旅行はペットも泊まれる宿などが増えていますが、冠婚葬祭で遠方へ出かけるときペットを連れて行くのが難しいことがあります。
式場の近くに宿泊しても、行事の間はペットが一人で過ごすことになってしまいます。
このようなとき、ペットホテルを利用できたらとても助かります。しかし気になるのはペットのストレスです。特に運動や散歩が大好きなペットなら、なおさらでしょう。
本記事では、ペットホテルで散歩が可能かどうか、また確認すべきポイントについて解説します。
ペットホテルでの散歩について
- ペットホテルでは散歩をしてもらえますか?
- ペットホテルには、散歩が可能なホテルと、そうではないホテルがあります。都心や駅前などの立地が便利なホテルは預けるときは便利ですが、ホテルの前が車の通る道路だったり、通行人が多かったりと散歩に適さない環境もあります。
一部のホテルでは、館内に散歩コースを設けており、その場合は屋内散歩が可能です。郊外のホテルでは運動場を併設しているものや、近隣に散歩可能な道があり散歩を朝と夜の2回連れて行ってもらえるものもあります。
- ペットホテルが散歩を行っていない場合の理由を教えてください
- ペットホテルの立地や規模によってさまざまな理由があります。
- 周辺環境の危険度
- ペットの逃亡
- 散歩による怪我や賠償
- 散歩中のペットとのトラブル
- スタッフの不足
- 散歩時の糞尿
飼い主さんとホテルの間でトラブルになるのが、ペットの怪我や逃亡です。状況によっては高額の賠償請求に及ぶこともあります。特に繁華街や交通量の多い地域では、外での散歩中に通行人や車との接触といったトラブルが発生しやすいです。
またホテルのスタッフ数が愛護法の最低ラインの場合、スタッフの休憩時間確保の都合上、散歩に行くと預かり中のペットのお世話が十分にできない状況があります。散歩時の糞尿の始末が、地域住民とのトラブルになりやすいことも理由の一つです。
- ペットホテルが行う散歩のメニューを教えてください。
- ホテルによりメニューは変わります。
- 同時に散歩させる犬の頭数
- ドッグランがある
- ホテル内での散歩のみ
散歩の回数は1日1回から3回が一般的です。朝と夜(夕方)の2回や、朝昼晩の3回散歩を行うホテルもあります。スタッフが散歩に連れて行く場合は、一度に複数のペットを連れて行くケースと、1人が1頭を連れて行くケースの2通りです。ホテルの横にドッグランがある場合は、スタッフが一緒にドッグランで遊びます。ドッグランが嫌いな犬や苦手な犬には向きませんので、気をつけましょう。
また屋外の散歩は、雨天や悪天候では実施されないことがあります。ホテル内に散歩コースを設けている施設では、スタッフが預かっている犬をコースに沿って散歩させます。ショップ併設のペットホテルでは、屋内の散歩コースが販売スペースも兼ねており通路の幅が狭いため、スタッフ1名が1頭を散歩させるのが一般的です。
ペットホテルで散歩をしてくれる場合に確認すべきこと
- 運動量が多いペットは散歩の時間を増やしてもらえるのでしょうか。
- ペットホテルの規模と受け入れ態勢やホテルのルールによります。散歩が別料金設定で、時間の規定があり長時間オプションがあれば可能でしょう。通常、散歩時間の規定がないホテルでは対応が難しいですが、ペット美容室に併設された小規模なホテルでは、長年の顧客であれば要望に応じてくれる場合もあります。
- 足が不自由な犬でも散歩をしてもらえますか?
