ハムスターをはじめ、ペットは大切な家族であり、いつでも一緒にいたい存在と思う方も多いでしょう。
しかし出張や旅行などで、離れて過ごさなければならないときもあるのではないでしょうか。
そんなときの選択肢としてペットホテルが挙げられます。
この記事では、ハムスターをペットホテルに預ける際の選び方と注意点についてご紹介します。
あなたがそばにいられないとき、ハムスターに快適に過ごしてもらえるよう参考になれば幸いです。
ハムスターにとって快適なペットホテルの選び方
ハムスターにとって快適なペットホテルを選ぶときに大切なポイントは、以下の6点です。
- 快適な環境を提供しているか
- スタッフの対応や小動物への専門知識があるか
- ハムスターのストレスを減らす工夫があるか
- 定期的に連絡や写真を送ってくれるサービスがあるか
- 温度や湿度管理の対応が適切か
- ほかのペットとの接触を避ける配慮があるか
それぞれ詳しく見ていきましょう。
快適な環境を提供しているか
ハムスターが快適に過ごせる環境をホテルが整えているかどうかを確認することは大切です。
なぜならハムスターは繊細な性格で、ストレスに弱いからです。具体的には以下の4点を確認できるとよいでしょう。
- ペットホテル内の清潔さや清掃状況など、衛生状態が適切に管理されているか
- ペットホテル内外の騒音はできるだけ抑えられているか
- 食事が定期的に与えられているか
- 動物病院や獣医と提携しており、体調不良となったときの体制が整っているか
特に衛生面と食事面は、事前にペットホテルを訪問して自分の目で確かめることが重要です。
もし直接見ることが難しい場合でも電話やメールで聞くなど、できる方法で確認しましょう。
短期間の利用でも、ペットホテルがハムスターにとって快適な環境を提供しているか、確認することは重要です。
スタッフの対応や小動物への専門知識があるか
スタッフがハムスターの特性や習性を理解した対応をしているかを確認する必要があります。
なぜなら、小動物であるハムスターは、生活環境の変化に敏感だからです。
環境の変化で健康を損ない、下痢などの体調不良が引き起こされるケースも少なくありません。
そうならないためには、スタッフがハムスターの健康を定期的にチェックしているかが重要です。
ペットホテルを選ぶ際は、実際に事前に訪れてスタッフと話すこともおすすめです。
獣医師との連携体制が整っているか、スタッフが愛情をもってペットに接しているかを直接確認できます。
施設の雰囲気を直接確かめ、迅速に適切な対応をしているかどうかという点もペットホテルを選ぶ際にポイントとなるうちの一つです。
ハムスターのストレスを減らす工夫があるか
ハムスターが快適に過ごすためには、ハムスターのストレスを減らす工夫がされているかという点も判断材料となります。
なぜなら、ハムスターのような小動物は繊細で、ストレスを感じやすいからです。
例えば自宅にいる際でも、洗濯機の音や芳香剤の香りなど、人間の生活音やわずかな匂いがストレスの原因となります。
ペットホテルに預けるということは、ハムスターにとって環境が一変し、その新しい環境にストレスを感じる可能性が高まるということです。
また、ストレスを大きく感じたハムスターは、体調を崩しやすい傾向にあります。
ハムスターが普段の食事や使用物品を持ち込めるかペットホテルに尋ねることも、預けている期間中、自宅と同じように快適に過ごしてもらうために大切です。
これらの理由から、ハムスターのストレスを減らす工夫があるかは、ペットホテルを選ぶ際の一つのポイントです。
定期的に連絡や写真を送ってくれるサービスがあるか
飼い主の方のなかには、預けている間も定期的にハムスターの様子が知りたいという方も少なくないのではないでしょうか。
そんな方のために、ペットホテルのなかには定期的にハムスターの様子を連絡してもらえるサービスをもつところがあります。
具体的には、写真付きメールや動画などペットホテルでの生活のレポートをSNSに送ってもらえるサービスのことです。
すべてのペットホテルに存在するサービスではないので、利用したい方はペットホテルに問い合わせてみましょう。
温度や湿度管理の対応が適切か
ハムスターが快適だと感じる温度は20〜25度、湿度は40〜60%とされています。
ハムスターが過ごす場所が、適切な温度や湿度で管理されているかも、ペットホテル選びで大切な判断材料の一つです。
なぜなら、ハムスターは寒さ・暑さや高湿度・低湿度に弱い生き物だからです。
温度に関して、生活環境が15度以下になると低体温症(疑似冬眠)のリスクが、28度以上になると熱中症の危険性が高まります。
