愛犬をトリミングして清潔な状態を保つはずが、逆にトリミング後から痒がるような仕草が増えた。そのような経験をして、困ったことはないですか。近年はトリミングショップにお任せするケースもあるため、知らないうちに何かトラブルが起きたのではないかと、不安を抱くこともあるでしょう。今回はトリミング後の痒みをテーマに、考えられる原因や対処法を解説します。気になる予防やケア方法についても、併せて情報をまとめました。
犬がトリミング後に痒がる原因

まずは、犬がトリミング後に痒がる原因を押さえましょう。トラブルの原因を把握しておくと、万が一の際に落ち着いて対処できるだけでなく、更なるリスクを未然に回避することも可能です。
- 犬がトリミング後に痒がるのはなぜですか?
- トリミングの際、犬の毛流れに逆らった処置を施すと、皮膚炎や痒みが生じる場合があります。本来の毛流れとは逆方向に毛を刈ることで、毛の傾きが変わってしまい、育毛時に毛穴の入り口部分で毛が刺さったり、引っ掛かったりするためです。特に、毛の硬い短毛種に起きやすいトラブルであり、適切な対応を取らなければ、強い痒みを伴います。愛犬を洗うときは、可能な限り毛流れに沿うことを意識しましょう。
- トリミング中のシャンプーや薬剤が原因となることはありますか?
- トリミングに使用するシャンプーや薬剤の成分が合わないことで、痒みが生じる場合もあります。特にクレンジングシャンプーはしっかりと汚れを落とす分、刺激が強く、痒みを引き起こしやすいといえるでしょう。加えて、すすぎが不十分なために皮膚に残ってしまったシャンプーも、痒みの原因になり得ます。毛量の多い犬をすすぐ際には、より丁寧に処置することがポイントです。なお、通い慣れたトリミングショップにて、いつもと同じ薬剤を使ったにも関らず、突然皮膚トラブルが生じるケースもあります。犬の体調が万全ではなく免疫力が低下していると、普段と同じ状況でも痒みが出る可能性があるため、日々の健康チェックは入念に行ってください。
- アレルギーによる痒みも考えられるのか教えてください。
- もともとの体質として、特定の成分に対するアレルギーを持っていると、痒みが生じる場合があります。また、生まれつき敏感肌であることが原因で、刺激や反応が出てしまうケースも見られます。愛犬に合う成分がわからないときは、獣医師の判断を仰ぎ、薬用シャンプーなどを処方してもらうとよいでしょう。
- 痒みが続く場合は、病気の可能性がありますか?
- 外耳炎など、耳に病気がある場合には、耳掃除後に痒みがひどくなるケースがあります。痒みが長引き、赤みや汚れもひどいようであれば、病気の可能性を疑いましょう。
犬がトリミング後に痒がる場合の対処法

愛犬が痒がっている様子を見るのは、つらいものです。トリミング後に痒みが出たら、飼い主はどのような対応を取るべきなのでしょうか。ここでは、ケア方法や獣医師の診療を受ける目安について、詳しくお伝えします。
- トリミング後の痒みを軽減するためにできるケアはありますか?
- トリミング後の痒みを何度も繰り返すようであれば、肌の乾燥が原因かも知れません。乾燥肌は放置するとアレルギーを引き起こすため、愛犬の肌に合ったシャンプーを使って丁寧にケアを行い、シャンプー後は犬用の保湿剤で乾燥を防ぎましょう。洋服を着ることも、乾燥対策に効果的です。
- 毎回痒がる場合は、トリミングを受けるのをやめた方がよいですか?
- いきなりトリミングを中止しなくても、トリマーの方に対策を講じてもらうことはできます。まず、バリカン負けを起こしている場合は次回から、軽めにかけるよう意識してもらうか、ハサミでのカットをお願いしましょう。シャンプーが原因の場合は、低刺激のシャンプーを使用したうえで、すすぎをしっかり行うよう依頼してください。また、シャンプーの変化があったのかなどの確認も行うことをおすすめします。短い毛が刺さることを避けるため、長めのカットにしてもらうのも一案です。その他にも、耳毛は抜かずに切ってもらう、肛門腺絞りは別途動物病院で実施する、トリミング後に目薬を差すようお願いするといった改善案があります。
- 痒みが続く場合、獣医師の診療を受けるべきか教えてください。
- あまりにも痒みが長引くようであれば、爪などによって皮膚を傷つけてしまう恐れもあるため、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。また、耳の症状がひどい場合や、お尻を引きずっているときも、獣医師の判断を仰いでください。お尻をずっと気にしている場合、肛門腺絞りの影響かもしれません。肛門腺が固いのと強めに絞るため、肛門周りが赤くなってしまうケースがあるのです。いずれにしても、少しでも不安を覚える症状が見られたら、安易に放置することは避けましょう。
- 痒みに対する動物病院の治療法を教えてください。
- 重度化した皮膚炎に対しては、シャンプー療法や投薬治療などが行われます。食事やサプリメントによって肌をガードする皮脂が作られるよう促し、アレルギーの改善を目指すケースもあります。動物病院を受診すると、自宅でのケアについてもアドバイスがもらえるため、困ったことがあれば、気軽に相談してみましょう。
犬の痒み予防と日常のケア
トリミング後の痒みについて対応できることはありますが、痒み自体の予防が可能であれば、それが一番です。このパートでは、自宅でできる日常的なケアについて、具体的に紹介します。愛犬が快適な毎日を送るために、適切なケア方法を知っておくことは重要です。
- 日常生活で、犬が痒くならないように予防する方法はありますか?
- トリミングの際に毛が絡まっていたり、毛玉があったりすると、バリカンの刃が引っかかってしまい、バリカン負けの原因になります。こうした理由から、日常的にブラッシングするよう心がけ、愛犬の毛をきれいに整えておくことが大切です。とはいえ、無理やり引っ張って毛を整えようとすると、皮膚が傷ついたり、逆に毛玉ができたります。ブラシは犬の毛質や皮膚の状態に合わせたものを選び、全体の毛をゆっくりとかすように、優しくブラッシングしていきましょう。犬の皮膚に直接ブラシが当たらないよう注意を払い、毛の流れに沿ってブラッシングするのもポイントです。特に敏感な部位や皮膚が薄いところは、慎重に手入れしてください。
- 日々の定期的なケアや皮膚のチェックで注意すべきことがあれば教えてください。
- もともと乾燥肌の犬は、シャンプーの使用で皮脂が流れただけでも痒みを感じます。ドライヤーの熱風で皮膚が乾燥し、これが痒みの原因となることも珍しくありません。愛犬の様子を見て、白いフケが目につくようであれば、乾燥肌の可能性が高いでしょう。乾燥を防ぐために、保湿力の高いシャンプーやリンスを使用してください。ペット用の保湿剤にもさまざまな種類があります。なお、犬の健康を保つために飼い主の気配りは欠かせませんが、自宅でできるケアには限界があることも事実です。対策を講じても痒みを繰り返すようであれば、一度動物病院へ足を運び、肌の状態をチェックしてもらうとよいでしょう。
編集部まとめ
どれだけ注意を払っていても、トリミング後に痒みが生じる可能性を完全にゼロにすることは困難です。だからこそ、日頃から飼い主が責任を持って愛犬の健康状態をチェックし、それぞれの犬に合ったケアを行うことが重要になります。また、痒みが治まらないようであれば、自然治癒を期待して放置することは避け、早めに動物病院を受診しましょう。早期の治療が感染症などのリスクを減らし、迅速な回復につながります。