かどうかに加え、その犬種に対応できる施設かどうかを事前に確認する必要があります。
小動物の費用相場
ウサギやモルモット、ハムスターなど小動物の場合、1泊あたり約1,000~3,000円が相場です。小動物は犬猫に比べて身体もスペースも小さいため安価ですが、専門的なお世話が必要な場合には追加料金がかかることもあります。また、小動物の場合自宅のケージごと預けることが多く、そのケージサイズによって料金が変わることがあります。ホテルによっては、小動物の種類ごとに細かく料金を設定していることもありますので、預けたいペットがこの範疇に入る場合は事前に問い合わせて料金を確認するとよいでしょう。
鳥類の費用相場
インコやオウムなど鳥類の場合、1泊あたり約1,000~3,000円が相場です。鳥も基本的には飼い慣れた鳥かごごと預けるのが一般的であり、鳥かごの大きさが料金に影響します。小型の鳥(セキセイインコなど)と大型の鳥(オウムなど)ではケージサイズも餌の量も違うため、料金にも差が出ます。また、1つのケージに1羽だけ預ける場合と、複数羽を同じケージで預ける場合でも料金が異なることがあります。鳥類を預ける際は、鳴き声や温度管理など特有の配慮も必要になるため、多少費用がかかったとしても鳥の習性に詳しいスタッフがいるホテルを選ぶと安心です。
早朝にペットホテルを利用する際の持ち物と事前準備

早朝にペットホテルへペットを預けることになったら、前日までに必要な持ち物の準備や当日に向けた下準備をしっかり行いましょう。朝は慌ただしくなりがちですので、余裕を持って用意することが大切です。
早朝に預ける際に必要な持ち物
本章では早朝にペットホテルを利用する際に必要な持ち物リストと、預ける前に準備しておきたいことを項目別に説明します。
フードやサプリ、薬
ペットが普段食べ慣れているフードは必ず持参しましょう。環境が変わるだけでもペットにはストレスなので、食事だけでもいつもと同じものを与えることが望ましいです。1回分ずつの食事量に合わせて小分けにし、預ける日数分に予備1食分程度を用意して持ち込むと安心です。おやつも与えてよいかホテルに確認したうえで、必要に応じて少量を預けるとよいでしょう。また、持病があったり投薬中のペットであれば常用している薬やサプリメントも忘れずに持参します。薬については、量や投与タイミング、飲ませ方のコツなどをスタッフにしっかり伝えられるようにしましょう。
ケージやおもちゃ、ハーネスなど
ペットが安心して過ごせるよう、普段使っている寝床や毛布、タオル、おもちゃなど匂いのついた愛用品をできる範囲で持たせてあげましょう。環境が変わるとペットは不安を感じやすいですが、自分や飼い主の匂いがついたものがあれば心を落ち着かせる助けになります。ケージについては、犬や猫の場合はホテル側で用意されることが多いですが、小動物や鳥類の場合は自宅のケージごと預けることが一般的です。その際、ケージ内のレイアウト(回し車や止まり木の配置など)もできるだけ普段の環境を再現してあげるとよいでしょう。犬を預ける場合は散歩用のハーネスや首輪、リードも必ず持参してください。特に首輪やハーネスは、普段使い慣れているものでないと万が一の逸走時に外れてしまう危険もあります。
身分証明書や狂犬病予防接種済票など
ペットホテル利用時には各種証明書類の提示を求められることがほとんどです。まず犬の場合、狂犬病予防接種済票の提示が必須な場合があります。加えて、犬・猫ともに一年以内に接種した混合ワクチン(犬なら5種以上、猫なら3種以上)のワクチン接種証明書が必要になることもあります。これらは集団感染予防の観点から、どのホテルでも厳重に確認されます。そのほか、ペット保険に加入している場合は保険証のコピーを求められることもあります。早朝にバタつかないよう、こうした書類関係は前日までに一式まとめてバッグに入れて準備しておくとよいでしょう。
ペットを預ける前に準備しておくこと
これらの必要物品が準備できたら次に行うこと、そして預ける際に必要なことについて解説します。
すべての持ち物に記名しておく
ペットホテルに持ち込むフード容器やおもちゃ、毛布などの持ち物には、可能な限りペットの名前や飼い主名を記入しておきましょう。特に、ほかの宿泊ペットと紛れそうなものにはタグやシールで名前を書いておくと、スタッフが管理しやすくトラブル防止になります。持参した薬のパッケージにもペット名を書いておくと、ホテル側での投薬ミスを防ぐ助けになります。細かな手間ですが、愛するペットの持ち物管理を徹底するための工夫としてぜひ行ってください。
ペットの体調を伝えられるようにしておく
ペットを預ける前に、その時点での健康状態を把握し、必要に応じてスタッフに伝えられるよう準備しましょう。環境が変わることで、元気なペットでも体調を崩すことがあります。そこで、預ける直前にかかりつけの動物病院で健康チェックを受けておくと安心です。特に、高齢のペットや持病のあるペットの場合は、最新の健康状態を把握したメモ(持病やアレルギー、日頃の投薬スケジュール、食事内容、排泄や睡眠のリズムなど)を用意し、ホテル側に共有するとよいでしょう。ペットホテルによっては受け入れに健康条件を設けている場合もあります。事前に確認し、該当する場合は予約時に申告しておきましょう。また、当日の受付時にはペットの体調や性格について遠慮なく伝えてください。必要ならペットの情報メモを書面で用意し、スタッフに手渡すのもよい方法です。飼い主としてペットのコンディションを把握し、それを適切に預かりスタッフに引き継ぐことが、ペットにとって快適で安全なホテル滞在につながります。
まとめ

早朝から預けられるペットホテルは、飼い主の早朝出発や不規則なスケジュールに柔軟に対応してくれる心強いサービスです。通常のペットホテルと比べて受付時間が早かったり24時間体制であったりする反面、基本的なサービス内容や注意点は共通しています。大切なのは、ペットにとって安全で快適なホテルを選び、十分な準備をして預けることです。信頼できるペットホテルを見つけておけば、いざというとき早朝でも安心して愛するペットを任せることができます。飼い主の皆さんもペットも笑顔で再会できるよう、万全の準備でペットホテルを活用してください。
参考文献