湿度が高すぎると呼吸器の機能に影響があり、反対に低すぎると人間と同様に風邪をひきやすくなったり肌荒れを起こしやすくなったりします。
適正な温度と湿度に保つ方法にも注目が必要です。
暑い日でも扇風機やエアコンの風が直接当たっていれば、ハムスターにとっては不快であり、さらには体温を急激に下げてしまう可能性があります。
寒い日も同様に、ヒーターの風が直接あたるような管理はハムスターにとってよくないとされています。
ハムスターにとって快適な温度と湿度であるか、およびその管理方法は適切かを確認することが大切です。
ほかのペットとの接触を避ける配慮があるか
ペット同士の接触を避けるように、ペットホテル側が配慮しているか確認することも重要です。どのような管理体制で飼育しているかをチェックしましょう。
同じペットホテル内でほかの動物、特に犬や猫などの大きな動物がいる場合、ハムスターなどの小動物とは別室であるかを確認する必要があります。
なぜなら犬や猫が簡単にハムスターのケージに近付ける環境では、ケガのリスクが高まるためです。
安全性の高い管理体制が整っているかを確認することは、ハムスターが穏やかに過ごすために必要といえます。
ハムスターをペットホテルに預ける際の費用相場
ハムスターをペットホテルに預ける費用の相場は、一泊あたり2,000〜3,000円とされています。
ホテルが行ってくれるサービスの内容によっても値段の違いはあるようです。
大きなケージで預ける場合、複数匹を預ける場合に追加料金がかかることがあります。
事前にペットホテルに料金について尋ねて確認することで、当日の混乱が避けられるでしょう。
預ける前に飼い主が準備するべきこと
ペットホテルに預けることが決まったり、預けるペットホテルが決まったりしたらそれで終了ではありません。
準備を怠ってしまうと預かりを拒否されてしまうこともあります。
このような事態を防ぐために、預ける前に飼い主が準備するべきことが次の2点です。
- 健康状態のチェックと必要書類の準備をする
- ペットホテルにハムスターの習性を伝える
それぞれ詳しくみていきましょう。
健康状態のチェックと必要書類の準備をする
動物病院などで健康診断を受けることは、ハムスターをペットホテルに預ける前に、飼い主が準備しておくことの一つです。
健康診断をしないまま体調の悪いハムスターをペットホテルに預けると、滞在中に体調が悪化することがあるからです。
またペットホテル宿泊中に病気が悪化して症状が現れた場合、ペットホテルから動物病院へ診察を受けにいってもらうこととなるため、診察代や送迎などの費用がかさみます。
持病や直前でかかった病気がある場合は、紙にまとめておくのもよいでしょう。
かかりつけの動物病院で健康診断を受け、体調が安定していることを確認することは、ペットホテル滞在中にハムスターが快適に過ごすために必要です。
ペットホテルにハムスターの習性を伝える
ペットホテルにハムスターの習性を伝えることも、事前準備の一環です。
それぞれの自宅環境で過ごすハムスターは独自の習性を持っています。
それをペットホテルのスタッフに伝えることで、ストレスの軽減につながったり、ハムスターが安全性の高い環境で過ごすことができたりするからです。
ペットホテルによっては預ける際、もしくは事前にヒアリングシートを記入することがあります。
攻撃性・脱走癖・ストレス感じやすいなどの習性を、飼い主が普段それらの習性にどのように対応しているかとあわせて伝えておくと、ハムスターが快適に過ごしやすくなるでしょう。
ハムスターを預ける際の注意点とトラブル防止策
ハムスターを預ける際の注意点とトラブル防止策について、3点飼い主が知っておいた方がよいことがあります。
- ハムスターの健康チェックを事前に行う
- 夜行性であることを理解しておく
- 脱走しないようにペットホテルの環境を確認する
それぞれ詳しくみていきましょう。
ハムスターの健康チェックを事前に行う
ハムスターを預ける際は、健康チェックを事前に行うことでトラブルを防げます。
体調不良や感染症をもつハムスターをペットホテルに預けた場合、ほかのペットにも影響があるからです。
多数のペットが出入りしているペットショップでは、感染症への対策は衛生管理の面からみて大変重要です。
健康診断とあわせて、ノミ・ダニ予防をしておきましょう。
なぜなら、預けるハムスターへ影響すると同時に、ペットホテル内で一緒に過ごすほかのペットへも影響するからです。
預けるハムスター自身の健康を守り、ほかのペットへの悪影響を防ぐためにも、健康チェックは必要といえるでしょう。
