トリミング中に起こる可能性がある事故とは?事故の原因や事故を防ぐ方法、対処法を解説

トリミング中に起こる可能性がある事故とは?事故の原因や事故を防ぐ方法、対処法を解説

おしゃれだけでなく、身体の定期的なメインテナンスや体調の確認を目的として、大切なペットをトリミングに連れて行く方も少なくないでしょう。

定期的に行うトリミングだからこそ、事故なく快適に行ってもらいたいものです。

本記事ではペットのトリミング中の事故と、事故を避けるための注意点、事故が起こってしまった際の対処法を解説します。

大切なペットがより愛くるしい姿で飼い主のもとに戻って来られるよう、参考になれば幸いです。

トリミング中に起こる可能性がある事故について

絆創膏

トリミング中に起こりうる事故にはどのようなものがありますか?
トリミング中に起こりうる事故は以下のようなものが挙げられます。
  • 切り傷
  • 皮膚の炎症・やけど
  • 過度なストレス
  • 骨折や脱臼
  • 死亡

切り傷の事例は、毛玉を切ろうとしてその下にある皮膚も同時に切られてしまうといったものです。傷の深さや場所によって治療期間が長くかかる場合があります。皮膚の炎症の原因のひとつは、シャンプーなどの薬剤がペットにあわないことです。
また、ほかのペットから細菌などが感染する事例があります。やけどは、ドライヤーが原因です。いつもと異なる場所で飼い主ではない方に長時間触れられるトリミングは、ペットにとってストレスとなります。骨折や脱臼は、施術台からの落下などにより引き起こされます。ペット自身の骨や関節の状態などによって受傷しやすさが異なるため注意が必要です。事故の状況によっては、ペットが命を落とす危険もあります。

トリミング中に事故が起こる原因について教えてください。
トリミング中に事故が起こる原因には以下の3つが挙げられます。
  • トリマーの技術不足によるもの
  • 機器の故障や不適切な使用
  • ペットの健康状態とストレス

トリマーが技術や経験が不足しているために引き起こされる事故があります。守るべき手順を抜いてしまったり、ペットの個体差を考慮せず対応してしまったりすることが主な原因です。
機器の故障や不適切な使用の具体的な例は、点検がされていないことや使用期限の切れた機器を使用することです。また、元々持つ疾患やケガのリスクを考慮せず無理にトリミングに連れていくことがペットの身体に負担となり、事故につながります。ストレスを感じたペットがトリミング中に暴れることも、安全性が確保できない事例のひとつです。

ペットが重傷を負うことはありますか?
残念ながら、トリミング中に骨折や脱臼をはじめとした重傷を負うことはあります。切り傷といった一見軽傷に聞こえるものでも傷の深さや部位によっては重傷となることがあります。トリマーは細心の注意を払って施術していますが、重大な事故を防ぐために飼い主もできることを行うことが大切です。

トリミング中の事故を防ぐ方法

チェック

事故を防ぐために飼い主ができることはありますか?
事故を防ぐために飼い主ができることは以下の2点です。
  • ペットの体調管理に努める
  • トリマーとコミュニケーションをとる

1点目は、ペットの体調管理です。トリミングの際、ペットにストレスがかかり、トリミング中やトリミング後に体調を崩すことが少なくありません。慣れていない場所で長時間過ごし、ストレスがかかるためです。体調が優れない状態でトリミングに行くと、より悪化する可能性があります。
ペットがトリミング後も元気に過ごせるように体調を整えておくことは大切であるといえるでしょう。
2点目は、飼い主がトリマーとコミュニケーションをとることです。ペットによって性格や落ち着く体勢、持病や既往症などが異なります。トリマーに対して飼い主が情報を伝えることで、トリマーが注意するべき点を洗い出しやすくなり、ペットにあわせた注意点に留意できます。トリマーと情報交換を密に行える関係性であることが、トリミング中の事故を防ぐことにつながるでしょう。

トリミングを受けるサロンやトリマーの選び方を教えてください
市場規模が拡大するなかで、多様な施設やトリマーを選択するために基本となるのは以下の4点です。
  • 所属するトリマーの技術や資格
  • 施設が清潔
  • 安全性を高める設備を備えている
  • 自宅からの距離が近い

まず1点目に、所属するトリマーの技術や資格を確かめることが大切です。多くの施設では、窓越しにトリミングの様子を確認できます。トリミング中のペットとコミュニケーションをとっているか、ペットに丁寧に触れているかなどが事前に確認できる点です。トリマーの資格は、施術施設のWebページにアクセスするなどの方法で調べられます。
トリマーについて調べると同時に、施設の環境を確認することも大切です。清掃が行き届いているか、整理整頓がされているかを確認しましょう。命を預かる一施設として清潔であるかどうかも選択基準です。
安全性を高めるための設備が備えられているかも確認すべき事項です。滑りにくい床や温度の管理設備、トリミングの際の機器や道具が備えられている施設かどうか確認しましょう。4点目は自宅とトリミング施設との距離です。移動時間が長いとペットに負担がかかります。定期的に利用するため、ペットがストレスなどで体調を崩さない場所の選択が大切です。