- 足が不自由な犬の散歩は基本的には受けないことになります。理由としては以下の理由が挙げられます。
- 足の不自由さの程度
- 距離
- 歩くスピード
- 途中で動けないときの対応
- 医療関係者不在
かかりつけの動物病院のホテルなら、受けてもらえる可能性があります。通常のホテルでは、足が不自由になった原因や経緯がわからないため、散歩の距離やスピードなどの適切な判断ができず対応は難しいでしょう。獣医師が常駐するペットホテルは少なく、万一足の症状が悪化しても、処置できないことも理由の一つです。
- 散歩の有無以外にも確認した方がいいことを教えてください。
- ペットホテルを選ぶ際は、散歩以外にも確認すべきポイントがあります。
- 免許(動物取扱業)開業何年か
- 責任者の保有している資格やキャリア
- オーナーの人となり
- 対応係員の態勢・資格やキャリア
- 店内の清潔さ・広さ
- 宿泊可能ペットの種類とサイズ
- ペットが入る部屋
- 夜間の対応
- 感染症対策
- ペット預かりの頭数
- 高齢のペット
- 送迎の有無
- 預かり中の連絡
- お試し宿泊の有無
- 使用者の感想
ペットホテルを開業するため動物取扱業として、該当する都道府県で登録されているかは必須の条件です。オーナーまたは店長に直接会って話を聞き、飼い主さんが余り好ましくないと感じたら、ほかのホテルも確認してみましょう。オーナーや店長が、ペットに関する資格を持っているかも確認してみましょう。JKC公認訓練士やJKC公認トリマー、愛玩動物飼養管理士などさまざまな資格があります。
ペットの種類や大きさを伝え、宿泊可能かどうかを事前に確認しましょう。ホテルの店内の雰囲気や清掃状況、スタッフの人数や動物への接し方なども大事です。ペットが過ごす部屋の大きさや清潔さや夜間スタッフが滞在するかも確認します。夜間スタッフが不在だと、問題発生時に対処してもらえなくなります。
また飼い主さんの愛犬が高齢なら、何歳まで預かり可能かは確認ポイントです。ほかには送迎サービス・預かり中の動画撮影の有無・お試し宿泊も確認します。実際に利用した方の感想を調べておきましょう。
ペットホテルの散歩について確認することは次のとおりです。- 散歩の場所
- リードの本数
- 1日の回数
- スタッフ一人の担当ペット数
- 雨天の対応
- 大型犬の対応
散歩の質が低いと、かえってペットにストレスを与えたり危険を招いたりする可能性があります。散歩場所・使用するリードの本数・1日あたりの散歩回数一人のスタッフが担当するペットの数などを確認することが重要です。できれば一人1頭のホテルが好ましいといえます。また雨天時は室内で遊ばせるのか、大型犬の散歩時間なども確認しましょう。
ペットホテルでの犬・猫の対応の違い
- 犬はペットホテルで散歩しないとストレスがたまりますか?
- 長期宿泊の場合、犬にストレスがかかることがあります。特に毎日散歩を日課としている犬は、不慣れな環境で散歩ができないと、さらにストレスが溜まる可能性があります。
ただ性格がとても臆病な犬であれば、散歩を嫌がることもあるのでストレスが軽減するかもしれません。小型犬や超小型犬はホテルスタッフと遊ぶことで、ストレスが発散される場合もあります。
- ペットホテルでの散歩が必須の犬種は何ですか?
- 散歩が必須の犬種は、猟犬や牧羊犬など運動量が多い犬種です。例として、サモエド・ジャーマンシェパード・ジャックラッセルテリア・ウェルシュコーギー・ダルメシアン・柴犬・ボーダーコリー・ゴールデンレトリバー・バーニーズマウンテンドッグ・シベリアンハスキーなどが挙げられます。また犬種によらず、普段歩くのが好きな犬は散歩が必須といえるでしょう。
- 猫も散歩は必要ですか?
- 猫は垂直方向へ運動するため、ホテルでの散歩は逃亡の恐れもあり基本的には不要です。
編集部まとめ
初めてペットホテルを利用するときは、なじみのある動物病院や美容院併設のホテルを試してみてはいかがでしょうか。
特にペットがその場所になじみがあれば、ストレスは少しだけ和らぐかもしれません。その病院や美容院のスタッフが好きなペットならさらによいかもしれません。
必要なときに備えて、一時預かりやお試し宿泊を利用してペットを徐々に慣れさせましょう。
参考文献