夜行性であることを理解しておく
ハムスターは夜行性であることを理解しておくことも預ける際の注意点の一つです。
夜行性であることを理解せずにペットホテルを選ぶと、ハムスターにとって不適切な環境で過ごすことになります。
夜間に体調を崩したりケガをするなど夜行性であるがゆえの活動により飼い主に連絡がくることがあるからです。
そのため、ペットホテルを選ぶ際は夜間にもスタッフがいるか、夜間に活動するハムスターが日中静かに暮らせるように配慮されているかを確認することが大切です。
環境の変化によってハムスターに異変が起きやすいため、飼い主は夜間の連絡に備えることが必要となるでしょう。
これらの理由から、ハムスターが夜行性であることを理解しておくことは重要です。
脱走しないようにペットホテルの環境を確認する
脱走を防ぐために、ペットホテルの環境を確認することは大切です。
ペットホテルの対策としては、
- ケージ外には出さない
- 部屋の出入口に工夫がされている
- ケージ内外の掃除の手順がスタッフに周知されている
などを行っているところがあります。
ペットホテルのホームページでは確認しづらい点のため、訪問や電話などで確認するとよいでしょう。
脱走防止の観点からの環境確認も、ハムスターを安全に預けるために欠かせません。
小動物専門のペットホテルならではの特徴
小動物のみを対象とするペットホテルには、特有の利点があります。
- 小動物専用の施設と設備が整っている
- 小動物に特化した食事やおやつの提供
それぞれ詳しくみていきましょう。
小動物専用の施設と設備が整っている
小動物専門のペットホテルには、専用の施設や設備が整っています。
たとえば、ケージの間隔が適切に空いている、温湿度管理が行き届いているといった点が挙げられます。
大きな声で鳴いたり、激しく動く動物がいないことで、ハムスターが穏やかに過ごせるでしょう。
小動物専用の施設や設備があることで、環境によるストレスを抑えられることが小動物専門のペットホテルに滞在する利点といえます。
小動物に特化した食事やおやつの提供
小動物専門のペットホテルのなかには、小動物に特化した食事やおやつの提供を行うところもあります。
スタッフが小動物がほかの動物と比較して繊細であることを十分に理解し、食事やおやつに関して気を配れるからです。
提供される食事やおやつは食事のタイミングや量、ハムスターの年齢や体重にあわせた栄養素の配合といった質の面で、小動物に特化しています。
食事内容やタイミングへの配慮は、ハムスターが快適に過ごすために欠かせません。
預けた後のフォローアップと飼い主としての対応
ハムスターをペットホテルに預けて、自宅に戻った後にはフォローアップが必要です。
ペットホテル滞在中は元気だったハムスターが、自宅に戻ってからストレスで体調を崩すことがあります。
また、ペットホテルから自宅に戻るということも、ハムスターにとっては自宅からペットホテルに行くときと同じように環境の変化ととらえられます。
ハムスターに久しぶりに会って飼い主はうれしいと感じるでしょうが、慎重な対応が必要です。
また、ハムスターの健康のチェックは預ける以前よりも細かく行う必要があります。
健康をチェックするための項目は以下のとおりです。
- 夜間でも活動しない
- 食欲がない
- 特定の食物を避ける
- 呼吸の異常
- 鳴き声の変化
- 体重の変化
- 軟便や下痢、血尿などの排泄に異変がある
- 皮膚や毛並み、目や鼻などの外見の変化
ハムスターは外敵に知られないように体調不良を隠すことがあります。これらの項目をチェックし、当てはまる場合は動物病院を受診しましょう。
自宅に戻ってからも、ハムスターの習性や癖を考慮し、愛情をもってお世話しましょう。
まとめ
今回は、ハムスターにとって快適なペットホテルの選び方と、預ける際の注意点について紹介しました。ポイントとなることは以下の3点です。
- 繊細なハムスターが快適に過ごせる環境のホテルを選ぶ
- 快適に過ごせる環境とは、衛生面や食事、温度や湿度などの管理体制が整っていることである
- 預ける前後で飼い主は十分な準備とフォローをする必要がある
ペットホテルは便利なサービスですが、ハムスターにとっては大きな環境の変化となり、ストレスを感じる場合があります。
しかし飼い主が、ハムスターのために環境が整ったペットホテルを選び、準備することでそのストレスは軽減されるでしょう。
ペットホテルに滞在するハムスターと、外出する飼い主の双方が快適に過ごし、また仲良く自宅で暮らすために今回の記事が参考になれば幸いです。