動物病院とサロンのトリミングの違いを教えてください
トリミングができる施設として動物病院とサロンが挙げられます。動物病院でのトリミングの特徴は以下の2点です。
  • 病気を患うペットや高齢のペットでも受け入れ可能
  • トラブルがある場合に治療可能

動物病院には獣医がいるため、病気を患っていたり高齢であったりとリスクが高いペットに対してのトリミングをしているところがあります。トリミングと同時に定期的に詳しい健康チェックが受けられる点も魅力のひとつです。医学的なケアにおいて利点があるのが動物病院でのトリミングといえます。一方、サロンでのトリミングの特徴は以下の2点です。

  • 予約がとりやすい
  • カットなどのメニューが豊富

サロンでは健康に大きな問題を抱えていないペットを受け入れるため、時間の空きがあり予約がとりやすいことが特徴のひとつです。2点目に、サロンは美容に特化しているためメニューの種類が豊富にあります。
ペットにとっての機能面を考慮はされますが、デザインカットなどのメニューをもつサロンも少なくないためおしゃれなヘアスタイルにしてもらえるでしょう。また、トリートメントなどの美容目的のメニューがあることも魅力です。

高齢のペットが事故を避けるための注意点を教えてください。
高齢のペットが事故を避けるための注意点は、以下の2点です。
  • 体調に気を配る
  • 施術施設を絞る

まず、高齢のペットは体調を崩しやすいため、トリミング前後の体調の変化を観察する必要があります。体調が優れない場合は予約をキャンセルしましょう。また、事前にトリマーにペットの様子や体調を伝え、事故を避けるための方法を話しあうことも大切です。さらに依頼するメニューや追加オプションを減らして時間を調整することで、長時間のストレスを避けられます。
2点目は、できる限り同じ施設でトリミングしてもらうことです。慣れた環境でトリミングしてもらうことで、受けるストレスの軽減につながります。高齢のペットがトリミングを負担に感じないための配慮が大切です。

子犬がトリミングを受けるときの注意点を教えてください。
生まれて初めてトリミングを受ける際など、子犬がトリミングを受けるときに注意する点は以下の2点です。
  • 体調に気を配る
  • トリミングに徐々に慣れさせる

1点目の注意点として、高齢のペットと同様に体調に気を配りましょう。子犬は成犬よりも免疫力が低く、ストレスを感じやすいため、体調を崩しやすい傾向にあります。獣医師やトリマーに体調を相談し、体調管理のアドバイスを受けることも大切です。
また、ワクチン接種を終えてからトリミングの予約を検討しましょう。2点目はトリミングに徐々に慣れさせることです。具体的にはトリミング前に家族以外の人間が触れることに慣れさせることや、はじめは短時間のトリミングにとどめること、トリミング後のご褒美を与えることなどが挙げられます。知らない場所で家族以外の人間に身体を長時間触られることは、子犬にとってストレスとなります。
定期的に行うトリミングが嫌なものとならないように、準備やアフターフォローが大切です。

トリミングで事故が起こった場合の対処法

ペット

トリミングの事故でペットがケガや死亡した場合の対処法を教えてください。
残念ながら、できる対策をしてもトリミングによる事故を完全に防ぐことは難しいでしょう。事故が起こってしまった場合、まずは事実確認が必要です。トリミングを行った施設にどのような経緯で事故が起こったのか正確に文書にまとめてもらい、報告を受けましょう。
再発予防の取り組みに役立てるためであると同時に、事故の責任の所在、施術費用や治療費用の支払いに関わるためです。深く悲しい気持ちになりますが、事故後の正確な事実確認はスムースな事故処理のために大切です。
トリミングでの事故はペット保険で補償されますか?
トリミング中の事故はペット保険の適用範囲となる場合がほとんどです。事実確認により、トリミング中に起こった出来事がケガや死亡に大きく関わっているとされることが条件となることがあります。
加入している保険によって適用条件や補償範囲が細かく決まっているため、トリミング施設と飼い主との両方が、自身の加入する保険の契約内容の正確な把握が大切です。

編集部まとめ

飼い主と犬

本記事では、ペットのトリミング中の事故や事故防止の注意点、事故後の対処法を解説しました。

トリミングはペットにとって定期的な身体のメインテナンスとなる一方で、ストレスがかかるなど体調への負担がかかる行為でもあります。

万が一トリミング中に事故が起こってしまった場合は、正確な事実確認を行い対処することが大切です。

飼い主がペットの体調に配慮しトリマーと連携をとることで、ペットにとって快適に、事故なく施術を終えられるでしょう。

この記事がトリミングの事故防止や事故発生時の対処につながれば幸いです。

参考文献